ハライチ岩井 藤子不二雄A展を語る

ハライチ岩井 藤子不二雄A展を語る ハライチのターン

(岩井勇気)もうなんかさ、部屋の手前のあたりからギラギラしてんの。なんか。で、入ってみたら柵があって。その奥のステージみたいなところに『笑ゥせぇるすまん』のスロット台が3台置いてあるだけなの(笑)。

(澤部佑)フハハハハハハッ! いや、それは……なんだろうね?

(岩井勇気)で、なんか他の客も「なに、この部屋……」みたいな。なんかギラギラしているから行ってみたら、『笑ゥせぇるすまん』のスロット台が光ってるの。めっちゃ。

(澤部佑)ええっ? なんで?

(岩井勇気)わかんない。「なんなの、この部屋……?」って。

(澤部佑)見せたかったのかね、いちばん(笑)。スロット台を。

(岩井勇気)歴代の。『笑ゥせぇるすまん』のスロット台が3台、置いてあるのよ。

(澤部佑)やっぱり自慢の1台なんだろうね。

(岩井勇気)もうこの部屋だけ、なんか裏スロみたいな(笑)。

(澤部佑)部屋に通されると打てる(笑)。

(岩井勇気)打てる(笑)。レートの高いスロットを(笑)。みたいな感じになって。で、その奥の最後の部屋ですよ。

(澤部佑)さらに奥。うん。

藤子不二雄A展 最後の展示

(岩井勇気)壁にさ、もう『笑ゥせぇるすまん』の漫画が1話、丸々貼ってあるのがあるんだけど。で、読めるんだよ。展望台のさ、ところでやっているから。だから展望台のところの話なの。なんか。

(澤部佑)ああ、ちょっと合わせてというか。うん。

(岩井勇気)展望台にいた男みたいなのがいて。で、展望台から望遠鏡みたいなの、あるじゃん? それを見ているんだよ。街を。

(澤部佑)その男が。

(岩井勇気)で、見ていたら、ずーっとそいつは好きな女の子のことをそれで見ているの。でも、見てるしかできないやつなんだよ。引っ込み思案なやつで。いつも、だから接触はできていない女の子なんだけど、ずーっと好きでいる。でも、いつもこの展望台に来て見ているんです、みたいな感じで見ていたら、その女の子の後ろにいたでっかい顔の喪黒福造がバーン!って映るんだけど。そしたらその男が「うわっ!」ってなるのよ。

(澤部佑)うん。

(岩井勇気)そしたら「フォッフォッフォッ」みたいな感じで次の瞬間には喪黒福造が後ろにいるのね。「うわっ! さっきの人!」みたいになってさ。「なんでこんなところで見てらっしゃるんですか?」みたいな。喪黒福造が。

(澤部佑)いいねえ。始まってきたね。

(岩井勇気)で、「いや、好きで……」「でも、そんなのでは。接触をしないと。勇気を出してください」みたいに言うわけ。で、そそのかすんだよ。で、「望遠鏡をご覧ください」って。そしたらその女の人がさ、家に帰っていって。で、家に入るんだよ。そしたら、「いま、あの女性は一人きりで家にいますから。告白しに行ったらいいんじゃないでしょうか?」みたいなことをおだてておだてて。それでやるんだよ。

(澤部佑)いつもそういうの、やるよね。喪黒福造は。

(岩井勇気)そして「じゃあ、行きます!」ってバーッと行くんだけどさ。そしたらさ、喪黒福造が電話をかけだすのね。

(澤部佑)うん。

(岩井勇気)そしたら、実はその女の子がヤクザの組長の女なの。で、その組長に喪黒福造が電話をかけて、「いまあなたの女の家に知らない男が行きましたよ」って言って。で、「なに!」ってなって、そのヤクザの組長がブワーッて行って、その男をボコボコにして。それを望遠鏡で喪黒福造が見て「フォッフォッフォッ」みたいに言っているんだけど……無慈悲すぎない?(笑)。

(澤部佑)フハハハハハハハッ!

(岩井勇気)ひどすぎない?(笑)。

(澤部佑)なに、その話? 本当にあるやつでしょ、でも?

(岩井勇気)そうそう。「えっ、なにこれ?」ってなって。「いや、怖い怖い……」って。で、その回に至っては「ドーン!」とかもないのよ。ただただ騙して、ボコボコにされているのを見ているのよ。

(澤部佑)ええーっ!? 怖っ!

(岩井勇気)わけわかんないでしょう?

(澤部佑)わけわかんない。うん。ちょっとどこかで毎回、何かしらの教訓とかあるじゃない?

(岩井勇気)いや、そういうことじゃないじゃん。なにかを与えてあげて、「これだけはやらないでくださいね」っていうのを言うけど、調子に乗って守らなかったら「ドーン!」って。

(澤部佑)で、「人間っていうのは愚かですね」って。

(岩井勇気)ただ、ハメただけ(笑)。

(澤部佑)気分悪いね(笑)。

(岩井勇気)「なんなの?」とかって思って。「うわっ!」ってなって最後、その展示が終わるんだけど(笑)。

(澤部佑)フフフ、嫌な気持ちになって。

(岩井勇気)だから、そのA展を全体的に見ると、なんか「すごいな」って思うけど、なんかA先生のことをちょっとだけ嫌いになるっていう(笑)。

(澤部佑)フハハハハハハハッ! それこそがもうA先生の……。

(岩井勇気)後味悪いのよ、なんか全体的に。

(澤部佑)それなんだろうね。良さは。

(岩井勇気)そうなのかもしれない。クセになるのかもしれないね。これがね。

(澤部佑)いいねえ。いいやつだね、それ。いい会。

(岩井勇気)「いい会」っていうか、ヤバいけどね(笑)。

(CM明け)

(澤部佑)もう(藤子不二雄A展は)終わっちゃっているんだもんね。

(岩井勇気)なんか、どっかでやっているのかな? 場所を移して、かもね。

(澤部佑)ちょっと見たくなっちゃうね。

(岩井勇気)面白いけどね。スロットの部屋だけ、マジで意味がわからないけど。

(澤部佑)スロットの部屋はたしかに。好きなのかな? A先生が。

(岩井勇気)スロット、好きなのかな? でも、ヒットしたんだよね。たぶん。『笑ゥせぇるすまん』のスロットって結構ヒットしたんだよ。

(澤部佑)ああ、なるほどね。いや、その最後の作品も見たいしな。

(岩井勇気)最後、本当に「A先生のやりたいことはこういうことなんだ」って思ったけどね。

(澤部佑)それ、『笑ゥせぇるすまん』の初期なのかな?

(岩井勇気)でも、全体を通して結構こういう話、あるよ。だから本当にアニメになっているのは教訓みたいなのが入っているけど、漫画の方は……。

(澤部佑)たしかになんか、おかしいもんね。

(岩井勇気)だから理不尽が好きなんだよ。

(澤部佑)だから「あの家に行きなさい」ってその男が向かって行っちゃった時、それを聞いた時に俺もびっくりしたよ。いや、すごいな。やっぱり。

(岩井勇気)そうなんだよね。残虐だよね。

(澤部佑)フフフ、残虐だね。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/54944

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