みうらじゅんと伊集院光 ジャガーさんとアレなレコードを語る

みうらじゅんと伊集院光 ジャガーさんとアレなレコードを語る TBSラジオ

みうらじゅんさんがTBSラジオ『伊集院光とらじおと』のアレなレコード紹介コーナーに出演。伊集院光さんに千葉の英雄、ジャガーさんなど、アレな珍曲を紹介していました。

(伊集院光)『伊集院光とらじおとあれと』のコーナーは「あれコード」ということでやっておりますけども。本当に朝の番組にこの組み合わせでいいんでしょうか(笑)。ジャケット、紹介してください。

(安田美香)はい。あれコードコレクターの、みうらじゅんさんです!

(みうらじゅん)よろしくお願いします! どうも、おはようございます。

(伊集院光)おはようございます(笑)。

(安田美香)お願いします。

(伊集院光)あの、まさかみうらじゅんさんと朝の9時半に………

(みうらじゅん)遅くのやつは随分やりましたけどね。

(伊集院光)遅くのはやりましたけどね。

(みうらじゅん)遅くやって、これぐらいまで起きてましたからね。昔はね。

(伊集院光)あ、なるほど!

(みうらじゅん)だいたい魚民でここらへんぐらいまで飲んでましたから。ええ。

(伊集院光)飲んでた! 魚民でかならず。

(みうらじゅん)かならずね。反省会でしたよね。あれ。いつも反省会と称してやってましたね。

(安田美香)(笑)

(伊集院光)っていうか、深夜番組で初めて会った頃に、魚民の反省会のために番組をやっていたようなもんですもんね。

(みうらじゅん)あれがメインでしたね。プレゼンツがあっちでしたよね。ええ。

(伊集院光)あの、アレなレコード、すっごい持ってますよね?

(みうらじゅん)僕ね、どちらかと言うとね、エロですね。まあ。

(伊集院光)あ、アレの中でも……

(みうらじゅん)エロードの方ですね。僕。

(安田美香)(笑)

(伊集院光)エロード(笑)。レコードになってないじゃないですか(笑)。

(みうらじゅん)専門はエロードなんで。ちょっと今日は戸惑って来たぐらいですね。ええ。

(伊集院光)あ、それでたぶんディレクターがバタバタしてたんだと思うんですけど。

(みうらじゅん)たぶんそうなんですよ。アレってね、ジャンル分けがちゃんとあって。

(伊集院光)アレの中にもね。

(みうらじゅん)その専門家がいるんですよ。で、僕ね、やっぱり人のテリトリー、領域に入ってはいけないということで。随分そこのアレの人と話し合いもして。「ここが境界線だ」っていうことで。『パパはメキシコ人?』っていうね、曲を出したことがあったんですよ。

(伊集院光)はい、はい。

(みうらじゅん)それはあっちの、アレ専門の人と。エロ専門の人が会って、喫茶店で持ち寄ったんですよ。レコードを。で、「もう侵食するのはやめよう」と。どうせ買っても100円、200円の安いレコードですから。そんなことでガタガタもめるのも嫌じゃないですか。僕、同い年なんで。その人と喫茶店で会って。「せーの! で出しましょう。ボーダーラインを」と。で、『パパはメキシコ人?』って、本当にその人も俺も持って行っていて。

(伊集院光)(笑)

(みうらじゅん)「これだね」と。バカも入っていて、難しいところなんですけど。僕のはね、ちょっと有名なバカなんですよ。で、あっちはね、無名のバカっていう。いろいろあるんですよね。この世界。

(伊集院光)僕ね、みうらさんにその『パパはメキシコ人?』っていう曲を聞かせてもらったことがあるんですけど。

(安田美香)はい。

(伊集院光)歌い出しが、「僕の、パパは…」

(みうら・伊集院)「メキシコ人。に、よく似てる」

(伊集院光)っていう。

(みうらじゅん)「オーレッ!」って。

(伊集院光)もう結果、何人かわからないっていう歌なんですけど。

(みうらじゅん)「ヒゲを生やしたタヌキだよ」ってお父さんのことを息子が言う歌なんですけどね。

『パパはメキシコ人?』

(伊集院光)はいはい(笑)。

(みうらじゅん)それ、軽くメキシコ人のことをね、ちょっとバカにしてますよ。

(伊集院光)あと、お父さんのことをね(笑)。

(みうらじゅん)お父さんのこともね。そんなの、ありましたね。

(伊集院光)さあ、そんな中、「朝だからエロは勘弁してほしい」とかいろいろ協議がありましたでしょう?

(みうらじゅん)僕ね、『しおふき小唄』は持ってきたんですけど。

(伊集院光)(笑)

(みうらじゅん)「窪園千枝子はダメだ」って言われたんで。もう。じゃあいいや……

(伊集院光)あの、ごめんなさい。みうらさん。始まったばっかりですよー!(笑)。始まったばっかりなんです、僕(笑)。

(みうらじゅん)いや、パッと行こう!っていうことではいいかなと思って。潮吹いていくのもいいかなと思ったんですけど。

(伊集院光)あさりのでしょ? あさりの歌でしょ? 砂抜きする時の歌でしょ?

(みうらじゅん)活きがいいやつは吹くじゃないですか。

(伊集院光)活きがいいやつはね(笑)。

(みうらじゅん)ものは考えようですからね。なんでも。はい。

(伊集院光)お色気大賞もありましたからね。この前任の番組にはありますからね。問題ないと思います。

(みうらじゅん)ありましたよね。僕、カセット買ってましたから。それ。はい。

(伊集院光)そんな中、今日は2曲、紹介してもらいますが。さっそく1曲目のあれコードを紹介してほしいんですけど。

(みうらじゅん)これね、知らない方は知らないと思うけども、知っている方が多くなってきたということで。ジャガーさんという人がね、いるんですよ。ご存知ですよね?

(伊集院光)ジャガーさん。僕は、この時間帯に聞いてくださっている人は「誰?」っていうことかもしれませんけども。僕は昔から、テレビ埼玉かなんかでずーっと……

(みうらじゅん)あ、『ハロー・ジャガー』ですね。

(伊集院光)そう。ずっと番組をやってらっしゃって。

(安田美香)ああ、そうなんですか?

(みうらじゅん)自分でね、買い取ったっていう噂だったんですけど。まあ、よくよく聞いたら違いましたけども。まあ、お金持ちで。商売も成功されて、自分のスタジオを買われたり、お店もやられてたりしたんですけども。いまから10年くらい前に手紙が来まして。ジャガーさんから。「全てのことをやめました」っていう風な、悲しい手紙だったんですよ。

(伊集院光)えっ、えっ? あのヘビメタのおじさんですよね?

(みうらじゅん)あの人。「もう、ちょっとやめないでくださいよ」っていうことで、ことあるごとに、自分の番組の最終回には呼んでいたんですけども。やっぱりなんか、自分もジャガー寄りの人間なんで。

(伊集院光)アレな人間(笑)。

(みうらじゅん)アレな人間なんで、ちょっと持ち上げることはできなかったんですけども。昨今、マツコ・デラックスさんがある番組でジャガーさんを出したところ、すごい話題になって。ジャガーさんがちょっと、半レギュラーになっている番組があるんですよ。

(伊集院光)へー!

(みうらじゅん)で、いまちょっと本八幡の方に秘密基地があって。ジャガー星からやってきた……

(伊集院光)秘密じゃねえじゃん(笑)。本八幡(笑)。

(みうらじゅん)ええ。全然秘密じゃないんですけど。

(伊集院光)だからそれこそ、最初に見かけた、自分のお金でヘビメタの変なおじさんが埼玉で番組をやっているっていうのはもう30年ぐらい前ですよね。

(みうらじゅん)ああ、もう30年以上前ですね。はい。

(伊集院光)でね、半年ぐらい前に、はじめて会いました。それもたぶん、マツコさんが取り上げた流れだと思います。

(みうらじゅん)やっぱりそうでしょう?

(伊集院光)だからもう何年もこの業界にいるのに、テレビでド緊張してたんで(笑)。

(みうらじゅん)ド緊張&半笑いでね、いつもね。

(伊集院光)いました。

(みうらじゅん)あの、わざわざジャガー星から来られて。僕もジャガーの同級生なんで。

(伊集院光)あ、ジャガー星?

(みうらじゅん)僕、ある日ね、去年でしたっけ。ジャガーさんからCDがいきなり送られてきて。『じゅんとジャガーは同級生』っていう曲だったんですよ。で、俺は初めて聞いた新事実だったんで。

(伊集院・安田)(笑)

(みうらじゅん)キョトーンとしたんですけど、ジャガー星で僕も学校通っていたらしくて。

(伊集院光)巻き込まれますね(笑)。

(みうらじゅん)巻き込まれてるのか、僕は地球に来た段階で記憶を消されているらしくて。ジャガー星出身であることを。で、ジャガーさんに諭されている歌だったんですよ。「ああ、そうか。俺もジャガー出身なんだ」と思って。はい。

(伊集院光)もういま、ここまでのトークを聞いて、「あれ? どうかしてるぞ、この話」っていうのはみうらさんもわかってますよね?

(みうらじゅん)わかってます。もちろんわかってます。朝ですから、ちゃんとわかってますけども。

(伊集院光)その、どうかしているジャガーさんの曲はなんて曲ですか?

(みうらじゅん)これね、3枚目だったと思いますけども。何枚もアルバムを出されてまして。これでね、ちょっとプチブレイクを一時したんですよ。で、して、河崎実監督の映画に出たりもあったんですけども。その時に歌ってらっしゃったやつが、『だまってジャガーについて来い!』っていう歌で。

(伊集院光)はい。

(みうらじゅん)こんなもの、だまってついて行ったらマズいだろっていう歌だったんですよね。

(伊集院光)自分自体がしばらく消えてましたからね。ええ(笑)。

(みうらじゅん)はい。自分もしばらく消えた上に、やっぱり「いかのおすし」って、誰にもついて行かないって子供も教育を受けている時に、だまってジャガーについて行く。いちばん不安なことってないじゃないですか。

(伊集院光)(笑)。「いかのおすし」ってあの、小学生が教わるやつですよね?(笑)。

(みうらじゅん)「行かない」、なんとかってね。知らないおじさんにはついて行かないっていうの、あるじゃないですか。

(伊集院・安田)はい(笑)。

(みうらじゅん)でも、『だまってジャガーについて来い!』って、ジャガー自らが言う歌なんで。まあどういう歌なのか?っていうことを今日は朝から検討してみたいなとは思っているんですけど。

(伊集院光)それでは、曲紹介をお願いできますか?

(みうらじゅん)わかりました。出だしね、「バカーーッ!」って言いますからね。そんな歌詞、ないですからね。びっくりしますよ、いきなり。

(伊集院光)よく、「バカ」って聞こえるけど違うとか、ありますけど。

(みうらじゅん)空耳じゃないです。本気で歌っていますので。じゃあ、聞いてください。『だまってジャガーについて来い!』。ジャガーさんです。

ジャガー『だまってジャガーについて来い!』

(伊集院光)(笑)

(みうらじゅん)もう、いいですか? 早いですよ。

(伊集院光)この後もいいですけどね。

(みうらじゅん)この後、いいですよ。また出だし、「バカーッ!」ですから。

(伊集院光)あとまあ、2番ね。「バカ、なにやってんだ テレテレすんな」って(笑)。

(みうらじゅん)あまりね、地球上では書かれない歌詞ですよね。やっぱりジャガー語なんだと思うんですけど。あまりないですよ。メタルと言っても、こんな歌詞はないですから。まず、ジャガーの正体がわかっていない段階で「ついて来い」って言っているわけですから。

(伊集院光)「ついて来い」ですよね。説教ですもんね(笑)。

(みうらじゅん)説教です。もういきなり説教です。

(伊集院光)僕の思うヘビーメタルっていうジャンルですよね。メタルっていうジャンルですよね。メタルには、3番の「バカ、早くしろ のんびりすんな」っていうのは……(笑)。

(みうらじゅん)ないですよね。あの、それも太字で書いてあるでしょ? 「のんびり」っていう部分。

(伊集院光)強調したいわけですよね?

(みうらじゅん)強調してるんですよね。ここね。なかなかない言葉が羅列してあるんですよね。ええ。

(安田美香)すごいっすね、これ(笑)。

(みうらじゅん)この頃、ジャガーさんは『アルバイトニュース』を使ってバンドメンバーを募集してましたから。

(伊集院光)(笑)

(みうらじゅん)そんなの、ないじゃないですか。

(伊集院光)急募(笑)。

(みうらじゅん)はい。急募。

(伊集院光)普通、あの当時なら『バンドやろうぜ』とかに載せるんですよね。

(みうらじゅん)そう。ありましたよね。「ベース募集」とか。あの、『アルバイトニュース』ですから。やることが全然違いますから。

(伊集院光)やっぱり、ジャガー星ではそうなんでしょうね。

(みうらじゅん)たぶんそうなんでしょうね。ほんでこれ、割と覚えやすそうな歌詞なんですけども。僕、よくジャガーさんと対バンやっていたことがあって。30年ぐらい前に。ジャガーさん、ステージに出られて、この『だまってジャガーについて来い!』。覚えやすいですよね。で、歌ってられた時に、アカペラなんですよ。で、演奏を流しながら……

(伊集院光)カラオケみたいに?

(みうらじゅん)カラオケみたいな状態で歌ってられるんですけど。途中で楽屋に戻って来られるんですよ。で、俺ら楽屋で待機してて、「あれ、戻ってきた」って思ったら、楽屋にこの歌詞が貼ってあって。忘れているんだと思うんですけど。それを読み返して、またステージに上がっていくっていう新しいパフォーマンスで。

(安田美香)(笑)

(伊集院光)すごくないですか? 普通、ステージのどこかに貼っておくとか。

(みうらじゅん)貼っておけばいいじゃないですか。

(伊集院光)いまや、巨大モニターにテロップが出ているとか、ありますけど。いったん楽屋で見て。几帳面なのかな?

(みうらじゅん)几帳面なんすよね。カバンの中から探されて、見て、出て行かれましたから。新しいなと思いましたね。

(伊集院光)でも、ある意味こりん星とかの設定のハシリですからね。この人ね。

(みうらじゅん)いや、ハシリですね。

(安田美香)こちらが元祖(笑)。

(みうらじゅん)元祖ですね。

(伊集院光)この強力な1曲に続いて、2曲目はなんですか?

(みうらじゅん)2曲目ね、これ、レコードにもなっていないし、CDにもなっていないから。

(伊集院光)えっ、なんですか?

(みうらじゅん)出す必要がなかったっていうことですよね。まあ、配信っていうやつでしょう。いまで言う。

(伊集院光)いまで言う(笑)。盤にはなってないんですね。

(みうらじゅん)なっていないんですよ。「なった方がいいんじゃないか」っていう声もなく、そのまま放置されていたものが家に置いてあったんで持ってきたんですけどね。

(伊集院光)アーティストは誰ですか?(笑)。

(みうらじゅん)僕です。僕が歌っています。

(安田美香)(笑)

(みうらじゅん)せっかく呼んでいただいたんだから。ほら、僕の曲を紹介しなきゃと。

(伊集院光)あの、みうらじゅんさんがよくやられる、「これでも食らえ」系の(笑)。「伊集院、これでも食らえ」っていう。

(みうらじゅん)これ、ぜひとも聞いていただきたい曲なんですけども。

(伊集院光)新居の前に立ちションするような作業ですよね? 自分のだよ? 自分の歌って、レコードにもしなかったやつですよ。なんて曲ですか?

(みうらじゅん)『男キッス』っていうね、男同士もキスしていいんじゃないか?っていう提唱ですね。僕、一時やっぱり魚民もそうだったですけど。飲んだら気が男同士でも高まるじゃないですか。

(伊集院光)はいはい。

(みうらじゅん)その時に、「イエーッ!」って抱きつくこと、あるじゃないですか。キスしてもいいんじゃないか?っていう気持ちがあって。

(安田美香)ええっ?

(みうらじゅん)いや、ないですか?

(伊集院光)あんまないっす(笑)。

(みうらじゅん)いや、男女って気が高まるから、抱擁してキスするわけじゃないですか。

(伊集院光)はいはいはい。

(みうらじゅん)男だって、そこまでやってもいいんじゃないか?ってよく飲み屋で提唱して。みんなにちょっと嫌がられてたけど。まあその提唱の歌を作ればどうだろうと思って。『男キッス』っていう歌を作ったんですよ。

(伊集院光)聞きますか(笑)。

(みうらじゅん)聞いてもらえます? 「じゃあ、してもいいな。俺だってしてもいいな、男と」っていう。「ノンケでもOK」っていう歌ですよ、これは。

(伊集院光)それでは、みうらじゅんさんで、『男キッス』(笑)。

みうらじゅん『男キッス』

(伊集院光)なんで、『シュガー・ベイビー・ラブ』みたいな素敵な……(笑)。

(みうらじゅん)まあ、聞こうと思ったらいくらでも、どれかに似ているって言われがちだけども。まあ、CDにしてない部分、堂々としてられますよね。

(伊集院光)なるほど。ビクつくことは何もないっていうね。

(みうらじゅん)恐れるものは何もないんですけども。

(伊集院光)あとはなにかあったら、TBSがなんかやってくれりゃいいんだ。お前らが流したんだからって(笑)。

(みうらじゅん)これ、YouTubeの方にプロモビデオも上がってますんで。見ていただければ、男同士がキスしているところがバンバン映りますんで。

(伊集院光)あの、みうらさんからエロを封じちゃうと、こういうことになる。覚悟しろ!ってことですよね。

(みうらじゅん)違うところでまた違う噴出が起こりますので。こういうことなんですけども。まあ、これからこれを聞いてカミングアウトしていってもいいじゃないかっていうことですよね。

(伊集院光)そうですよ。歌にもなっているぐらいだから。そうですよね。

(みうらじゅん)「ああ、歌もあるんだから」っていう。言いやすくなりましたよね。

(安田美香)なにかがおかしいです(笑)。

(伊集院光)みうらさん、あの、次はエロを解禁しますんで。

(みうらじゅん)あ、そうですか? そっちの方が健全だと思います。

(伊集院光)自分で歌って出してもいない曲をぶつけるのはもう、やめてください(笑)。ということで、あれコード。今週のゲスト、みうらじゅんさん。ありがとうございました。

(みうらじゅん)どうも、ありがとうございました。

(安田美香)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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