青木理 スパコン詐欺疑惑・リニア不正入札問題と森友・加計問題を語る

青木理 スパコン詐欺疑惑・リニア不正入札問題と森友・加計問題を語る 荒川強啓デイ・キャッチ!

ジャーナリストの青木理さんがTBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』の中でスパコン詐欺疑惑、リニア中央新幹線の不正入札問題と森友・加計学園問題の構図の類似点について話していました。

(青木理)森友学園の問題、加計学園の問題、一部では「こんなのはいつまでも騒ぐべきテーマじゃないじゃないか」という声もあるようなんだけども。ただまあ、世論調査なんかを見ていると、国民の圧倒的多数が「これはやっぱりおかしいんじゃないか?」って考えていて、まだ全然きちんと問題はクリアになっていないという風に言っているので、おそらく今年の通常国会は22日(月)に招集されるんですけども、野党側はこれからも森友問題、加計学園問題の追求をするでしょうし、メディアも……森友に関して言うと会計検査院が国有地の格安な払い下げに対して「適正とは言えない」と判断を示しているので。当然ながらこれはどうなっていくのか?っていうのを追求してほしいし、メディアもやっていかなくちゃいけないんですけども。

(プチ鹿島)うん。

(青木理)実はね、今年、もしかすると森友学園、加計学園の問題と非常にある種構図が似ているんだけども、ひょっとするとまた新たなる森友・加計問題みたいな感じで動いてくるんじゃないか?っていう……もう一部では話されているんですけどもね。事情通の鹿島さんならご存知だと思うんですけど、その話をしたいなと思います。

(プチ鹿島)お願いします。

(青木理)ひとつはこれ、みなさんもご存知だと思うんですけど、スパコン補助金不正受給事件。覚えてますよね? もちろんね。

(プチ鹿島)はい。12月。

(青木理)25日ですね。詐欺罪でペジーコンピューティングっていうスーパーコンピューターのベンチャー企業の社長・斉藤元章容疑者と男性幹部を起訴したんですけども……実は、斉藤容疑者が経営に関わっているスパコン関連会社はこれまでに国からおよそ100億円以上の公的資金の投入が認可されていたんですね。

(プチ鹿島)ねえ。

(青木理)で、この斉藤容疑者とどうも非常に親しくて、彼の資金で高級なマンションに事務所なんかも借りていたらしいという風に指摘されている、TBSの元ワシントン支局長のフリージャーナリストが、伊藤詩織さんに対する性的な暴行をしたのではないか? と伊藤さんは訴えているということでも話題なんですけども。実は、そのフリージャーナリストは斉藤容疑者とも非常に親しくて。

安倍首相と親しいフリージャーナリスト

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(プチ鹿島)こちらの話題にも出てきているということですね。

(青木理)出てきている。だからいろんなところで報じられているでしょう?

(プチ鹿島)面白いのは、タブロイド紙とかでは先行してその話題が出て。じゃあこれ、一般紙ではいつこの話が出てくるのかな?って思ったら、12月10日の朝日新聞が「政府会議で委員」と……これは容疑者のことですね。で、「ジャーナリストの家賃を負担」ということで、一般紙である朝日も書き出した。「このジャーナリストは東京千代田区の29階建てビルに自身の事務所を構え、斉藤容疑者側が家賃を負担していたという」。

(青木理)そう。だから、その斉藤容疑者と元ワシントン支局長、山口さんというフリージャーナリストですけども。この方が非常に親しいだけだったらまあともかくとして、もしかしたらこのペジーコンピューティングの公的資金の詐欺容疑にも絡んでいるんではないか? ということも囁かれるという。

(プチ鹿島)この人が真ん中に立って仲介をしていた、点をつないでいたっていう見立てもあるという。

(青木理)で、これはご存知の通り、安倍政権と非常に親しいというか、近いということで評判のジャーナリストだったんですね。

(プチ鹿島)まあ、内幕を書いた本とかね。

(青木理)安倍さんの政権の内幕を書いた本も出しているし。それから特に麻生財務相・兼副総理との間も非常に近いと言われていて。

(プチ鹿島)はい。

(青木理)まあ、この山口さんがどうも繋いでいたのではないか?っていうことになってくると、森友学園とか加計学園の問題っていうのは安倍政権に対する熱烈な支持者。籠池さんとかね、あるいは安倍首相が「腹心の友」と言っていた加計学園の理事長とが親しくて。親しい人がどうも利益を得ていたんじゃないか?っていう疑惑だったわけですけども、これもやっぱり安倍政権と非常に近い人を仲介役としつつ、もしかしたらこのペジ―コンピューティングっていうのが公的資金を不正に受給していたんじゃないか?っていうことになってくると……。

(プチ鹿島)そうなると俄然、見方が変わりますよね。タブロイド紙で面白いのが、やっぱりもうこういう呼び名なんですよ。日刊ゲンダイなんですけど、「アベ友(とも)」。これ、なんで「アベ友、アベ友」って言っているのかな?っていったら、やっぱり事件というか、「この構図って森友とかと同じだよ」っていうので音の響きを「アベトモ」にしているんだろうなという報じ方で。で、いよいよ一般紙でもそういう話が出てきたという。

「アベ友」

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(青木理)だから一部では、「モリカケ」って言われていたけど、今度はスパコンだから「スパゲティ」? 「モリカケスパ」っていう風に言う人もいるという(笑)。

(プチ鹿島)どうしても、そういう風に上手く言いたい人がいるという(笑)。

(青木理)そうそうそう(笑)。上手く言いたい人がいるっていう、そういう問題じゃないんだけども、そのペジ―コンピューティングの問題。これ、東京地検特捜部っていうのはしばらく不祥事……証拠改ざん事件というのでものすごい批判を浴びて、最近はかつてのような強い捜査はできないんじゃないか?って。かつては「最強の捜査機関」なんて言われていたんだけども。しかし、これに切り込んで斉藤容疑者を逮捕・起訴したわけですね。なので、これがどこまで捜査の手を伸ばせるのか否かというところが注目で、それによって場合によってはこれ、政局になるんじゃないか? というようなことも注目点ですよね。

(プチ鹿島)これだけでもすごかったんですけども、もうひとつ出てきたのが……?

(青木理)リニア中央新幹線をめぐる談合事件ですよね。これ、JR東海が皆さんご存知の通り、リニア中央新幹線っていうのを少し前倒しして作ろうということでやっているんですけども。これ、鹿島・清水建設・大成建設・大林組というスーパーゼネコン4社が受注調整を行っていたんじゃないか? という。これ、公共事業だと談合になるんですけども、これは偽計業務妨害で最初に入って、その後に独占禁止法違反になっているんですけども。これも東京地検特捜部などが捜査に着手しているんですね。

(プチ鹿島)うん。

(青木理)これも、時間がないのであまり詳しくは言えないんですけど、実を言うとリニア中央新幹線っていうのはかねてからJR東海がやりたいと言っていたんだけども、「これは独自でやります」って、政府や公的なお金が入ると、極端なことを言えば「○○に駅を作ってください」とか政治の影響があるので独自でやりますからって言っていたんだけども、これは安倍政権になって実は融資という形で公的資金が入ることになったんですね。

(プチ鹿島)3兆円。

(青木理)3兆円。その代わり、少し完成を前倒ししようということになったんだけども、これは実はJR東海の非常に実力者と言われている人が実は安倍政権と非常に近い。だからひょっとするとこういう公的資金を入れたんじゃないか?っていうようなことも囁かれているということになってくると……。

(プチ鹿島)こっちもだから「アベ友」ということで。週刊誌の週刊朝日は「安倍首相の財界人脈研究」というので、「スパコン詐欺の舞台裏に首相最側近」というので「アベ友」ということで。もう2つ、このキーワードが出てきちゃっているんですね。

(青木理)その2つを東京地検特捜部が同時に捜査している。これがどこまで行くのか? 東京地検特捜部にその復活の兆しがあるのか? その復活が、ひょっとすると安倍政権のなにか新たな疑惑みたいなものを掘り起こすのかどうかっていうのがおそらく今年上半期の非常に注目点で。それが最初に鹿島さんがおっしゃっていたみたいな、安倍首相の三選っていうのにも関わってくるんじゃないかということで、非常に注目すべきことだと思いますよね。

(プチ鹿島)ありがとうございます。

<書き起こしおわり>

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