みうらじゅんさんが文化放送『大竹まことゴールデンラジオ』に出演。大竹まことさんとセックスレスへの対策について話し合っていました。
(大竹まこと)世の中のことも。全部ね。その延長線上には、もちろん結婚みたいなこともね。
(みうらじゅん)ありますよね。それももう、しょうがないですもんね。他人とのつながりですからね。他人とのつながりでやっぱり、頻繁にセックスをしている時はやっぱり、他人だと思ってないんだけれど。途端にセックスレスになった時に、他人になってくるんですよね。もともと他人でしたからね。あれ。そのことに、セックスレスで気がつかされるので。そこはやっぱり、セックスレスじゃなくて、『セックスデス』っていう名前に変えてね。
(太田英明)(笑)
セックスデス!
(みうらじゅん)『最近、どう?』『セックスデス!』って言えば、『してんのかな?』って思いますから。自分の脳も、してるような気がしてきて。やるんじゃないかな?って思うんすよね。
(大竹まこと)『デスノート』の『デス』で。
(みうらじゅん)死ぬ方じゃないんですけども。『セックスです!』って。正しく言うみたいな。
(大竹まこと)まあでも、セックスに憧れている女も、ここに1人いないわけじゃあないんですけど・・・
(光浦靖子)まだ憧れて。夢と憧れがあります。
(みうらじゅん)男もやっぱり、憧れで突入してきたんですけども。だんだんやっぱり、飽きるっていうのが人間の・・・まあ才能のひとつでもあるじゃないですか。
(光浦靖子)そうですね。
(みうらじゅん)飽きるのを、いかに飽きてないふりをして生きていくか?っていうのが今後の課題だと思うんですよね。
(大竹まこと)そうですよね。
(光浦靖子)みうら先生。先生ですよね。保健体育だもん。
(大竹まこと)保健体育の先生。先生に質問です。
(光浦靖子)先生の本の巻頭に。先っぽの方しか読んでないんですけども。
(みうらじゅん)はい。もう先っぽだけでも、もうグッと来ますよね。その単語だけでね。
(光浦靖子)エロ単語ね。先っぽの方だけしか読んでないですけど。なんだろう?慣れ?『慣れは恐ろしい』って最初の方で書いていて。そうすると、夢と幻想をためこむのはすごくいいバネを・・・
(みうらじゅん)『こじらせる』っていうやつですよね。こじらせるのは、すごくいいことだと僕、思うんですよ。
(光浦靖子)だけどさ、そのまんま知らずに死んでいくよりは、やっぱり経験した方が?
(みうらじゅん)そうですね。
(光浦靖子)先生の理想の経験する年齢は、どこですか?そうすると、いちばん人生飽きずに・・・
(みうらじゅん)私もあの、1才だけ守れなかったんですけども。私の場合はやっぱり童貞をどんだけこじらせたか?っていうことだったんですけども。まあ、とりあえずタバコ、お酒とセックスも一緒にすべきではないかと思ってるんですよね。もう、法律的にそれまでは犯罪であると。セックスをした人間が。で、それから、溜めに溜めて。妄想を溜めに溜め、やるからこそ長く続くわけで。若い頃からしちゃうと、やっぱり飽きるんですよ。
(光浦靖子)ふーん。
(みうらじゅん)飽きて。『こんなもんだ』と思ってしまうきらいがあるので。やっぱりあれを焦らして焦らして。いま、ネットとかで当然、そういうものとか見れたりするでしょ?
(光浦靖子)見れちゃう。あれ、よろしくないね。
(みうらじゅん)あれ、やっぱり宝箱を開けるのはハタチからだと思うんすけど。
(光浦靖子)ハタチから。実際に経験するベスト年齢は?
(みうらじゅん)どうですかね?だからハタチでいいんじゃないですか?
(光浦靖子)ハタチで?40年も興味、持てます?60ぐらいまで。
(みうらじゅん)かなりこじらせれば、行けると思うんですよね。
(光浦靖子)ハタチまでに?
(みうらじゅん)それまでには、やっぱり男の側からしても、やっぱり鍾乳洞を見ただけで来るとか。そういうことにしていくっていうのが。本物じゃなくてっていうことですね。
(光浦靖子)芸術的(笑)。芸術家!鍾乳洞で勃起されても・・・(笑)。でもエロい。鍾乳洞、めっちゃエロい(笑)。
アワビの地獄焼きに反応できるか?
(みうらじゅん)人間としてはやっぱり・・・ねえ。食材としてアワビの地獄焼きのシーンとか、テレビで見るにつけ、『おおっ!?』っと。まだ思えるかどうかなんですよね。もうあれを、慣れてしまって。『ああ、アワビだな』って思ってしまうようでは、続かないと思うんですよね。ええ。
(大竹まこと)そろそろ、アワビに見えてきましたね。私はね。
(みうらじゅん)あ、見えてきましたか?(笑)。ああ、そうですか。あれはアワビであると。
(大竹まこと)あれはアワビであるという風に。
(みうらじゅん)僕は、人間の進化として、アワビと松茸に手が生えて進化したと、まだ思っているんで。
(大竹まこと)人間。男と女は。
(みうらじゅん)はい。もう、体内からは初め、アワビと松茸だけが入っていて。そこから、手と足が伸びてくると考えると、まだアワビも捨てたもんじゃないと。
(大竹まこと)そういうことですね。先生、そこには、先生。ひとつも『愛』という概念が入っておりませんけれども。ここはどう・・・光浦なんかは特に、その概念にとらわれすぎている形があって。で、まあ近頃、若い男の中にも、もしかしてその愛という概念がないのに、何をしてるんだ?と。松茸とアワビ。そんな即物的なものの見方をして一生くらして、いいのか?
(みうらじゅん)愛は基本的に、やっぱり勃たないっていうのはありますよね。当然・・・
(光浦靖子)愛は勃たないんですか?
(みうらじゅん)『愛してる?』って聞かれると、やっぱりね、行為中に聞かれた時に、『う、うん・・・』ってこう、男ってね、ごまかしがちなんですよ。で、ごまかさないために、たぶん後背位をするんだと僕、思うんですよ。そうやったら、面と向かって答えないでいいから。
(大竹まこと)うん。
(みうらじゅん)でも、『エクソシスト』みたいに、首が回ってくる時、あるんですよ。で、『愛してる?』って聞かれた時に・・・
(大竹・太田)(笑)
(光浦靖子)ああ、なるほど!
(みうらじゅん)だから、萎える・・・それは、いい悪いじゃなくて、萎えるんですよ。
(大竹まこと)じゃあ、それはもう、先生。バックで萎えたら身も蓋ももう・・・
(みうらじゅん)ないですよね。そこを、やっぱり70年代ぐらいに『LOVE & SEX』とかって言って。『&』をつけてしまったために、やっぱりセックスには愛が必要なんだと思い込みすぎているところがあると思うんですよ。
(光浦靖子)思ってます!
(みうらじゅん)あれはちょっと置いておいてやる方が、僕はいいと思うんですけど。
(大竹まこと)置いちゃっていいんですね。それじゃあ。
(みうらじゅん)愛にもやっぱり、男の場合は特に責任っていうのが伴いますので。
(大竹まこと)愛は、置いちゃっていいんですね?
(みうらじゅん)置いていいです。そん時はちょっと、置いておいてください。ベッドの横に置いておいてください。
(太田英明)そんなエッセンスがたくさんつまったこのご本。みうらじゅんさんの『正しい保健体育 ポケット版』。文春文庫から出ておりますが、5名様に差し上げますので。
(中略)
(みうらじゅん)いま言った現象を、『愛スルー』って呼んでいるんですけども。愛をスルーしておくと。その間だけは、スルーしておく。あと、『愛サレンダー』ですよね。サレンダーされるかどうか?も。
(大竹まこと)特に若い男の人に読んでほしい。
(みうらじゅん)ありがとうございます。特に、こじらせている人に読んでほしい。
(大竹まこと)絶対に読んで。
(光浦靖子)私、もう初めから、義務教育。恥ずかしいの教育に染まりきった人間だもんで。
(みうらじゅん)恥辱がいちばん重要なことなんで。
(光浦靖子)最初のページで・・・
(大竹まこと)もしかしたら、若い人のバイブルになるかもしれない。
(みうらじゅん)そうですね。バイブルの前に、やっぱり『バイブ』でいいですね。この場合。
(大竹まこと)止めちゃう。
(光浦靖子)先生、お時間が来てしまいました(笑)。
(みうらじゅん)ああ、どうもありがとうございます。
(大竹まこと)止めちゃうの?
(光浦靖子)(笑)。大竹紳士交遊録 みうらじゅんさんでした。ありがとうございました。
(みうらじゅん)ありがとうございました。
<書き起こしおわり>