吉田豪と玉袋筋太郎 ダイノジ大谷ノブ彦を語る

吉田豪と玉袋筋太郎 ダイノジ大谷ノブ彦を語る たまむすび

(吉田豪)計算ではないと思うんですけど、「開き直った」が近いのかな? だからTwitterとかで大谷さんに怒る人ってすごい多いんですけど、これもある意味この関係性なんですよね。大谷さんに突っ込んでいる状態だと思うんで。で、僕が率先してその役割もやったりしてるんですよ。大谷さんがなにかを言い間違えるたびに突っ込むとか。たとえば、今日行ってきた流れでいうとアイドルで大谷さんが「最近、すごいいいアイドルがいるんですよ」って言って。

Maison book girl(メゾンブックガール)っていう僕も大好きなグループがいるんですけど。それに最近、気づいて。「すごいアイドルが出てきたよ! 『メイソン』って書いてね、『マジソン』って読むんですよ。マジソンブックガール、聞いてください」みたいな。結構上から、「俺が教えてあげるよ」みたいな感じで間違えるっていう。常に(笑)。

マジソンブックガール

ダイノジ大谷 Maison book girlを語る
ダイノジの大谷ノブ彦さんがCBCラジオ『大谷ノブ彦のキスころ』の中でMaison book girlについて話していました。 (大谷ノブ彦)さあ、じゃあもう1曲。これ、また俺知らなかったんだけど、面白いんだよ。アイドルのグループなんだけど、...

(玉袋筋太郎)かっこ悪い!(笑)。

(吉田豪)しかも、メジャーデビューしたタイミングならいいですけど、登場してから何年もたっているんですよ。大谷さん、基本そういう感じなんです。「また来た、大谷さん! ありがとう!」っていう。

(玉袋筋太郎)柵越えだね。

(吉田豪)「また来た!」っていう(笑)。

(安東弘樹)わかりやすいっちゃあ、わかりやすいんですね。

(吉田豪)そうです。だから本当に期待を裏切らなくて。だんだん、それが楽しみになってくるんですよ。「大谷さん、次はどう間違えるのかな?……キタッ!」っていう(笑)。完全に僕はそれですね。

(安東弘樹)それが「嫌われ者と共鳴」っていうのにつながるんですか?

(吉田豪)そうですね。

(安東弘樹)なんか嫌われぶりが尋常じゃないと。

(吉田豪)吉本内部も含めてっていう。そうなんですよ。これ、実はね、僕の大好きなエピソードがあって。とある週刊誌で芸人が嫌う芸人アンケートっていうのをやった時に、後輩芸人にアンケートを取って。当時、そんなに知名度がなかった大谷さんがぶっちぎりで1位になったことがあるんですよ。2位が品川さんで。

(玉袋筋太郎)まあ、それはわかる。

(吉田豪)で、これが、当時犯人探しが行われたらしいんですけど。僕が実は、このアンケートを取った人……週刊誌のこの記者というのが実は大谷さんの元カノで。

(安東弘樹)元カノ?

(吉田豪)元カノが立てた企画で、大谷さんがぶっちぎりで1位になったと。で、実はその人、芸人関係の仕事をやっているから、ガチで取っているんですよ。後輩のアンケート、本当に取っていて。後輩に本当に嫌われている人なんです。

(玉袋筋太郎)なんだろうね。

(吉田豪)いろんな人から聞きましたけども。

(安東弘樹)そこまで行くと、すごいな。逆に。

(吉田豪)たとえば、後輩芸人を自分のイベントに読んで。怪談イベントで、オリジナルの怪談を話してもらう。で、自分のエピソードも話したりするじゃないですか。大谷さんはそのネタをテレビで自分のネタとして語ったりとか(笑)。

(玉袋筋太郎)ちょっとちょっと。待って待って……それはいいのか?

(吉田豪)たぶんでも、それは怒る気持ちはわかるんですけど、大谷さんの中ではいつものパターンなんです。たぶんどこかで記憶が入れ替わっているんです。

(安東弘樹)あ、自分のものになっているというか。

(吉田豪)「いい話だな」と思って言っているうちに、たぶん自分の体験になっているんですよ。あの人の中ではどこかで、悪意とかじゃなくなっちゃっているんですよね。

(玉袋筋太郎)「人のものは俺のもの」だ。

(吉田豪)ジャイアンイズム(笑)。

(玉袋筋太郎)ジャイアン(笑)。そうなのか!

(安東弘樹)その、豪さんがが言う「1回まわって」っていうのはなんかわかる気がするな。

(吉田豪)「また来た!」っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)なるほど。そして、星座ができる。嫌われの銀河軍団って、すごいね。これ。

(安東弘樹)これ、ねえ。今回完全にテーマになっていますけども。銀河軍団?

(吉田豪)まあ、これを言っているのが東野幸治さんが嫌われている芸人が大好きなんですよね。非常に。大谷さんとか品川さんとか。そういうののウォッチを常にしているんで。そういうものができるみたいな話を東野さんが言っていたっていう話なんですけどね。それに山里(亮太)さんぐらいまで入れてみて……みたいな話をしているんですけど。

東野幸治 ダイノジ大谷ノブ彦を語る
東野幸治さんがTBSラジオ『山里亮太の不毛な議論』にゲスト出演。『ボス』ことダイノジの大谷ノブ彦さんについて話していました。 (山里亮太)東野さん、相談が。メールが来ております。(メールを読む)『山ちゃんの進路相談ですが、山ちゃんは先輩から...

(玉袋筋太郎)ああ、それは入るね。

(吉田豪)でも、山里さんはちょっとそことは違いますね。ベースに常識がありながら、卑屈さはあるけどもタイプがだいぶ違うじゃないですか。基本ジェントルで。

(玉袋筋太郎)まあ、そうだな。うん。

(吉田豪)で、また大谷さんが違うのが、僕もこのへんの方々、全員面識があるし思うのが、受け身を取る能力。突っ込まれた時とかの。やっぱり(キングコング)西野さんがすごい上手いんですよ。それは。大谷さんは本当に下手なんですよね(笑)。まだやり始めだから(笑)。やったことがなかったんで。だから、まだいじっていいかどうかの空気もまだ出ていなくて。本人も言っているんです。「まだ俺にはタブー感がある」っていう。

(玉袋筋太郎)「タブー感」?

(吉田豪)「『アメトーーク!』の好感度低い芸人にも、俺だけいなかったりする」っていうね。で、いまはそこにも嫉妬していてっていう。「なぜ俺があそこにいないのか?」っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)わからねえ男だな(笑)。

(安東弘樹)ちょっと難しくなってきましたね。

(玉袋筋太郎)なんだろうな、この男は。うん。

(吉田豪)ちなみに僕は本当に大谷さんをいじり始めてから結構長いんですよ。実は大谷さんとの付き合いって僕、もう17年とか18年とかで。

(玉袋筋太郎)そんな前なの?

(吉田豪)1999年とかですね。そのぐらいで一緒になって。で、だからあの人のブログを当時からずっと読んでいて、大好きな物を間違えるんですよ。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)僕の大好きなエピソードが、根本敬さんの素晴らしい本があるんですけど。

(玉袋筋太郎)うんうん。『電気菩薩』とか『因果鉄道』。

(吉田豪)そう。『因果鉄道の旅』っていう名著があるんですよ。みんなが影響を受けた。あれをやっぱり「永遠のバイブル」って言っているんですけど、この人はブログで「『因果応報の旅』は永遠のバイブル」って書いていたりとか。なんでバイブルを間違えるんだよ?っていう(笑)。本当に、常に詰めが甘いんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(安東弘樹)しかもかなりの間違いですね(笑)。

(吉田豪)そうなんですよ(笑)。まだ銀河鉄道の方がよかったぐらいの。

(玉袋筋太郎)それでも彼は「でも、やるんだよ!」精神があるんだな。うん。

(吉田豪)そうそうそう(笑)。次、行きますかね。

(安東弘樹)みんなが突っ込める悪気ない男。

(吉田豪)本当に突っ込みやすいじゃないですか。これぐらいいろんなことがあると。で、実はこれも僕、たぶん誰よりも詳しいエピソードなんですけど。1回、オールナイトニッポンで品川さんをゲストに呼んだことがあったんです。その時に品川さんに向かって「ウィキペディアにデタラメなことが書いてある」って怒っていたことがあったんですよ。どういうことかっていうと、「自分がやっているDJイベントに呼んだ後輩のダンサーにお金を払わないって書いてあった。それは嘘なんだよ!」って言っていたんですけど……実際に払っていなかったことはみんなが証言していて、僕もそれ、目の当たりにもしているんですよ。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)この時も品川さんに聞いたら、「俺も後輩から聞いているから、『えっ?』って思ったんですよ」って言っていて。スタッフも「『えっ?』って思った」って言っていて(笑)。

(玉袋筋太郎)ほう!

(安東弘樹)じゃあ、間違いなく払っていなかったんですね?

(玉袋筋太郎)払ってないんだ。

(吉田豪)まあ、「払ってない」って言うとあれかもしれないですけど、僕が見たのが、終わった後に1時間、2時間とガチで説教をして。で、ご飯も食えなくて、500円を渡されているのを見たんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)めんどくせーやつだなー(笑)。

(吉田豪)500円は払っていた。ゼロではなかった!

(玉袋筋太郎)500円。ゼロではない。すごい!

(安東弘樹)ギャラ、だったのかな?

(吉田豪)で、本人はそれを言ったら、「俺だけが否定している」っていうね。「おかしいな。俺、ギャラあげているつもりだったのになー」って言っているんですけどね。

(玉袋筋太郎)500円。

(吉田豪)僕の考える大谷さんは、昔は払っていなくて、ある時期から払うようになったら「昔から払っていた」と本気で思えるようなタイプだろうっていうね。

(玉袋筋太郎)ああーっ。

(安東弘樹)なるほどな。嘘ではないと。

(吉田豪)嘘ではない。どこかでズレていったりはする。「それはあるかもしれない」って言っていたんですけど(笑)。

(安東弘樹)だんだんどうリアクションしていいか、わからなくなってきました。

(玉袋筋太郎)ねえ。本当だよ、これ。面白いね。

(吉田豪)ただ、でもこれが原因でこの次のにつながってくるんですよ。実は。

(玉袋筋太郎)励ました覚えはない。無邪気に笑っていたの筋だよね。これ。

先輩芸人のしくじり

(吉田豪)どういうことか?っていうと、大谷さんがちょっと先輩芸人をしくじって大変な時期があったんですよ。これ、10年ぐらい前なんですけど。「本当に死のうと思ってビルの屋上に行った」みたいなことをブログに書いたことがあったんですよ。

(玉袋筋太郎)あらららら。

(吉田豪)その、死のうと思った顛末を。で、問題の発端部分ぐらいまで書いちゃったから、当然事務所内で大問題になって。書いたブログが半分ぐらいに削除されていたという事件があったんですよ。で、当時僕、それを見た時点で「これはヤバい!」と思って即保存したんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)するね、また(笑)。

(吉田豪)「これは絶対にヤバいぞ! やっぱり!」っていう(笑)。

(安東弘樹)削除される前にね。

(吉田豪)そうそうそう。で、「面白いことになった」と思っていたら、その後、大谷さんのイベントに呼ばれた時にわかったんですけど。先輩が絡んでいるから、同業者だといじりづらいらしいんですよ、こういうことって。なんかしくじったのはわかっているけど、みんな触れないじゃないですか。で、僕はそのダイノジロックフェスの楽屋で無邪気に会うなり、「最高でしたよ、あのブログ!」って(笑)。「超面白かった! 絶対に後々、ネタになりますよ!」って言って、ずっとそれをいじっていたんですよ。

(玉袋筋太郎)うんうんうん(笑)。

(吉田豪)そしたら、本人曰く「あれはありがたかった」って言っていて。「あれはテレビではネタにならない」と。でも、その時は「そうか」と思って。要は、「チャップリンの『人生は近くで見ると悲劇で遠くで見ると喜劇』みたいなことをわかりやすく教えてくれた。自分のしくじりがあってちょっと番組に出られなくなった時に、それを後々にネタにしていくみたいな時に豪さんが引っ張り出してくれた。だから、これも行けるかな? みたいに試していた」っていう感じで、実は僕、すごいプラスになることをやっていたらしいんですよ。

(玉袋筋太郎)いい加減にね。

(吉田豪)でもこれ僕、全然わかっていなくて。その時期にとあるアイドルの人がいまして。その人が悩んでいた時で。僕も面識あったんですよ。突然、その人から連絡が来たことがあったんですよ。で、「相談に乗ってほしい」みたいな。「なんで僕?」って聞いたら、「大谷さんに相談したら、俺が悩んでいた時に豪さんに励ましてもらったからお前も相談した方がいいって言われました」って言っていて。僕、大谷さんを人生で励ました記憶はゼロなんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)「えっ、なにそれ?」って思ったら、「それだ!」っていう。無邪気に踏み込んで笑ったことを大谷さんの中では「励ましてくれた」っていうことになっているんですよ。

(玉袋筋太郎)解釈だよね。やっぱり。ものの解釈だよな。

(安東弘樹)大谷さんの解釈力がすごいですね。

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