星野源と山下達郎 『オマリーの六甲おろし』を語る

山下達郎『オマリーの六甲おろし』を語る ラジオ

山下達郎さんと星野源さんが民放ラジオ101局特別番組『WE LOVE RADIO 山下達郎・星野源のラジオ放談』でラジオから流れてきた音楽で心をグッと掴まれた曲についてトーク。星野さんが選曲した『オマリーの六甲おろし』で意気投合していました。

(マンボウやしろ)さあ、ではラジオから流れてきた音楽で心をグッと掴まれた曲。いまでも印象に残っているマイ・ファースト・ラジオ・キラーチューンをお一人ずつ挙げていただきたいんですが……じゃあ、源さんから。

(星野源)ああ、じゃあ僕から。僕、これはその『コサキンDEワァオ!』という番組でCD大作戦っていうコーナーがありまして。CDの音源の歌の歌詞を全部抜き出して、本当にコラージュみたいにして、コントみたいにするっていう。もともとは萩本欽一さんがやっていた、たぶんレコード大作戦っていうコーナーがあったんです。それをCD大作戦っていうコーナーに変わって。で、その中でよく使われる面白い曲っていうのがいっぱい……本人たちはすごく真面目にやっているのに、面白く聞こえてしまう珍盤みたいなものが。

(マンボウやしろ)はい。

(星野源)で、その曲たちを「コサキンソング」っていう風に番組の中では呼んでいたんです。で、その曲の中で僕が初めて聞いてお腹痛くなるぐらい笑ってしまった曲がありまして。それが、当時阪神タイガースの選手だったオマリー選手の『六甲おろし』。

(マンボウやしろ)阪神の応援歌というか。

(星野源)そうですね。『オマリーのダイナミック・イングリッシュ』っていうタイトルのCDの中に入っている『オマリーの六甲おろし』っていう曲があって。すごくこの曲、大好きで。AMリスナー的には割りと鉄板的な曲でもあると思うんですけども。

『オマリーのダイナミック・イングリッシュ』

オマリーのダイナミック・イングリッシュ 〜オマリーの六甲おろし〜

(山下達郎)僕もCD、持っていますよ。

(星野源)あ、そうですか。やっぱり。

(マンボウやしろ)「CD持っている」ってどういうことですか、このオマリーのやつを?(笑)。

(星野源)僕も持っているんですけど。最初、日本語で歌うんです。『六甲おろし』を。で、まあちょっと下手なんですよね。で、2番で英語になるんですね。やっぱり日本語だから難しかったのかな?って思って英語の歌詞になった時に、またちょっと衝撃がおとずれるので、そこも含めてぜひ。

(山下達郎)(笑)

(マンボウやしろ)いまの感じでいくと、すごく上手いみたいなイメージでしたけども。

(星野源)それをぜひ聞いて、判断していただければと。

(マンボウやしろ)星野さん、星野さん。

(星野源)はい?

(マンボウやしろ)今日、山下さんと初めてですよね? で、こういう番組で(ラジオ局)101社で。なんでこれを?

(星野源)(笑)

(マンボウやしろ)いや、俺、どういう……?

(山下達郎)いや、気持ちはよーくわかります。

(マンボウやしろ)わかっちゃうんですか!?

(山下達郎)聞けばわかります。

(星野源)いや、これ聞いたことないですか? やしろさんは聞いたこと、ないですか?

(マンボウやしろ)俺、聞いてないから、「どうした、星野源」って思ってますけど、聞けばわかるんですか?

(山下達郎)すごく僕、だからその星野源っていう人の出自というか、音楽的なものとか、役者的なものとかの、そのラジオのライフっていうのから透けて見えるね。

(マンボウやしろ)この選曲で?

(山下達郎)いや、だから聞いている番組とか。で、すごくよく理解できる。それがすごくやっぱり一本筋が通っているというか。

(星野源)(笑)

(マンボウやしろ)僕たちに見えない筋が通っているわけですね。

(山下達郎)「なるほどな」と思って聞いてます。

(星野源)聞いていた当時、誰とも共有できない苦しさと楽しさ。これ、勧めたくなるんですけどね。

(マンボウやしろ)じゃあ、曲紹介をいいですか?

(星野源)はい。それではみんなで一緒に聞きましょう。オマリーで『六甲おろし』。

オマリー『六甲おろし』

(マンボウやしろ)えー、お聞きいただいたのが……(笑)。

(山下・星野)(笑)

(マンボウやしろ)大変ですけど。かしこまって言うのも。これは『六甲おろし』のオマリーバージョンというか。

(星野源)はい。オマリーの。すごくないですか? 2番の英語になった途端にその……(笑)。

(山下達郎)だから絶対にメロディーをろくすっぽ覚えてないんだよ(笑)。

(星野源)(笑)。あの、歌の中で迷子になっていって、帰って来れない感じ。

(山下達郎)どこがどこだかわからない(笑)。

(星野源)どこがどこだかわからない感じ(笑)。

(山下達郎)通信カラオケで……やっぱり通信カラオケのオケじゃないですか。これの通りに歌おうとする人間がいまでもいるっていいますからね。

(星野源)そうですか(笑)。これをコピーしたくなる?

(山下達郎)これをコピーして歌いたくなるっていう。

(星野源)「ブルースカーイ♪」みたいな(笑)。「タイグァース♪」って、なぜ「タイガース」がそんなに歌えてないんだ?っていうのが……。

(マンボウやしろ)ねえ。そこは上手く歌えよ!っていうことですよね。タイガースの部分は、英語なんだしということで。

(星野源)ぜひ、みなさんも。ぜひ、購入してください。これ。

オマリーのダイナミック・イングリッシュ 〜オマリーの六甲おろし〜

(マンボウやしろ)購入……もうできないかもしれないですけども。ラジオを聞いてグッと心をつかまれた曲で1曲目、星野源さんでいま来ましたけども。

(山下達郎)もう、いいですよ。僕は(笑)。

(星野源)いやいや……。

(マンボウやしろ)そうですよ。行きづらいですよ、達郎さん。でも、行っていただかないといけないので。段取り上(笑)。

(山下達郎)僕ね、音楽しか能がないので。完全に曲なんですけど、中学2年の時に……当時はだから音楽番組、ラジオはたくさんありまして。『P盤アワー』っていうのがりましたね。ポリドール系のレコードをかける。

(星野源)P盤って呼んでいたんですね。

(山下達郎)ええ。『S盤アワー』とか『P盤アワー』とか、そういうのが。『9500万人のポピュラーリクエスト』とか、そういうヒットパレード番組ですね。それでかかって。ポリドールで出ていたんですよ、アトランティック・レーベル。当時ポリドールだったんで。僕の、それが一生のアイドルになるヤング・ラスカルズっていうニューヨークのグループなんですけども。これの全米ナンバーワンの『Good Lovin』っていう曲がありまして。これが僕にとってのロックンロールの原初なんですよね。

(星野源)はー!

(山下達郎)これがラジオでモノラルで出てきた時の衝撃度ったら、もうね。それでシングルを買いに行って。それはすごくいまでも……「これだ!」と思ってね。

(マンボウやしろ)まさに、じゃあ本当にもしかしたら人生が変わっている1曲ですか?

(山下達郎)まあ、結局自分が音楽をやるということになって、どこを目標にするか?っていうその精神的なもの。で、ブルー・アイド・ソウルっていって白人の歌うリズム・アンド・ブルースなんですよね。で、「青い目のソウル」って、黒人に青い目がいないんでブルー・アイド・ソウルっていうんですけど。要するに、黒人音楽が好きなんだけど、白人でしょう? イタリア系のアメリカ人なの。そういうフィルターの通し方っていうのは僕、日本人でロックンロールをやる時に、やっぱり輸入音楽をどうするか?っていうところと精神的にちょっとシンクするところがあるんですね。

(星野源)はい。

(山下達郎)そういうところがすごく、思想的な意味ですけど。それが、原点に戻るとラスカルズの『Good Lovin』に戻ってきますね。

(星野源)源さんので、「達郎さんなくていいんじゃないか?」みたいなの、さっきありましたけど……。

(星野源)逆ですね。

(マンボウやしろ)逆でしたね(笑)。

(山下達郎)(笑)。違う違う違う。

(星野源)オマリーはかけない方がよかったですね。

(山下達郎)いやいや。

(星野源)リスナーの方が怒っているかもしれない(笑)。

(山下達郎)自分の番組で珍盤奇盤っていう企画があるんですけど、その時にまだこれ(オマリーの六甲おろし)、かけてないんですよね。そのうちにかけてみたいなって思っていて。

(マンボウやしろ)それでは、曲紹介をお願いします。

(山下達郎)じゃあ、ヤング・ラスカルズの1965年の全米ナンバーワン。『Good Lovin』。

The Young Rascals『Good Lovin』

(マンボウやしろ)山下達郎さんのグッと心に来た1曲ということで『Good Lovin』。

(星野源)かっこいい。これはモノラルとステレオがどっちもあるんですか?

(山下達郎)やっぱりモノラルじゃないとダメですね。オリジナルシングルの。

(星野源)やっぱりモノラルじゃないとダメなんですね。

(山下達郎)モノラルじゃないとダメです。はい(笑)。

(星野源)僕もモノラルの曲ってすごい大好きで。自分の曲でも、だいたいこう、真ん中に寄らせようとどうしてもしてしまうっていう。せっかくステレオなのにっていう。

(山下達郎)スピーカーが1個しかない方がね、音圧がね、ガッツがあるんですよ。

(星野源)うんうんうん。

<書き起こしおわり>

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