スポンサーリンク

松尾潔 Angel『Take You Home』・Steve James『Official』を語る

松尾潔 Angel『Take You Home』・Steve James『Official』を語る 松尾潔のメロウな夜
スポンサーリンク
スポンサーリンク

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でメアリー・J.ブライジの名曲『Mary Jane (All Night Long)』を引用した曲としてAngel『Take You Home』とSteve James『Official』を紹介していました。

(松尾潔)さて、続きましてはキーシャ・コールがデビューするにあたって本人も、そして周囲のスタッフも「彼女のようになれたらね」ということで名前を挙げたであろう、メアリー・J.ブライジの曲を引用した曲をご紹介したいと思います。メアリー・J.ブライジといえば、もうゲットー・ソウルというか「ゲットー」という言葉だとかその前のヒップホップ・ソウルとか。いろんな名前で語られる、まさに女王的存在なんですが。この番組で今年、何度か話しましたけども、もはやそういった特定した○○ソウルとかっていうのは必要としない、「ソウルの新女王」っていう言い方にもう……僕もいまこうやって話しながらためらいがないですね。なんら躊躇するところがない、それぐらいの存在です。

ですからまあ、彼女の存在とか彼女が残した表現に敬意を持って、それを自分の曲の中で示そうっていう人が出てくるというのも当然の話なんですが。これからご紹介するアーティスト、エンジェルという非常に美しい名前の男性アーティストですね。イギリス、ロンドン出身の男性アーティストなんですが。エンジェルは自分の曲の中でメアリー・J.ブライジのあの曲のあの部分を歌い込んでますね。答えは後で言いましょう。メアリー・J.ブライジ以外にもユージーン・ワイルドであるとかSWVであるとか、80年代、90年代のR&Bがお好きな方にとってはたまらない人たちの名前が思い浮かぶ、そんな1曲です。それでは聞いてください。エンジェルで『Take You Home』。

スポンサーリンク

Angel『Take You Home』


スポンサーリンク

Steve James (Feat. Jayme Rae) 『Official』

2曲続けて、80年代、90年代のR&Bが恋しくなる、そんなナンバーをお聞きいただきました。まずは男性シンガー。この人はロンドン出身ですね。エンジェル『Take You Home』。これは先ごろ、10月にリリースされたばかりですね。この曲の中で歌い込まれていたネタ、みなさんお分かりだったでしょうか? まあ、ネタと言いますかね、カバーメドレーのような趣さえありましたね。まずはメアリー・J.ブライジの『Mary Jane (All Night Long)』という曲のサビを歌い込みまして。

で、ブラックストリートがフォクシー・ブラウンと共演した『Gotta Get You Home』という曲の「Ay-ayy♪」っていうのを歌っていましたね。

で、その『Gotta Get You Home』がもともとサンプリングのネタとして使っていたユージーン・ワイルドの『Gotta Get You Home Tonight』っていう曲がこの曲でもビートの下敷きになっていました。

で、それだけじゃなくてもうとどめを刺すかのように曲の最後のあたりになりますとSWVの『I’m So Into You』のフレーズが出てきましたね。

まあ僕なんか、こういう音楽のプロデューサー、製作者でもありますから、常に予算のことを考えながら音楽を作るんですね。まあ、アマチュアの方といちばん違うのはその部分かと思うんですが。予算のこと、あとどうやったらこれ、収益を出せるか?っていうことも一応考えたりもするんですけども。日本的な常識で言うと、こんな一曲の中に何曲も放り込んでいるといったい……「これ、1億枚ぐらい売らないと黒字にならないんじゃないか?」なんて、そんな下世話なことも考えたんですけども(笑)。

まあ、そういうことを海外のアーティストの時に考えるっていうのはちょっとゲスと言いますか。計算式がそもそも違うんでしょうけど、こういう風に作れたら楽しいんだろうな、なんて思いましたね。エンジェル『Take You Home』でした。で、そのいま僕、メアリー・J.ブライジっていう風に言いましたけど、メアリー・J.ブライジの『Mary Jane』っていう曲、これ自体がそもそも、リック・ジェイムスの子飼いグループだったメリー・ジェーン・ガールズの『All Night Long』という曲を下敷きにしているわけで。

もうこのエンジェル『Take You Home』の作者クレジットを見ると、とんでもないことになっています。その名前の羅列ぶりが。もう一度言いますけど、この権利関係、どうなっているのか? 一度教えていただきたい(笑)。

そして、続いてお楽しみいただきましたのはスティーブ・ジェイムスという男性シンガー。昨年リリースされたEP。ミニアルバム『Four』の中に収録されていた『Official』という曲。ジェイミー・レイという女性シンガーとのデュエット形式を取っておりました。これ、僕が仲がよいDJ TAROさんという人に「松尾さん、この曲知ってます?」って言われて、「ああ、これいいよね!」って盛り上がったこともある、そんな曲なんですね。

『Official』、つまり「本命の恋人」っていうお話ですよ。そういうお題なんですけども。これ、面白いのはこの曲の中でも90年代R&Bネタが織り込まれているんです。それがね、今年出たエンジェルと全く同じ曲なんですよ。つまりメアリー・J.ブライジの『All Night Long』がここでも織り込まれているわけなんですね。これはまあ、同じ曲を使っているのに全然曲調として違うものになっているというのが面白いなと思いました。

で、このスティーブ・ジェイムスの『Official』の面白みっていうのはもう一点ありまして。この曲、実はもうひとつネタに使っている曲があって、Jodeciの『Come and Talk To Me』ですよ。

で、「あっ!」と気づいた方は相当な90’sフリークかとお見受けいたします。そうです。メアリー・J.ブライジとJodeciのケイシー・ヘイリーっていうのは90年代のR&Bシーンの中でも大変に有名な相思相愛のカップルでしたからね。一時は結婚間近まで行ったと言われております。そのメアリー・JとケイシーがいるJodeciの2曲を言わば1曲の中で結びつけた。強引に言うならば、曲の中で結婚させてしまったというのがこのスティーブ・ジェイムス『Official』を楽しむ秘訣じゃないかと思いますね(笑)。

っていうかそこまでわかってこそ、この曲の魅力が十全に理解できるんじゃないかなという風に思いますね。本当に面白い仕掛けでした。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました