安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で民放連の総会の仕事で他局のアナウンサーたちと仕事をした際の模様についてトーク。AMとFMの文化や仕事の進め方の違い、そして反省したことなどを話していました。
(安住紳一郎)私は今週は民放連(日本民間放送連盟)っていう組織があるんですけど。日本の民間放送の会社が集まる民放全国大会っていうのがあるんですが。日本に民放はたくさんあるんですけど。ラジオで67社。テレビで94社。ラジオ・テレビ兼営局で33社。衛星放送で12社。民放連所属は準会員含めて現在206社が所属しているんですけどね。そう考えると、多いですよね。
(中澤有美子)そうですねー。
(安住紳一郎)NHKは当然入っていないんですが、民放の集まりで民放連っていうのがあるんですが。206社。その総会が火曜日にありまして。だいたい持ち回りで幹事局が決まっているんですけども、今年は私が勤めている放送局が幹事社だったので、私がその司会だったんですけども。総務大臣は来るわ、来賓でNHKの会長は来るわ、全国の民放の社長が全員来ているみたいな、そういう式典で。
(中澤有美子)ふーん!
(安住紳一郎)その式典、結構長いんですけど。当然、1日やっているんですけども。その司会の仕事があって行ってきたんですけども。他の放送局のアナウンサーも手伝いに来てくださっていいて。なかなかね、他の放送局のアナウンサーと仕事をする機会がないので、他の放送局のアナウンサーのみなさんと一緒に作業をして、非常に刺激を受けて。「やっぱり局が違うと仕事の進め方が違うんだな」とか。「ああ、こんなに朗らかに仕事をするんだ」とか。
(中澤有美子)フフフ……。
(安住紳一郎)「あ、そこは疑問に感じないんだ」「あ、ここは俺の方が優れてるな」とか。「ここは俺には全くないところ」とか。「うーん……はっ! 本番前はトイレに行かないんだ」とか。そういう細かいこととかを。「へー、あ、そういうことなんだ」とか。「マイクはそこからそこへ持って、そこで話すんだ」みたいな。興味津々! みたいな。ちょっとね、日本舞踊の流派が違うみたいな感じで、全く普段は交流がないので。「へっ? あっ、おっ! なるほど……メモメモ!」みたいな感じになったりして。「あっ、そこで尺を巻いていくんだ」みたいな。
(中澤有美子)アハハハハッ!
(安住紳一郎)「ああっ、そういうやり方があったんだ!」みたいな。「えっ? そこでBボタンを押すとダッシュが入るんだ!……メモメモ!」みたいな。
(中澤有美子)アハハハハッ! 裏ワザ的な。
(安住紳一郎)裏ワザ的な。「ああっ! そうか! へー! ああ、そうすると台本を2枚つかんでめくることができる! おおっ! 上手だ。はー!」みたいな。ねえ、ちょっと式典が忙しい時に台本をバババババッてめくるとね、必要以上に急いでいる雰囲気を周りに与えるのでよくなかったりするんですけど。「あっ、そうすると素早く台本がめくれるんだ!」とか。チラチラチラッと見たりとかして。すっごく勉強になっちゃって。私の仕事のノート、30枚ぐらい埋まりました。「はっはっ! 大変、大変……」みたいな。
(中澤有美子)「はっはっ!」って(笑)。よかったですねー。
(安住紳一郎)ええ。ここに来ていろいろと裏ワザを知って、楽しかったですね。びっくりしました。あとは、FMラジオなどで仕事をしている方は式典の台本も縦書きだとやりづらいので、式典の台本すら横書きにしていたりね。「あっ、FMで仕事をされている方は台本は縦書きじゃなくて横書きなんだ! はー!」みたいな。でもなんか、縦書きの台本の人と横書きの台本の人がいて、ちょっと自分がどこをやっているのかわからなくなって他の人に教えてもらう時に「ここです」って言われると、横書きの台本で「ここです」って言われても「えっ、どこだろう?」みたいな。
(中澤有美子)ですね。
(安住紳一郎)「ああ、そうか。……相容れないんだ」なんて思っちゃったりなんかして。
AMとFMの文化の違い
(中澤有美子)アハハハハッ! 同じ台本でも書式を変えるんですね。
(安住紳一郎)書式を変えるんですね。やっぱり文化が違うんですねー。私たちは縦書きの台本が多いので縦書きなんですけど、たぶんそのまま横書きにして横、みたいな。「へー!」みたいな。テレビ東京の若い女性アナウンサーの方に「安住さんは噂では現場では大変にスタッフに厳しいと聞いていたのですが、今日ご一緒してさほどでもなくて驚きました」みたいな。そしたら他の放送局の人が「いやいや、今日は安住くんはただ、なんとなくやっているからそうなっているだけで……」みたいなことを言われて。「ああ、俺が現場でピリピリしていることって他局の人にも知られているんだ!」って思って。すごい反省して……。
(中澤有美子)アハハハハッ!
(安住紳一郎)それから……先週の水曜日からすごーく穏やかに仕事を進めている。
(中澤有美子)フハハハハッ! 時間、かかりますよ。浸透するまでには。
(安住紳一郎)「はー……そこまで、他局の若い女性アナウンサーにまで俺のピリピリ具合が知られているんだ。恥ずかしい!」と思ったんですね。本当に。
(中澤有美子)アハハハハッ!
(安住紳一郎)びっくりした。注意しなくちゃと思って。いや、いいんです。それはそれぞれのね、仕事の進め方ですから、それはそれでいいと私は思っているんですけどね。和気あいあいと仕事を進めていくというスタイルではないというだけで。言いたいことは言うし、私がダメなところも指摘してもらうというストロングスタイルですよね。
(中澤有美子)そうです、そうです。厳しい。
(安住紳一郎)お互いがお互いを傷つけ合いながら磨かれていくというスタイル。「生放送研磨スタイル」と私は呼んでいますが。
(中澤有美子)アハハハハッ!
(安住紳一郎)「高速研磨スタイル」って呼んでいるんですけども。傷をつけながら磨かれていくという感じですよね。柔らかい布でお互いを磨きあう感じじゃなくて、硬い粒子をぶつけ合って磨いていくっていうスタイルをとってきたんです。そっちの方が早く磨かれるので。そうするとちょっとね、柔らかめのサンドペーパーで磨いていく人たちが主流になってきて「ちょっと古いね」って言われちゃうんだけども……でも、若い他局の方にそんなことを言われたら、困っちゃったなと思って。
(中澤有美子)ええ。
(安住紳一郎)もう最近は、打ち合わせの時は全員がスマートフォンで打ち合わせの様子を録音してないかを確認する作業から始めているんです。
(中澤有美子)アハハハハッ! 怒らないように?
(安住紳一郎)そうです、そうです。「ちーがーうーだーろー!」なんてね。「違う違うおじさん」だからね。「違うだろ!」ってなっちゃうから。
「違いますおじさん」
(中澤有美子)そうでした、そうでした(笑)。
(安住紳一郎)「違いますでしょ?」って感じだから。あと、語尾を上げるという方法を最近は教わって。「それはどうしてですかあ↑」っていう、そういう、語尾を上げて疑問をぶつけるっていう。どうしても年齢的にね、意見を率直に言うとキツく言っているように聞こえるらしいから。「これはどうしてですか?」って言うと、「うっ、ああっ……」ってなっちゃうから、「これはどうしてですかあ↑」って語尾を上げて聞いてくださいっていうことをメイクのカリスマさんから教えてもらってやっていますっていうことね。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)びっくり。もう脇汗たっぷりかきました。
(中澤有美子)そうですかー(笑)。
(安住紳一郎)うん。なかなかですねー。
(中澤有美子)ねえ。
(安住紳一郎)びっくりしました。「はっ!」って思っちゃった。穏やかに、穏やかに。今日もひとつ、おたいらに。さて、今日のメッセージテーマはこちらです。「私のストレス」。
(中澤有美子)アハハハハッ!
<書き起こしおわり>