山下達郎と星野源 自身のラジオ番組を語る

星野源 山下達郎とのラジオ放談番組『WE LOVE RADIO!』を語る ラジオ

山下達郎さんと星野源さんが民放ラジオ101局特別番組『WE LOVE RADIO 山下達郎・星野源のラジオ放談』で自身の番組『サンデー・ソングブック』や『オールナイトニッポン』について話していました。

(マンボウやしろ)ラジオの現役パーソナリティーのラジオへの思いに迫ってみたいと思います。山下達郎さんのTOKYOFM『サンデー・ソングブック』。1992年にスタートしたということで、もう25年?

(山下達郎)今年の10月で25周年です。

(マンボウやしろ)そして達郎さんは作家さんもなく、自ら全部やられていると。選曲も……。

25周年の『サンデー・ソングブック』

(山下達郎)台本ないです。選曲も全部1人です。かけるCDもうちの自宅のコレクションなんで。100%。

(マンボウやしろ)あ、TOKYOFMのCDを使っているわけじゃないと?

(山下達郎)じゃないですね。家から持っていきます。家から持ってくるというか、正確に言うと家でリマスタリングして。

(星野源)うわーっ! すごい!

(山下達郎)いやー、オールディーズなので。さっきみたいな1965年とかそういう音楽なので。そうすると、いまの放送のあれだとちょっと音圧が足りないので、家でリマスタリングして、いまの、それこそそういうEXILEとかああいうような音圧でも負けないようなアレンジに上げてやらないと。ショボいんで。古い音は。

(マンボウやしろ)はー! すごい。これ、ラジオを好きなリスナーの人たちも聞いていれば、おそらくラジオで働いている人も、そしてこれから働きたい人も聞いていると思うんですけど。

(山下達郎)いや、でもオタクな番組ですよ。本当に。

(マンボウやしろ)たとえば選曲ひとつ取ったとしても、どういう基準だったり、どういう風に思いながら?

(山下達郎)本当に古い曲をかける番組なので。現代的な視点から鑑賞にたえるやつですね。だから、昔の大ヒット曲っつっても、いま聞くと全く古臭いものにしか聞こえませんけど、全く無名の曲でも、いま聞いても全く鑑賞にたえるっていうね。基本的にそっちが。

(マンボウやしろ)そして年に2回、竹内まりやさんとの夫婦放談がありますけども。どうですか? いつも1人でやられている時と、竹内まりやさんとやる時は?

(山下達郎)いわゆるトーク番組で育った人間じゃないんですよね。僕ね。だから、ラジオっつったら音楽番組なんですよ。だからオールナイトでも、高崎一郎さんとか糸居五郎さんとか音楽主体の番組。パック・インでも福田一郎さんとか八木誠さんとか、音楽主体の番組オンリーなんですよ。だから、逆に星野さんの話を聞いていると、そういうトーク番組に対するセンスって僕、全くないんで。だからそういうところの弱さっていうかね。逆に言うと。だからそれをどうやってリカバーするか?っていうのは自分でずーっと考えてやってきましたけど。

(マンボウやしろ)でも、たとえば僕も一応しゃべるお仕事をさせてもらっていますけども。しゃべるってじゃあ、たとえばトークのリズムだとか、面白い内容がどうこうじゃなくて、僕、達郎さんのラジオを聞かせてもらっていて思うのは、その僕らが知らないところ。たとえば「この曲はこのアーティストが……でも、もともとこのアーティストはこのアーティストが……」っていう、ダーッて掘っていって。「あれ、どこから始まったっけかな?」って1回思うんですよ(笑)。それでまた同じスピードでガーッて戻ってきて曲に行く時の、その他ではあまり聞いたことがない曲の入り方というか。

(山下達郎)それはやっぱり、星野さんが自分で聞いていた番組のそういうトーンっていうのを自分のオールナイトにフィードバックしているでしょう? それと同じで、僕もやっぱり八木誠さんとか福田一郎さんとか中村とうようさんとか。ああいう方々がそうやって新譜を紹介してくれる、そういうようなものを、僕の中にインプットされていて。それがフィードバックしているんです。同じなんです。

(マンボウやしろ)そして、星野源さんのニッポン放送『オールナイトニッポン』。AMラジオの真骨頂ともいえる深夜枠の。

(星野源)そうですね。深夜ラジオっていう感じの内容になっています。

(マンボウやしろ)開放感は強いですか? 深夜って。

『星野源のオールナイトニッポン』

(星野源)そうですね。自分が深夜の時間帯が好きっていうのもあって。で、よく夜中にラジオを聞いていたのもあって。あと、リスナーからのメールがすごく面白いですね。なんて言うんですかね? みんな文才があるというか。だから僕、あんまり自分で面白いことを言おうっていう気じゃなくて、ただみんなで笑っているだけっていう印象が自分ではあるんですけども。あと、自分がやりたいなと常々思っているのは、ちゃんと……すごくオールナイトの中でむちゃくちゃ曲をかけている方だと思うんですけど、ちゃんとフルで流したいなというのは思っています。で、僕がちっちゃい頃にAMを聞いて唯一不満だったのは、ワンコーラスで曲が終わっちゃうことで。「もっと聞きたいのに、なぜ?」っていつも思いながらだったので、自分が番組をやる時は、なるべく事情が……本当に番組が終わっちゃうとかじゃない限り、なるべくフルコーラスでかけて。なぜいまこれをかけたいのかっていう話は、なるべくするようにはしています。あと、いまの若い人も自分が同じようにいろんな人が教えてくれた面白い音楽っていうものを、なるべくわかりやすく伝えたいなっていう。

(マンボウやしろ)「面白い」っていうのは別にオマリー的なことじゃないですよね?

星野源と山下達郎 『オマリーの六甲おろし』を語る
山下達郎さんと星野源さんが民放ラジオ101局特別番組『WE LOVE RADIO 山下達郎・星野源のラジオ放談』でラジオから流れてきた音楽で心をグッと掴まれた曲についてトーク。星野さんが選曲した『オマリーの六甲おろし』で意気投合していました

(星野源)オマリー的な方向もありますし、あとはたとえばマーティン・デニーの『Firecracker』とYMOの『Firecracker』と細野さんが中華街のライブだけでやった生演奏の『Firecracker』を全部聞き比べるとか。そういうのをやるとすごい……でも、自分がやっぱりいいと思っているものしかかけたくないっていうのは、それは信条としてはあるんですけども。

429 Too Many Requests

(マンボウやしろ)オールナイトニッポンっぽくはないですよね。そうなってくると。

(星野源)いや、でもいわゆるオールナイトニッポンって実は……。

(山下達郎)いいとこ取りだと思う。だから。昔はそんなに全部できなかったから。やっぱりトークの人はトーク。要するに、そういった冗談の人は冗談だし、音楽に特化する人は音楽特化だし。分業的なところがあった。

(マンボウやしろ)わかれていたイメージがありました。

(山下達郎)それを統合した感じがする。すごく。それでフルコーラスかけるっていうのは、すごく新鮮な響きだもん。

(マンボウやしろ)そして、お二人にお聞きしたいんですけども。ラジオの魅力、面白さ。なかなか一言では言えないところもあると思いますけども。いかがでしょうか?

(星野源)やっぱり距離感の近さかなとは思います。テレビと圧倒的に違うのは、自分の近い場所でMCの方なりパーソナリティーの方がしゃべっているという感覚にすごくなルンですよね。特に声だけだったり、音楽だけだったり。その方のパーソナリティーっていうものをすごく身近に感じられるメディアだと思うので。一対一っていう感じがすごく。ラジオ局から全国に流れていたりするものなんですけど、自分のためだけにやっているんじゃないかな?って勘違いできるというか。

(マンボウやしろ)うんうん。

(星野源)だからこそ、すごく気を抜いてしゃべれるといいますか、嘘をつかないでしゃべれるっていうんでしょうか。

(マンボウやしろ)嘘もバレるメディアですしね。

(星野源)ああ、そうですね(笑)。たしかに。

(マンボウやしろ)達郎さんはラジオの魅力は?

(山下達郎)なにも付け加えることはありません。

(星野源)(笑)

(マンボウやしろ)嘘ですよ。本当ですか?

(山下達郎)全く同じ。一対一のメディアっていうか、だからライブハウスと東京ドームの差みたいなね。テレビとラジオって。マスじゃないんですけど、ラジオはそれでもマスなんですよ。だからラジオってマスであり、パーソナルであるという非常に特殊なメディアだと思うんですね。そういうところがすごく……だから、全くそのままで。なにも付け加えることはないです。

(マンボウやしろ)わかりました(笑)。初対面とは思えないです。このシンクロ率が、いまのところ。ありがとうございます。

<書き起こしおわり>
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