(吉田豪)「不良というのは普通の社会では受け入れられない。でも魅力的なの。ショーケンって女が寄ってくる匂いを持っていて、すごくモテる。そのせいか、悪いことをしても不良で仕方がないって思ってしまう。ショーケンがあまりにも品行方正になって清々しくなってしまったら、ショーケンではなくなってしまう。ショーケンが普通になったら面倒を見る気がなくなるかもしれません。バカなことをいっぱいするけど、やっぱりかわいいし腹も立たない」って。まあ、こういう風に……。
(小島慶子)かっこよければいいんだ。
(吉田豪)そんな感じですね(笑)。
(小島慶子)フフフ(笑)。
(ピエール瀧)でも、平たく言うとそういうことでしょう? かっこよくて魅力があればなにしてもいいって。
(吉田豪)「しょうがないな」で済ましちゃうっていうことなんですよ。
(小島慶子)まあ、それぐらい溺愛してしまうぐらい、側にいると人間的な魅力が……寂聴さんにとっては男性としても人間としても魅力があったっていうことなんですね。でも、28歳違いよ?
(吉田豪)ただ、このへんのやり取りを見てもわかりますけど、全然不良をすすめているわけじゃないんですよ。「不良のショーケンが素敵だ」って言っているだけなんですね。
(小島慶子)『ショーケンさんがかわいい」っていうね。
(吉田豪)そうですね。
(ピエール瀧)本来なら寂聴さんもそういうところは遮断しなくちゃいけないようなところにいるはずなのに……。でも、逆にそこも持っていっちゃうっていう。
(吉田豪)「最高!」ってなっちゃうっていう。そうなんですよ。で、乙女としてどんどんとメロメロになっていって。
(小島慶子)寂聴さん、素敵ですね。その正直なところが。
(吉田豪)そうです。で、中の対談とかでたとえばショーケンさんがね、今後役者としてやっていくみたいな感じで。言うわけですよ。「ショーケンはいまも映画を大事に思っているんでしょう? 映画監督の中でこの人は忘れられないっていう人は誰?」とか映画の話をさんざんしていたんですけど、突然ですよ。いきなり。「それからもうひとつ、聞きたいことがあった。思い出した!」っていうような感じで。映画の話かと思ったら「この前、電話で『この頃、あっちがダメになった』って言っていたけど、会ってみればダメじゃなさそう。付き合っている人は?」とか。まあ、下半身事情を聞き始めるんですよ(笑)。
(小島慶子)フハハハハハハッ!
(ピエール瀧)「会ってみればダメじゃなさそう」ってなにを根拠に?(笑)。
(吉田豪)「まだギラギラしてるわね!」みたいな?(笑)。
(小島慶子)どのへんを見て判断されたのか(笑)。ああ、そうですかー。
(吉田豪)でも、まあダメになった的な感じで。セックスレスらしいんですよ。ショーケンさんね。で、ショーケンさん曰く「セックスしない方が結構スケベになるよ。いやらしいよ」っていうと、負けじと返すわけですよ。「うん、いやらしい。私なんか51からしていないからスケベよ!」って(笑)。言わないでいいんですよ、それ(笑)。
(小島慶子)フハハハハハハッ! 素敵! 私、大好きですね(笑)。
(ピエール瀧)逆に言えば、51までしてたっていうことですからね。ギンギンにね。
(小島慶子)まあ、そうですね。でも51なんて女性盛りですからね。
(ピエール瀧)なるほど。
(小島慶子)その後、出家してからずっとしていないから……(笑)。
(吉田豪)ギラギラしているわけですよ。そりゃあもうショーケンの魅力にメロメロになりますよ。
(小島慶子)満たされないだけに、とどまるところを知らない(笑)。
(吉田豪)はいはい。忘れかけたたまらないものが目の前に……(笑)。
(ピエール瀧)まあ、正直でいいですよね。
(小島慶子)寂聴さん、だって87歳か。かっこいいなー!
(吉田豪)36年ですね。最後にしてから。
(小島慶子)私が司会をさせていただいたライブでもおっしゃっていましたよ。前にこの番組でも言いましたけども。「結婚してから違う人を好きになってしまったとか、いまの彼じゃない人を好きになっちゃったという悩みをよく受けるけど、恋っていうのはね、雷と一緒だから避けれないの。だからそれを避けようとかなんとかしようとしたってしょうがない。打たれたものはしょうがない」って断言していましたよ(笑)。
(吉田豪)だいたい「しょうがない」で済ませますよね(笑)。
(ピエール瀧)いいね。「しょうがない」(笑)。これからまた世界に羽ばたいていってほしいですね。
(小島慶子)「もったいない」の次は「しょうがない」(笑)。
瀬戸内寂聴とガンジス川
(吉田豪)そしてもう1個、明らかになるのは寂聴さんがスケベな理由。これ、87歳になってまでなぜスケベでいられるのか? その答えはガンジス川にあったっぽいんですよね。かつて、テレビの仕事でインドに行って、ガンジス川に沐浴というか、入ったらしいんですよ。で、その後、帰国後。「もう大変。ずっとハイで調子がいい」って。
(小島慶子)へー!
(吉田豪)なんかガンジス川に入るとぜんぜん違うらしくて。一緒に入った男性カメラマンに「一緒に入ったのはあなただけだったけど、どう? 私はハイで大変よ」って聞くと、そのカメラマンは「カメラを持っているから下半身しか入っていないけど、女房がすごく喜んでいます」っていう。
(小島慶子)ええっ? そういうご利益があるの?
(吉田豪)精力をUPさせる力があるらしいんですよ。
(ピエール瀧)僕、ガンジス川はほとりまでは行きましたけど……とてもじゃないけど入る気になりませんでしたよ!
(小島慶子)ああ、なかなかね、共感する部分が多くないとね。いろんなものが流れてますからね。心が一緒にならないと。でも、寂聴さんはどこまで入ったんだろう? 首まで?
(吉田豪)寂聴さんはいよいよガンジス川に入ろうっていう時に、あんまりにも汚いんでためらっていたらしいんですよ。そしたら向こうから遊覧船が来て、日本人の観光客がいっぱい乗っていて、「寂聴さんがいる!」ってワイワイ騒いでいて。「船がどんどんこっちに来るから見られるのが嫌で、恥ずかしいからズボッと頭から川に入った」っていう(笑)。
(小島慶子)フハハハハハハッ! 川に隠れたんだ?
(吉田豪)下半身だけでもそんなにヤバいのが、全身完全に入っちゃったんですよ。
(小島慶子)頭もね(笑)。
(ピエール瀧)もう上がってきたら全身ピンク色でしょう?(笑)。
(吉田豪)フハハハハハハッ!
(小島慶子)カワイルカみたいな。あ、それはアマゾンか(笑)。そうなんだー。
(吉田豪)ということが原因なんじゃないかって。
(ピエール瀧)ガンジス川のせいだと。
(小島慶子)でもね、寂聴さんって本当にお肌もきれいでね。で、声も女性らしくて、仕草も女らしくて。それがすごくお色気ムンムンみたいな感じではなく、乾いた感じで。でもなんかとてもこの方って女性らしいなって。憧れの80代ですね、私は。
(吉田豪)ですか。じゃあ、ガンジス川に入ってみたらどうですか?
(小島慶子)頭からね(笑)。
(ピエール瀧)そうですよ。やってみましょう?(笑)。
(小島慶子)で、その火照った体を私は持て余すわけですね?
(吉田豪)持て余したのをラジオにぶつける感じの(笑)。面白い暴走ぶりで楽しく(笑)。
(小島慶子)フフフ、それでショーケンさんみたいな人を探せばいいわけですか。28歳年下の。で、ショーケンさんからすると寂聴さんはどんな存在なんですかね? お母さんみたいな?
(吉田豪)そうですね。お母さんが亡くなっているんで。ちょうど捕まっている時に亡くなったっていうのもあって。入れかわるように寂聴さんがそこに入ってくるわけですよ。母親代わり的な。
(小島慶子)じゃあ、ショーケンさんとしても甘えたいし、ちょっとかわいいし。愛おしくもなくもないみたいな?
(吉田豪)なんでしょうね。
(ピエール瀧)でもショーケンぐらいのぶっ飛んだ感じだと、それを受け止める女の人にもそれぐらいの幅というか。ぶっ飛んでないと無理でしょう。やっぱり。
(小島慶子)そうなんでしょうね。寂聴さんぐらいの方じゃないとショーケンさんは。
(吉田豪)読んだ結果、本当に「寂聴さんの方が不良だな」っていう気しかしないですからね。
(小島慶子)フフフ(笑)。
(吉田豪)ショーケンさん、最近ダイエットしていて。食事もものすごい制限してますけど、寂聴さんは肉大好きとか(笑)。
(小島慶子)アハハハハハハッ!
(ピエール瀧)1日に何十キロとかすごい歩いてますもんね。
(吉田豪)そうですね。四国をガンガン歩いたりしていますけど、寂聴さんはやったことがないって言ってますね。そういうの(笑)。ぜんぜん不良なんですよ、寂聴(笑)。
(小島慶子)いやー、恐るべし。瀬戸内寂聴さん、憧れですよ。私、寂聴さんのおっしゃった言葉を信じているんだ。「最近は女盛りは60から」だって。
(ピエール瀧)マジですか?
(小島慶子)うん。「うわあ、まだだいぶある」って思ってね。
(ピエール瀧)ひよっこじゃないですか。
(小島慶子)まだひよっこよ。
(吉田豪)生まれてないですね。
(小島慶子)もう処女も同然!(笑)。
(吉田豪)フフフ(笑)。
(小島慶子)これからがんばろう。ありがとうございました!(笑)。今日は吉田豪さんに瀬戸内寂聴さんと萩原健一の共著『不良のススメ』をご紹介いただきました。
<書き起こしおわり>
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