渡辺志保 パリ・ロンドンのヒップホップシーンの盛り上がりを語る

渡辺志保 パリ・ロンドンのヒップホップシーンの盛り上がりを語る INSIDE OUT

渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でパリやロンドンなどヨーロッパのヒップホップシーンの盛り上がりについて紹介していました。

(渡辺志保)はい。というわけでですね、今日もオープニングチューン。最初に1曲、お届けしたいんですけども。今日、選びましたのはブロディンスキ(Brodinski)というね、パリを拠点に活動しているDJの方の新曲なんですけども。まだ、ちょっと2015年を総括するのは早いかな?っていう感じがするんですが、もうあっという間に11月も下旬に入っていますし。『今年はこんなことあったな』ってぼんやりと考えていたんですけども。

ヨーロッパのシーンがトレンドを作る

ひとつ、今年顕著だった動きとして、私の中ではUKとかヨーロッパのシーンがね、すごいトレンドを作っていたなっていう印象がすごくありまして。たとえば、エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)が今年リリースしたアルバム『AT.LONG.LAST.A$AP』。もう半分ぐらいは、あれはロンドンのスタジオでレコーディングされたんですね。

で、あと私とAKLOくんが今年の上半期のベストソングに選んだカニエ・ウェスト(Kanye West)の『All Day』という曲も、あれは『Brit Awards』というUK。ロンドンで行われたミュージックアウォードで初お披露目、初ライブパフォーマンスしたんだけど。

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あのパフォーマンスでカニエの後ろで100人ぐらいの男の子がモブッて舞台を盛り上げていたんだけど。そのモブッていたメンツっていうのはスケプタ(Skepta)とかがいま有名ですけども。UKのグライム系のヒップホップクルーですね。Boy Better KnowっていうクルーのMCたちがモブッてたんですね。

で、まあそのBoy Better Knowって言えば、最近ドレイク(Drake)がそのBoy Better Know。『BBK』っていうイニシャルになるんだけど。その『BBK』のタトゥーをわざわざ自分のボディーに入れたりとか。

KOHHくんもね、『Paris』っていう曲なんかをレコーディングしたりとか。

あと、彼にインタビューした時にね、『パリよりもロンドンの方が楽しかったっす』みたいな感じでKOHHくん自身も言ってましたし。結構ね、いままで、もちろんUSのラッパーがシーンのトレンドを作ってましたけども。カニエとかドレイクとかエイサップ・ロッキーとかがUKとかフランスを経由して新しいトレンドをこっちの方にね、持ってきているなっていうのをすごく感じました。

で、先週ですね、STUSSYのアニバーサリーイベントが渋谷のクラブ、VISIONでございまして。そこで、ブルックリン生まれのセオフィラス・ロンドン(Theophilus London)くんが来日したりもしてたんですけど。一緒に来日していたのがプレイボーイ・カーティ(Playboi Carti)というね、アトランタ出身のラッパーの子で。まさか彼が来日しているとはって思ったんですけど。

彼もね、プレイボーイ・カーティもこの間、エイサップ・ロッキーと契約をした。で、プラス、カニエのスタイリストのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)のパーティーなんかにフィーチャーされていて。結構フランス人周りのクリエイターとかがプレイボーイ・カーティとワサワサしているっていうような動きもありまして。まあ、ちょっと話が外れますけどね、同じ時期にダニー・セス(Danny Seth)とイアン・コナー(Ian Connor)なんかもね、一緒に来ていて。すっごいモブモブしい週末になっていましたが。

で、そのセオフィラス・ロンドンがVISIONでライブをする前に、彼と一緒にDJをやっていたのがギョーム・バーグ(Guillaume Berg)っていう金髪の男の子なんですけど。このギョームくんはパリを拠点にするDJレーベル、BROMANCE Recordsっていうのがあるんだけど。そこの社員というか、スタッフ。で、彼もいろいろキュレーターとしていろんなクリエイティブなことをやっているんですけど。そのギョーム・バーグくんがDJをやっていたと。

なので、そのセオフィラス・ロンドン。ニューヨーク生まれのセオフィラス・ロンドンと一緒にやっているのがパリの男の子なんだよっていうことを言いたくてですね。で、そのギョームくんがいるBROMANCE Recordsのリーダーがいまからかけるブロディンスキっていう男の子なんですけども。彼はもともとテクノ畑にいた男の子なんだけど。今年の3月にね、『BRAVA』というアルバムを出してまして。

そこにはね、なんとスリム・サグ(Slim Thug)とかヤング・スクーター(Young Scooter)とかピーウィー・ロングウェイ(Peewee Longway)とか。本当、シカゴとかアトランタのヤンキーラッパー。ヤング・サグはヒューストンのベテランですけども。もともとパリでテクノのDJやっていた子がそういうね、アメリカのギャングスタラッパーをフィーチャーしてたりとか。そういった動きもすごく面白いですし。このブロディンスキ、もともとカニエの『Yeezus』。前作でございますけども、『Yeezus』に参加してたりとか。

なんかそういう結構、パリ、UK、そしてアメリカをつなぐ動きがすげー今年、またまた面白い風に動いていたなと思いまして。で、奇しくもといいますか、先週末ですね、未曾有のパリを襲ったテロの事件なんかもございまして。別にここで『Pray for Paris、イェイ!』みたいな感じで言うつもりはないですけど。まあ実際いま、じゃあパリでどんな風に、どんなケミストリーが起こっているのか?っていうのをちょっとここでみなさまにもぜひぜひ知っていただきたく思いましたので。

このブロディンスキが、こちらはワシントンDC出身の、彼も結構ヤンチャなMCでございますけども。シャイ・グリーズィー(Shy Glizzy)と一緒に作った新曲がございますので、ここで最初に聞いてください。ブロディンスキ『Woah』。

Brodinski & Shy Glizzy『WOAH』

はい。いまオープニングチューンとしてお届けしましたのはブロディンスキ&シャイ・グリーズィーで『Woah』でした。結構ね、まあ本当に単純なフックなので。バシバシね、DJの方も現場でかけて欲しいし、『ウォーウォーウォーウォー』言いながらね、タナりたいななんて思ってますけども。

<書き起こしおわり>

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