PUNPEE『タイムマシーンにのって』PVとロトスコープを語る

PUNPEE『タイムマシーンにのって』PVとロトスコープを語る SOFA KING FRIDAY

(PUNPEE)はい。お送りしたのは自分のお世話になってるレーベルのSUMMITよりVaVaちゃんのこの前に出たEP『Idiot』から『ロトのように』という曲でした。

VaVaちゃんはCreative Drug Store、BIMの周りとかにいたりとか、いつもそのへんで遊んでいたBIMの仲間なんですが。いつの間にか個人名義でラップを始めて。まあビートだけ作っていたんですけども。ビートメイカーとしても素晴らしいビートで。毎回、かっこよくて。なので、かけさせていただきました。かけた理由として「ロト」って言ったらゲームのことを言ってると思うんですけども。まあ、そこまで詳しくないですけど。「ロト」つながりで『タイムマシーンにのって』の話じゃないですけど。今回、ミュージックビデオに使われた手法が「ロトスコープ」っていう手法なんですね。

多分、その言葉を知らなくても知ってる人は絶対どこかで見たことあると思うんですけど。『白雪姫』とか、あと『指輪物語』っていうので使われているアニメの技法なんですけど。言ったら、実写をまず撮るんですよ。実写でその動きを撮った後に、それをトレースっていうか、まあ写し紙じゃないですけど、トレースして書いていく。そうすると、普通にゼロからアニメを作ったよりもなんかちょっと奇妙な動きでリアルな、変な動きになるんですよ。その手法をロトスコープっていって、『白雪姫』のちょっと人間っぽいナヨナヨっとした動きとか、そういうもの。それで今回、作ろうっていうのをGhetto Hollywood氏っていう監督に提案してもらって。

アニメの技法「ロトスコープ」

でもそれはすごい時間がかかるんだけど、「でもまあ、いいよ。PUNPEEは時間かけて出しても、ちゃんとしたものを出せば大丈夫なキャラクターがもう定着してきてるからいいんじゃない?」みたいな感じで、「じゃあ、それにしましょう」って言って、最初の実写を撮ったのがMr.麿くん。スタジオ石、stillichimiyaの麿くんが撮ったものをシブタケくん、澁谷武氏っていうODDJOBの……こちらも素晴らしい才能に今回、出会わせていただいたんですけども。ODDJOBっていう『水曜日のダウンタウン』っていう自分がオープニングやってる番組で、そのアニメーションを作ってるのがそのODDJOBっていう会社なんですけど。そこに所属している澁谷武氏という方がアニメを主に書いて。

で、アニメーターの知り合い、友達とかが色を付けたり手伝って。で、背景をもう最近は自分はこの人がいないと成立しないんじゃないか?ってくらいの、nozle graphics a.k.a TSUNEさんっていう方が背景をバーっと書いて成立させた感じです。

で、このロトスコープっていう手法、俺はやっぱり結構好きで。何個か見ていて。小さい頃、無意識ではその『白雪姫』だったりとか見ていたと思うんですけど。ちょっと大人になってからは、『ウェイキング・ライフ』っていうリチャード・リンクレイターっていう、普段は『恋人までの距離(ディスタンス)』とかのイーサン・ホークが出ていた三部作……結構恋愛ものの映画とかを撮っている人が、そのロトスコープのアニメーションで自分が知っているのでは2本かな? 撮っていて。『ウェイキング・ライフ』っていうやつと、後はキアヌ・リーブスが出ている『スキャナー・ダークリー』っていうフィリップ・K・ディックっていうSFの作家さんの作品の実写版みたいなやつで。

それはたしかデジタルロトスコープって言って。『白雪姫』とかは全部手で実写をトレースして書いていたと思うんですけど、デジタルではじめてやったっていうのがたしか『ウェイキング・ライフ』だったという話を聞いたことがあります。

この映画、両方とも本当に好きで。まあ結構、両方ともぶっ飛んでるんですけど。アニメーションがつくとやっぱり説得力っていうか、見ちゃうんですよね。で、結構言ってることも何回か見てるうちに面白くなってくるっていうか。『ウェイキング・ライフ』は結構20代の自分を……変な哲学的な部分の自分を形成したような作品だったんで。貸し出しとかもしてるので、よかったら見てみてはいかがでしょうか?

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Posted at 2018.11.3
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

あとは、そのGhetto Hollywood氏と話してたこととしてはロトスコープ作品で好きなもの……Ghetto Hollywood氏が好きそうなものだと、あとは『ファイヤー&アイス』っていうやつと、『ヘヴィメタル』っていう、これも海外のロトスコープの作品があって。「えっ、こんなのあったんだ、世界に」っていうのがもしかしたらいまの若い年齢の方は思うかもしれない。「こんなイケてて尖ってるアニメーションがあったんだ!」みたいな。っていう風に思うので、よかったらそちらも。たしか『ヘヴィメタル』はYouTubeで300円とかで字幕付きのが見れたような気がする。

『ヘヴィメタル』

トレーディングカードとかもあって、それはこの前、中野ブロードウェイで買ったんですけど。めっちゃくちゃ、本当にただ1シーンを切り取ったような。そのアニメ、カートゥーンのやつで。「カートゥーン」っていう言い方は変なんですかね? それは子供向けになっちゃうのかな? そんなやつでチープな感じだったんですけど、逆にそれが「っぽいな」って思った気がしました。でもなんか、作っていて思ったのが関わってくれた皆さんの仕事量が凄すぎて。SUMMITのダーマスもそうですけど。途中から、曲のミュージックビデオじゃなくて、この作品に曲を添えて協力してる人みたいな。で、みんながそれぞれ本当に協力して作って、もう最後の最後とかヒーヒー言いながら作っていたんすけど。

で、なんか「締め切りに追われ、歴史を作り」みたいなリリックもこの曲にあるんすけど。なんかそんな感じでできたのかなと思いました。という感じなので、まだ見てない方はPUNPEEという私の作品ですね。『タイムマシーンにのって』というミュージックビデオが一昨日ぐらいに上がったので、よかったら見てみてください。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/53397

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