安住紳一郎と大山顕 2019年最新マンションポエム事情を語る

安住紳一郎と大山顕 2019年最新マンションポエム事情を語る 安住紳一郎の日曜天国

(大山顕)びっくりしました。南青山に児童相談所ができるっていうのでいろいろと話題になりましたよね。僕はあれについてあれこれと言いたいわけではまったくなくて。あの事件というか出来事をきっかけに、そういえば青山のこのプライドの高さっていうのは絶対にマンションポエムにも現れているんじゃないか?って思いまして。僕のアーカイブの中から青山を検索しまして。

(安住紳一郎)さすが!

(大山顕)いっぱいあるんですよ。僕のハードディスク、マンションポエムの画像でいっぱいなわけですよ。で、こう調べたわけですね。それで見たらちょっとびっくりすることがありまして。たとえばここ、2つぐらいご紹介しますが。「都心がそっと守り続けた地に描く静謐の私邸」。もうひとつ。「由緒正しき屋敷町の系譜を引き継ぎ、おだやかにあり続ける高台という価値」。これ、何の二文字がないか、わかりますか?

(安住紳一郎)これは、はっきりと「青山」って言っていないんですね。

(大山顕)そうなんです!

(安住紳一郎)言えばいいのに……っていう。

(大山顕)そうなんです。たとえば近くの六本木とか白金といった高級住宅街にはかならず地名が出てくるんですね。たとえば六本木だと「東京を手中にする六本木にタワーライフの創造」。まあ「東京を手中にする」というのもなかなか不穏な、応仁の乱的なね、まあマンションポエムは「世界征服系」って僕が呼んでいる手中にしたり、掌中におさめたりしがちなんですけども。

(中澤有美子)フフフ、しがち(笑)。

(大山顕)まあ、六本木で東京を手中にする。

(安住紳一郎)雰囲気はわかりますね。

(大山顕)まあ「六本木」って言っていますしね。あとは白金だと「迎賓の要、それは知られざる白金の本質」。だから六本木とか白金だと「六本木で……」「白金だ……」っていうことを言わないわけがないということだけど、青山は言わないんですよ。

(安住紳一郎)もうあれなんですかね? 言うのがちょっともう?

(大山顕)「言うのも恥ずかしいわ」っていうぐらいのプライドの高さっていうか。「青山って言ったらわかるでしょ?」っていう。

(安住紳一郎)うん。トゥーマッチ的な感じなんですね。

あえて「青山」と言う必要はない

(大山顕)「マンション名に青山って入っているんだから、それ以上は言う必要がないじゃないか」って。それの究極のやつがありまして。これ、すごいですよ。青山のマンションポエムです。「世界は曲線でできている」。

(安住紳一郎)ん? えっ、それだけ?

(大山顕)これ、マンションポエムですよ。なんの広告かわからないじゃないですか。で、これに続いてこの後は「もっとも人の身体に近いところで寄り添うもの。それは布。布から建築へ」。

(安住紳一郎)あらー。

(大山顕)青山、こうなんですよ。だからね、もう青山は立地とか徒歩○分とかじゃない。布なんだっていう。

(中澤有美子)アハハハハハッ!

(安住紳一郎)なるほど。

(大山顕)これね、僕はほぼ蒲田のマンションポエムかと思いましたよ。ユザワヤ的なね。ほぼ、ユザワヤの広告ですよ。

(安住紳一郎)「身体に近いところで寄り添うもの、それはタオルケット」でもね。

(大山顕)そうそう。「キルティング」とか。「ボタン」「糸」……(笑)。違うんですよ。青山のマンションポエムは。これね、かなり浮世離れした……ここまで浮世離れしたポエムはなかなかなくて、さすが青山だなって。

(安住紳一郎)やっぱりプライドがありすぎるんで、逆にアンダーステイトメントっていうか、ひけらかしちゃいけないっていう。

(大山顕)「青山」っていうのはマンションの名前についているだけで十分。こういうのは他に言いたいことがあるっていう。

(安住紳一郎)なるほど。それはでもたしかにあるかもしれないですね。あんまり青山ぐらいのご立派さだと、「青山、青山」って言われるとちょっと違うんだみたいな。

(中澤有美子)安っぽくなっちゃう。

(安住紳一郎)「学校、どちらですか?」「ああ、まあ一応本郷の学校に通っていました」みたいな。「あえて俺、『東大』とは言わないよ」みたいな感じのところ、ありますよね。

(大山顕)そういうことですよ。

(安住紳一郎)ちょっと斬れる刀を見せちゃうと、みんなびっくりしちゃうから。「ああ、ちょっと本郷の方で4年ほど勉強を……」みたいな。

(大山顕)もうね、王者の風格ですよね。

(安住紳一郎)はー! たしかに。青山、やっぱりそういう傾向が強い?

(大山顕)強いですね。あの、王者の風格っていま言いましたけど、やっぱりちょっと僕が面白いなと思うのはマンションって当然住宅なわけなんですけど、こういうのもありました。「住まう方をまるでゲストや主として考え、様々なライフシーンでもてなしを尽くす」っていう。だから住民じゃなくて、マンションに住む人はゲストであるという。そういうことをうたっていて。もはやなんていうか、街に住むことがお客様として迎えられるっていうことがブランドとしてだんだん格調高くなっていく原因というか。まあどっちが先かはわかりませんけども。やっぱりお金持ちにもなった。青山にマンションを買えるってなったら、みなさんは「お邪魔します」っていう感じで行くんでしょうね。

(安住紳一郎)そうですね。いや、でもたしかに青山には憧れる気持ちはわかりますね。うん。

(大山顕)マンションポエム、僕がすごいなと思ったのは、マンションポエムってそういう我々がなんとなく感じている「青山ってこういう感じだよね」っていうのを見事にすくい上げて、多少大げさな言い方ではありますけどそれをわかりやすい形でうたいあげている。マンションポエムはやっぱりみなさん、じっくり読んだほうがいいぞっていうことですね。

(安住紳一郎)いいですねー。さて、大山顕さんのマンションポエム考察第三弾。江東区が熱い。これは? 江東区というと、門前仲町、あとは東陽町ですか。

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