TBSアナウンサーの小林悠さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、みうらじゅんさんの著書『大人に質問!「大人ってどのくらい大変なんですか?」』を紹介していました。
(小林悠)『小噺はるか スナックママへの道』のコーナーです。今日は、ぜひみなさんにお手に取っていただきたい素敵な本がありまして。持ってきました。
(玉袋筋太郎)ああ、いいね。推薦本。百田尚樹の?
(小林悠)(笑)。『殉愛』ではなく。それも買おうと思ってますけども。みうらじゅんさんが書きました『大人に質問!「大人ってどのくらい大変なんですか?」』というもので。これ、面白いのが練馬区の各児童館向けに行っていた『大人に質問!』という子供からのアンケートにみうらじゅんさんがちゃんと答えるという本なんですよ。
(玉袋筋太郎)ほう!練馬あたりのね。うん。小学生。いいねえ。
(小林悠)それをひとつの本にまとめたということなんですけど。『なんで大人は電車の中で寝るんですか?』とか。『大人は夢を持っているの?』とか。『どうして人は死ぬの?』とか。そういったことをね、子供が結構ちっちゃい時にいろいろ聞いてくるじゃないですか。
(玉袋筋太郎)これを北方謙三さんに聞かないところがいいよね。風に聞かないところがいい。これは。まあ、風に聞いてもいいんですけど。
(小林悠)(笑)。あの、ちょっと子供向けになるかどうかはわからないんですけど。
(玉袋筋太郎)みうらさんに聞くのがまた、絶妙じゃないですか。これ。
(小林悠)みうらさんがまた、少年の心をほら、お持ちじゃないですか。だからすごくいい答えをね、教えてくれる。で、子供からすれば、もしかしたらまだちんぷんかんぷんな答えかもしれないけど、大人が読むと、『ああ、いいこと言ってるな、みうらさん。いい!』って思うことばっかりなんですよ。
(玉袋筋太郎)子供の純真さもね、伝わるし。
(小林悠)そう。かわいいんです。子供の質問がまた、かわいいんですよ!
(玉袋筋太郎)たとえばどんな質問があるの?
子供たちのかわいい質問
(小林悠)7才の、石川県の女の子ですね。あ、練馬だけじゃないですね。全国の児童ですね。『なんで女の子は髪が長いんですか?』。
(玉袋筋太郎)あ、これ、聞かれたらどうしよう?
(小林悠)玉さんだったら、なんて答えますか?トニーちゃん。もう二十歳超えてますけど(笑)。
(玉袋筋太郎)あいつ、24だよ(笑)。
(小林悠)トニーちゃんが4才だったら。
(玉袋筋太郎)ええ?『女の人はなぜ髪の毛が長いんですか?』。それ、男の子が聞いてるの?
(小林悠)これは、女の子の質問です。
(玉袋筋太郎)女の子が聞いてんの?ああー。そうだね。うん。あのね・・・
(小林悠)まず同意する(笑)。
(玉袋筋太郎)髪の毛が長いとさ、やっぱり・・・なくてツルツルになると、瀬戸内寂聴さんになっちゃうし。うーん。やっぱこう、男の人が好きになる・・・あ、シャンプーの会社があるんだよ。髪の毛が長くないと、シャンプーの会社、潰れちゃうでしょう?ヴィダルサスーンが。わかんないけど。
(小林悠)(笑)。まあ、そういう答え方も面白いかもしれないですけど。みうらさんはね、この質問をみうらさん風に答えてます。『実は僕も長いのですが、それは昔、童貞をしこたまこじらせたからです。センター分けロングヘアーのかわいい子。そんな子とデートがしたくてたまらなかったのですが、叶わぬ夢。ある日、「だったら僕がそれになればいいんじゃないか?」と思いついたのです。だから、いまでも僕はかわいくはないですが、センター分けロングヘアーのおやじでいるのです』。
(玉袋筋太郎)(笑)
(小林悠)7才の子はなんて思うでしょうね?
(玉袋筋太郎)『童貞をこじらせる』も説明しないといけないですよね。
(小林悠)そこをね、ええ。
(玉袋筋太郎)いいですねえ。
(小林悠)面白いですよね。7才、男の子。福島県。『どうして大人は歳をとるとだんだんシミが増えるの?』。
(玉袋筋太郎)うーん。なんでだろうね?シミ、増えるよね。
(小林悠)増えますよね。なんて答えますか?ちっちゃいトニーちゃんに。
(玉袋筋太郎)ええーっ?シミ・・・あ、木にも年輪があるだろ?人間にも年輪やそういったものがあるんだよ、と。
(小林悠)おおー。そういったサインなんだよってことですか?
(玉袋筋太郎)うん。
(小林悠)みうらさんの答えです。『シミが増える原因は様々ですが、歳をとると人生そのものが染みてきます。演歌なんて全く聞く気もしなかったのに、たまたまカラオケスナックで耳にした「天城越え」の歌詞に「染みるよなー!」などと妙に納得する時が来るのです。シミの数だけ人生が染みていると言ってもいいでしょう』。
(玉袋筋太郎)ああー、それはいい答えだな!
(小林悠)いい答えなんですよ、もう!
(玉袋筋太郎)おでんにたとえてもいいね。やっぱり、おでんで染みてる方が美味しいじゃないの。ちくわぶなんて、はんぺんなんて。大根もそうだろ?なんつって。
(小林悠)そういう、ダジャレで答えるのもいいですよね。
(玉袋筋太郎)ダジャレじゃないよ。おでん。
(小林悠)(笑)。でね、こういったちょっと面白くって言葉遊びもあったり。大人が見てクスッとするような答えの仕方もあると思うんですけど。みうらさんのすごくいいところって、ちゃんと答えなきゃいけない質問は、ちゃんと答えてくれるじゃないですか。だから、とってもやさしい。もう私はね、この質問の答えに泣きそうになりました。
(玉袋筋太郎)どれ?
(小林悠)7才の女の子。鹿児島県。『どうして友達にはやさしいの?』
(玉袋筋太郎)おおっ!?
(小林悠)この質問の仕方もね、なかなか。『どうして友達にはやさしいの?』っていう質問です。
(玉袋筋太郎)それ、なんて答えたの?みうらさん。
(小林悠)みうらさん。『友達も自分にやさしいからです。だから、はじめ赤の他人でも、やさしく接していくといつかは友達になれるってことなのです』。
(玉袋筋太郎)かぁーっ!これですねえ!
(小林悠)これなんです!玉さんがみうらさんに『抱かれてもよい』って言ってはばからないですけどね。
(玉袋筋太郎)抱いてくれるでしょ。でも。
(小林悠)(笑)。お願いすれば抱いてくださるかもしれませんが。実はみうらさんがなぜ、この仕事を受けたのか?というところで、前書きがあるんですけど。その前書きがまたいいんですよ。ちょっと長いですけど、ご紹介しますね。
(玉袋筋太郎)うん。
みうらじゅんの前書き
(小林悠)『子供は大人よりしつこい。何度も何度も「なんで?」と聞いてきて、うるさい。大人は子供より体力がないので、いちいちその「なんで?」に付き合っていたら疲れる。だから、「もともとそうだから」とか、「いつかわかるから」などと適当なことを言って、子供が早くその質問コーナーに飽きてくれるのを待つしかない。大人はそれ以外にもやることがいっぱいあると思い込んでいるので、そのうちイラついてくる。中には「うるせえ」と正直な気持ちを暴露してしまう大人もいて、大人げない。結局、大人と言っても子供の成れの果て。「なんで?」と聞かれても、上手く答えられないことだってある。考えに考えた答えを言った時、大概子供は聞いていない。次の「なんで?」を言いたいだけだから。でも、これだけは言っておくよ。真理はあっても、人生に正解などないってことは。まあ、それでも聞いてくれないだろうけど』。
(玉袋筋太郎)来たね、これは!
(小林悠)ということなんですよね。うん。
(玉袋筋太郎)いやー、ねえ。もう最近だったら、もう『なんで?』って聞かれたら、『ググッとけ』で・・・(笑)。『ググれ』って言っちゃうからね。
(小林悠)そうですね。ええ。って、思っちゃうんですけど。やっぱりそこを逃げないで受け止める。で、わかってくれなくてもいいんですよね。大人自身が考えて、一緒に向き合う時間を持つっていうことが大事なんだろうなってこれを読みながら私は感激いたしましたよ。みうらさんの仕事の幅の広さに。
(玉袋筋太郎)俺のね、飲み友達でね、大人なのにね、飲んでいて『なんで?なんで?』って聞いてくる人、いるんだよ。
(小林悠)かわいいじゃないですか(笑)。
(玉袋筋太郎)いや、それが・・・『いいだろ?そこまで説明しなくても!』っつって。落語の下げを言った後に、『なんでそうなるの?』って。『聞くな、そこは!そこで終わってんの!』って(笑)。
(小林悠)あの、『なんで?なんで?』って言っていいのは子供だけですからね(笑)。あの、大人の方はなるべく空気読んでくださいね。ということで、みうらじゅんさんと児童館の子供たちによる著書『大人に質問!「大人ってどのくらい大変なんですか?」』。こちらは飛鳥新社より出ておりますので。とっても心がほっこりする、よい本であると思いますので。おすすめということで。ぜひ、お手に取ってみてください。
(玉袋筋太郎)『なんで?』。ねえ。
(小林悠)『なんで?』『なんでなのよ?』。
(玉袋筋太郎)うーん。『なんでこんなにかわいいのかよ?』。
(小林悠)(笑)。それ、なんでしたっけ?
(玉袋・小林)『孫という名の宝物!』。
<書き起こしおわり>