ジェーン・スー 男のためのコスメ入門1 『女にとっての化粧とは何か?』

ジェーン・スーが語る 30代後半男女の恋愛と結婚を維持するコツ 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

ジェーン・スーさんがTBSラジオ ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルに初登場した際の模様です。特集『男のためのコスメ入門』で、ボンクラ男子たちにとって未知の世界、『コスメ・化粧』について語っていました。まずは書き起こし その1。テーマは『女にとっての化粧とは何か?』です。

(宇多丸)夜9時半からお送りしております『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』、ここからは1時間の特集コーナー『サタデーナイト・ラボ』のお時間です。今夜の特集はこちら。宇多丸よ!男たちよ!お前たちは何一つ化粧のことを分かっていない!いや、分かっていないことさえ分かっていない!そこで、男子のための初めてのコスメ入門 by ジェーン・スー!
男は化粧のことをまるで知らない。知らないことも知らずに、日々のうのうと怠惰な生活を送っている。そんな現状に警鐘を打ち鳴らすべく、タマフルがおくる緊急化粧特集。タマフルの兄弟番組『高橋芳朗 HAPPY SAD』にゲスト出演し、TBSラジオ局内を騒然とさせたトークモンスター、ジェーン・スーさんがついにタマフル初登場です!ということでこんばんは。よろしくお願いします。

(ジェーン・スー)よろしくお願いします。どうも、こんばんは。トークモンスターです。

(宇多丸)いやいや、こんなおキレイな女性を前にね・・・

(ジェーン・スー)いやいやいや・・・もうね、中年ですから。本当に。

(宇多丸)中年ってね・・・どんな方・・・ジェーン・スーって?

(ジェーン・スー)日本人です。

(宇多丸)日本人です。女性です。

(ジェーン・スー)日本生まれ日本育ちです。

(宇多丸)日本生まれ、女性。お仕事的にご紹介するならば、アイドルグループのTomato’n’Pineのプロデューサー?総合プロデューサー?

(ジェーン・スー)そうですね。いや、一応agehaspringsとの共同プロデュースです。

(宇多丸)音はagehaspringsで歌詞なんかをね。アナタ、歌詞いいですよー。作詞力ありますよ。非常に高く僕は評価してますけども。

(ジェーン・スー)いや、ホントすいません。

(宇多丸)っていうか、音楽業界ね、結構いろんな形で関わって来てるんですよね。

(ジェーン・スー)そうですね。

(宇多丸)みんなが分かるようなところで『こんなのやりました』みたいな過去のこと、言っていいの問題なければ・・・

(ジェーン・スー)そうですね。Crystal Kayちゃんとか、あとは完全にその時は下っ端でしたけど、宇多田ヒカルさんの全米デビューの時の日本担当的なこととか・・・

(宇多丸)はいはい。じゃあもう業界ではブイブイ言わせて。

(ジェーン・スー)いやいやいや・・・

(宇多丸)その一方で化粧品関係の仕事にも携わっている・・・

(ジェーン・スー)そうですね。

(宇多丸)もう今や、30代女性のロールモデル。

(ジェーン・スー)いやいや、「こっちに来んな!」っていう話ですからね。

(宇多丸)「こっちに来んな!」・・・?

(ジェーン・スー)「こうなっちゃダメだぞ!」っていう、そのために出て来ました。

(宇多丸)女子たちに、そういう警鐘を鳴らす役割。

(ジェーン・スー)そうですね。

(宇多丸)なおかつ、私との関係は文京区の後輩。

(ジェーン・スー)文京ポッセ。

(宇多丸)文京ポッセ・・・まあ後輩っていうことでいいんですかね。

(ジェーン・スー)そうですね。意外と。

(宇多丸)なんか僕、不思議な感じするんですけどね。いろんな高橋芳朗とかもそうですし、コンバットRECとかもそうですけど、普段普通に友だちとしていたバカ話がそのまま公共の電波に乗っているっていう・・・お金になる時代になっちゃったってうね。なんか不思議な感じが。本名でついつい呼んでしまいそうになるのが危ないですけど。アナタ別に『士郎さん』っていつもの感じで・・・

(ジェーン・スー)いやいや、『宇多丸さん』で。

(宇多丸)ああそうですか。あくまでこの一線を引いてね。ということで、ジェーン・スーさん『高橋芳朗HAPPY SAD』で衝撃のデビューを飾った。でもう、『誰なんだ、この人は。このしゃべれる女は?』みたいな。『この人、まだまだ引き出しありそうだ!』・・・実際そうなんだけど、騒然としたと。で、なんとかこのタマフルに・・・『そんなこと言って、俺のほうが前から知り合いなんだよ!』みたいな感じで、是非出したかったと。で、何でしゃべるのがいいのかねってことで、まず『コスメ』っていうことなんですけど。

(ジェーン・スー)そうですね。

(宇多丸)『コスメ』って、今までタマフルで出てきたことないと思うんですよ。この三文字は。『コスメ』、まあ化粧品ってことですか?

(ジェーン・スー)そうですね。まあその辺が既に、男の人にとって『五里霧中』だと思うんですけど。

(宇多丸)五里霧中ですね。五里霧中、無知蒙昧。

(ジェーン・スー)無知蒙昧だと思うんですけど、『スキンケア』というのと『コスメ・化粧』っていうのは全く別物なんで。

(宇多丸)お肌のために何かするっていうことと、キレイにつくり上げること。今日はどっちの話をするの?

(ジェーン・スー)今日は基本的には『コスメ』の方の話を。

(宇多丸)どっちだっけ、それ?ゴメン。

(ジェーン・スー)化粧です。分かりやすく言いましょう。メークアップの方です。

(宇多丸)すいません、五里霧中で。ということで、私ね、こんな調子ですよ。分かんないです、何にも。化粧のこと。だいたい俺の印象言っていいですか?コスメの印象。

(ジェーン・スー)はい。

(宇多丸)あのさ、前から僕言ってるんだけど、女の人がデパートとかワーッ!って行くじゃないですか。行ってるんだけど、ビンとかがいっぱい置いてあって、まずこんなに種類が必要なものなのか?っていうね。いろんなのあって。で、なんか取って匂い嗅いでね、付けて嗅がせようとしたりするわけ。嗅いだってさ、それ『ピーチ』って書いてあるんだからモモっぽいんだろ?とかさ、ストロベリーって・・・

(ジェーン・スー)いやいやいや・・・何をおっしゃってるんですか。

(宇多丸)どう反応すればいいんだよ?みたいな。

(ジェーン・スー)いや、「ピーチだね」っていう話ですよ。

(宇多丸)「ピーチだね」としか言いようがないじゃないですか。あと、そんなに種類がいるのか?感。

(ジェーン・スー)いりますよ。

(宇多丸)だって、エアガンを手入れするのにだいたい必要なスプレーは多くて3本ですよ。僕が使っているのは2本ですから。

(ジェーン・スー)もうそこから既に間違えていると思うんですよ。スプレーじゃないんですよ。エアガンです!

(宇多丸)あっ、コスメはどっちかって言うとエアガンそのものの方。

(ジェーン・スー)『一個じゃすまないでしょ?エアガンは。』っていう。

(宇多丸)あー、また買ってきて、また同じ物を買ってきて・・・「同じものじゃないよ!」って。

(ジェーン・スー)「同じじゃないよ!ちょっと違うよ!」って。

(宇多丸)ああ、もう分かりました。コスメの話、分かりました。エアガンのたとえで全部分かりました。まあちょっとね、この状態なので、無知蒙昧を開いていただくということで今日はリスナー、特に男性リスナーのみなさまからのコスメに対する、女性のお化粧とかに関する素朴な疑問にも、ジェーン・スーさんが一刀両断にね、ピシッと。「愚問!」・・・

(ジェーン・スー)「愚問!」「笑止!」

(宇多丸)「噴飯モノ!」って言ってね、答えていただこうと思ってますので、どしどしお寄せいただきたいと思っております。

(ジェーン・スー)お願いします。

(中略)

(宇多丸)ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル、今夜おおくりしている特集は『男子のためのはじめてのコスメ入門』。ナビゲーターのジェーン・スーさん、お招きしています。

(ジェーン・スー)よろしくお願いします。

(宇多丸)一部に誤解があるといけないんで、改めて確認しておきますと、『男が化粧する』っていう話じゃないですよね。

(ジェーン・スー)違います。『女の化粧っていうのは何か?』っていうことを。

(宇多丸)女の化粧の話ですね、これね。でね、女の化粧って何か?っていうこと。『そんなの、分かってるよ!女の化粧っていうのはアレだろ?女がこう、ポンポンポンポンやるんだろ?』みたいな、そういうレベルのお前ら、貴様らに捧ぐっていう・・・

(ジェーン・スー)そうですそうです。

(宇多丸)たとえばね、こんなリスナーからメールいただいてます。『女性の家に上がった時に、化粧台の前や鏡の前にいくつもの化粧品が並んでいますが、それは私にとって理科室感がすごくあります。化粧水=蒸留水、口紅=味のしないクレヨン、ファンデーション=セメント、マスカラ=セメダイン、チーク=ビタミン、カラーの絵の具やビューラー=目のギロチン、実験感覚がバリバリします。そこでお聞きしたいのですが、化粧品の知識もそうですが、化粧をする女性が一番男性に理解してほしいことは何ですか?』というね、こういうのをいただいているという。

(ジェーン・スー)まあ、『一番理解してほしいこと』っていうのは今回の大きなテーマでもあるんですけども、『まず、よく知ってほしい』。

(宇多丸)よく?

(ジェーン・スー)よく、「これ、何?」っていうのを知らないうちにズカズカ入って来ないでほしい。

(宇多丸)女性にとっての化粧とは何か?をよく知らいないうちに・・・でも逆に言うとズカズカ入ってくる発言が目立つということですか?

(ジェーン・スー)まあ、そうですね。一番顕著な例としては「やっぱりスッピンの方がかわいいよ」とか。

(宇多丸)はー。『スッピンの方がかわいいよ』問題。

(ジェーン・スー)もう、そういうのは愚の骨頂ですよね。

(宇多丸)これ、なぜ愚の骨頂なのか、ちょっと後ほど伺っていこうかと思うんです。こちらにリスナーのメールもあるんですけど、『スッピンとナチュラルメークの違いを教えて下さい』とかあるんですけどね。ちょっと後ほど、スッピン問題については語っていきましょう。まず大きなこととして、『コスメとは何ぞや?』というね。

(ジェーン・スー)女にとってのコスメ、化粧っていうのは何か?っていう話があるんですけども、基本的にまず、アラサーっていうところ。20代・10代っていうのもメークをする年ではあるんですけど、一番キモになってくるのは30代前後から上っていうところで。

(宇多丸)意味が変わってくるんですか?

(ジェーン・スー)そうですね。でまあ、全世代に共通して言えることは『エンターテイメント性』。気持ちをアゲる。自分の気持ちっていうのを、メークをすることによって、欠点を隠して良いところを伸ばして、『今日、行くわよ!』っていう感じ。まあ、甲冑ですよね。

(宇多丸)武装。

(ジェーン・スー)そうですね。戦国時代に例えるんであれば、(女にとってのメークとは)甲冑ですね。

(宇多丸)あの、見た目は非常に薄い粉とか、そういう液体状のものだけど、あれはもう、ビシッと・・・もう鉄だと。

(ジェーン・スー)突き破れると思うなよと。

(宇多丸)カチーン!カンカンカン!もういろんなものを跳ね返す。

(ジェーン・スー)そうですそうです。まさに。

(宇多丸)弾を跳ね返すと。

(ジェーン・スー)そういうためのエンターテイメント性、自分が自分になるための。見れる自分になるための。

(宇多丸)自分が自分に・・・見れる自分になる?

(ジェーン・スー)まあこれね、ちょっと語弊のある言い方かもしれないですけど、アラサー以上の女の寝起きなんて、もうマグショットなんですよ!本当に。

(宇多丸)マグショット?

(ジェーン・スー)あの、捕まった時に(写真を)撮られるじゃないですか。

(宇多丸)ああ、はいはいはい。カシャ!って。まあ、寝起きは誰しもそういうところありますけど。

(ジェーン・スー)で、そこから、外に出て行くための大事なプロセスとしての化粧。

(宇多丸)要は、はたから見て客観的にマグショット的であるかどうかじゃなくて、自分が『これじゃあマグショットだ』って思っているとアガんないところで、ちゃんと武装してというか・・・

(ジェーン・スー)そうです。毎朝、自分を釈放してるんですよ。社会に。女は。

(宇多丸)(爆笑)アナタ、やっぱりキラーフレーズすごいですね。量産機ですね!『毎日世間に自分を釈放している』(笑)。

(ジェーン・スー)化粧をすることで。

(宇多丸)あくまで自分が自分を釈放する。世間に受け入れられるとかじゃなくて。

(ジェーン・スー)そうです。自分が自分にってことですね。あともう一つは『パチンコ的な要素』っていうか。

(宇多丸)パチンコ?

(ジェーン・スー)中毒性が高いんですよ。コスメっていうのはすごく。

(宇多丸)一旦やるとっていうことですか?

(ジェーン・スー)そうですね。今、ここにも持って来たんですけども、結構メーク雑誌って呼ばれるものが、だいたい大手のところでも4-5冊でていまして。

(宇多丸)僕ね、本屋でこういう表紙とか見かけてね、女性ファッション誌というものと、コスメ誌っていうものの見分けをつけてなかったです。

(ジェーン・スー)もう全然違うものですね。

(宇多丸)違うんだね。コスメ誌なんだ、これは。

(ジェーン・スー)コスメ誌です。コスメのこと、顔と頭と体とかですね。

(宇多丸)ボディーケア系のこと。

(ジェーン・スー)そうです。ボディーケア系のもので、もう春夏秋冬どんどん新作が出てくるんですよ。で、ちょっと3ヶ月前まで『これがいい』と言われていたものが、『はい、ダメー!』みたいな感じで。

(宇多丸)あー、それはファッションもね、同じようなところありますけど。なんかさ、化粧品なんて自分に合うの見つけたらそこで打ち止めとか無いの?って思っちゃうんだよね。

(ジェーン・スー)まあ、パチンコですから無いですよね。打ち止めは。

(宇多丸)『パチンコですから無い』っておかしいでしょ!一旦出ても、『また出るかな?』なんですか?

(ジェーン・スー)そうです。まさに『また出るかな?』で、新しい台がどんどん出てくるわけですよ。そうすると、損することは分かっている。消えものだってことも分かっているけど、当たった時の、確変した時の・・・

(宇多丸)ちょっと待って。『当たる』ってどういうこと?『確変』ってどういうこと?

(ジェーン・スー)自分にハマるんですよね。

(宇多丸)一番なりたい自分になれた!

(ジェーン・スー)そうです。っていった時の、『ズキューン!』っていうあのアガりがもう・・・

(宇多丸)確変!ガーッ!って出るわけだ。逆にやっぱり、スることもあるんだ。

(ジェーン・スー)もう、スることの方が多いでしょう。圧倒的に。

(宇多丸)買ってきてやったけど、『んー?』って。

(ジェーン・スー)『全然違うよ、これ。』っていう。

(宇多丸)全然違う・・・それって色だとか?

(ジェーン・スー)そうですね。あと自分の肌に合わないとか。

(宇多丸)肌問題、当然ありますよね。

(ジェーン・スー)そうなんです。お肌がもともと弱い人もいますし、アレルギーが何にあるかっていうのも人によって違うので。

(宇多丸)『これ、◯◯さんがいいって言ってたから』っていって買ったりしてますもんね。パチンコなんだー。

(ジェーン・スー)そう。中毒性が。結局、『コスメジャンキー』とか『コスメフリーク』とか『コスメジプシー』っていう言葉が普通にあるんですよ。

(宇多丸)コスメジプシー・・・

(ジェーン・スー)さまようんです。定まらない。

(宇多丸)あっ、そうか。ある程度のところでね。手を打っておけばいいものを・・・どんどん行っちゃうんだ。

(ジェーン・スー)新しいものがどんどん出てくるんで、次から次へ新しいものを試したくなるんですよ。ハマる人は。私なんかは早々にそこから降りて、沿道で女子を応援する係になったんですけども。

(宇多丸)『パチンコ』って言ってるんだから、『沿道』って分からないけど(笑)。実際にワーッ!ってやっている人を・・・じゃあジェーン・スーさんは割とコレ!っていうのが。

(ジェーン・スー)そうですね。それでもやっぱり新しいものが出て、アジテーションされると試したくなりますよね。

(宇多丸)ああ、そうですか。『なんかあの新ライン、いいらしいよ』とか。

(ジェーン・スー)いやもう、『来たよ、海物語の新しいの!』みたいなことになると・・・

(宇多丸)これ、コスメの話ですからね。メタファーで。

(ジェーン・スー)コスメの話です。あともう一個、ここが大事なんですけど、自意識問題にもなってくるんですけども、『社会との接点』。

(宇多丸)先ほど、『毎朝毎朝、世間に自分を釈放してあげる』なんておっしゃってましたけど。社会。

(ジェーン・スー)そうです。結局自分自身っていうのと社会っていうのの間にある薄皮一枚のところに、化粧をして顔をペトーッとつけてその中に入っていくっていうイメージですね。

(宇多丸)それは、社会側が化粧をしていない女を受け入れないでしょっていうことじゃない・・・

(ジェーン・スー)たぶんそれが元々だったんだと思うんですけど、だんだんよくありがちな自意識問題で、自転していっちゃって、よくわかんない・・・自分でグルグル回っちゃって。

(宇多丸)自分的には化粧をしているからこそ、自分は受け入れられるのだと。(化粧を)とったらもう・・・逮捕?

(ジェーン・スー)逮捕です。だってコンビニ行くのに眉毛書かないと出れないっていう女の人、たくさんいるんですよ。

(宇多丸)はいはいはい。

(ジェーン・スー)休みの日に家にいて、もう出かける予定もないんだけど、『あ、お茶買いに行きたいな、ちょっと眉毛だけでも書かせて』って。

(宇多丸)それこそパンツ履くみたいな。

(ジェーン・スー)そうです。

(宇多丸)服着るレベル。服着ないと社会と接点持てないですよね。本来の自分は裸だけど。服レベルで。

(ジェーン・スー)そうです。生まれたままの姿では外、出れないっていう自意識。

(宇多丸)『だってアナタ、裸で(外へ)出ますか?』みたいなそういう感じだ。

(ジェーン・スー)そうです。だからそれぐらいセンシティブで、かつ社会と自分というところをつなぐアタッチメントになっているわけですね。たぶん、無人島に鏡がなかったら女は化粧しないと思うんですよ。

(宇多丸)ああ、そうですか。じゃあ、あくまで対『見られている自分とは何か?』っていう。

(ジェーン・スー)だから逆に言うと無人島に鏡があったら化粧する人はいると思うんですよね。

(宇多丸)深い話ですね・・・やっぱりさっき言った、なりたい自分になれているかどうか。

(ジェーン・スー)そうです。第三者としての目が、鏡があると出てくるわけじゃないですか。

(宇多丸)自分の中にも第三者はいますからね。

(ジェーン・スー)客観性が出てくるんで。

(宇多丸)ああ、なるほど。僕のスキンヘッドに近いかもしれないですね。僕、どんなに、それこそしょうもない用事でも、今だと完璧に(頭を)剃った状態じゃないと(外に)出たくないんですよ。

(ジェーン・スー)そうそうそう。そういうことだと思いますよ。

(宇多丸)でさ、剃っているのは人に見られるため用だったのに、もう本末が転倒しているわけですよ。完全に。しかもこれで別に社会に受け入れられやすいとは、とても言いがたいけど。うん、そうなのかな。

(ジェーン・スー)だからそういうエンターテイメント性、あとジャンキーになるパチンコ性、あと社会との接点。一番大事なところはそこなんですけども、女子にとってはそれぐらいの大きいシフトを占めるものになっていますね。

<書き起こしおわり>

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