安住紳一郎 後輩・新人マウンティングを語る

安住紳一郎 後輩・新人マウンティングを語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』大晦日の「勤続20年! 安住紳一郎 感謝と恨みの2017」の中で杉山真也さん、笹川友里さんとともに、毎年新人アナウンサーに対して行っている新人マウンティングなどについて話していました。

(安住紳一郎)笹川さん、今日は『プレシャスサンデー』はどんな放送だったんですか?

(笹川友里)今日は9時台は有村昆さんをお招きして、『スター・ウォーズ』話をずっと聞いていたんですけども。盛り上がりました。あとは、大晦日の過ごし方を話しました。

(安住紳一郎)大晦日の過ごし方? なんですか、それは?

(杉山真也)リスナーのみなさんから募集して。まあ、理想の過ごし方であるとか、「今年は通常通り家でテレビを見ます」とか。いろいろありましたね。

(安住紳一郎)笹川さんって結構コンサバティブなタイプの志向をお持ちなんですね?

(杉山真也)志向といいますと?

(安住紳一郎)いや、すっごい真面目なんだね(笑)。

(杉山真也)ああ、笹川アナウンサーはかなり真面目ですよ。努力家ですし。

(安住紳一郎)そうですよね。はー、そうですか。ねえ。あの……「顔無しブドウ」の件は?

(杉山真也)あ、それは聞いてみたいですね。

笹川友里・顔無しブドウ事件

(笹川友里)もし安住先輩に一言目、「何か恨みを話していいよ」って言っていただいた場合は、恨みと感謝を合わせてそのお話をさせていただこうかと思っておりました。

(安住紳一郎)笹川さん、真面目だからプレゼントで種無しブドウを……いま、人気ですもんね。「種無しブドウをプレゼント」って言うところを、なんか映画の話かなにかをしていたせいで、「皮無しブドウ」って言いそうになっちゃったんだよね。で、慌てて途中で修正をかけたんだよね。それで結局「顔無しブドウ」になっちゃったんだ。

(笹川友里)アハハハハッ!

(安住紳一郎)それで『プレシャスサンデー』は1人でやっているから、笑ってくれる人がいないから、「それでは今日は20人の方に顔無しブドウをプレゼントいたします……」みたいな感じで。

(杉山・笹川)アハハハハッ!

(安住紳一郎)ねえ。そうですよねー。まあね、間違いは誰にでもありますもんね。

(笹川友里)ありがとうございます。

(安住紳一郎)間違いをした後に人間性が出るよね。あの、蓮見くんの話は聞いた?

(杉山真也)蓮見(孝之)アナウンサーですか?

(安住紳一郎)蓮見さんの話、聞いた?

(杉山真也)聞いておりません。なんでしょうか?

(安住紳一郎)この話、していいんだっけ? ダメなんだっけ?……しちゃうか。大晦日だし。

(杉山真也)土曜日の放送(『蓮見孝之まとめて!土曜日』)のお話ですか? 私、なにも知りませんけども。

(安住紳一郎)本当? あの、アナウンサーが一生にやるかやらないかのミステイク、ついに蓮見くんは2回目やったって。びっくり。

(杉山真也)あ、たしか1回目は最初の放送で。

蓮見孝之・コールサイン事件

(安住紳一郎)いや、違う違う。昔、大沢悠里さんの番組のピンチヒッターをやった時に、ほら。時報前にコールサイン(放送局所の呼出符号。TBSは「JOKR」)を読む時あるよね? いまはほとんど自動でコールサインを読んでいるんだけど、ちょっとアナウンサーの正統派のアイデンティティー的な感じで、「時刻は間もなく12時になります」みたいに言う時の、その針の動きを見てそこにパッと挟み込む感じで。まあ普通は「お聞きの放送はTBSラジオ」なんて言って。「954、905」まではわかるよね。その後にさらにコールサインっていうのがあって。無線事業局だから無線の呼び出し呼称っていうのを入れるわけじゃない。

TBSラジオは「JOKR」っていうコールサインをもらっているから、それをかっこよくさ、大沢悠里さんなんかたまにやるけども。それ、早く言ったらかっこ悪いから、「J、O、K、R」ってピシッピシッピシッピシッとね。それを蓮見くんはやりたかったんだろうね。で、その気持ちはよくわかるんだよね。で、それを間違えちゃったのよ。他局のコールサインをしちゃったんだよ。

(杉山真也)うん、うん。

(安住紳一郎)びっくり。それ、まずやらないの。でもそれを2回もやっているの。生涯で。ねえ。「かっこいい」としか言いようがない。

(杉山真也)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)しかも、見せ所でやっちゃったからね。たっぷり感情を入れてやったからさ、「さすがだな!」って思ったけどね。で、1回ミスしたけども、もう1回やったから。取り返しに行こうとせずにもう1回言ったんだから。かっこいいぜ! 蓮見アナウンサー。

(杉山真也)アハハハハッ!

(安住紳一郎)いや、本当に。

(杉山真也)どうして急にその話をしようと思ったんですか?

(安住紳一郎)顔無しブドウの話。

(笹川友里)ミスからのつながりですね。

(安住紳一郎)うん。人の失敗大好きだから。蓮見くんってさ、アルファベットで書くとそうだけど(HASUMI)、私は「AZUMI」じゃない? ちょっと語感が似ているんだよね。で、ここで働いている放送局には私、安住とアナウンサーの蓮見アナウンサーと、あと報道局にアスミ記者っていうね、方もいるんですよね。で、いろいろと郵便物がごっちゃになったりする時もあるんだけど。で、特に蓮見くんは私と同じ仕事をしているから、ちょっとね、間違えられやすくて。それがまあ、困る時もあればうれしい時もあるんだけど。最初はね、「蓮見くん」って言うと、「ああ、安住くん?」なんて言われて。そういうこともあったんだけど。

で、1回蓮見くんがなんだっけな? STAP細胞の記者会見かな? なんかに行ったんだよね。それで、注目されている記者会見って記者の質問のところから映像が使われることが多くて。たしかその時に蓮見くんが「TBSの蓮見ですけども……」って言って、結構いい質問をしたのよ。で、ちょっと会見自体もグダグダッとしている中で、まあそこそこキチンと全体をつかんだいい質問をして、私も見ていたんだけども「ああ、蓮見くん、いい質問をしているな」と思って。ちょっと一気にそれを見ていた人の質問者・蓮見くんへの評価がグッと上がったわけ。ところがちょっと音声が聞き取りにくくて、「TBSの安住です」とも聞こえなくもない。で、たしか大阪で記者会見をやって。その後に結構ね、私は「安住さん、忙しいのに大阪に行ったんですか?」なんて。「はい、行ってます」って……(笑)。

(杉山・笹川)アハハハハッ!

(安住紳一郎)「うん……私、行きました」って言って、蓮見くんの手柄を横取りしたこと、あります(笑)。最悪でしょう?

(杉山真也)いや、もう「後輩を斜め下に置いておく」というね。

(安住紳一郎)そうそう。大事。ねえ。

(杉山真也)必須なんですね。安住さんにとっては。

(安住紳一郎)必須ですよ。そんな……基本的に後輩は斜め下に置いておくというね。

(笹川友里)下ではなくて、斜め下?

(安住紳一郎)斜め下に置いておくというね。大事ですよ。私、新人に毎年マウンティングしていますから。

(杉山真也)ああ、それはもう噂ではなく現場を見ておりますし。

(安住紳一郎)現場、見ている?

毎年行われる新人マウンティング

(杉山真也)はい。声がアナウンスセンターって一応防音の部屋が2部屋、用意されているんですけども。そこで新人アナウンサーの研修をしたりしているんですよね。ただ、大きな声を出すと声が若干漏れてきたりすることがある。で、安住さんがその部屋に入っていると、ほぼ聞こえるのは安住さんの声だけという。

(安住紳一郎)ああ、私が新人相手にやっている時に? そうですよ。あれは新人をマウンティングしているのもあるけども、漏れ聞こえている声で他の部員もマウンティングしているの。

(杉山真也)フフフ(笑)。じゃあ、我々もいつの間にか、深層心理で?

(安住紳一郎)そう。やってますよ。

(笹川友里)安住アナウンサーが新人さんたちがいる部屋に入ると、私たちも正直、耳はそばだてますよね。「何を話されるんだろう?」って。

(杉山真也)たしかに。何をやっているのかは気になっていますよ。

(安住紳一郎)複数マウンティングね。大事ね。先に「ギャフン!」と言わせちゃうからね。

(杉山真也)複数マウンティング(笑)。今年の新人たちも洗礼を受けたわけですよね?

(安住紳一郎)そうですよ。ガッツリですよ。ええ。

(杉山真也)ちなみにじゃあ、私が受けた恨みの話、ひとつしてもいいですか?

(安住紳一郎)お願いします。

(杉山真也)安住さんと1年目、2年目の時はやはり新人アナウンサーっていうのは恐縮してなかなか話しかけに行きづらいんですよ。何を話していいのかもわからないんですけど、たまたま夜、8時とか9時ぐらいに偶然1人でアナウンサーの部屋でパソコン作業をしている。そうすると1人だけロケから帰ってきたと思われる安住アナウンサーが扉を開けて入ってくる。これはもう究極に耐えられない状況でして。

(安住紳一郎)なんで?

(杉山真也)いや、結構広い空間で密室に2人。距離は20メートルぐらい離れている。ただ、「お疲れ様です」以外になにを話していいかわからないという。

(安住紳一郎)ああー。それは先輩の私が後輩に積極的に声をかけるべきだね。ただ……たぶんちょっと外で傷を負って来たんだろうね。きっとね。

(杉山真也)フフフ(笑)。お察しします。はい。

(笹川友里)いくつ違うんでしたっけ? 年次って。

(杉山真也)安住先輩が97年入社。で、私は10年下で2007年入社です。

(安住紳一郎)おっ、「7」数字なんだね。ちなみにアナウンサーの世界では下1ケタが「7」がつくアナウンサーはなかなかいいと言われておりますよ。

(杉山真也)私も、聞いたことありますよ。

(安住紳一郎)そうですねー。

(杉山真也)それは、安住先輩から聞いたことがありました。

(笹川友里)アハハハハッ!

(安住紳一郎)1967年に久米宏。1977年に古舘伊知郎、三雲孝江。1987年に宮根さん。1997年に私、安住紳一郎。ちょっとね、2007年は物足りないと言われているんですけども……。

(杉山真也)アハハハハッ!……はい、自覚しております。

(安住紳一郎)いいえー。全然。杉山くんが入ってきた時、はっきり覚えているよ。はじめて会ったのはたしか11回のセミナー室で、私と小島慶子さんが罵り合っている時だよね?

(杉山真也)はっ! そうでした。

(安住紳一郎)そうだったね。びっくりしたのをいちばん先に見たんだね。

(杉山真也)ええ。「この部は本当に大丈夫か? やっていけるのか?」って怯えていたのを覚えていますよ。

(安住紳一郎)大変だったね。申し訳ないところをいちばん先に見せてしまったという風に私も思っているよ。

(杉山真也)その後、実は駒田アナウンサーと3人で韓国料理屋に行ったのは安住さん、覚えていますか?

(安住紳一郎)覚えている、覚えている。駒田と3人で。駒田くんと大ゲンカしてた?

(杉山真也)そうです。

(安住紳一郎)ああー……申し訳ない。

(杉山・笹川)アハハハハッ!

(杉山真也)私、2年目になった時に私の1年下に山本匠晃アナウンサー、枡田絵理奈アナウンサー、加藤シルビアアナウンサーの3人がいるんですけど。その3人と安住さんが飲んでいるところに途中で呼ばれて、5人で宴席をしたことがありまして。そこで突然、後輩マウンティングじゃないですけど、発声練習を……。

(安住紳一郎)駒田くんがやっていたでしょう?

(杉山真也)それは駒田さんとは別の会で。いわゆる当時の1年目だった山本、枡田、加藤シルビアアナウンサーたちにかなり発声練習を厳しくやっていて、私もやらされたということがありました。

(安住紳一郎)そう。

(杉山真也)楽しい宴席かと思ったら。

(安住紳一郎)熱い時代ですなー。申し訳ない。本当にいろいろあるのよねー。

(杉山真也)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)いまちょっと、自分で思い出しちゃって本当にこの20年間で他の東京のみなさんとの関わり合いをいろいろと思い出しちゃって。なんか、逃げ出したい気持ちで……。

(杉山真也)いやいや、感謝もたくさんありますよ。まだまだ。

(安住紳一郎)いーえ、いいんですよ。なに、このアナウンサー同士の忘年会みたいなの? こんなの……あーっ?

(杉山真也)安住さんが我々を呼んだんじゃないですか。むしろ、なぜ呼ばれたのか。

(安住紳一郎)なんだ、こんな内輪ネタは!

(杉山真也)なんなんですか!

(安住紳一郎)なんだー!

(杉山真也)蓮見さんの話をするからじゃないですか! 急に。

(安住紳一郎)なんだ、こりゃ!

(杉山・笹川)フハハハハッ!

(安住紳一郎)こういうのがダメなんだよ。うん、そうだよ。もうこういうのをやってっから、飽きられるんだよ、もう! プンプン! と。

(中略)

(杉山真也)さて、安住さん。

(安住紳一郎)はい。

(杉山真也)今回は「感謝と恨みの2017」ということなんですけども。勤続21年ということで。

(安住紳一郎)あなた方は、なに? 準備を少ししたのね? それ。

(杉山真也)放送に向けて、少ししてまいりました。

(安住紳一郎)なにかあるんでしょうか?

(杉山真也)我々後輩から見た安住アナウンサーというのを安住さんにこの場をお借りしてお伝えしたいなという気持ちがありまして。リスナーのみなさんも「安住アナウンサーというのは本当はどういう人なんだろう?」っていう疑問をほぼ全ての人が持っていると思います。

(安住紳一郎)それは……自分自身も持っているよ。

(杉山・笹川)アハハハハッ!

(安住紳一郎)本当に自分がどうなっちゃっているのか?っていう。教えておくれ。

(杉山真也)人間って不思議ですね。ではまず、笹川アナウンサーからぜひ、安住アナウンサーへの思いを。

後輩アナウンサーの安住紳一郎への思い

(笹川友里)よろしいですか? 安住アナウンサーは放送の姿ももちろん本当の真の姿ではあるんですけど、私たちから見るとまず誰よりも親身に相談に乗ってくれる、誰よりも共感してくれる、誰よりも声をかけてくれる、誰よりもアナウンス部のことを考えている。正直なところ、今日は勤続21周年だからというわけではなく、これだけは日天のリスナーの方にお伝えしたいなと思って来たんですけども。

(安住紳一郎)俺ってそんなにちゃらんぽらんに映っているのかしら? ええっ?

(杉山真也)アハハハハッ!

(笹川友里)違います。さっき杉山さんもおっしゃっていたんですけど、最初1年目に入った時って「本当に安住紳一郎アナウンサーっているんだ」っていうところが入り口なので。こんなに普通に話してくださるんだっていうのがあって。

(安住紳一郎)そう?

(笹川友里)私と最初に話した瞬間っておそらく覚えてらっしゃらないですよね?

(安住紳一郎)俺はたぶん笹川と話したのは11階のJクラブで……

(笹川友里)あっ、すごい!

(安住紳一郎)で、話したのと、その前はあなたがたぶん『王様のブランチ』でやっている時に『音楽の日』のCスタへの案内役で私の前についてくれたよね。

(笹川友里)誘導係で。安住アナウンサーと中居正広さんとCスタに移動するという。

(杉山真也)AD時代?

(笹川友里)そうなんですよ。その時がはじめてだったんですけど。まあ、アナウンサーになった時にこれから起こるいろいろな困難っていうのをその喫茶店でしゃべっている時に横においてある白い口元を拭くペーパーがありますよね。あれを1枚取ってくださって、ペンでいろいろと書いて、これから起こるであろう困難っていうのをまとめてくださったんですけど。で、それは私からしたら、お守りになりそうじゃないですか。その紙がぜひともほしいと思って、「ください」って言ったらその場でクシャクシャクシャッ! ポイッ!ってしましたよね?

(安住紳一郎)はー、そうね。たしかに、それをね、お守りにするって言った感じがたぶんね、うーん。「女子校っぽいな……違う!」って思ったんだろうね。

(杉山真也)アハハハハッ!

(笹川友里)ダメでしたか?(笑)。

(安住紳一郎)そう。たぶんそれは注意事項をノートに書いた段階で「クリアした」って思っちゃうタイプだなと思ったから。たぶん「違う!」って思ったんだろうね。きっとね。

(笹川友里)あと、決定的に安住アナウンサーの人間性を垣間見た瞬間があったんですけども。

(安住紳一郎)なに、それ? 怖いわ……。

(笹川友里)私事なんですけど1回、誰と付き合っているということが報道で出てしまった時、土曜日の朝だったんですよ。で、『王様のブランチ』の放送があるという時で、おそらく『王様のブランチ』の中でその新聞紙をいじって多少話すという流れになるだろうって、そういう流れがあるということを相談もしていないのに、『王様のブランチ』の楽屋に土曜日の朝7時にわざわざ来てくださったということありましたね、先輩。

(安住紳一郎)ありましたね。

(笹川友里)その時……。

(安住紳一郎)うーん、そうだね。あったね。そういえばね。

(笹川友里)困った時にいちばんに来てくださるのが安住紳一郎先輩だと、正直びっくりするじゃないですか。

(安住紳一郎)そうね。比較的、人のピンチが好きって言われているんですけども。

(杉山・笹川)アハハハハッ!

(安住紳一郎)かならずね。

(笹川友里)でもその中で、ノロケになってもしょうがないということで。「温かくても冷たくてもいいから、見守ってください」っていう一言を授けてくださいました。

(安住紳一郎)そうね。あの記者会見でちょっと注目された笹川の一言はあれ、発案者は私なの(笑)。

(笹川友里)フフフ(笑)。私の言葉ではありません。それが見事に全部見出しになっておりまして。本当に救われました。

(安住紳一郎)いいえ。

(杉山真也)安住先輩!

(安住紳一郎)いやいや、まあまあ。困った時はお互い様よというね、感じで。やめて、ちょっと。私のイメージがよくなっちゃうから! 困るのよ、そういうのは。

(杉山真也)アハハハハッ! 私、安住先輩に直接伝えたことがあるかもしれないですけど、中学時代に安住さんが当時やっていたお昼の情報番組『ジャスト』を見て、中学時代の定期テスト中ってちょっと学校を早く帰れるじゃないですか。で、お昼ごはんを家で食べていると『ジャスト』を母親がちょうど見ているんですよ。で、私はその『ジャスト』を早く切り上げてテスト勉強しないと翌日のテストがマズいという状況なのに、ずっと『ジャスト』を見てしまっていたんですよね。で、そこに安住アナウンサーが出ていて、それがテレビ局やアナウンサーになったきっかけだったんですよ。

(安住紳一郎)へー。

(杉山真也)だから会社に入って「うわっ、安住さんだ。『ジャスト』だった人だ!」っていう風にまず感激したのをすごく覚えていますね。で、いま笹川アナウンサーから話があったんですけど、後輩の面倒見がとてもいいという。私は『日曜天国』を担当するまではほとんどお話をしたことがなかったんですけど、『日曜天国』でアドバイスをくださったりとか、『日曜天国』を通じて「じゃあちょっと、ご飯でも行く?」と誘ってくださるようになったりとか。そういうことが本当にうれしくて。間近で安住アナウンサーがなにを考えているのか聞けるという機会が本当にうれしく貴重だなと思って日々すごしております。

(安住紳一郎)もう、本当にそう言っていただけるとうれしいですけどー……やっぱり感謝のコーナーはつまらないね。

(杉山・笹川)アハハハハッ!

(安住紳一郎)ダメだよ、こんなんじゃ! ダメ、ダメ。こんな……何回も言っているようだけども、私生活が充実したアナウンサーに世の中を変えられる放送なんかできないからね! 「いつも心にチェ・ゲバラ」って言ってるでしょう? 常に戦いなさいよ! なんだ、その感謝とか!

いつも心にチェ・ゲバラ

(杉山真也)昨日ね、レコ大の第一声、天海祐希さんから「今年1年、どうでしたか?」って言われて、ねえ。

(安住紳一郎)そうですよ。「私生活以外は順調です」って。

(杉山・笹川)アハハハハッ!

(安住紳一郎)だから言っているでしょう、みんな。俺の仕事はみんな、「安住さんのような仕事がしたいです」っていう後輩はいるけども、「安住さんのような私生活を送りたい」って言った後輩は1人もいないでしょう! 誰もうらやましいと思わないというか。

(杉山真也)はい、ええ……それはじゃあ、安住さんはあえて私生活を幸福じゃない方に持っていっているんですか?

(安住紳一郎)あ、あ、あ、あ……当たり前じゃないかっ!

(杉山・笹川)フハハハハッ!

(安住紳一郎)なにを言ってるの!? あなた方は一応放送人の末席を汚すような人間でしょう? 世の中を変えるのは中流階級の人間よ。いい思いをしている人間なんか、「世の中を変えたい」とは思わないでしょう? そうでしょう。あなた方でしょうよ!

(杉山真也)ええ……ちょっと新婚ホヤホヤの子が1人……。

(安住紳一郎)だから言ったでしょう、私!

(笹川友里)あの、ええ。安住アナウンサーに熱愛報道が出た時に救っていただいたという背景がある中で、「結婚をします」と決めた時、どなたよりも早くお呼び出しをさせていただいて。ねえ。ミッドタウンのおしゃれなカフェで2人で話をさせていただいた時、どれだけ私が緊張して安住アナウンサーに「結婚」の二文字をお伝えしたのか……三日三晩寝られなかったです(笑)。

(安住紳一郎)そう? やめてよー。

(杉山真也)後輩が緊張してるじゃないですか(笑)。

(安住紳一郎)本当、申し訳ない。お相手があることだから申し訳なかったんだけども、俺は「ダメ!」って言ったの。

(杉山・笹川)フハハハハッ!

(安住紳一郎)「違うだろ!」って言って。基本的にもう、あれですから。だいたい全員反対しているっていうね。そういうことですよ。「おかしいもん、だって!」って思うよね。だからさ、毎回言っているじゃん? たとえばホテルに泊まるでしょう。で、ホテルの部屋が快適だった時にさ、ホテルのフロントマンになんか言う? 言わないよね。だいたいホテルの部屋が不快だった時に「ちょっと、あの! 水道の出が悪いんですけど!」とか「お湯が全然出ないんですけど!」って、ものすごい饒舌になるだろう? で、俺たちは口先で商売をする人間だろう? だから常に心に不快な思いを抱いてないとダメなんだよ!

(笹川友里)ああー……。

(安住紳一郎)だから、私生活が幸せにならないんだよね。いやー、あなた方には伝えたいことがまだまだあるけどね!

(杉山・笹川)フハハハハッ!

(安住紳一郎)ダメ! こんな内輪な話ばっかりじゃ、ダメ!

(中略)

(安住紳一郎)さて、今日は大晦日ということで内輪の話、ご容赦いただきたいと思います。なかなか普段話せないので、こうやって意見交換できるのはうれしいんですけども。これがね、放送というのがちょっと心苦しいんですけども。うーん……。なんだろうね。じゃあ、職業人としての話をしてみようか。

(杉山真也)はい。

(安住紳一郎)この中でさ、もっとも技術があるアナウンサーは誰なの?……俺だよね。

(杉山真也)安住さんですね。はい。

(笹川友里)フフフ(笑)。

(杉山真也)ええーっ、マウンティングだ……。技術トークかと思ったら。

(安住紳一郎)でもさ、はっきりさ、俺だとわかるわけだろう? それは理由があるわけだろう? なんだろうね?

(杉山真也)それは……アナウンスのテクニック、表現力。そういうことではなくてですか?

(安住紳一郎)どうだろうね?

(笹川友里)先ほどの過去の素材を聞いても、やっぱり話が面白い。

(安住紳一郎)いやいや、違う、違う。まあ、アナウンス技術はそうだよなー。うーん、ああ、なんか真面目な話になっちゃうからな(笑)。

(杉山真也)なんですか?

(笹川友里)今日は、年末ですからね。

(安住紳一郎)そう? じゃあ、一緒にさ、松平アナウンサーのナレーション技術について勉強してみようか。NHKの松平定知アナウンサー、いるだろう? 私たちはさ、だいたい「大事なところを立てろ、立てろ」って言われるもんね。だからついつい、「こちらは、赤坂五丁目、19階にあります……」みたいな、大事なニュアンスを全部立てちゃうよね。そうすると、まあ伝わりやすいんだけど、雰囲気は出ないんだよね。それを全く逆にやると、NHKの松平アナウンサーなんかはいちばん大事な言葉を聞こえなくしちゃうんだよね。で、逆貞子現象を起こすっていうね。人のアテンションを呼び込むんだよね。

(杉山真也)うんうん。

(安住紳一郎)「せんきゅうひゃくじゅう……年」「えっ、何年? 1900何年!?」みたいな。

(杉山真也)フハハハハッ! たしかに、そうかもしれないですね。

(安住紳一郎)「戦乱の続くヨーロッパの中で、ついにナチス・ドイツは……いたします」「えっ? なにしたの!?」みたいな。っていうことがあるかな。あと、新宿駅の宮崎さんっていう有名な駅のホームのアナウンスをする人がいて。その人は、あえていちばん大事なところのイントネーションを変えるっていうスゴワザを持っていたんだよね。で、本当に伝えたい時に「間もなく、電車が、まいりまあす!」って言ったりするの。で、要するに「ちょっとおかしいな、ダサい」って思うんだけど、ダサいけども、結局人の注意を呼び込むことができるっていう、そういう人もいたりして。そういうのを上手く取り入れたりすると面白いよというのはあるよね。

(杉山真也)安住さんは使ったりすること、あるんですか?

(安住紳一郎)俺はたまーに使うね。あえてイントネーションをちょっとズラしたりする時はあるね。うん。まあ……やはりごくごく入門編だけどね。

(杉山真也)フフフ(笑)。

(笹川友里)私なんかが使うと、「間違えてますよ」ってリスナーのみなさんからご指摘いただきそうな。

(安住紳一郎)そういう時は、だからラジオの場合は違うけども、間違った雰囲気は出さないで、顔で見せる感じの。「間違ってませんー」みたいな感じの姿勢で繰り出していくとOKが来る時があるよね。うーん。なんてね。

(杉山真也)安住さんは現在の若いアナウンサーの技術なんかについてはどう思ってらっしゃいますか?

(安住紳一郎)いや、すごくみんなのは見せてもらっているよ。

(笹川友里)安住さんは本当に事細かにオンエアーをチェックというか、見てくださっていますよね。

(安住紳一郎)俺のノートは知っているよね?

(杉山真也)はい、もちろん。

(笹川友里)安住ノート。

(安住紳一郎)安住ノート。通称ね。

(杉山真也)コンパクトサイズの。

(安住紳一郎)コンパクトサイズの、「危ない」って言われているね。

(杉山・笹川)フハハハハッ!

(安住紳一郎)他のアナウンサーの悪口がびっしり書いてある。

(杉山真也)この間、そういえば見せてくれましたよね(笑)。

(安住紳一郎)恐ろしかったでしょう?

(杉山真也)恐ろしかったです。

アナウンサーの悪口がびっしり・安住ノート

(安住紳一郎)はい。たまに褒めてるけどね。うん。あれ、何冊あるか知っている?

(杉山真也)あ、いや……。

(笹川友里)21年ですもんね。1年に……。

(杉山真也)3冊ぐらいにはなっているのかな……ええーっ!

(安住紳一郎)(ドサッ)。これが俺の20年間の他のアナウンサーの悪口ノートだよ。(ガサガサッ)。

(杉山真也)いやっ、すごい! これはね、大きな百貨店の袋のようなサイズの、1袋にパンパンに入っている。これ、数を数えてみます? 1、2、3、4……。

(安住紳一郎)数えているところで悪いんだけど、68冊あるんだよ。

(笹川友里)アハハハハッ! そして、安住さんのきちんとした性格が表れている。全部同じノート。違う色。

(安住紳一郎)そうですね。これを読みなさい。これを読むと、あなた方の経験値が増えるわよ。

(笹川友里)ただ、このノートは触ってはならぬ禁じ手とうかがっておりますけども。触っていいんですね。

(安住紳一郎)そうですよ。もう、ここから勉強しよう。

(杉山真也)これは、ちょっと見てみたいですね。これは……我々も見ていいものなんですか?

(安住紳一郎)いいですよ。全然。これ、俺間もなく文庫化するから。

(杉山・笹川)フハハハハッ!

(安住紳一郎)全体のその技術の向上のためにね。

(杉山真也)どうしたんですか? なにか心変わりでもあったんですか?

(安住紳一郎)もう、俺は成長は望めないから、みんなと一緒に成長しようと思って。ちょっとこのね、安住文庫を開放してみようかなと思ったんだけど。基本的に悪口しか書いてないからね。

(杉山真也)そうなんですよ。いまパラパラと見ているんですけど、なかなか読める箇所がないという。

(笹川友里)ただ、行かれた先のチケットですとか、場所の入場券だとか、そういったものもキチンと貼ってありますね。

(安住紳一郎)そうね。うん。たしかに。

(笹川友里)あら? ラブレターみたいなものも貼ってあったり。

(安住紳一郎)ラブレターは……ちょっと失礼しますよ。これはなんですか? ああー、これはダメなやつね。フフフ(笑)。

(笹川友里)アハハハハッ!

(杉山真也)ちょっと読んでみましょうか。金スマの格言のようなもの、読んでみましょうか。

(安住紳一郎)はあはあ、どうぞ。

(杉山真也)「迷った時、どっちの道に行ったら幸せになれるだろうか、ではなく、不幸でも苦痛でないのはどちらだろうか、という視点で選んでみる」「入局試験の時にこの仕事に就けなかったら自殺をしよう、アナウンサーとして大成しなかったら死んでお茶を濁すしかないと芽の出ない3年目に考えた。と、私は愚直な心境でやってきたつもりだ」というようなことが殴り書きのような形で書かれています。

(安住紳一郎)怖い、怖い。もう病気だよ、それは。

(杉山真也)アハハハハッ! すごいですね。

(安住紳一郎)病気だよ。うーん。いやー、じゃあ、これを大晦日にみんなで読んで、一緒にまた来年もがんばりましょうか。

(杉山真也)そうですね。

(安住紳一郎)どう? いまのまとめ。……まあまあだね。

(杉山・笹川)フハハハハッ!

(安住紳一郎)それでは、1曲お聞きいただきます。レコード大賞の大賞曲になりました。今年を代表する1曲です。乃木坂46で『インフルエンサー』。

乃木坂46『インフルエンサー』

<書き起こしおわり>

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