みうらじゅんさんが文化放送『大竹まことゴールデンラジオ』に出演。著書『正しい保健体育 ポケット版』の中から、『全ての男は福男である』という話を紹介していました。
(光浦靖子)大竹紳士交遊録、月一レギュラーのみうらじゅんさんです。
(みうらじゅん)よろしくお願いします。どもー。
(大竹まこと)えー、今日はなんかご本をプレゼントしていただけるという噂をちょっと聞きましたが。
(みうらじゅん)ああ、はい。たぶん無理やりこっちが差し込んだんだと思いますが。すいません。よろしくお願いします。
(太田英明)あの、『正しい保健体育 ポケット版』という文春文庫から出た、みうらじゅんさんのご本を後ほど、5名様に差し上げますので。詳しいことはこのコーナーの最後にお伝えしますので。
(大竹まこと)ええと、今日はどんなことを話しましょうかね?
(みうらじゅん)まず、この間、見たまんまの長髪の話でしたから。
(大竹まこと)はいはい。
(みうらじゅん)で、今日はたぶん、テーマ的にもヒゲを生やしてきましたんで。ヒゲだろうと思ってきたけど。で、それを聞かれたら、僕は『舞台劇で今度リア王をします』って言おうと思って。で、大竹さんが『いいかげんにしろ、お前!』って言うパターンになって。っていうところまでは予想してきたんですけど、どうでもいいですよね。その話?
(太田英明)リア王をやるんですか?
(みうらじゅん)やらないですよ。聞かれたら、そう言おうと思っていたんですけども。はい。
(光浦靖子)(笑)
(大竹まこと)ええと、このご本の中で、1か所だけ。全部は話さなくていいけど。この、1つだけ話していただけますか?『全ての男は福男である』っていうところがあるんですが。そのことを、お話いただけますか?それじゃあ。
(みうらじゅん)毎回、正月にね、現場には行ったことがないですけど、かならず福男って呼ばれている人が、朝方ですかね?参門が開いて、神社の参道を思いっきり走って。1位になって本殿のところで棒か何かを取ったら・・・
(大竹まこと)あれ、何千人かぐらい、走ってますよね。
(みうらじゅん)ものすごい走って。ものすごい速度をつけて走って。転がったりする人もいるけれども、最終的にたどり着いたやつがその年の福男って言うんだけど。その画像を見るにつけ、自分も何か、昔体験してきたような気がしてきた。っていうか、毎回見ていてそう思っていたので。何なんだろうな?と思ったけれども、それはたぶん、自分がキンタマ工場の中にいる時に、精子として、多分あの参道をすごい走った記憶で。で、僕は1回、福男になっているから誕生したんじゃないか?と。
誰もが1度は福男になっている
(光浦靖子)おおー!
(みうらじゅん)だからあの画像は・・・
(大竹まこと)参道と産道が。
(みうらじゅん)参道と産道。
(太田英明)あ、山の道と産む道が。
(みうらじゅん)そうですね。そこを突入して、本殿にぶち当たるっていうことですから。そこで、1回僕は福男になっているわけですから。すごかったんだ!と思って。
(大竹まこと)僕もですよね。太田さんも。
(光浦靖子)私も福男か。
(みうらじゅん)福・・・女ですね。
(光浦靖子)福女になるのか。
(大竹まこと)福女ですよね。あれは、だって6億?
(みうらじゅん)6億ナンボ、いるんでしょ?その中の勝者が僕たちだったということですから。
(大竹まこと)僕もあなたも私も。
(太田英明)1回射精すると、精子は6億、出てるんですか?
(みうらじゅん)6億。歳をとると、かなり減っていると思いますが。
(光浦靖子)えっ?地球とあれと一緒ぐらいってこと?地球の人口と。
(太田英明)10分の1ぐらいか。
(大竹まこと)地球の人口はもっと多いよ。中国だけで13億いるわけだから。
スターウォーズと福男
(みうらじゅん)ああ、そうですよ。そうですよ。それがまあ、ぶち当たってこうなっているっていうのと、スターウォーズの、いちばん初めの1作目とされている。いまは4作目となっているけども。あのはじめって見た時の、デス・スターに銃撃をXファイターっていうのに乗って撃ちこむんですよ。
(大竹まこと)うん。
(みうらじゅん)ほそーい通路をたどって、Xファイターっていう飛行機がデス・スターの核の部分に爆弾をしかけるんですけども。その時に見た爽快感も、その自分の、精子を飛ばされて自分がいった時の感覚であると。だから妙に男はスカッとするんですよね。そういう、福男とかデス・スターとかの攻撃を見ると。
(大竹まこと)それはね、ジョージ・ルーカスとか、そういうのを考えて?
(みうらじゅん)いや、たぶん考えていると僕は思うんですよ。福男も当然そのことを考えて。ええ。ご神体をぶち抜くために男根を練り歩いて、最後本殿にぶち当たるんですけども。まあ当然、そういう意味ですからね。意味なんですよね。
(大竹まこと)最後ね、本殿まで行くわけだから。本殿に行きたくてやっているっていうことだから。
(光浦靖子)スターウォーズもそう。
(みうらじゅん)スターウォーズも、そうでしたね。
(光浦靖子)計算かな?
マッドマックス 怒りのデス・ロードと福男
(みうらじゅん)たぶん、スカッとした感じ。この間、『マッドマックス』の新作がやって。あれも、とりあえずマッドマックスが行って帰ってくるだけの話でしたけど。やっぱり猛烈に、カーッと来るのは戻ってきたっていうか、いちばん初めに行ったところに水のタンクがあって。そこの水を人々がすごいほしがっているんですよ。
(光浦靖子)はい。
(みうらじゅん)で、ウワーッ!って。そのタンクの栓を開けてくれ!って言って。で、後ろにいる子供たちが、真っ白の白塗りで。まるで精子のように、いっぱい立ってるんですよ。で、そこで、ザーッ!と最後にこぼれた時に、ウワーッ!ってなるんですけど。完璧に、そのことであると。
(大竹・光浦)(笑)
(光浦靖子)ええっ!?『マッドマックス』もですか?
(みうらじゅん)『マッドマックス』のラスト、見て下さいよ。
(光浦靖子)へー!まだ見てない。そういう目で見よう。
(みうらじゅん)完璧に福男ですよね。あれ。
(大竹まこと)いやー、わかんないけども6億の中から。もう、だからまあ、誰も彼も、いまそこにいるあなた。あなたは、6億分の1の福男だと。
(光浦靖子)選ばれし者なんだ。
(みうらじゅん)そうなんですよ。悩むこと、ないんですよね。もう1位をとっているわけですから。
(光浦靖子)勝った男か。選ばれしっていうより、勝ったんだな。
(大竹まこと)なんかこう、あれだよね。『俺なんか、いてもいなくてもいいんだ』とか。『賞なんか1個もとったことがない』とか。ねえ。『優勝したことが1回もない』とか。そんなこと、なに言ってんだ!?と。
(みうらじゅん)福男なくせにね。もともとはね。
(光浦靖子)そうだよー!
(みうらじゅん)だからあとは、蹴落とした人たちをフォローするだけで生まれているということだと思うんですよね。蹴落としてきましたからね。実は。いっぱいの精子を。
(大竹まこと)そう。あとはもう、ボランティアでも構わないわけだ。俺たちの人生は。
(みうらじゅん)全然構わないですね。
(太田英明)えっ、じゃあたとえば、男性は自分で処理した時に、その6億の者たち・・・
(みうらじゅん)すごい殺人が行われているわけですからね。あれ。
(太田英明)何の目的もなく消え去っていった者たちの分も、自分は生きているっていう。福男なんだって。
(みうらじゅん)そうですね。あの、よくAVにかならず使われる『あのプール』っていうのがあるんですけど。ものすごい、もう溺死してるんですよ。そこで。ものすごく無駄な死があるんだけれども、やっぱりそこは、フォローしていかなきゃなんないんじゃないか?ということですね。そんな本の内容だったのか、よくわかんないですけど(笑)。
(太田英明)(笑)
(みうらじゅん)まあ、初めから1位をとっている人間が考えなきゃなんないんじゃないか?と思うんですけどね。
(大竹まこと)世の中のことも。全部ね。
<書き起こしおわり>