安住紳一郎 谷村新司を追悼する

安住紳一郎 谷村新司を追悼する 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2023年10月22日放送のニッポン放送『安住紳一郎の日曜天国』の中で亡くなった谷村新司さんを追悼。1年前の谷村新司さんのゲスト出演時の音源を聞きながら、思い出を話していました。

(安住紳一郎)それから、今週は訃報が続きましたね。俳優、コメディアンとして活躍された財津一郎さん。そして歌手の谷村新司さんが亡くなりました。本当にね、私もショックを受けています。谷村さんは文化放送で『セイ!ヤング』。そしてその前はMBS、大阪ですね。毎日放送でヤンタン、『ヤングタウン』でラジオDJとしても本当に大活躍でしたよね。私たちラジオ局で働く人間にとっては本当に家本、教科書。谷村さんが作ったラジオのフォーマットをそのままね、私たちも使っているということがたくさん、そういうケースがあります。

この番組にも去年の3月、ゲストとして出てくださいました。少しね、私がゲストコーナーで谷村さんに対して緊張しているっていう、そんな感じの声色も確認できる、そんな時間になりましたが。谷村さんのゲストコーナーをここで改めて録音でお聞きいただきたいと思います。

<音源スタート>

(安住紳一郎)それでは、今日のゲストです。谷村新司さんです。おはようございます。

(谷村新司)おはようございます。

(安住紳一郎)よろしくお願いします。

(谷村新司)よろしくお願いします!

(安住紳一郎)いやー、嬉しいです。

(中澤有美子)ようこそ、お越しくださいました。

(谷村新司)今、聞きながらやってきました。

(安住紳一郎)恥ずかしいよ(笑)。

(谷村新司)この番組、リスナーのお便りがすごくいいですね。みんな。

(安住紳一郎)あらっ!

(谷村新司)もう感動しつつ。「これに今から出るんだな」って思いながら、ちょっと盛り上がってきました(笑)。

(安住紳一郎)いや、ありがとうございます! 谷村新司さんというとね、文化放送の『セイ!ヤング』のファンの時代の方もたぶんいらっしゃると思いますけども。

(谷村新司)そうですね。あの頃のラジオ聞いて育ってくれた方が今、本人がしゃべってらっしゃる方がずいぶん……伊集院くんとかも含めてね、多いんで。なんか、ラジオで会えると嬉しいですね(笑)。

(安住紳一郎)天才、秀才、バカでしたっけ? もう、ラジオの雛形ですよ。

(谷村新司)今、ほとんど放送できないですけどね(笑)。あの頃だから許されてたっていう感じの放送でしたね。

声を張らずにおもしろいことを言う

(安住紳一郎)また、谷村さんのお話が面白いんですよ。ええ。もう、びっくりしちゃうから。声を張らずにおもしろいことを言ったりするからね。もう、本当に(笑)。

(谷村新司)あの、張らない方が実はおもしろいんですよね。ついつい声を張っちゃうんですよ。「ここ!」っていうところで。人間の心理は。

(安住紳一郎)そうですよね。ええ。

(谷村新司)でも、ラジオって特に、張らない方がおかしい。

(安住紳一郎)そうですよね。ちょっと聞き取れないぐらいな感じで。

(谷村新司)ボソボソボソッと。

(安住紳一郎)最高ですよね(笑)。去年の11月に服部克久さんのメモリアルコンサートがあって。ちょっとご一緒したんですけども。谷村さん、もう全然、聞き取れるか聞き取れないかぐらいのボソボソッとしたしゃべりで会場がドッカンドッカン沸いているんですよ。それを横から見て「なんだ、このローマ法王みたいな人は?」って思って。

(谷村新司)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)もう全ワードがドンピシャで刺さっているから。

(谷村新司)あれはね、服部克久さんのメモリアルだったんで、あんまりドッカンドッカン来るような内容じゃなかったんですけどもね。まあ、それなりに皆さんに喜んでもらえるように……と(笑)。

(中澤有美子)すごーい!

(安住紳一郎)素晴らしいコンサートでしたけどね。

(谷村新司)素晴らしかったですね。

(安住紳一郎)で、たくさんのプレイヤーたちが集まっちゃったんで。楽屋が足りなくなっちゃって。もう普通だと大応接室を取らなきゃいけないような大歌手の皆さん方がひとつの楽屋とかに入っちゃっていて。私も楽屋の貼りを見てびっくりしちゃって。谷村新司さんとさだまさしさんと松山千春さんが小さなひとつの楽屋を使っているんですよ?(笑)。

(谷村新司)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)「この3人が一緒にいるの!?」なんて(笑)。

(谷村新司)いや、すごく新鮮でした。あれはあれですごく楽しかったですね。

(安住紳一郎)で、見てるとなんかちょっと間が持たなくて。なんかちょいちょい出てくるんですよ(笑)。

(谷村新司)深呼吸をしてね(笑)。もうだいたい、さだまさしがずっとしゃべってますから。ずっと聞き手になるしかないという楽屋でした(笑)。

(中澤有美子)おもしろーい(笑)。

(安住紳一郎)なんか、有名な人を呼んだけど全然、お客さん入らなくてっていう。

(谷村新司)ああ、ジェームス・ブラウンですよ。

(安住紳一郎)ジェームス・ブラウンでお客さん、入らなかったんですか?

(谷村新司)はい。当時、早すぎたんです。

(安住紳一郎)早すぎた?

(谷村新司)はい。ロックが全盛の頃にJBを呼ぼうって言うんで、大阪フェスティバルホールにジェームス・ブラウン、来てくれたんですけれども。お客さん、200人ぐらいしか入らなくて。

(安住紳一郎)ええっ?

(谷村新司)それで、ステージはめっちゃくちゃ良かったんですよ。ジェームス・ブラウンが。で、僕らも客席にいて、盛り上げにサクラで入ってたんです。お客さん、少ないんで。そしたらジェームス・ブラウンって、終わる時に必ずステージでバタッと倒れるんですよね。構成上ね。それでそこにアシスタントが来て、マントをかけて。それでそのまま抱えるようにして袖に引っ込むんですよ。

(安住紳一郎)そういうプログラムなんですね。

(谷村新司)そうなんです。そうすると客席から「カモン、JB!」ってみんなで叫ぶと、今度は違うマントの色を着て。何回かアンコールで、7回ぐらい出てくるっていう。

(安住紳一郎)7回も?(笑)。

(谷村新司)それも僕ら、知ってたんで。「カモン、JB! カモン、JB!」って言っていたんですけども、ジェームス・ブラウン、チラッと見えたんですけども……「✕」を出してました(笑)。

(安住紳一郎)フハハハハハハハハッ! 嘘だ?(笑)。

(谷村新司)「今日は勘弁」みたいな感じで(笑)。

(中澤有美子)「もう嫌だ」と。

(谷村新司)でも2、3回、出てきてくれましたけど。「もうやめようよ」みたいな(笑)。

ジェームス・ブラウン、マントショー拒否

(安住紳一郎)リサイタルは、4月8日と9日は東京国立劇場。ちょうど桜の季節で。

(谷村新司)そうなんですよ。毎年、桜の花の下で、8日、9日だからちょうどいい具合かなと。

(安住紳一郎)東京にお住まいの方は国立劇場。ちょうど半蔵門のあそこの、本当に桜の名所で。皇居の桜も見えるし、国立劇場のちょっとね、枝の低い桜が。

(谷村新司)もう一斉に咲くんですよね。まさにもう「桜吹雪のサライの空」ですよ(笑)。

(安住紳一郎)谷村新司さんのリサイタル、一生に一度行きたいじゃないですか。うん。

(中澤有美子)本当にそうです。

(安住紳一郎)いいですよ?

(谷村新司)桜の舞う中でね中でね。

(安住紳一郎)もう本当に、至れり尽くせりの演出だと思いますよ(笑)。

(谷村新司)今、準備しております!

(安住紳一郎)今日のゲストは谷村新司さんでした。どうもありがとうございました。

(谷村新司)はい。ありがとうございました。

<音源おわり>

(安住紳一郎)谷村新司さんをお迎えした去年3月の録音をお聞きいただきました。ちょうど去年のコンサートは、この放送の後でしたね。4月でしたね。4月の8日、9日だったと思いますが。ちょうど東京千代田区・国立劇場のコンサートということで、その時の話が出てきました。国立劇場のね、桜を見るとまた、これから谷村さんのことを思い出すだろうなと思いながら今、聞いていましたが。谷村さんの声ですね。目をつぶれば本当に優しい顔が浮かびます。それでは、私の大好きな1曲。アリス、『今はもうだれも』。

アリス『今はもうだれも』

(安住紳一郎)アリスで『今はもうだれも』をお聞きいただきました。

<書き起こしおわり>

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