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松尾潔 1992年アメリカR&Bチャートを振り返る

松尾潔 1992年アメリカR&Bチャートを振り返る 松尾潔のメロウな夜
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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で1992年のR&Bチャートを振り返り。この年にヒットした曲を聞きながら、解説をしていきました。

(松尾潔)続いては、こちらのコーナーです。『いまでも聞きたいナンバーワン』。2010年3月31日に始まった『松尾潔のメロウな夜』。この番組は、メロウをキーワードにして、僕の大好きなR&Bを中心に大人のための音楽をお届けしています。ですが、リスナーのみなさんの中には『そもそもR&Bって何だろう?』という方も少なくないようです。そこでこのコーナーでは、アメリカのR&Bチャートのナンバーワンヒットを年度別にピックアップ。歴史的名曲の数々を聞きながら、僕がわかりやすくご説明します。

第14回目となる今回は、1992年のR&Bナンバーワンヒットをご紹介しましょう。90年代の曲を取り上げると、いつもよりちょっとやっぱり皆さんのリアクションが熱いですよね。94年、98年、91年、96年と取り上げました。そして92年となります。91年の時に、『大混戦の1年だった』というお話をしたんですが、皆さん、ご記憶でしょうか?まあ、年間にいろんな曲がナンバーワンのポジションにつくわけなんですけども、1991年というのは、ざっと1年50週くらいの中で、38曲がナンバーワンに輝いた。つまり、長い期間、1位をキープした曲がなかったのが91年っていうお話をしたんですが。

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大激戦の1年

その傾向は92年も続きました。92年も1年間で33曲になるのか。前の年からシャニース(Shanice)の『I Love Your Smile』っていうのが居残りでヒットしましたんで。まあ、都合33曲ですね。

そして、年の暮れはホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の『I Will Always Love You』で終わったという、まあ、ね。いまでもこの世界の代表的な名曲とされる『I Will Always Love You』が出たのがこの年っていうことですから、まあ92年は短い時間でご説明するならば、ホイットニー・ヒューストンの『ボディガード』が公開されて、『I Will Always Love You』が出た年ってことで。以上!ってことになっちゃうんでしょうけれども。

まあ、メロ夜ですから。R&B的見地でいろいろと探ってみたいと思います。91年というのは、まあ87年の後半ぐらいから盛り上がってきたニュージャックスウィングムーブメントというのがサウンドとしては一段落ついた。それが91年でした。で、92年。ポストニュージャックスウィングは何だ?というところで、まあニュージャックスウィング期に出てきたアーティストたち。たとえばキース・スウェット(Keith Sweat)ですとかね、ボビー・ブラウン(Bobby Brown)ですとか。こういったアーティストがニュージャックスウィングの次のサウンドで、でもちょっとニュージャックスウィングの残り香というか、その頃の佇まいを残しながら、過渡期特有の動きをしていたという。そういう時期なんですね。

で、そんな時期にバトンタッチするようにね、ニュージャックスウィング期からのアーティストとニュージャック以降の人たちが混在しているわけなんですが。まあその、92年以降明暗がはっきりとわかれてしまった2組。まあ、旧体制派と新体制派と呼べばいいんでしょうか?これを聞き比べてみたいと思います。まずはアーロン・ホール(Aaron Hall)です。アーロン・ホールはニュージャックスウィングのムーブメントで最も成功したガイ(Guy)というテディー・ライリー率いるグループのリードシンガーでした。彼のデビューシングルは映画のサウンドトラックに収められておりました。

『ジュース(Juice)』というね、映画でした。2パックが役者として出ていたことでも知られていますが。その中に収められていた『Don’t Be Afraid』という曲。これが4月から5月にかけて2週間、ナンバーワンを記録しております。そして、ポストニュージャックスウィングの代表ですね。女性シンガー、メアリー・J.ブライジ(Mary J.Blige)が92年に本格的に出てまいりました。『You Remind Me』という曲で出てきたんですけども、後に彼女の代名詞的な1曲として歌い継がれ、いろんなクラブでずっとプレイされ続けているのはこちらでしょう。『Real Love』。1992年の10月。2週間にわたってナンバーワンを獲得しました。収録アルバムの『What’s the 411?』も、いまではクラシック扱いです。

では、2曲続けて。旧と新ということで聞いていただきましょう。アーロン・ホール、『Don’t Be Afraid』。メアリー・J.ブライジ、『Real Love』。

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Aaron Hall『Don’t Be Afraid』

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Mary J.Blige『Real Love』

いまでも聞きたいナンバーワン1992年編。アーロン・ホールで『Don’t Be Afraid』。メアリー・J.ブライジ、『Real Love』。2曲続けてご紹介しました。いやー、92年。もう四半世紀近く前になるんですけれどもね。これぐらいのサウンドは、いまが旬という気もいたします。このポストニュージャックスウィングエラと言われる92年。ひとつの動きとして、ボーカルグループの復権というのがございました。ボーイズIIメン(Boyz II Men)が『End Of The Road』で、これって新曲?っていうぐらい、初めて聞くのに懐かしいオーセンティックな響き、メロディーでトップに躍り出ましたね。仕掛けたのは、L.A.&ベイビーフェイス(Babyface)。これ、有名な話ですが。

で、L.A.&ベイビーフェイスの秘蔵っ子という形で世に出たのが女性グループのTLC。TLCの『Baby-Baby-Baby』という曲。まあ、ボーイズIIメンの影にちょっと霞みましたけど。ずっとこれ、ポップチャートでも2位をずっとキープしていた曲でありまして。R&Bチャートでは1位も獲得しております。

この時代はね、80年代の佇まいっていう表現をさっき使いましたけれども。たとえばグレン・ジョーンズ(Glenn Jones)とか、ルーサー・ヴァンドロス(Luther Vandross)とか。時にはね、タキシードを着てステージに上がっちゃうような、おじさまっぽいスタンスの人。まあ、ジェラルド・リバート(Gerald Levert)なんかもそこに加えていいでしょう。こういった人たちがナンバーワンをとった時代でもあるし、その一方でマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)やライオネル・リッチー(Lionel Richie)といった旧モータウン勢も、いまだに強かったですし。あと、なんと言ってもホイットニーですよね。で、ホイットニーの、一時は好敵手になるか?と言われていたミキ・ハワード(Miki Howard)もこの年、『Ain’t Nobody Like You』という曲でナンバーワンヒット。

もう個人的にはね、以前この番組で1回、ミキ・ハワードのアルバムをご紹介しましたけれども。本当に耽溺していたというか、もうミキに溺れていたという感じでした。僕は。アレステッド・ディベロップメント(Arrested Development)が『Tennessee』という曲でヒップホップの新しい形を見せてくれたのも、この92年でした。

ですが、新しい形、新しいスタイル。そういった、まあ次の時代の、なんて言うんでしょう?未来の予想図みたいなものを、きちんと成功という形で示したのは、やはりこの人たちでしょう。ジョデシィ(Jodeci)です。今日の番組の最初に、これで振り出しに戻る感じなんですが。ジョデシィの『Come and Talk to Me』。これが1992年の5月30日にR&Bチャートのナンバーワンになりました。翌週も1位を獲得しました。収録アルバム『Forever My Lady』という彼らのデビュー作からは、バラードばかりがヒットするという珍現象が起こりました。これは、翌年のH-タウン(H-Town)ですとか、シルク(Silk)、DRS。こういったボーカルグループのナンバーワンヒットにつながっていきます。では、聞いていただきましょう。1992年を象徴する1曲。ジョデシィで『Come and Talk to Me』。

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Jodeci『Come and Talk to Me』

いまでも聞きたいナンバーワン。最後にお届けしたのは、1992年を象徴するR&Bの名曲です。ジョデシィ『Come and Talk to Me』でした。まあバラードというね、とかく保守的に見られがちなフォーマットにおいて、バラードなのにかっこいい。バラードなのにストリートイメージがあるというね。一見、対称的な位置にあるような評価を獲得できたジョデシィ。真に新しいことをやってのけたと思いますね。

同じようなことが、ディアンジェロ(D’Angelo)の評価にも言えるんじゃないでしょうかね。ディアンジェロがなぜ、特別扱いされるかというと、ジャズという非常にこう、伝統を感じされる音楽なのに、常にそこに革新性があるという。まあ、ディアンジェロとジョデシィという2組の話、今日何度かしましたけれども。常にこういった人たちが音楽シーンを変えていくんですね。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/32657

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