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松尾潔 ジョージ・マイケルとロビン・シックを語る

松尾潔 ジョージ・マイケルとロビン・シックを語る 松尾潔のメロウな夜
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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でジョージ・マイケルとロビン・シックについて話していました。

One More Try

今日はね、ちょっと懐かしいナンバーからまず幕を開けてみたいと思っております。何かと申しますと1988年6月18日、つまり30年前の今日アメリカのブラックチャートでナンバーワンに輝いた銘バラードですね。いま、僕は「ブラックチャート」と申し上げました。いまではR&Bチャートという言い方になっております。それは1990年の秋から名称が変わったのですが、この頃はブラックチャートと言っていました。この番組で繰り返し申し上げて参りましたようにR&Bという言葉の定義、意味合いというのがいま、大変急激に変化しております。変様を見せております。ですが、80年代まではR&Bはアメリカの黒人のものであるという、そういった捉え方が支配的でした。そんな時代のブラックチャートナンバーワンシングル、聞いてください。ジョージ・マイケルで『One More Try』。

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George Michael『One More Try』

お届けしたのはジョージ・マイケルで『One More Try』でした。これは1988年6月18日付の全米ブラックチャートのナンバーワンシングルです。いまからちょうど30年前の今日、ブラックチャートで念願のナンバーワンを獲得したジョージ・マイケル。ブラックチャートでナンバーワンを獲得する前に全米ナンバーワン、全英ナンバーワン、世界中のいろんなチャートでもう首位を獲得済みでした。もちろんソロになる前に彼はワム!というデュオをやっておりまして。ワム!としても大活躍。1位を連発していたわけですが。

ジョージ・マイケルにとってこのR&Bチャートのトップというのはもう格別の思い、達成感っていうのがあったようですね。やっぱりそれぐらい難しい時代、アメリカのR&Bは村社会だっていうことをね、いまでもごく稀に言う人がいますけども。ちょっとまあいま、正直そういった話が昔話に聞こえるぐらい、いろんな人種、いろんな国籍の人たちがR&Bチャートを……ヒップホップもそうですけどね。そういったところに出入りして。もうこれは本当に素晴らしいことだと思いますが。

その以前の……まあそうですね。さっき話しましたように90年の秋にアメリカのビルボードってところがそれまでのブラックチャートという言い方を改めてR&Bという言葉を使い出して。それでまあ、日本でもブラックミュージックとかソウルミュージックっていう言い方がずいぶん時間が経ってR&Bって言うようになったという経緯がありますね。で、そのジョージ・マイケルが白人男性としてR&Bナンバーワンヒットを出して、じゃあその次にこのR&Bナンバーワンヒットを記録した白人男性は誰? そしていつなのか? と申しますと、なんとか大方20年が経ったところ。正確に言うと19年経って、やっとそれ以来の白人男性アーティストとしてR&Bチャートのナンバーワンに輝いたのがロビン・シックの『Lost Without U』。これが2007年の2月のナンバーワンヒットなんですが。

まあ、ジョージ・マイケルの後にジョージ・マイケルなしかと思っていたらロビン・シックで……しかもロビン・シックは『Lost Without U』の後にまた『Blurred Lines』っていうもっと大きなヒットも控えてるわけで。まあ才能ってのはいつか現れてくるんだなと。マーくんみたいな凄いピッチャーがいるんだと思ったら、まあね、大谷翔平みたいな人も出てくるっていう……まあ、それは違う? まあ同じようなところもありますよね。ちょっと似通ったような印象が僕にはあったんですけど。もとい、ジョージ・マイケル。これね、イギリス人男性っていうところにもちょっと面白いポイントがありますよね。

つまり、アメリカ黒人男性というものとはちょっと違った出自、イギリス白人男性のジョージ・マイケルが当時、村社会の色合いが強かったそのR&Bフィールドにやってきて、トントントンとてっぺんに立ったという。ああそれから大方20年後にロビン・シックがまた1位になるまで白人男性でそのR&B的な音楽性を持ってた人たちはずっと指くわえて見てたのかっていうと、実はその1998年。大雑把にいうとジョージ・マイケルとロビン・シックのちょうど間ぐらいにジョン・Bの『They Don’t Know』という曲が痛恨の2位を記録しております。本当に小指の先が届いたんだけどなっていう感じがございました。

なぜかと言うと、この時……まあ、チャートの算出方法っていうのは時代によって違うんですけれども。パッケージの売上とラジオのオンエアーの回数。これの総合チャートっていうのが順位を決定してるわけなんですけど、そのオンエアーのエアプレイって言いますけども。エアプレイのチャートでは1位を取ってたんですよね。『They Don’t Know』はね。でも、僕はその頃にアメリカ本土で仕事をすることが多かったもんですから、まあ車でもね、部屋でもラジオつけたら「またジョン・Bの『They Don’t Know』が流れてるよ」と。まあ、そういう場面を数々記憶してるんですけども。

あれよりもジョージ・マイケルの『One More Try』っていうのは凄かったんだなと。まあ、早いものでね、そこから30年経ったのが今日でございますね。ジョージ・マイケル『One More Try』でスタートいたしました今夜のメロウな風まかせ。では、そのジョージ・マイケル以来の白人男性アーティストとしてR&Bチャートナンバーワンに輝いたロビン・シックのこの曲を聞いていただきましょう。『メロ夜』でご紹介するのはずいぶん久しぶりという気がしますね。ロビン・シックで『Lost Without U』

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Robin Thicke『Lost Without U』

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Raheem DeVaughn『Don’t Come Easy』

(松尾潔)ジョージ・マイケルの『One More Try』以来の全米R&Bチャートナンバーワンに輝いた白人男性アーティストの曲。ロビン・シックの『Lost Without U』をお聞きを頂きました。これは2007年のメガヒットでございます。そして同じく2007年に初めての全米ポップヒットを放ちましたラヒーム・デヴォーン。ちなみに曲は『Woman』でしたけどね。その最新シングルの『Don’t Come Easy』をお聞きいただきました。アイズレー・ブラザーズマナーですね。

ジョージ・マイケルは2016年12月25日に亡くなりまして。まあクリスマスに天に召されたジョージ・マイケル、早いものですね。1年半ほど経ちましたね。ジョージ・マイケルがあの頃やろうとしていたことをいちばん近い形でやっているのは、やっぱりブルーノ・マーズということになるんですかね。いま、ちょっとこう話す時にためらいがあったのは、マイケル・ジャクソンがやろうとしていたことをいま、やってるのがブルーノ・マーズという気もしないわけではない。どうもすっきりしない話し方になってしまいますけどね。

まあ、何が言いたいかと申しますと、黒人だとか白人だとか、はたまたアジア人ですとかね、ヒスパニックとかいろんな人種ですとか民族というものがありますが。R&Bという受け皿の方は大きかった……大きくなったなということをこの数年、特に実感しますね。そんなことに思いを馳せながら、ジョージ・マイケル、ロビン・シック。そして何故かラヒーム・デヴォーンを紹介いたしました。

<書き起こしおわり>

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