渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で26歳の若さで亡くなったマック・ミラーを追悼。最新アルバム『Swimming』から『2009』を紹介していました。
(渡辺志保)で、ちょっとこの週末に報じられたいちばん大きなニュースをいちばん最後に持ってこようと思ったの。本当に……びっくりしましたけどもね。マック・ミラーが享年26歳でその生涯を終えてしまった。死因はオーバードーズ、薬物の過剰摂取で、自宅で亡くなったのかな? というニュースがありました。日本時間だと土曜日の朝に報じられたと思うんですけど。私もたまたま朝7時ぐらいに起きてTwitterを見たらもうそのニュースがワーッとタイムラインを埋めて。全く信じられなかったんですけども。
で、彼が最新アルバム『Swimming』を先月出したばっかりで。その『Swimming』を出したタイミングでも『INSIDE OUT』で紹介したし。
なんなら、その前の先行シングル『Self Care』をリリースした時も『INSIDE OUT』でかけさせてもらったし。
私も個人的にマック・ミラー、すごく好きなラッパーですしね。で、2008年、9年ぐらいから彼の名前をシーンで聞くようになりまして。最初はすごいシニカルな、まあ白人ラッパーということで。彼はピッツバーグ出身なんですけども、同時期にブレイクしたピッツバーグ出身のラッパーと言えば、ウィズ・カリファがいるんですよね。なので私はウィズ・カリファと一緒によく聞いていて。次はもしかしたらピッツバーグがすごく熱くなるのかもしれないなと思いながら、初期のマック・ミラーの作品は聞いていました。で、『Donald Trump』という曲も当時はすごく話題になったし。
で、かつドナルド・トランプが大統領になるという時にマック・ミラーも本当にドナルド・トランプへのアンチ宣言をしたりっていうこともありましたし。なによりと言うか、マック・ミラーはその後にピッツバーグからLA、西海岸の方に活動拠点を移すんですが、その移住が私はすごく、彼のキャリアに大きなインパクトを与えたんじゃないかと思っていて。前回『Swimming』というアルバムを紹介した時にも話しましたが、オッド・フューチャーにいたシドが所属しているジ・インターネットももともとはマック・ミラーのバックバンドとして集まったメンバーなんですよね。
で、『The Divine Feminine』っていう前作のアルバムにもキーヨン・ハロルドとかロバート・グラスパーとかが参加していたし、今作に関してもサンダーキャットが参加していたし。サンダーキャットのアルバムにもマック・ミラーは参加していましたよね。ちょっと前に、当時付き合っていたアリアナ・グランデと日本に来た時、私がすごく印象的に覚えているのはマック・ミラーがサンダーキャットの『Drunk』の国内盤をたぶん渋谷のタワーレコードで買っていて。そういった写真、本当に何気ない写真なんだけど、それを自分のInstagramのストーリーにもUPしていて。なんか普通にいいやつなんだなみたいに思っていたんですよ。
で、先月リリースされた『Swimming』でもいろんなことを乗り越えて、新しいマック・ミラーっていうのを表現したのかなとも思っていましたし。なによりもどの曲もメロディーがすごく美しい。サウンドもすごく美しいから作曲家としてのマック・ミラーがさらに楽しみだなと非常にしみじみと感じさせられたアルバムを置き土産にしてこの世を去ってしまったということで。最後にお送りしたいのはそのマック・ミラーの最新というか最後のアルバムになってしまった『Swimming』から『2009』という曲でお別れしたいと思います。この曲はすっごいストリングスもめちゃくちゃ美してくて。もう歌詞も本当に素晴らしい内容になっていますので、みなさんぜひぜひマック・ミラーを思い出しながら、リリックにも当たっていただいて。最後はこの曲でお別れしたいと思います。『INSIDE OUT』、お相手は渡辺志保でした。
Mac Miller『2009』
<書き起こしおわり>