小西克哉と渡辺将人 アメリカ大統領選挙を解説する

小西克哉と渡辺将人 アメリカ大統領選挙を解説する 荻上チキSession22

国際ジャーナリストの小西克哉さんと政治学者の渡辺将人さんがTBSラジオ『Session 22』に出演。アメリカ大統領選挙の選挙システムや選挙運動などについて解説していました。

(荻上チキ)あの、前半で戸別訪問の話とか、ネガティブキャンペーンの話とかいろいろ出てきたんですけど。現場で選挙スタッフをしたことがある渡辺さん。スタッフとしてもそうしたことに関わるんですか?

(渡辺将人)私がやっていたのは2000年のヒラリー・クリントンの最初の上院選で。その前に、アメリカの議会の下院にいたので、そこからの流れで行ったんですけども。大統領選挙と上院選挙がひとつのキャンペーンの事務所になっているものが。まあ、コーディネーテッドキャンペーンっていう形のものがアメリカにあるんですけども。さっきも話に出ていましたけども、戸別訪問するんですけど。そこで、パンフレットみたいなものをボランティアの人たちに持たせて配らせるんです。

(荻上チキ)はいはい。

戸別訪問運動の意味

(渡辺将人)なんでそういうことをやるか?っていうと、メディアでCMを打ったりとか、テレビに出て何かを語ったりするっていうのはメッセージが全国向けのものしかできないんですね。だから、まあある種、どの人種にも、どの経済階層にも、どのジェンダーにも当てはまるようなことを言わざるをえない。だけども、戸別の。たとえばさっき、アフリカ系の話が出てましたけども。アフリカ系の人に個別のメッセージを送るとか。あるいは、この州ならこの州のメッセージを送りたいっていう場合に。

(南部広美)ああー。

(渡辺将人)で、ちょっと若干不都合があったりする場合があるわけですよ。たとえば、ちょっとライバル的な関係のグループ。たとえば、ヒスパニックの人にあるメッセージを送りたかったら、ヒスパニックの人に職を奪われたと思っている労働者の人たちがいる。で、その人たちに同じメッセージを送ることはできないので。まあ、それぞれ紙のパンフレットみたいなものを作って。

(荻上チキ)あ、使い分けるんですね。作り分ける。

(渡辺将人)そうですね。で、そのメッセージをテーラーメイドしたものを作り分けて。それを地上で、戸別訪問で持たせていくと、不都合な情報は送らないで、中身の濃い、そのグループにだけすごくアピールするものを、メッセージを伝えることができるっていうことで。で、私はニューヨークの選挙だったので、アジア系のヒラリーの政策とか、アジア系の人にはこういう、『人権に配慮しますよ』とか、あるいは『雇用をこうしますよ』っていうものを、それぞれの言語に翻訳したりして。

(荻上チキ)はいはい。

(渡辺将人)たとえば、韓国語とか中国語みたいなものに翻訳して。選対本部でそれを作る仕事をしました。だから、メッセージングっていうんですけども。

(荻上チキ)ええ、ええ。その中にネガティブなものもあったりもするわけですか?

(渡辺将人)いや、ネガティブキャンペーンはいろんな研究でも明らかになっているように、かなり逆効果も生むという風に言われているので。

(荻上チキ)ああー。反感を買っちゃう。

(渡辺将人)その時のヒラリーの選対でやっていたのは、とにかくアイルランド系とか黒人だけじゃなくて、アジア系の人たちのことも気にしてますよっていう。つまり、シンボリックなメッセージを伝える。まず、言語に翻訳するっていうのは、新しい移民の人たちが英語を読めないっていうことももちろんあるんですけども。読めたとしても、やっぱりその国の言語で翻訳してあげたりとか。あるいは、LGBTの人たちにシンボルのマークをつけるバッジを。

(荻上チキ)レインボーカラーの。

(渡辺将人)そうです。レインボーカラーをつけたりするっていうことで、シンパシティックな、同情してるよ、あなたの味方ですよっていうメッセージを送るっていう。そういう、すごく細分化されたコミュニケーションっていうのは、全米向けのテレビCMとかではできないんですね。

(荻上チキ)はいはい。

(渡辺将人)なので、戸別訪問的なもので使う、そういうパンフレット。黒人の教会に行って、カソリックの教会に行って。で、アジア系の人たちがいっぱいいるチャイナタウンに行って。それぞれ違うものを。で、そこで配る人たちは、その人種とかその地域の住民がいちばんいいんです。やっぱり心を開いて話を聞いてくれるので。

(荻上チキ)はいはい。そうやって戸別訪問を重ねることで、票をがっちり固めていくっていう、結構その地上戦をちゃんとした陣営はやっていると。でもそれをトランプさんはあまりできていないっていうことなんですね?

(渡辺将人)やっぱりアメリカって50個の国でできているみたいな。全く西海岸、南部、東海岸でそれぞれであれだけ多様な人種の人たちがいる国なので。それぞれの内部事情っていうものがあるんですね。地域の特性とか。それに精通したスタッフがどうしても必要で。

(荻上チキ)うん。

(渡辺将人)たとえばサウスカロライナだったらサウスカロライナのこのへんの町ではこういう人たちが住んでいて、こういう特色があるっていうことは地元に住んでいる、そこで育っているスタッフじゃないとやっぱりわからない。だからローカルのスタッフを雇って。で、そこで業務にあたってもらうっていうことが必要なので。なんて言うんですかね?ガーッ!とジェット機でやって来てですね。トランプタワーから自分の会社の人を引き連れて来て、それでコマーシャルだけ打つっていうキャンペーンの仕方では限界があるっていう風に言われていたんですけど、ニューハンプシャーは勝ったので。で、この現象をどう分析したらいいのか、関係者はみんな困っているところです。

(荻上チキ)ああー。

(小西克哉)まあ結局、いまおっしゃった中でいちばん大事なのは50州の様々な、いわゆる土俵が違うっていうことですよね。だからアイオワの特徴と、ニューハンプシャーの特徴と、今週土曜日にやるサウスカロライナ。もう全く違うわけよね。で、サウスカロライナは南部だから。これまた白人の比率が他よりもやっぱり少なくて。

(荻上チキ)はい。

(小西克哉)というよりもまあ、過半数いるわけだけど。でもやっぱり黒人とかヒスパニックが結構多いと。あと、たとえばサウスカロライナだったら、もう圧倒的に軍事基地なわけですよ。8ヶ所も米軍の陸海空、海兵隊あるわけね。で、退役軍人のたくさん住んでいるし、家族も多いと。そんな中で、普通はたとえばいままでのアメリカの安全保障の政策に文句をつけるって普通しないのよ。あんまりね。

(荻上チキ)はいはい。

(小西克哉)だけどトランプはそれをやってるのよ(笑)。ケチョンケチョンに、『イラク戦争ふざけるな!』みたいなことを言ってるわけ。だから普通、支持率は下がるわけですよ。いまの町山さんのあれ、ちょっと僕どっちかわからなかったんだけど。全国レベルの世論調査で下がっていないのか、サウスカロライナで下がっていないのかわかんないんだけど。だからそれ、自殺行為なのね。普通の予備選の選挙キャンペーンの文法で言うとね。

(荻上チキ)はい。

(小西克哉)だけどそういうことを平気でやっちゃうわけで。果たしてそれで通用するのかどうかは、まあお題は見てのお帰りっていう感じなんですけどね。つまりね、50州のいわゆる土俵が全部違うところに、細かくテーラーメイドでやっていかなきゃいけない。それを具体的に地上戦でやるのが、アウトリーチというような、渡辺さんがずっと研究されているような、そういう細かいターゲティング。本当に細かいマーケティングの手法と同じようなことをやっていって。それで、心をちゃんとよくわかっている人から、そのブリーフィングを受けると。

(荻上チキ)ほう。

(小西克哉)そしたらやっぱりね、面倒な寒い時でもちょっと投票に行こうか?という気持ちになると。そこが大事なところですよね。

(荻上チキ)うん。それが戸別訪問。アウトリーチのひとつの役割ということなんですけど。最近、ネットもあるじゃないですか。渡辺さん。そうすると、人によってパンフレットを配り分けているということがすぐにバレるような時代になっていると思うんで。また違うやり方が必要になると思うんですけども。ネット時代の戦い方っていうのは何か変化があるんですか?

選挙運動とネット

(渡辺将人)ええと、相互作用ですね。まあ、最初にネットがアメリカでバーン!と出てきた時は、電子掲示板的な使われ方だったんですね。いわゆる空中戦って言われている、CMを流すものの延長戦上にネットを使って広告を打つみたいな感じの使われ方だったんですけども。2008年のオバマ以降、ソーシャルメディアで草の根の運動を支援者、支持者の人たちがそれでもって自分たちのグループを作って。ある程度勝手に応援するっていう。

(荻上チキ)はい。

(渡辺将人)で、それはリスクもあるんですよ。陣営がコントロールできないところになってしまうことがあるので。つまり、勝手にネガティブキャンペーンじゃないですけども、勝手にツイートして。言っちゃいけないようなことまでとか、ちょっと乱暴な言葉でもって相手側の陣営を批判したりみたいなことっていうのが出てきているので。

(荻上チキ)うん。

(渡辺将人)ただ、そういうのを許容しないと、もう動いていかないということがあるので。まあ、ネットというかソーシャルメディアっていうのは自由に使うっていう形なんですけども。ただ、いわゆるビッグデータと言われているものがあるんですけども。戸別訪問で集めてきたデータを吸い上げて、それを陣営の方でさらに練りこんで、それを還元していくっていう。なので、草の根の運動を作るためのエネルギーになっている部分でもあるんですけど、一方で非常にマーケティング的というか。上から管理してやるみたいな使われ方と両方、いまあると思います。

(荻上チキ)うん。なるほど。いろんな使われ方をしながら進化・発展している面があるということですよね。で、これからの注目点を2人に伺っていきたいと思うんですけども。まあ、トランプさん、クルーズさん、ルビオさん。いま共和党ではこのお三方が注目されています。クリントンさん、サンダースさん。一騎打ちに民主党はなっていますけど。小西さん、今後の動きはどこに注目しますか?

(小西克哉)うーん・・・難しいところですね。やっぱり、言われているように既存の政治のルールでやってきたようなヒラリー・クリントンとか、それからルビオとか。そういったものに対して、そのルールをブチ壊そうとしているような左のサンダースとか、右のトランプとか。それがどこまで通用するのか?で、これがおっしゃったように空中戦と地上戦のミックスの。あと、SNSとの相乗効果も見れるところですし。

(荻上チキ)ええ、ええ。

(小西克哉)まあ、それは三つ巴になって、いわゆる反エスタブリッシュメントがエスタブリッシュメントにどのぐらい挑戦できるのか?というところだと思いますね。だからこれはやっぱり、普通もうスーパー・チューズデーぐらいでもう3割ぐらいの代議員の数が決まるので。そこで、いわゆる風というかモメンタムというか。これがやっぱり吹いてくる候補と吹いてこない候補。色がはっきりわかれるんじゃないでしょうかね?

(荻上チキ)はいはい。まだ政策論議というよりは、キャラが立っているような感じがしますね。

(小西克哉)うん。だから、大統領選っていうのは今回、そんなにそもそも論をあんまりやっていないから。もう時間がないからあれですけど。まあ、二部に分かれているわけですね。予備選と本選と。で、予備選までって基本的には『他の候補と俺はどう違うか?』ということを出すのがいちばんで。

(荻上チキ)まあ、キャラ立ちすることが重要だと。

(小西克哉)うん。だから政策はそのひとつの要素なんですよね。だから政策だけでやっていくっていう、もちろんバーニー・サンダースはそういうところがあるんだけども。で、共和党なんて特にあんだけたくさんいたら、もう細かいことを言ったってわかんないわけですよ。

(荻上チキ)まあ、結局だいたい同じな点がほとんどで。後はどこを立たせるか?っていうことになりますよね。

(小西克哉)特に外交なんて、一応言ってるけども。どれを聞いてみても、共和党の外交なんかほとんど罵り合いみたいになっちゃうのね(笑)。だから本選でようやくそれが争点が絞られてくるところがあるわけですよね。だからやっぱり、いまのところは代議員の数を積み上げていくということだけに選対本部の関心はあるんじゃないでしょうかね。

(荻上チキ)うーん。渡辺さん。予備選と本選での戦い方の違い。このあたりはいかがですか?

(渡辺将人)ええと、予備選挙っていうのは党の指名を誰が・・・公認候補を誰にするか?っていうのを選ぶ行為なので。基本的には民主党の中のリベラルな層を取っていなきゃ行けない。で、共和党であれば保守的な層にアピールしていかなくちゃいけないっていうのがあります。その真ん中の無党派的な人たちっていうのは本選で参加してくるので。また本選になると戦い方が変わってくるんですけども。

(南部広美)ええ、ええ。

(渡辺将人)ただ、バーニー・サンダースとヒラリー・クリントンなんかを比較していると、ちょうど昨日、アメリカにヒラリー陣営の幹部の人と電話で話をする機会があったんですけども。ニューハンプシャーで負けて、結構ショックを受けてるかな?と思ったんですけども、なかなか強気なんですよ。で、さっきも話に出てましたけども。今後の南部の州っていうのはアフリカ系とかヒスパニックの人がすごく多くて。で、すごくヒラリーはそのへん、強いんですよ。

(荻上チキ)うん。

(渡辺将人)で、これはなんでか?っていうと、バーニー・サンダースっていうのはいい意味でも悪い意味でも、ある種平等主義というか。あまり人種で考えないんです。だけどまあ、アイデンティティーポリティックスっていうんですけども。黒人の人たちっていうのは、『貧困の問題はアフリカ系の問題なんだ』っていう風に見てほしいって考えるんですよ。

(荻上チキ)ああー。人種差別の結果として。

(渡辺将人)そうです。人種隔離政策があって。その後、いろいろ地位を勝ち得たけども、もともとスタートが違う。だからまあ、アファーマティブ・アクションみたいなそういう制度もあるんだと。

(荻上チキ)積極的是正措置をしてほしいと。

(渡辺将人)そうですね。で、そこをヒラリー的な、伝統的な民主党の人っていうのは、アフリカ系の人たちが不利だからなんとかしましょうっていう風に言うわけですけども。バーニー・サンダースみたいな人っていうのは、アフリカ系とかそういう肌の色とか関係ない。『格差は重要だ。だけども人種は関係ない』という立場を取るので。まあ、どっちかって言うと、意外なんですけどもアフリカ系とかヒスパニックなんかは、肌の色とかいままでのヒストリーで区別してほしいっていう気持ちが意外とあったりするっていう。

(荻上チキ)はい。寄り添ってメッセージを出した方が響く。その点がクリントンさん有利だということになるんですね。

(渡辺将人)そうですね。

(南部広美)(質問メールを読む)『アメリカ大統領選挙は地元の選挙と比べると信じられないぐらいの盛り上がりですが、投票率は実際どれぐらいなんでしょうか?お祭り騒ぎに便乗で盛り上がっているだけということはないんでしょうか?』。

(荻上チキ)小西さん、いかがですか?

大統領選挙の投票率と事前登録システム

(小西克哉)そうですね。だいたい言われているのが、大統領選のある年で50%ちょっと超えるぐらいとかね。そのぐらいです。

(荻上チキ)ほうほう。少ないっていう感じですね。

(小西克哉)だから2人に1人っていう感じになりますよね。だけどこれ、細かいことを言うとあれなんですけど。選挙登録をまずしないと、本選でちゃんと投票できないんですよ。我々っていうのはほら、世田谷区とか葛飾区とかからハガキが来るじゃないですか。で、来て、それを持って小学校に行くわけでしょ?あんなの、来ないわけですよ。アメリカは。だから自分が、たとえばシカゴに2年間ぐらい住んでますと。で、戸籍もないから。小西某が、渡辺某がシカゴに住んでいるって誰もわからないから。だからそれを登録しに行くわけですよ。

(荻上チキ)うーん。

(小西克哉)で、登録しに行ったら、予備選とか本選で投票できる権利を得るわけですね。

(荻上チキ)一手間ですね。

(小西克哉)一手間。だから2回やんなきゃいけないの。登録に行ってから、投票にも行く。

(荻上チキ)それで、逆に言うと50%というのは、みんな積極的な方なんですね。

(小西克哉)だから全体で言うと50%だけど、登録に行った人は、おそらくあれ、7、8割ぐらい?

(渡辺将人)8割を超えてますね。

(小西克哉)8割超えてる人が、もう投票に行くわけ。だから投票率をどこで取るか?によって統計って変わってくるわけよ。

(渡辺将人)ある意味では、一種のハードルみたいな。やる気のある人たちで本格的に決めましょうっていうことで。最初、登録するっていうような意欲もないんだったら・・・っていう(笑)。だから、賛否両論あるんですよ。登録制度が投票率を下げているっていう見方もあるし。そこは、パースペクティブによって違うので。

(荻上チキ)登録しているからこそ、積極的になるという見方もあるわけですね。

(小西克哉)だから1回登録した人は、おそらく8割以上の確率で投票するのね。そうすると、投票率は8割、9割。だけど、全体からすると5割ぐらいになっちゃう。

(渡辺将人)そうですね。あと、若干投票概念が日本と違うのは、投票っていうのは表現の自由のひとつの行使。で、なおかつ政治参加っていうのは投票だけじゃない。まあそれは、議員に対するアクセス、アプローチもあるし。デモもあるし。まあ、住民運動もあるし。いろんな形の政治参加のひとつであると。で、しかも自分が・・・献金もそうですね。言論の自由。憲法修正第一条の表現の自由の行使なんですよ。

(荻上チキ)うん。

(渡辺将人)ということは、棄権も表現の自由なんですよ。

(荻上チキ)ふんふん。

(渡辺将人)気に入った候補がいて、予備選で応援しますよね。共和党みたいに今回、乱立してるから、誰かまあ、1人ぐらいはいる。あるいは、新しい人を担ぐかもしれない。で、気に入った人が負けちゃって本選に勝ち残らなかったら、その自分が気に入らないっていう人で本選に投票するっていうのは自分の信念に対する、それは曲げることだっていう風に考えるので。意外と、棄権する人の中にものすごく政治的に熱心な人がいたりするんです。

(荻上チキ)ほう!あえてのっていうことですか?

(小西克哉)でね、いま渡辺さんがおっしゃった。僕ね、今日本当、これを言おうと思ったの。そのね、献金の問題、あるじゃないですか。アメリカ、何百億とか使って。なんなんだ、あれ?っていう議論、あるでしょ?あれね、表現の自由なんですよ。

(荻上チキ)ほう!

政治献金は表現の自由の行使

(小西克哉)つまりね、思想信条の自由と献金とはね、結びついているの。で、これ、日本では全く違う問題として考えてるでしょ?なんでか?つまり、金を出すということは、政治的な意思表示をしているのね。

(荻上チキ)うん。応援したい!っていう。

(小西克哉)それ、表現の自由なんですよ。日本の表現の自由って、かならずだからたとえば、高市早苗がどうこうっていう話になるんだけど。まあ、それは置いておいて。アメリカ選挙で大事なのはそこなの。

(荻上チキ)うんうん。

(渡辺将人)これ、重要なのは予備選は特にそうなんですけども。選挙がまあ、勝ち負けじゃない目的があって。つまり、1年間、長い間時間をかけて、環境問題が重要だとか、自分はLGBTの問題が重要だとか、いろんなタイプの、リベラルから保守までいろんな人が出てきて。で、これ、ひとつのアドボカシーの運動なんですね。で、その間にメディアのアテンションも高まるし。

(南部広美)はい。考えるし。

(渡辺将人)つまり大統領に本格的になれないような泡沫の人まで出てきて。で、そこに乗っかって、社会運動的なことをやるっていうことがひとつの、政治的な意味があって。だからバーニー・サンダースのことを本気で大統領になるって全員応援している人が信じているわけじゃないんです。まあ、これはちょっと語弊があるかもしれないですけど。

(荻上チキ)自分はサンダース的なものを応援する人間だと確認する・・・

(小西克哉)そうそうそう。

(渡辺将人)で、なおかつ、社会運動なので。この応援する運動をやっている間にメディアが取り上げるじゃないですか。我々も今日、こうやって取り上げているように。で、アメリカでもどんどん報道されるので。まあ、その彼のメッセージが伝わるっていう。そういう目的もあったりするんです。

(荻上チキ)ああー、多面的な見方が選挙では必要だということですね。

(南部広美)はい。小西さん、渡辺さん、ありがとうございました。

(荻上チキ)ありがとうございました。

(渡辺将人)ありがとうございます。

<書き起こしおわり>


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