星野源『Present』を語る

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星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でアルバム『POP VIRUS』についてトーク。アルバム収録曲の『Present』について話していました。

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(星野源)『星野源オールナイトニッポン』、今夜はですね、2019年一発目の放送ということで。昨年からですね、ちょっと続いておりました『POP VIRUS』、星野源のニューアルバムの中から楽曲を1曲かけて、それを解説していこうというコーナーでございます。いやー、先ほどもちょっと発表されましたが、本日付のオリコン週間アルバム、そしてデジタルアルバムランキングにてニューアルバム『POP VIRUS』が3週連続1位獲得しました。ありがとうございます!

ねえ。本当にありがとうございます。もうね、これは本当に嬉しいんですよ。なんていうか、なんだろうな。もうあのパッケージから、もちろん音の隅々まで「こういうの作りたいな、ああいうの作りたいな。これ、難しいだろうな。でもやりたいな」みたいな、そういうウネウネした、本当に不安定な道をずーっと歩いてきたような1年だったんで。2018年が。

それがですね、こういう本当に本当にたくさんの方々の手に届くという結果になってですね、僕は本当に嬉しいです。ありがとうございます。そんなわけで今日はですね、1曲。『Present』という曲をかけて、その話をちょっとしていこうと思うわけですが。先にちょっとメールを読んでいきましょうかね。岩手県の方。「『POP VIRUS』、楽しく聞かせていただいております。どの曲も最高で大好きなのですが、僕は特に『Present』が大好きです。初めて聞いた時、重厚なチェロのイントロや前半の歌詞から暗い曲なのかなと思いましたが、曲の終盤の曲調や歌詞に使われている言葉には明るい印象を持ちました。

暗い気分の時と明るい気分の時で曲の感じ方が変わりそうだなと思ったので、もっと聞き込みたいと思います」。ありがとうございます。東京都の方。「『Present』、最高です。最初タイトルを聞いた時は『贈り物』のプレゼントだと思ったのですが、曲を聞いた時になんか意味が違うかも? と思って調べてみたら『現代』という意味があることを知りました。このプレゼントは現代という意味でいいのでしょうか? 源さん、教えて下さい」というね。ありがとうございます。

神奈川県の方。「『POP VIRUS』、発売以来毎日鬼リピしています。6曲目の『Present』、普段全くJ-POPを聞かない主人がイントロを聞いて『うわっ、このチェロいいね。鳥肌立った』と言っていました。後半の大サビで歌詞の通り、一気に光がさしていく様子が目に浮かんで私自身も光に包まれていくような気分になります。私事ですが、私は若かりし頃、音楽の道を志していました。結局叶えられずに結婚・出産をし、育児に追われる毎日でしたが、何らかの形で音楽に関わる仕事がしたいという思いを諦められず、現在35歳、2人の子育て中という身ですがリトミック講師の資格を取得すべく、思い切って講師養成校に通い始めました」。リトミックってなんだろう? ちょっと後で調べてみよう。

「……音大出身者がほとんどの中、私にできるのだろうか? 無謀な挑戦をしているのでは? と不安に思うこともありましたが、『Present』を聞いて、選んだ道をとにかく進んでみようと思いました。リトミックはクラシック音楽の基礎をメインに扱うことが多いのですが、資格を取って講師になれたら私は子供たちにクラシックだけではなく、源くんの曲のように様々なジャンルのリズムやビート、コード進行を体験させてあげたいなと思っています。この曲を励みに勉強頑張ります。素晴らしい曲をありがとうございました」という。ああ、こちらこそ。ありがとうございます。

群馬県の方。「『POP VIRUS』、毎日鬼リピしています。特に『Present』が大好きなんですが、質問があります。サビに『サーッ』と鳴っているのは何の楽器の音ですか? 気になったので教えていただけるとうれしいです」。ありがとうございます。じゃあ、ちょっと諸々メールをご紹介しましたが、1回曲をかけてからお話をしていきましょうかね。それでは、発売中の星野源5枚目のアルバム『POP VIRUS』の中に収録されている曲です。星野源で『Present』。

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星野源『Present』

はい、お送りしたのは星野源で『Present』でした。ニューアルバム『POP VIRUS』に収録されております。このお話をちょっとしていこうかなと思うんですが、何から話そうかな? ええと、この曲はですね、順番的には結構古い曲で。いつだっけな? 2016年の春前ぐらいにできた曲なんです。なんで、だから『恋』とかよりも全然前の曲で、『YELLOW DANCER』を作った割と数ヶ月後に『Continues』とかと一緒の時期に作った曲ですね。特にリリースとかは関係なく曲を作ってみようという、そういう気持ちで作った曲の中のひとつでした。

でも、歌詞とかはその時に書けてなかったので。でもその時に作ってはみたものの、なんとなく「いまじゃないな。いま出す曲じゃないな」と思ったので、とりあえず置いておいたんですけど。で、今回アルバムを作るってなった時に、それをちょっと聞き直してみようって思って聞き直してみたら、もうまさにこのアルバムにピッタリな感じだなと。「いまだな!」という風にすごく思ったので、この楽曲をちゃんと録音しよう、レコーディングしようと思いました。

んで、歌詞とかはなんか明確に「こういう、これの曲です!」みたいなのは特にないっちゃあないんですけど、いろいろ……「いろいろあったよ」みたいな話をしたじゃないですか。この番組でも何度か。まあ2017年がちょっとね大変でした、みたいな。そこからの2018年、どう自分を変えていくか。どういう風に前向きになっていくか、みたいな1年だったんですけど。そういう自分が感じた、なんか言葉にできない息苦しさとか辛さ、嫌な感じ、悲しさ。なんかそういうものがいちばんすごく表すことができるんじゃないかなって思った楽曲でした。

で、なぜかと言うと、最後の下り。最後のね、さっきメールでもいただきましたけど。「雲が本当に晴れて光が差していくようだ」という。その感じを本当に聞き直した時に、「アルバム曲にどうかな?」はなんつって久しぶりに、2年ぶりぐらいに聞いた時に、「うわっ、これだ!」みたいな。その時、本当なんか雲がパーン!って開けてく感じがしたんですよね。

なので、なんか辛さとか悲しさみたいなのをしっかり込められるんじゃないか。なぜなら最後にしっかり光が差すからっていう。なんでかっていうと、前に3曲一斉に曲の話をした時の『Pair Dancer』という曲がありましたけども。

星野源 『Pair Dancer』を語る
星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でアルバム『POP VIRUS』についてトーク。アルバム収録曲の『Pair Dancer』について話していました。 ...

あの曲、前には言ってなかったような気がするんだけど、あの曲の歌詞を書いた時はもう本当にちょっと尋常じゃないぐらいぐらい落ち込んでいたんですよ。落ち込みすぎて、「精神の床に足が着く」みたいな時ってないですか? 「うわー、なんか嫌だな」みたいなことじゃなくて、本当に深いところまで潜って。悲しくて。で、水の暗い池の中の果てしなく続くと思われた、その池の底に足がポンとつくみたいな。

そういう状態になって。でもその日中ぐらいに歌詞を書かないといけなくて。レコーディングのスケジュール上。で、そこで書き出した言葉……その時にもうなんかすごく暗い曲でいいんじゃないかな?って思ったんですけど、『Pair Dancer』を書いた時にその真空みたいな場所。精神的に真空みたいな場所。何の音もしないみたいな場所にたどり着いて、そこで書くものがですね、なんていうか温かいものがあったんですよね。なんか、それがすごく自分でも予想外で。

僕はもっと「嫌だ」と思っていることとか、「悲しい」と思うこととかをぶつけるような歌詞を書くんじゃないかなってなんとなく、アルバム作業の始まる前に思っていたんですけどそうじゃなくて。「嫌だな、悲しいな、この世の中」とか「なんだ、こいつら」っていう、なんか本当に辛いっていうものの中にある、本当にちょっとした温かいものとか、愛のようなものだったりとか。本当にクソみたいな世の中の中の、温かいもの・愛っていうものを何か書いてて。すごく……なんだろう? 浄化される感じがしたんですね。書いていて。

だから「僕は悲しさとか辛さを残したいわけではないのだ」っていうことがすごく実感としてそこで生まれて。今回のアルバムの中で。なんで、この『Present』という曲、その時はタイトルはなかったですけど、歌詞を書く時にこの曲は最後にしっかり救いがあるから、しっかりその陰の部分を……陽があるから陰をしっかり刻み込めるなと。なので、あの言葉の意味とか文章で説明をしっかりするようなタイプの歌詞ではないので、僕が感じた感覚っていうものを言葉を介して刻みつけていく。なんかそういう歌詞になりました。

で、「『Present』をというのは『現代』と意味でいいのでしょうか?」って書いてあるんですけど、あのどっちもですね。「贈り物」っていう意味もそうだし、「今・この時」という意味もあります。なので、今回アルバムを作るにあたって、前の『YELLOW DANCER』もそうだったですけど、いまの日本の空気っていうのはちゃんと残したいなと思っていて。「いま、僕たちが生活をしてるこの場所って結構ヤバいと思うよ」っていう。「音楽の世界は特に、いま結構ヤバいと思います」という気持ちがものすごくあるので。

「音楽の世界は特に、いま結構ヤバいと思います」

なんかそういうシリアスな感覚っていうものをしっかり曲に残したい。それを「いま、こうなんだ」「いま、ヤバいよ」って。その中で、たまに出会う、本当に遠くの方に道なき道を行く仲間のような人の影が見えるという、なんかそういう感覚があって。たまに出会う同志のような人に。そういう感覚とかもあって、いま現在の日本もそうだし、自分というもの。なんかそういう、「音楽」という荒野というか大地にいる自分みたいな、なんとなくそんなイメージで歌詞を書きました。

で、「サーッ」ね(笑)。「楽曲のサビに『サーッ』と鳴っているのは何の楽器の音でしょうか?」ということうなんですけど、あの、さっきの現代のいまの日本の音みたいなのもそうなんですけど、今回はノイズっていうのちゃんと入れたいなということで。ノイズをしっかり残すようにしました。で、その中でシンセサイザー……僕が今回、アルバムの中で結構自分で手で弾いてるんですけど。そのシンセサイザー、音を作る時に僕はいわゆる音の作り方がよくわかってないんで。無茶苦茶なんですよ、作り方が。なんだけど、「これ!」っていう瞬間があって。「あ、この音いい! この音いい!」みたいな。「もういま、録ります!」みたいな。「この音、いま録らないとたぶんどっか行っちゃう!」みたいな。ちょっとツマミを変えると変な違う音になっちゃうんで。

そこで残っていた音がこの「シャーッ」っていう、フレーズを弾いてんですけど。「タンタタタンタン、タンタタタンタン♪」っていうフレーズの後ろに「ファーッ」っていうノイズが乗っていて。その、たまたま作った音に。で、これがいまの空気っていうのをしっかり出す材料というか、それを表しているんじゃないかなと思ったので。普通だと、そういうのところでちゃんと、その音が出ないようにマスクをして。音の処理をして解決したりするんですけど、「これはしっかり残したい」という話をしてですね。『Pair Dancer』のイントロとかもそうなんですけども、ノイズはしっかり残すようにしたという、そんな感じですね。

あと何かあったっけ? あ、リトミックね。リトミックのことを調べてもらいました。ちっちゃい子供のね、何か音楽教育ですね。いいですね。やっぱりいろんな音楽をちっちゃい時に聞くっていうのはとても大事なことだと思いますね。もういま、子供に戻りたいもん。「あの時の青春に戻りたい」とかそういう意味では全くなく。全部吸収していた自分に戻りたいっていうか。何でもかんでも吸収できていた自分。それはちょっとね、戻りたいなと思う瞬間がありますね。はい。

そんな感じで今日はですね、『Present』という曲をお話しさせていただきました。来週どうしようかな? 来週もね、話をしますからね。あれ、『Dead Leaf』ってかけたんだっけ? 達郎さんの。解説みたいなのはしてないか。かけてないか。じゃあ来週は『Dead Leaf』という曲のお話をして行こうと思いますんで、みなさん是非感想をメールなど送ってください。

<書き起こしおわり>

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