吉田豪 前川喜平インタビュー書き起こし

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吉田豪さんがAbema TVで前川喜平・前文部科学省事務次官にインタビュー。その模様を書き起こししました。

(ナレーション)安倍総理の友人、加計孝太郎氏の獣医学部新設を巡る総理の関与疑惑。総理の忖度はあったのか? 昨年、野党から連日激しい追求が続き、総理はその弁明に追われた。そのきっかけはこの発言からだった。「あったものをなかったものにはできないということで、公正・公平であるべき行政のあり方が歪められたという……(前川喜平)」。前・文部科学省事務次官、前川喜平。一躍時の人になったこの男だが、果たしていま、なにを思うのか?

(前川喜平)よろしくお願いします。

(吉田豪)よろしくお願いします。

(ナレーション)いままで数千人のインタビューを行った吉田豪がその本音を聞き出す。

(吉田豪)あの、基本僕、そんなに頭よくないので、そのレベルで話していただけると助かります。

(前川喜平)いやー、私もそんなに……(笑)。

(吉田豪)そうなんですか? 超エリートじゃないですか(笑)。でもね、気になるポイントがいくつかあって。パソコンの画面がゲバラだったっていう(笑)。

(前川喜平)アハハッ、最近は出腹(でばら)なんですけどね……(笑)。

(吉田豪)あ、そういうネタも入れてくるタイプの? ダハハハハッ! そう。控室で一緒だったんですけど、意外とゆるい感じで安心したんですよ。

(前川喜平)ゆるいっすよ(笑)。かなりゆるいですよ。

(吉田豪)メディアのイメージがだいぶそういうイメージ、出ていないじゃないですか。

(前川喜平)国会の参考人で行った時にね、こんな調子で話はできませんわね。

(吉田豪)そりゃそうです(笑)。

(前川喜平)だからまあ、あの姿しか知らない人はね、「超真面目人間だろう」と思ってらっしゃるかもしれませんけども。まあ、基本的にはゆるいですよ。

(吉田豪)そっち系の。

(前川喜平)「決まりを守らなければいけない」とあんまり思っていないところがありますね。赤信号、渡りますよ。

(吉田豪)ダハハハハッ! そうですか。そう言えるタイプ。今年でこんなに運命が変わった人もいないと思うんですよ。

(前川喜平)そう、ねえ。まあ、運命が変わった人はいろいろといるでしょうけども。私の場合はもともとね、まあ今年中には役人を辞める退職の時期にはなっていたので。

(吉田豪)ただ、結果ものすごい知名度は上がりましたよね?

(前川喜平)それはね、全く望んでいないことで(笑)。

(吉田豪)とは思いますけども。

(前川喜平)早く顔は忘れてほしいです。

(吉田豪)いろいろと不便?

(前川喜平)不便。道を歩いていても、駅を歩いていても、時折声をかけられるんですよ。年配の女性が多いんですけどね。昔からの知り合いであるかのようにやって来られて、「まあ、前川さん!」って来るわけですね。「うーん、どこかで会ったかな?」って思うんだけど、「やっぱり会ってないな……」と思いながらも、「どうもどうも」なんて言っていると、「がんばってくださいね!」なんて言われて握手を求められたりして。まあ、悪い気はしないですけどね。

(吉田豪)結構賛否両論の多い人というとあれですけども、英雄視する人と敵視する人がはっきり分かれていると思うんですよ。

(前川喜平)ああー、だからまあ、どっちも困りますね。

(吉田豪)どっちも?(笑)。

(前川喜平)うん。だから敵視する人はするでしょう。それはしょうがないですね。

(吉田豪)ああいうことを言った以上?

(前川喜平)うん。それは私の言動が非常に都合が悪いという人はいるはずだから。そういう人にとってみれば、それは敵でしょうけどね。でも、私の言動が困るという人はごくわずかなはずなんで。そのごくわずかな人につられている人がいるのかもしれないですけどね。それはちょっと、まあよくお話をすればわかってくれるのかもしれませんけどね。

(吉田豪)実害があったわけではないけど、「なんだ、これは?」と怒っている人たちという。

(前川喜平)うーん……ネット上にいろいろと、いろんな情報があふれているように見えるけど、その情報を作っている人たちってほんの少しだろうと思うんですよね。

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「出会い系バー通い」報道 その真相は?

(吉田豪)僕も仕事であの出会い系バーに潜入取材したんですよ。

(前川喜平)ああ、そうですか?

(吉田豪)で、潜入取材をした結果、「前川さんの言い分はこれ、8割方は正しいんじゃないか?」っていう結論になりました。

(前川喜平)そうですか(笑)。

(吉田豪)かなりフラットな目線で行って。

(前川喜平)出会い系バーってそれは売春・買春の巣窟みたいな言われ方をしていたじゃないですか。

(吉田豪)完全に風俗店みたいな言われ方、していますよね。

(前川喜平)そんなことはないと思うんですよ。もちろん、そういう目的で来る男女もいると思うけど。

(吉田豪)もちろん。

(前川喜平)だけどほとんどが……まあ、僕の会った子のほとんどはお話をして、ご飯をおごってもらったり、お小遣いをもらったり。そういうことが目的の子が多かったです。女性の場合は、あそこでタダで飲んだり食べたりできるから。

(吉田豪)そうなんですよね。

(前川喜平)ある意味、一種の居住空間になっているんだよね。

(吉田豪)携帯の充電ができて、ドリンクが無料で、ご飯が食べれて。で、男の人におごってもらったり。

(前川喜平)同じ店に行ったんですか?

(吉田豪)そうなんですよ。完全に調べて行きました。

(前川喜平)あ、そうなんだ。ああー。

(吉田豪)で、いろいろと口コミで女の子に話を聞いたりとかして、納得しましたよ。「いわゆる右側の人たちの世論誘導の方がおかしい」という結論です。

(前川喜平)いやー、私はいくらなんでも読売新聞があんな記事を書くとは思わなかったですよ。本田真凜ちゃんのファンなんだけど、最近本田真凜ちゃんが読売新聞のコマーシャルをやっているんでね、悲しいんですよね……。

(吉田豪)ダハハハハッ! 複雑な感情が?(笑)。

(前川喜平)まあ、それは全然話が違うけども。

(吉田豪)全然大丈夫です(笑)。

(前川喜平)まあ、読売新聞は、あれはちょっとね、やっぱり10年後でも20年後でもいいから、やっぱり反省すべきだと思いますよ。少なくとも、権力との距離という意味では非常に問題ですよね。メディアのあり方としてね。

(前川喜平)ただ、これはメディアはメディアの中で浄化作用を考えるべきであるから。私はメディア人の人たちがこの読売の姿勢というものを批判すべきであって。

賛否「出会い系バー通い」 その真相は?

(ナレーション)読売新聞は前川・前文部科学省事務次官の出会い系バー通いの報道に関して昨年6月3日付けの朝刊で「教育行政トップである人物が違法行為が疑われるような店に出入りすることは不適切である。公共の関心事である公共目的にかなう」と説明した。

(吉田豪)そもそも風俗店ではないという前提の上で、まあ風俗店だとして行っていたらなんだ?っていう話じゃないですか(笑)。すごい特殊な報道でしたよ。

(前川喜平)読売新聞に報道が出たのが今年の5月22日だったですけども、その3日ぐらい前から読売新聞からはアプローチがあったんですけども。「まさか、書くまい」と思っていたんですよ。そうしたら、前日の5月21日に官邸にいる総理補佐官の和泉さんっていう人から間接的に「会って話がしたい」という趣旨に受け取れるような打診があったんだよね。これは僕は「お前の嫌なことを書かれたくなかったら、しゃべるな」あるいは「しゃべったことを取り消せ」という、一種の取引あるいは脅しかなと思いましたね。そういうことがなければちょっと考えられない。

(吉田豪)うん。

(前川喜平)もともと、私の非常に個人的な報道だけど、それをほじくってどうする?っていう話なんでね。私はでも、面白かったですよ。本当に個人的な関心で行っていたわけで。全く個人的な行動ですよ。だからまあ、一種の社会勉強っちゃあ社会勉強だけども、いろんな境遇の女性と話をしていて「なるほどな」って。本当に根無し草的に暮らされている子もいるし、それからもう子供を抱えているという人もいたし。男で失敗を繰り返しているような人もいたしね。まあ、経済的にはどの人も困っている人が多かったのは事実ですけども、やっぱり家庭環境を聞いてみると、両親が離婚しているという人が非常に多かったという印象がありますね。

(吉田豪)貧困調査という発言に「そんなわけないだろ」みたいな反応がすごい多かったんですけども。僕も行ったら意外と納得はできました。

(前川喜平)まあ「調査」という言葉がね、「そんなことないだろ? じゃあ、調査報告書はどこにあるんだ!」とか。まあ、それは比喩ですからね。別に調査報告書があるわけじゃない。でも、私の記憶の中にはいろいろと「なるほどな」という話は残っているんですよね。

(吉田豪)実際にだってそれぐらい立場のある人がなにか、女性を買うとかだったらいくらでももっと、立場を隠せるところがあるわけで。すごい納得はしましたよ。

(前川喜平)うーん。そこはまあ、私もコメントは差し控えますけども……(笑)。

(吉田豪)ダハハハハッ! ある雑誌で女の子をつかまえてきて証言をさせていたの、あったじゃないですか。

(前川喜平)あれはよく見つけたなと。

(吉田豪)すごいですよね。「前川さんは何もなかった。むしろいい人」っていう表現(笑)。女の子サイドから出てきたという。あれは画期的でしたよ。

(前川喜平)あれ、よく見つけてきたなと思ってね。「また行こうかな」という気もないことはないんだけど。

(吉田豪)ないことはないんですか(笑)。

(前川喜平)あるメディアの人から伺ったんですけど、あそこのマスターがね、「また来てください」って僕に伝言を……(笑)。

(吉田豪)ダハハハハッ!

(前川喜平)うーん、まあ落ち着いたら行ってもいいかなとは思っていますけども(笑)。あそこのマスターの作るロコモコ、結構美味かったんですよ。

(吉田豪)意外と宣伝効果はあって、男は増えていましたね。

(前川喜平)あ、そうですか?

(吉田豪)で、女性は全然知らなくて。「ここ、なんか話題になってんのー?」ぐらいの感じで。

(前川喜平)ああ、そう?(笑)。まあでもね、私の……文部科学省の中でも私の性格を知っている人はね、「前川さんならやりかねないな」って思っているという。ちょっと突拍子もない、普通の役人だったらやらないようなことをするということは、知っている人は知っていると思うんですよ。全く性格は違う話だけど、2年前の9月18日の安保法制が国会に通ろうという時、国会の正門前に入ってね、SEALDsの連中とともに「安保法制反対!」って。

(吉田豪)やっていたらしいですね。

(前川喜平)やったとかね。これだって普通の役人だったらしないことなんですよね。

(吉田豪)「官僚がやっていいんだっけ?」みたいなやつですよ(笑)。

(前川喜平)いやいや、いいんですよ。だって一個人として別にやって構わないことはやって構わないわけで。個人としてしたいことをしているという意味では、出会い系バーに行っているのと、国会正門前でデモをやっているのと、同じことなんですよね。なんかね、ちょっと「公務員だから」といって自粛というか自己規制しすぎていますよね。みんなね。

(吉田豪)「これはやっちゃいけないんじゃないか?」みたいに考えて。

(前川喜平)忖度。自分で自分に鎧を着せているというか、衣を着せているというか。拘束服を着せているようなね、そういう人が多いと思うんですよね。そういう組織の中で仕事をしていても、心は自由でないと本当にいい仕事はできないと思うんですけどね。

前川流映画『シン・ゴジラ』論

(吉田豪)『シン・ゴジラ』についての話も出てきていて。

(前川喜平)ああ、『シン・ゴジラ』? あれは私、見ましたけども、面白かったですけども。ちょっとね、官房副長官があれ、ヒーローになっているのね。

(吉田豪)でしたね。

(前川喜平)官房副長官があそこまでヒーローになるっていうのは、ちょっと考えにくい話で。まあ、それがフィクションなんですけども。「官房副長官のモデルになったのは僕だ」とかっていう人がいてですね、まあ萩生田さんなんですけども。萩生田さんが官房副長官でらっしゃった時に、週に1回、事務次官等連絡会議っていうのが官邸であるんですね。そこは官房副長官と各省の次官が集まって一緒にお昼ごはんを食べて。それで他愛もない話をして帰るというのがこの事務次官等連絡会議なんですけども。その場で「『シン・ゴジラ』はぜひ見るべきだ!」というお達しがありまして。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(前川喜平)「じゃあ、ちょっと見に行こうか」って見に行ったんですけどもね。まあ、なんだろうね? 核兵器を使いかねない状況が現れるわけですよね。あのへんが非常に乱暴だなという風に思うんですよね。まあ、結局最終的にはそれを阻止して、シン・ゴジラをやっつける別の方法を見つけて、それで核兵器を使うという選択肢を使わずには済むわけですけども。なにか、とにかく大きな問題が起きた時に、解決の手段として「核兵器」って行く発想そのものが非常に危険ですよね。あの映画はそっちに行かないという結論にはなっているけども、そもそも核兵器を使うという選択肢があるんだ、みたいなことが問題。

(吉田豪)うん。

(前川喜平)これは「シン・ゴジラ」を「北朝鮮」と置き換えて考えた時に、非常に危険な話だなと。

(吉田豪)原発事故のメタファーなんだろうけど、そういう風にも捉えられるという。

(前川喜平)そうですね。やっぱり危険な映画だと思いますよ。あれはね。

(吉田豪)ほう。官邸側の人間からすると。

(前川喜平)あれはね、「やっぱりだから緊急事態条項は必要でしょう?」みたいな話に持っていかれかねない。緊急事態条項はね、いまの憲法改正の柱にも入っているわけですよ。「緊急事態条項を入れる」っていうのはね。だから緊急事態条項も「ゴジラが出現した場合に限り」とか入っていればいいんですよ。

(吉田豪)ダハハハハッ! 限定していればね、まだ。

(前川喜平)「国難だ」「脅威だ」「緊急事態だ」って誰かが言えばそうなっちゃうっていう危険性があるわけで。私はそういう方向に行きかねない危険性を持っている映画だという気はしていますけどね。

(吉田豪)うーん。「前川は左だ」とか、そういう単純な話じゃないっていうことですよね。

(前川喜平)うん。まあ、どっちかって言えば左ですけどね。

(吉田豪)フハハハハッ!

(前川喜平)だけど、世の中が右に行っちゃっているからそう見えるだけで。私はもうど真ん中にいるつもりでいるんだけど。

(吉田豪)文科省では浮いていたかもしれないけど……っていう感じですよね。

(前川喜平)まあ、浮いてもいないですよ。

(吉田豪)そうですか? 意外とそういう感じの人もいる?

(前川喜平)まあ、どうかな? でもね、事務次官になっちゃったんですよ。私ね。不思議でしょう?

(吉田豪)こういう感じで(笑)。

前川喜平が評価 元レスラー文科大臣 馳浩

(吉田豪)ものすごいどうでもいい話をしていいですか?

(前川喜平)はい。

(吉田豪)事務次官時代、馳浩さんとも交流があるわけですよね?

(前川喜平)ああ、もちろん。もちろん。

(吉田豪)どんな人でした?

(前川喜平)いい人ですよ。知ってます?

(吉田豪)もちろん。昔、取材したり。プロレスラー時代に接点があって。

(前川喜平)ああ、そうかそうか。いや、あの人はね、ある意味稀有な政治家だと思いますよ。ただのプロレス出身の国会議員じゃない。

(吉田豪)大仁田厚とかとは違って。

(前川喜平)大仁田厚さんとは全然……(笑)。これはね、一緒にしちゃかわいそう。

(吉田豪)ですよね。同じプロレスラー枠で。

(前川喜平)大仁田厚さんはちょっとね……いや、本当にひどかったよ。

(吉田豪)ダハハハハッ! やっぱり?

(前川喜平)だって、もう国会の中でもプロレス並に暴れていましたからね。物理的に。肉体的に。あれはね……ひどかった。馳さんはもともと高校の古文漢文の先生ですからね。

(吉田豪)ちゃんとできる人ですからね。

(前川喜平)話をしていると時々、『源氏物語』の一節とかが出てくるわけですから。特に殊の外、私は仲がいいですね。私は隠れて喫煙する派なんですけどね。あんまり大っぴらに「煙草を吸います」とは言えないんですけども。馳さんも煙草を吸う人なんですよね。ところが、大臣の時には自分の部屋で煙草を吸わずに、私の部屋に来て煙草を吸うんですよ。

(吉田豪)へー。そういう仲だったんですね(笑)。

(前川喜平)うん。だから、私がお客さんと話をしているじゃないですか。私の部屋、事務次官室で。するとそこに馳大臣がノコノコッと入ってくるわけです。「僕はいないと思って続けてください」とかって言って入ってきてね、勝手に座って煙草を吸っているんですよ。

(吉田豪)へー!

(前川喜平)だからいつものことだから、「ああ、あの人は放っておいてください」って言って、僕は僕のお客さんと話をしているわけ。そしたら、勝手に話に入ってくるわけね。いや、「いないもんだと思ってくれ」って言っているんだから、いないフリをしてくれないと困るんだけど、こっちの話を聞いていて、その話に入ってくるわけ。だから、困っちゃうんですよね。いつの間にか大臣が入ってきちゃってね。で、僕のお客さんは僕に会いに来ているわけだけど、まさか大臣が入ってくるとは思っちゃいないから、びっくりしちゃうわけなんですけどね。

(吉田豪)まあでも、「ラッキー」ぐらいの感じですよね。向こうは。

(前川喜平)で、最後にじゃあ、一緒に写真を撮ったりして帰ったりしてね(笑)。

(吉田豪)ダハハハハッ! へー!

(前川喜平)まあ、そんな感じで馳さんとは本当にフランクにお付き合いをさせていただいて。馳さんっていう人は陽の当たらないところでいろいろと苦労している人たちに光を当てる。そういう仕事をずいぶんしてこられたんですね。去年の12月にできたフリースクールと夜間中学を支援していくという法律があるんですけども。教育機会確保法って言いますけどね。この法律を一生懸命に作る中心になっていたのも馳さんなんですよね。だから気は優しくて力持ちっていうのは馳さんみたいな人のことかなと。……ちょっと褒めすぎているかな?(笑)。

(吉田豪)「自民党の敵」ぐらいの立場になっている前川さんがこれだけ褒めるっていうのはね、説得力がありますよ。

(前川喜平)いや、自民党の中には立派な人もたくさんいますよ。ずっと私も自民党の大臣にお仕えしてきたので。「うーん、ちょっと困るな……」っていう人もいますけどね。真っ当な人もたくさんいるんですよ。まあでも、変な人がいちばん多いのは自民党だと思うけども。

(吉田豪)まあ、人数も多いですからね。

(前川喜平)……ちょっと言いすぎたかな?

(吉田豪)ダハハハハッ! トーク、面白いじゃないですか。前川さん、トーク面白いですよ。

(前川喜平)いや、ちょっといま言いすぎましたね。まあ、自由人だからいいけども。

退官後は「夜間中学」で高齢者を対象に教師

(ナレーション)そんな自由人の前川さん。馳議員が力を入れたあることにいま取り組んでいると言います。勉強をする高齢者のみなさん。いったいここで何をしているのか? いま、前川さんは自主夜間学校と呼ばれる学校で勉強を教えているんです。なぜこんなことをしているのか?

<自主夜間学校VTRスタート>

(前川喜平)それはやっぱりね、夜間中学というものを文部科学省がほったらかしにしてきたっていう責任を感じているんです。本来、非常に大事なものなのに文部科学省としてきちんと教育行政の対象として捉えてこなかった。

(ナレーション)ここの生徒の多くは学びたくてもいままで勉強をすることができなかった生徒たち。読み書きもできない人も多く、最近では引きこもりだった方も増えているという。前川さんは去年の3月から福島と厚木でそんな人たちに勉強を教えています。

(前川喜平)「教育」って言っても、ここは学習の場なんですよね。1人1人の生徒さんが自分で勉強したいことを勉強するっていう場だから。そこがいちばんいいですよね。

(インタビュアー)公務員時代と比べて?

(前川喜平)それはこっちの方がずっと楽しいですよ(笑)。

(ナレーション)そんな前川さんを、生徒たちは……。

(生徒1)ああいうところにいる人は、もう話がわからない、学校ばかり出た頭でっかちな人だなと思っていたんですけど、全くそうじゃなかったので。本当にびっくりしました。

(生徒2)気取らないというか、気さくでいいと思います。

<自主夜間学校VTRおわり>

(吉田豪)学校の生徒は前川さんのことをどういう風に把握しているんですかね?

(前川喜平)福島の方では、新聞を使って勉強したりもしているんですよね。新聞を日遂げて、一面の記事の中からどれか「これを読みたい」というのを選んでもらって。そうして読んでいると、私の名前が出てきたりするわけですよ(笑)。で、「ああ、これは僕なんですけどね」なんて言いながら話をしたりしていましたけどね。前文部科学事務次官だということを知っている人は、いまや多いですよ。

(吉田豪)お話を聞くと、あんまりお金にはならなそうな……。

(前川喜平)お金にはならないです(笑)。これはボランティアスタッフでやっているんで。

(吉田豪)稼いでいるのかと思ったら、そうでもなさそうじゃないですか。

(前川喜平)まあ、そうですね。稼いではいませんね。交通費はもらうけども、講演料っていうのは、別にこっちからは「くれ」とは言ってないですけども。くれる場合はせいぜい3万円ぐらいですかね? まあ1万円だったりっていうこともあるし、5千円っていうこともあったかな? まあ、ゼロっていうこともありますよ。だからとにかく、くれるものはもらうけども、こっちからは「くれ」とは言わないから。だいたい私を呼んでくれるような組織、団体っていうのは非常に零細なね、不登校の子供たちの親の会とか、それこそ自主夜間中学をやっていますという人たちとか。非常に草の根で地道に、地味に活動しているという人たちが多いんでね。そんな、1回に10万円、20万円なんていう講演料が払えるような人はいないんですよ。

(吉田豪)ねえ。元官僚の講演っつったら、そのぐらいの単価が当たり前ぐらいかと思っていたら、全然。

(前川喜平)いや、くれるところからはもらいますよ。

(吉田豪)ダハハハハッ! そうですか?

(前川喜平)だからたまにね、「あれっ? こんなもらっちゃっていいのかな?」っていうのもあるんですよ。どこからいくらもらったとは言いませんけども。そりゃあ、くれるものはもらいますよ。私、いま基本的に無職ですから。

(吉田豪)なるほど、なるほど(笑)。

加計学園問題と安倍総理

(吉田豪)こんな感じで前川さんを呼んで、一切「加計学園」っていう名前も出ないという、結構画期的なインタビューだと思うんですよ(笑)。

(前川喜平)ああ、そういえば出てこないですね。まあ、加計の話はね、私自身が提供できる情報はもう全て提供しちゃったんで。私もいまは一国民として、後から出てくる情報を見ながら、「ああ、そうだったのか。そうだったのか。なるほど」と。たとえば、この前の特別国会でも自由党の森ゆうこさんとかね、あるいは共産党の田村智子さんとかね、女性の国会議員が政府を追求するので活躍していますよね。あの方々の、いろいろと新しく突いていくポイントを聞いていると、「なるほど、そうなのか」って。私の見えないところがだんだん見えてきて。

(吉田豪)ちなみに安倍総理に思うことっていうのはあります?

(前川喜平)安倍総理……まあ、この加計学園問題に関しては逃げるしかないから、お気の毒だとは思いますけどね。ひたすら逃げ続ける以外に道はないと思うんですよね。だけど、通常国会が始まって2月、3月には連日予算委員会が開かれますからね。そうすると、森ゆうこさんとか田村智子さんみたいな人がガンガン行きますよ、きっと。森ゆうこさんの質問、聞いたことあります?

(吉田豪)軽く。はい。

(前川喜平)あれはね、はっきり言って面白い。実は森ゆうこさんっていう方は民主党政権時代に民主党におられたのでね、文部科学副大臣だったんですよ。私も森ゆうこ副大臣にお仕えする立場でいろいろと接触があったんですけどね。まあある意味、すごい猛烈な人なんですよね。だから役所としてはやや手こずるところはあったんだけど。だけど、前進する時はすごい破壊力っていうか前進力があってね。もう極めて頼もしい人なの。味方にしたらすごく頼もしい。敵にしたらものすごく怖い。Abema TVをご覧の方もいっぺん、森ゆうこさんの質問はおすすめしますよ。

(吉田豪)そういう視点で見ると楽しいと。

(前川喜平)楽しい。

政権との向き合い 変化したのはいつ?

(前川喜平)文部省に入ったのが1979年。昭和54年ですけども、文部省に入る時から自分の個人の考えと組織の論理っていうのは噛み合わない部分があるだろうっていうのは予期していましたしね。だからはじめからズレはあったんです。

(吉田豪)でも入ったら、とりあえずその組織の考えでやっていこうという覚悟は?

(前川喜平)それはもう、そうせざるを得ないだろうと思うけども、自分が組織の中に入って、組織の中でできることはできるんじゃないか。できないことはできないだろうけども。

(吉田豪)少しずつ変えることはできるんじゃないか?って。

(前川喜平)ある程度はね。だからそれは、自分でできることはしてきたつもりではありますけども。あとはまあ、そういう集団主義的、国家主義的、ファシズム的な力っていうのは常にあるんですよね。それに対して、個人の自由を守る側に押し返すような、そういうせめぎあいっていうのは常にありましたよね。文部科学省の中では。道徳教育なんかもそうですよ。来年から検定教科書を使って道徳教育が始まりますけどね、今回検定で通った教科書の中には相当ひどいものがあって。

(吉田豪)うん、うん。

(前川喜平)文部科学省がなんて言っているのか?っていうと、「特定の道徳的価値を教え込むような授業をしてはいけません」って言っている。「子供たちが自分たちで考え、議論をする道徳が必要です」と。「自ら主体的、対話的に深く学ぶアクティブ・ラーニングが大事なんです」と。道徳においてもね。

(吉田豪)はい。

(前川喜平)無条件に価値あるものとして覚えるということではないんだと。そう考えればね、「国を愛する心」とかって言われてもね、「本当に国を愛する心って必要か?」っていうところから議論すればいいんで。国って人間、個人が存在する前にあるものなの? そうじゃなくて、1人1人の人間が集まって作っていくのが国なんじゃないの? とかね。「国ってそもそも何?」っていう議論とか、「国を愛するって何なの? 愛せない国だってあるでしょう?」とかね、「生まれたから愛せるってわけでもないだろう?」とか。だから、政治家たちが言っている、「こういう道徳を教え込むんだ」とかっていうのと文部科学省は実は現場に伝わるレベルで言っている話っていうのはかなり食い違ってますよ。

(吉田豪)ああー。

(前川喜平)これは一種の面従腹背なんですよ。

前川氏が懸念する文科省とニッポンの教育

(前川喜平)突然ですが、質問です。次のうち、正しい挨拶の仕方は何でしょう? 1、お辞儀をしながら「おはようございます」と言う。2、「おはようございます」と言ってからお辞儀をする。3、お辞儀をしてから「おはようございます」と言う。「おはようございます」と言う時のいちばん正しい挨拶の仕方はどれか?っていう。どれだと思います?

(吉田豪)1番のつもりでやっていましたけどね。

(前川喜平)1番。「おはようございます」と言いながら頭を下げる。……ブーッ!

(吉田豪)フハハハハッ!

(前川喜平)正解は、「おはようございます」と言ってから、お辞儀をする。だからこうやって、面と向かってまずは頭を下げて「おはようございます」と言って、その後にお辞儀をする。これが正しいんだって言うんですよ。これが小学道徳1年生の教科書に書いてあるわけ。「正しい挨拶」って。これはね、私から言わせれば悪しき正解主義の中でも最悪の部類だと思いますね。いま、「アクティブ・ラーニング」って言っているのは、正解のない問題をみんなで考えていくということ。自分で一生懸命考えて。正解は予め用意されていない。自分でその正解にたどり着く努力をする。それで正解がどうか?っていうのは最後までわからない。いろいろと検証しながら、自分でたしかめて行くしかない。世の中ってそういうものだし、世の中で生きていくということはそういうことなんだけど。

(吉田豪)前川さんが事務次官だったら、止められたんですか?

(前川喜平)いや、これはもう止められないです。政治の力だから。組織の論理に一応は従いつつ、あわよくば違う方向に行こうという方向性を持ちつつね、粘り強く生きるっていう術を身に着けたわけ(笑)。

政権と対立……身の危険は?

(前川喜平)今年の5月に記者会見をした時には、あれはまだ読売の記事が出てから3日後ぐらいの話だったんで。「駅のホームの端っこは歩くな」とか、そういう忠告をしてくれる人もいて。

(吉田豪)痴漢冤罪で引っ張られる可能性とか。

(前川喜平)痴漢冤罪とかね。読売新聞の記事が出た時に「これはちょっと法的に自分の身を守る必要があるな」と思って、代理人弁護士を依頼したんですよ。その弁護士さんが記者会見の時に随行してくれたんだけど、彼はやっぱり「用心のため、これ着てください」って買ってきたシャツがあるの。それは防刃シャツっていうんですよ。防刃シャツっていうのもがあるんですね。それを着たんですよ。5月25日の記者会見の時にね。

(吉田豪)へー。

(前川喜平)あれは弁護士会館というところで記者会見をやったんですけど、空調のスイッチを入れてなかったのね。だから、ものすごく蒸し暑かったんですよ。部屋の中が。

(吉田豪)防刃シャツは通気性悪そうですね。

(前川喜平)そう。防刃シャツを着ているから、なおさら暑くてね。それでもう汗がタラタラ出てきてね。それで出会い系バーについて聞かれたっていう。

(吉田豪)ダハハハハッ!

(前川喜平)だから、もともと汗を流していたんですけどね。

(吉田豪)なるほど、なるほど。まあ、籠池夫妻とかを見ていても、ねえ。本当にあのへんに逆らうと大変なんだなとは思いますね。

(前川喜平)いや、たしかにキャラが立っているというかね。見ていてまあ、単純に言って面白かったですね。

(吉田豪)そして心が折れない感じの。

(前川喜平)ただやっぱりね、私は教育勅語を幼稚園児に暗唱させるっていうのは、これは全くいただけないですね。

(吉田豪)はいはい。いちばん反発しているところですね。

(前川喜平)あれはちょっと考えられない。だから、彼らを教育者とは到底認められないですけどね。構造としては加計学園と森友学園はよく似た構造で。規制改革という名のもとで特権的に、特定の学校法人にだけ便宜を図って。それでハードルを下げて設置認可を認める。これはよく似ていますよね。そういう特定のお友達に便宜を図るということがこの政権内で相当行われているということの一端だと私は思いますけどね。他にもあるだろうと思います。

伝えたいこと

(前川喜平)行きがかり上、このAbema TVに出させていただくことになったんですけども。この番組をもしご覧になった方がいらっしゃったら、見終わった後は私の顔を忘れていただきたい。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(前川喜平)私としてはあまりもう、派手にメディアに出るつもりはないんですね。あとは、安倍政権のおかしいところはちゃんとおかしいと言う、他のメディアや言論人、あるいは政治家の方々に追求していっていただければと思っているのでね。「私の顔は忘れてください」と。ぜひ、伝えたいことはそれですね(笑)。

(吉田豪)忘れられないですよ(笑)。さらに刷り込まれましたよ(笑)。

(前川喜平)いやいや。まあ、道で見かけても声をかけないでください。勝手に行きたいところに行かせてください。

(吉田豪)まあ、自由ですからね(笑)。でも本当、今日話して、人としては信用できる人だなと思いましたよ。

(前川喜平)ありがとうございます(笑)。

(吉田豪)まあ、見ていた人はどう思うかわからないですけども。でも、だいぶ人間性は伝わったと思います。

(前川喜平)どうも、恐れ入ります。

<書き起こしおわり>

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