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吉田豪 ジブリ新人スタッフ給与と日本アニメーター低賃金問題を語る

吉田豪 ジブリ新人スタッフ給与と日本アニメーター低賃金問題を語る モーニングCROSS
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吉田豪さんがMXテレビ『モーニングCROSS』に出演。スタジオジブリが新人アニメーターを募集する際に提示した給与が「安すぎでは?」と海外のネットユーザーから反応されている話から、日本のアニメーターの低賃金問題、アニメ業界の構造的な問題について話していました。

吉田豪 ジブリ新人スタッフ給与と日本アニメーター低賃金問題を語る

(堀潤)さあ、続いて豪さん、テーマの発表をお願いします。

(吉田豪)はい。

(堀潤)「ジブリの新人 給料安すぎる?」。

(宮瀬茉祐子)今月19日に宮﨑駿監督が引退を撤回し、長編アニメ映画を製作すると発表したスタジオジブリですが、この作品を製作するための新人スタッフを募集していることで話題を集めています。スタジオジブリによると、今回の募集は18才以上で性別・国籍は不問。給与は月額20万円以上といったもので、募集要項は海外の求人情報サイトにも紹介されていて、海外のネットユーザーの間では「給与が安すぎる」との反応が広がっています。

(堀潤)まあたしかにね、アニメ産業はなかなかね、厳しい……。

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金銭的にはちゃんとしているスタジオジブリ

(吉田豪)あの、宮﨑さん的には結構誇らしげに出したと思うんですよ。これを。そしたら、海外とかだと「安すぎる」って叩かれるという。まあ、結構ジブリって金銭的にはちゃんとしているところで。アニメーターを正社員化して固定給にしたりとか。

(堀潤)やってらっしゃるんですね。

(吉田豪)やっていたんですね。過去に。まあ、でもそれがやっぱりやりきれなくなって、一時解散とかになって。どういうことか?っていうと、まあ基本、アニメーターの収入って異常に安いんですよね。

(堀潤)そうかー。どれぐらいですか?

(吉田豪)平均年収が111万円っていう。月収10万円を切っているんですね。(若手アニメーター20才~24才の平均年収。同世代の一般的な平均年収は248万円)。

日本のアニメーターの厳しい現実

(野田稔)厳しい……。

(堀潤)ううーん、会社員の世帯平均年収ってだいたい400万円前後ですから。それからしてみても、若いですけど、半分ですよね。

(吉田豪)そうですね。働く時間も異常に長いし。(アニメーター1ヶ月の作業時間:262.7時間 一般労働者:168.5時間)。で、ちょっと前に話題になったのがこういうのもあったらしいんですよね。はい。若手のアニメーターが収入、手取りが1477円だったっていう。

若手アニメーターの収入例 手取り1477円

(堀潤)へー。これはジブリではなくて?

(吉田豪)ジブリじゃなくて。若手のアニメーターの人です。

(堀潤)一般的にという。さらに過酷な勤務実態もツイッターで暴露という。「鉛筆・消しゴムの購入が個人購入」「祝日も仕事いただけて本当にありがとうございます。ありがとうございます」。これは皮肉?

(吉田豪)こんなような状態で。たしかに、あれなんですよ。僕ももともと小学校の時に、将来の夢で僕、「日本サンライズのアニメーター」って書いていたぐらいに……。

(堀潤)日本サンライズ?

(吉田豪)はい。ガンダムとかの。アニメーターになるつもりだったんですよ。で、中学の時に「いろんな仕事を調べよう」っていう授業で、東映動画のアニメーターの方の取材をしたんですよ。そしたら、中学生相手にいかにひどい会社なのか?っていうことをずっと言われて。

(堀潤)夢を聞きに行ったのに(笑)。

(吉田豪)「賃金が激安だし、政治的にもひどいものを作っている!」みたいな感じで。「だから、我々はストをやって……」みたいな話を中学生にずっとするんですよ。

(堀潤)組合の方だったんですね(笑)。

(吉田豪)そう。いや、東映って組合がすごい強くて。で、宮﨑さんも東映出身なんですよ。だから組合で戦っていた人なんで、自分の会社はちゃんとしようと思ってやったら、叩かれたっていうことですね。

(堀潤)でも逆に豪さん、そこで組合の闘士の方がそういう実態を語らなかったら、そのままずっと行っていた可能性も……。

(吉田豪)そうなんですよ。僕、月収が10万円だった可能性があるんですよ。

(堀潤)そうですよね。だから事前にそういうことをわからず、夢を搾取していくという構図が一部、いろんな業界にある。これが問題になっています。

(野田稔)やりがい搾取的なやつね。

(堀潤)そう。そうならないようにしないといけない。

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宮﨑駿の手塚治虫批判

(吉田豪)で、宮﨑さんはこの、どうしてアニメが儲からないのか?っていう話はよくしていて。で、手塚治虫さんの批判をすごいするんですよ。手塚さんが虫プロっていう会社を作って、『鉄腕アトム』を最初に、日本ではじめてのテレビアニメシリーズを作った時に、とにかく激安な製作費で仕事を請けちゃったんですよね。

(堀潤)ああー、そうか。

(吉田豪)それからずっと続いていて。もともと儲かる状況じゃなかった。

(堀潤)そこにラインが作られちゃったんですね。

(吉田豪)そもそも『アトム』は手塚先生が他の仕事で稼いで、それで赤字を補填したりとか。なおかつ、グッズも売れたからペイできたもので。天才が死ぬほどがんばって、なおかつグッズが売れた状態でないとペイできないようなシステムから始まっちゃっているんですよ。

(堀潤)なるほど、そうか。海外はどうなんですかね。アメリカでもアメコミのDCとかマーベルとか、ああいった業界がありますけども。

(吉田豪)全然やっぱり違うみたいですね。日本が異常で。で、僕はかなりベテランのアニメ関係者の取材とかをすごいしたんですよ。で、『ガンダム』の富野由悠季監督とか、安彦良和さんとかを取材したんですけど、やっぱりあれだけ国民的な大ヒット作を作っても、経済的にはそんなに恵まれないんですよ。

吉田豪 富野由悠季インタビューを語る
吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。『機動戦士ガンダム』などの監督で知られる富野由悠季さんにインタビューした際の話をしていました。

(堀潤)『機動戦士ガンダム』?

(吉田豪)「誰が儲かっているんだ?」っていう感じで。安彦さんなんて『宇宙戦艦ヤマト』にも関わって、『ガンダム』にも関わって。国民的なヒット2個に関わっているのに、やっぱり、それはだから著作権とかもらえるわけじゃないから。イラストを頼まれて描いたら、それでその分もらえたりするけどっていう。

吉田豪 安彦良和を語る
吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。『機動戦士ガンダム』のキャラデザインなどで知られる安彦良和さんについて話していました。

(堀潤)でもあんなにね、プラモデルやポスター……。

(吉田豪)関係ないですよね。

(堀潤)ああいうのは入ってこない?

(吉田豪)だから原画の料金が入るだけみたいなんで。

(堀潤)やっぱりだから、そういう風にきちんとお金が本当に大本のクリエイターの方に集まってくる仕組みを作らないと……。

(吉田豪)だから『ヤマト』の時は西崎義展さんっていう有名なプロデューサーがいて。その人だけがボロ儲けをするようなシステムだったんですね。

(堀潤)ああー。

(吉田豪)その人がクルーザーに乗ってキャビアを食べながら美女をはべらせて。で、薬物をやって……みたいな世界に行くわけじゃないですか。

(堀潤)そんな方だったんですか?

(吉田豪)そんな人だったんですよ(笑)。

(野田稔)だから中間搾取が多すぎるんだよね。日本とかはね。そういう構造からちゃんと変えて、本当に付加価値を出している人に正当に支払われなきゃダメだよ。先ほどね、中小企業の方で給料が上がって……っていう話もあるじゃないですか。あれもね、一部は通じるところがあるわけですよ。本当に働いている人のところにお金が行かないと。

(吉田豪)だけども、本当に作った人の元にはお金がちゃんといかない。会社だったりとか、たぶん広告代理店とかの方に行っちゃうシステムなんで。

(堀潤)しかも、それを行ったら干されてしまうとか。

(吉田豪)そうなんですよ。あんまり文句を言わないで続編とかに関わった方がお金にはなるんで。辛いんですよ。

(堀潤)どうすればいいですか?

(吉田豪)どうなんだろう? だから、普通に思うのは政府も「クールジャパン」とか言っているぐらいだったら、アニメとか特撮とかの製作会社は税金を優遇するとか、そうやってサポートするシステムを作らないと。

(堀潤)先細っちゃいますよね。

(吉田豪)そうですね。

(野田稔)下請けみたいなところがやっぱりネットなんかを上手く使って、本当に下流に出ていくっていうところの方がいいですよね。

(堀潤)そうですね。(ツイートを読む)「保育士とアニメーターの根底が似ている。それに見合った賃金を」ということで。いろんなところから悲鳴が聞こえてきます。ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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