吉田豪と愛甲猛 江夏豊・金田正一・落合博満を語る

吉田豪と愛甲猛 江夏豊・金田正一・落合博満を語る AbemaTV

吉田豪さんと愛甲猛さんがAbemaTV『月曜The Night』にゲスト出演。球界のレジェンド江夏豊さん、金田正一さん、落合博満さんの豪快なエピソードを紹介していました。

(スピードワゴン小沢)俺、野球好きだから行っていい? 江夏さん、聞きたい。この人もいろいろと……ああ、これ知らないな。「足に残る銃痕」って。

(吉田豪)これ、僕ですね。1回、インタビューをしまして。江夏さんの自伝も全部読んで行ったんですけど、本当にアウトローな人なんですよね。現役時代は週5で徹マン(徹夜で麻雀)していて。で、江夏の21球とかオールスター戦での9奪三振とか、伝説の試合はどっちもかならず前日は徹マンなんですよ。

(スピードワゴン小沢)へー!

(吉田豪)で、中学時代に先生を脅して通知表をオール3にしたとか。

(スピードワゴン小沢)脅して「3」っていうことはスタートが相当下だってこと?(笑)。

(吉田豪)そうです、そうです(笑)。「せめて人並みにはしろ!」って言って。で、いろいろと本を読んでいたら、昔結構暴れていて。「チェーンかなにかでやられた傷跡が残っているみたいな記事を読んだんですけど、あれは本当ですか?」って聞いたら、「ああー、っていうかチェーンじゃない。はじかれたんよ」って言っていて。「『はじかれた』ってなんだ?」っていう……(笑)。

(スピードワゴン小沢)中学時代ですよね?

(吉田豪)まあ、学生時代の話だと思うんですけども。

(スピードワゴン井戸田)学生時代に「はじかれた」?

(吉田豪)「はじかれた」の意味が僕にはわからなかった。まあ、そんな感じで遊びすぎて体がボロボロになって、医者から「酒、タバコ、女、麻雀のどれかをやめろ」って言われてお酒を止めた人で。それである女性と同棲した時、遊びすぎてその女性の反感を買い、ガチで殺されかけること3回。目が覚めたら出刃包丁を持った彼女が立っていたとか……。

(スピードワゴン小沢)もう、シド・ヴィシャスじゃん。

(スピードワゴン井戸田)野球選手のエピソードじゃないもんな、もう。

(吉田豪)すごいんですよ。

(スピードワゴン小沢)江夏さんとの接点はどうなんですか?

(愛甲猛)子供の時から江夏さんが大好きで。で、プロに入った時にどうしても江夏さんのグローブがほしくて。日本ハムにいたんで日本ハム戦の時に村田兆治さんが「お前、ちょっと来い」って江夏さんのところに連れて行ってくれて。「たのめ」って言って。で、江夏さんに「グローブください」って言ったら、すっごい優しい人で。「ちょっと待っとって」ってグローブ、使っていたのをポンとくれて。

(スピードワゴン小沢)へー! やっぱり同じ不良の匂いを感じ取ったんじゃないですか?

(愛甲猛)フフフ(笑)。かもしれないですね。

(スピードワゴン井戸田)これはどうなんですか? 愛甲さんの時代も徹マンやら、お酒を朝まで飲んでいたみたいなエピソードもありますか?

(愛甲猛)もう普通にみんな麻雀は大好きですね。

(スピードワゴン井戸田)それはナイターが終わってからスタート?

(愛甲猛)村田兆治さんは投げた日、興奮しちゃって寝れないから、朝まで麻雀をやるんですけども。

(吉田豪)麻雀でクールダウン。

(愛甲猛)そうです。で、それにかならずトレーナーとトレーニングコーチが付き合わされるんですけども。でも、あんまり上手くないんですよ。だから、コーチなので年上じゃないですか。で、横にいてその人が村田さんからあがると……俺、ちょうど暇で見ていたんですけども。麻雀牌を何個か掴んで殴っちゃうんですよ(笑)。びっくりしましたもん。

(スピードワゴン小沢)僕、もともと雀荘でも働いていたし、いまでも麻雀をやるんですけど。僕、ここにずっと麻雀のタコがあるんですよ。これ(盲牌)ができるんですけど。ピッチャーなんか、指にタコができちゃったらダメじゃないですか?

(愛甲猛)だからね、村田さん……たぶん村田さん、盲牌してもわかんないと思うんですけど。

(スピードワゴン小沢)ああ、「盲牌しない」っていうのは桜井章一会長と同じ考え方ですか? 会長は「盲牌はやめろ」って言っているんですけども。

(愛甲猛)いや、漢字がわからない人なんで(笑)。

(吉田豪)僕、愛甲さんから「野球選手のトラブルは意外と麻雀が発端だったりする」っていう話を聞いたことがあって。王さんと中畑さんとか……。

野球選手のトラブルは麻雀が発端になることが多い

(スピードワゴン小沢)フハハハハハッ! はさむんじゃないよ! 巻き込むんじゃないよ、王さんを(笑)。

(スピードワゴン井戸田)タバコを吸う選手はいまでもいっぱいいますもんね。

(愛甲猛)多いですね。でも、だいぶ減ったんじゃないですか? 昔はほとんど9割方吸ってましたね。

(スピードワゴン井戸田)いまでもキャンプに行くと喫煙所だけが囲われていたりしますもんね。ファンから見えないようになっていたりとかね。これ、ちょっと江夏さんのいちばんすごいエピソード、この中に載っていないの、ありますか?

(吉田豪)載っていないので。言っていいですかね? 江夏さんはずっと時代劇が大好きで。NHKの大河ドラマに出たいと思っていて、オファーが来て夢がかなった瞬間があったんですよ。ところが、降りたんですよ。当時、昭和の終わりぐらいで世の中が厳しくなってきた頃で、「黒い交際があると大河には出れない」って言われたらしいんですよ。その時に、「そんな面倒くさいことを言うなら、出ない!」って(笑)。

(スピードワゴン井戸田)じゃあ、それは「ある」っていうことですね?(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。で、江夏さんが怒っていたのが、「勝新太郎さんは『俺はそんなもん、ない』って言って出たんだよ。ズルいんだよ、あの人は!」って言っていて(笑)。

(一同)フハハハハハッ!

(吉田豪)あれだけ誰も悪く言えない勝新さんを悪く言っていたっていう(笑)。あとはカネやん(金田正一)さんの話をしたら、「金田さんと屋上で決闘をしたことがある」みたいな話も……。

(スピードワゴン小沢)誰が?

(吉田豪)江夏さんと金田さんが、屋上で殴り合いをしたとか。

(スピードワゴン小沢)日本の最多勝の記録と最多奪三振の記録を持つ、ピッチャーのトップ同士が?

(吉田豪)たぶんお互いがいい歳の頃に(笑)。

(スピードワゴン小沢)理由はなんでですか?

(吉田豪)詳しくは聞いてないですけども。「殴り合いをしてさ」みたいな。

(スピードワゴン小沢)すごい……金田さんは「天皇」と呼ばれた人ですからね。

(愛甲猛)言っておきますね。「天皇と呼ばれた」んじゃなくて、「自分で言っていた」んですよ。

(吉田豪)周りから呼ばれたわけじゃなくて(笑)。

(スピードワゴン小沢)「金田さんは天皇と呼ばれていた」っていう風に我々野球ファンは認識していたんですけども。

天皇・金田正一(自称)

(愛甲猛)僕、間近で見たんですけども。ゴルフに一緒に行ったんですよ。監督に時に「お前、行くぞ!」って言われて、千葉のゴルフ場に行って。で、メニューにないものをいきなりたのんだんですよ。レストランで。で、「いや、それはメニューにございません」って言われたら、「『天皇が言っているんだ。もってこい!』って料理長に言え!」って言って。「ええっ? 自分で言うんだ……」って思って(笑)。

(一同)フハハハハハッ!

(スピードワゴン小沢)じゃあ、このまま金田さん話も聞かせてくださいよ(笑)。

(スピードワゴン井戸田)で、料理は出てきたんですか?

(愛甲猛)出てきましたよ。

(スピードワゴン小沢)じゃあ、その人が後の『天皇の料理番』という?

(スピードワゴン井戸田)違うよ!(笑)。

(スピードワゴン小沢)では、金田さんの話を詳しく……。

(愛甲猛)もう本当にわがままというか、とにかく自分がいちばん。自分が食べるものは日本一。自分のやることは日本一っていう人なんで。でね、僕は試合前にかならず1時間ぐらい特打っていうのをやっていたんですよ。そしたらなんか知らないけど突然、「おう、猛。ワシが投げたる!」って言って投げてくれて。そしたらやっぱりね、その時は60歳台だったけど、まあ本当にきれいないいボールを投げてくるんですよ。

(スピードワゴン小沢)そうなんだ!

(愛甲猛)フォームもきれいだし。で、きれいなボールだから、気持ちよく打てるわけですよ。それでカンカンスタンドに入れていたら突然ですよ。もう夏場だからヘルメットなんかかぶらないで特打しているのに、いきなり頭に向かって投げてきて。で、ひっくり返ったんですよ。そしたら僕、試合のために特打しているのに「よける練習せい!」って……。

(吉田豪)フハハハハハッ! 当てに来た?

(愛甲猛)そう(笑)。だから打たれることが腹立ったんでしょうね。

(スピードワゴン井戸田)腹立って。それでぶつけにきた(笑)。

(スピードワゴン小沢)超勝手じゃん!(笑)。自分のチームの主砲を潰そうとしているわけでしょう?(笑)。

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