ジェーン・スー しまおまほ 宇多丸 髪型談義 モテる髪型とモテない髪型

宇多丸 ドゥ・ザ・ライト・シング 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

ジェーン・スーさんと宇多丸さんで行われた『意に沿わぬ髪型』特集。1時間の特集が終わった後の、しまおまほさんのコーナー『ぼんやりニュース』でも、さらに髪型問題について話が続いていました。

(宇多丸)さあ、というわけで『髪型』。どうですか、しまおさん?

(しまおまほ)ね、もうスーさんの言うとおりですよ。

(宇多丸)これ、やっぱり身につまされる部分多しっていうことですか?

(しまおまほ)スーさんの説得力は異常ですね。

(宇多丸)(笑)ジェーン・スーの説得力は異常。えっ、しまおさんは・・・だいたいショートですか?

(しまおまほ)そうなんです。なんか伸ばしたい気持ちはすごいあるんですけど・・・

(宇多丸)長めの時もありますよね。

(しまおまほ)あるけど、結局みんなの印象が短い印象だったりとか、似顔絵描かれるとショートだったりするから、じゃあもうショートなんだなと思って。

(宇多丸)さっき言った、外から見たしまおさんの方にむしろ。それが実態に近いというか。

(しまおまほ)『前髪問題』もありますよね。

(ジェーン・スー)ありますよね。

(しまおまほ)前髪短いのが、男の人はそんなに好きじゃなかったりとか・・・

(ジェーン・スー)いわゆる『パッツン』とか。

(宇多丸)パッツン、好きですよ。

(ジェーン・スー)それ、少数派です。残念ながら。あと、『おでこ出すか出さないか問題』。

(宇多丸)男の人はどっちが好きなの?出すほうが好き?

(ジェーン・スー)いや、それは人によるんですけど、パッツンは好きじゃないですよね。

(しまおまほ)パッツン好きじゃない男の人多いし、やっぱりその時に付き合っている人がいたりとかすると、もうそれがすごく重石になるというか・・・

(ジェーン・スー)そうそう。なりますね。

(宇多丸)その人の好みにやっぱり合せて。

(ジェーン・スー)チラッチラッとね、ありますからね、その人が好きな髪型って。

(しまおまほ)で、長い短いにそんなにうるさくなくとも、『前髪パッツンだけは嫌だ』とか、『刈り上げはちょっと無いんじゃない?』みたいなのがあったりとか。

(ジェーン・スー)それ、二大巨塔ですよね。

(宇多丸)でもやりたい。私はやりたい。

(しまおまほ)そこを通せるか通せないかの人もいますよね。

(ジェーン・スー)そうですよね。髪型褒めるのはメーク褒めるよりはいいと思うんですけど。前、言った通り。

(宇多丸)ああ、あ、そうだよね。あー!危ねー危ねー!ゼエゼエ・・・

(しまおまほ)地雷一歩手前でしたよ。

(ジェーン・スー)全然いいと思うんですけど、ただ、パッツンと刈り上げっていうのは、たしかに男の人は、機械的な感じとか、女性的でないっていう印象で好きじゃないっていう人が多いです。

(宇多丸)あー、そうか。まあ、似合ってればっていう話にもなっちゃうけど。最近ほら、パッツンも流行ってるし、芸能人で成功例ってのがいっぱいあると、『あ、アリじゃね?』みたいな感じの人、増えてるとは思うけど。

(しまおまほ)そう。だから最近はね、木村カエラさんとか・・・

(宇多丸)(Perfumeの)かしゆかとか。

(しまおまほ)剛力さんとか。

(宇多丸)剛力さん・・・玉袋さん命名『ゴリさん』ね。

(しまおまほ)(笑)

(宇多丸)そんな呼び方してる人、いないですよっていうね。

(しまおまほ)とか、短い人が多くなったから、ちょっと免疫っていうか、『それもアリ』って思う人もいるかもしれないですね。

(宇多丸)ちなみにMUMMY-Dは断然ショート派なんですよ。

(しまおまほ)あ、そうなんですか。

(宇多丸)断然ですよ。ビンビンですよ!

(ジェーン・スー)ショートが好きっていう男性もいますよね。増えてきたと思う。昔より。

(しまおまほ)でもさ、ショートが良くて刈り上げがダメっていう人もいる。

(宇多丸)刈り上げではないんだと思うよ、やっぱり。

(しまおまほ)『横はちょっと長いほうがいい』とか、『耳にはかかってた方がいい』とか。そこまで汲んでるこっちもあれもないけど。

(ジェーン・スー)そうそう。それは女の自意識の弱さですよね。好かれようとして、どんどんリクエストに応えちゃう。

(宇多丸)でも途中でやっぱり好かれようとすると、それに飽きたり疲れちゃったりで、『もうエエわ!』つって。『コイツに好かれるより、やってやるわ!』っていうのもあるわけでしょ?

(ジェーン・スー)ありますあります。

(しまおまほ)結局、結果やってみて似合ってればいいっていうのはあるけど。だから原田郁子さんとか。クラムボンの。前髪すごい短いけど、かわいいじゃないですか。

(宇多丸)まさにイメージそのものだよね。

(しまおまほ)そう。で、自分もそこを通せる強さがある。

(宇多丸)逆に原田さんがあれ以外の髪型してたら、そんなのクラムボンじゃないって感じだよね。

(しまおまほ)っていうか前髪長いねって言われちゃうっていうね。あと、はなさんとか。

(ジェーン・スー)スポーティーショート。

(宇多丸)あー!なるほど、いいところ突いてくるなー。

(しまおまほ)スポーティーショート。あれはやっぱりね・・・

(ジェーン・スー)あれはかなりの美人じゃないと似合わないですよね。

(しまおまほ)強さがないとダメですね。

(宇多丸)だから、これで行くんだ!と。アタシはコレなんだ!っていう、強い意思だよね。

(しまおまほ)強い意思。あれはすごい。

(宇多丸)あのね、今まで挙げてた中では、僕は全然いいんですよ。おしゃれならOKとか、似合ってたらOKなんだけど、唯一苦手なのがあるとしたら、団子が頭に乗っているやつ。

(ジェーン・スー)えー?団子ヘアー、ダメですか?お団子ヘアーは。

(宇多丸)あれに色気を感じないんですよ。

(しまおまほ)ほほう、かなりデカい団子ですか?

(宇多丸)かなりデカめ。もう『顔か?』っていうような。

(ジェーン・スー)ファッサー!っていう団子している人、いますよね。

(宇多丸)何て言うかな、結構・・・若干俺、そこに投げてる感を見るというか。分かる?投げてる寄りの団子の人。

(古川耕)ギブアップ団子。

(ジェーン・スー)あれね、ギブアップ団子じゃなくて、『何てことはないわ団子』なんですよ。

(宇多丸)何それ?

(ジェーン・スー)あの、すごくこだわって逆毛を立てたりとかしてるんだけど、『いや、結構パサッてまとめただけだよ?』みたいなアティテュードですよ。

(宇多丸)(爆笑)

(古川耕)全然ギブアップじゃないんだ。

(ジェーン・スー)『モテようとしてるんじゃないよ?』みたいな。だって、パサッと見えるようにするワックスとか、逆毛の立て方みたいなの、いっぱいあるじゃないですか。女性誌とかで。

(しまおまほ)ありますね。

(宇多丸)でも、それもたぶん・・・たとえば成功例を一個見れば全然OKになるのかもしれないっていうことかな。

(しまおまほ)ツノっぽいのもあるじゃないですか。団子の。

(宇多丸)ああ、横2つあるやつ?

(しまおまほ)いや、縦に長いみたいな。ちょっとディーバっぽい感じ。

(宇多丸)んー、そうね・・・スピリチュアル感だよね。俺、もうスピリチュアルがちょっともう・・・

(しまおまほ)ムカつく。

(宇多丸)俺、精神がもう無いから。スピリチュアルちょっと・・・精神性ない方が。

(ジェーン・スー)受信しそうですよね。何かね。

(しまおまほ)受信!アンテナっぽい感じ。

(宇多丸)何かその、『うるせそう』。いろんなこと。「うるせーな、オメー!」っていう。

(しまおまほ)まあでも、それはさ、お団子にしなきゃいいんだもんね。切ったら・・・とかじゃなくて。

(ジェーン・スー)そうそうそう。

(宇多丸)でもね、これも単に思い込みの可能性があるから。僕の場合ね。

(ジェーン・スー)まあ、一個成功例を見たら・・・

(宇多丸)一個成功例を見たら。一個好きな猫出来たら、『猫大好き!』みたいなことですよ。(※宇多丸さんは『猫はバカだ』論者)

(しまおまほ)ああ、なるほどね。難しいですね。

(宇多丸)ちなみにしまおさんの『これは私やっちゃった』っていう意に沿わぬ髪型ワースト1は、なんかありますか?

(しまおまほ)やっぱりでもね、目盛りが微妙なんですよ。ちょっとの違いで・・・

(ジェーン・スー)ちょっとの違いで大分違う。

(しまおまほ)そう、だから・・・

(宇多丸)たとえばどのへんが変わるんですか?やっぱり前髪?

(ジェーン・スー)前髪とあと、横とかね。色とかいろいろあるんですよ。

(しまおまほ)色・・・赤っぽい茶色とかあんまり好きじゃなくて。

(ジェーン・スー)そう。赤っぽくなっちゃうんです。日本人の毛って。黒いから。だいたい一回色を抜いてから色を入れるとか、色をその上からかぶせるって言って。陽に当てると赤くなっちゃうんですよね。で、やっぱり『赤はNO!』みたいなところ、あるんですよ。

(しまおまほ)そう。赤いの似合う人もいるんだけど。

(宇多丸)単純に技術的には『あれ、失敗してんなー』って思われちゃったりとかかな。

(しまおまほ)こういう話を女性同士でしてると、横にいる男の人が『うるせー』みたいな顔してるんですよ。

(宇多丸)いや、おもろいですよ。先ほどね、間でちょろっと出た話で、技術がものすごく・・・日進月歩というか。

(ジェーン・スー)もう一年ごとに躍進してますよね。去年できなかったことが今年できる。

(古川耕)CG業界みたいだね。

(ジェーン・スー)本当、そうですよ。『デジタルパーマ』とか『水パーマ』とかね。

(しまおまほ)デジタルパーマね!

(ジェーン・スー)デジパの出現はデカかったです。

(宇多丸)一応、説明してください。デジタルパーマって。

(しまおまほ)私、あんまりやったことないから分からないです。

(ジェーン・スー)デジタルパーマというのはですね、今までパーマって言ったら、ロッドを巻いてロッドを取ったらクルンとした状態で、そこからドライヤーをかけて伸ばしたりしないと、ヘアーとしては成立しない。ものが、いわゆる外人風ゆるふわヘアーみたいなのが、パーマの状態としてロッドを取って乾かしただけで形状記憶されるっていう。

(宇多丸)形状記憶!?

(ジェーン・スー)なぜデジタル?今までアナログだったのかっていう問題もあるんですが・・・

(宇多丸)アナログとデジタルの定義の問題から考えてみたいっていうのもあるけど。

(ジェーン・スー)ただね、電気を流したりするんですよ。電気的なものを。

(宇多丸)じゃあ、根本から技術が違うんだ。

(ジェーン・スー)違います。髪の毛にパーマでロッドで巻いて、1液をやって、しばらく置いて2液じゃなくて、1液をやってた後に、なんかね、(映画)マトリックスで首の後に付けられるのあるじゃないですか。

(宇多丸)あのグチッてなるやつ。

(ジェーン・スー)ああいうのをロッドにガシャーン!ガシャーン!ガシャーン!っていっぱい付けられて。

(宇多丸)ああ、じゃあ見た目完全にサイバーなんだ。

(ジェーン・スー)サイバーです。完全にサイバーです。そうすると、髪の毛がふわっと仕上がるっていう。

(宇多丸)あらららら。どうですか、ゆるふわ系ニューズ。

(しまおまほ)ね、外国の人のモデルの髪型とか持って行くと、「こんなの無理だ」って。

(ジェーン・スー)昔は言われたのが、今はもうデジタルで行けますよ。

(しまおまほ)天パっぽくしたいとか、落ちたてのパーマっぽくしたいとかってある。

(ジェーン・スー)そう。できる。無造作ヘアーって言われるものですよ。だからそれこそ、199X年だと・・・私、小学校のころから髪型大好きで。

(宇多丸)髪型大好き・・・

(ジェーン・スー)いや、本当髪型大好き、髪型中毒だったんですけど、ヘアカタログ毎号買っていたんですが、外人風パーマっていうのは、ただのモッサーとしたロッドで巻いただけのものが、今はもっと軽さがあって色もキレイで、髪質がどうであれ、「あれっ?外人じゃね?」みたいな。

(宇多丸)要は、『最初からこうなんですけど・・・』みたいな。そんな感じになるわけだ。

(ジェーン・スー)西洋人的な髪質になるんです。

(宇多丸)これ、当然女性界ではこういう話するかもしれないけど・・・

(しまおまほ)女性界(笑)。女性界って初めて聞いた(爆笑)。まあまあまあ、あるっちゃあるか。

(宇多丸)ちなみに今、女性界って言い方して、『ダメだ、俺。』っていう・・・

(しまおまほ)ちょっと頭悪そうですよね。女性界。

(宇多丸)あの、男性界でも当然通用する・・・カットの世界ではね。だから、高校のころ、俺がどうしても憧れて出来なかった髪型が、今なら出来る!つまり、違う自意識が組み立てられたかも!みたいなこともありうるかもしれない。

(ジェーン・スー)ありますよね。

(しまおまほ)選択肢が広がると、それだけ悩みも・・・

(宇多丸)あとやっぱり違うガワにさ、その藤原紀香は出来ちゃうだけに、逆に悲喜劇は起きやすい可能性は・・・

(ジェーン・スー)結局だから、『こうなりたい』という髪型にしたとしても、そこで評価されているあなたは本当に幸せ?っていう話になるんですよね。

(宇多丸)前にだから僕が、『これは美容師さんの技術が足りないから思い通りになっていないのだ』って思っていたけど、そうじゃなくて。出来たところで、お前の心のそのモヤモヤは解決しないのだと。

(しまおまほ)だから見本があるんだけど、その見本はやっぱり自分じゃないんですよね。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。

(宇多丸)でもその自分問題は結局、たとえば16とか17で中から出る自分っていったって、そんなもんねーよ!っていう。だから、やっぱりしょうがないよね。

(ジェーン・スー)やっぱり25・6まではジタバタするべきだと思うんですけどね。

(宇多丸)要は、これ聴いている人は、先ほどの(髪型相談電話をした)リスナーさんとかもそうだけど、もうお前らはそういう意に沿わぬ運命にあるのだと。その時期は。

(ジェーン・スー)そうですそうです。

(古川耕)髪型とは、意に沿わぬものだというところかもしれません。

(宇多丸)『髪型が意に沿わぬ状態を、人は青春という』みたいな。

(ジェーン・スー)意に沿わぬものをたくさん経験してこそ、お前の本当の『意』が分かるっていうことだと思いますよ。

(宇多丸)あー!お前の『意』か。『意』なんて分かんないんだけど、それを探す作業こそが・・・七転八倒が。

(しまおまほ)大変ですよね。だって、美容院、本当難民でしたもん。

(ジェーン・スー)そうですね。『ボヘミアン』っていいますもんね。

(宇多丸)ちなみに今は決まった人ですか?しまおさん。

(しまおまほ)今は決まった人ですね。だいたい。でも、2人いて、お友達の方に切っていただくか、美容師さんに切っていただくか、気分で変えたり。

(宇多丸)それはモードとしてはどういう時とか?ちょっと色気モードは美容師さんとかそういう感じ?

(しまおまほ)それはあれですけどね。飽きっぽいから、何て言うかローテーションみたいな感じ。でも1ヶ月にしょっちゅう行けるわけじゃないから・・・

(宇多丸)お金、かかるもんね。

(ジェーン・スー)高いですよ。今、女の人パーマかけて、切って、色入れたら、1万6千円から2万円くらいですよね。

(宇多丸)ちょっと待って下さいよ・・・ですよね。これね。

(ジェーン・スー)だからもう、毎回毎回清水の舞台から(飛び降りる)ですよ。

(宇多丸)で、それで失敗なんかした日には・・・だよね。『アタシ、何やってんの!?』だよね。挙句、パーマかけた張本人から笑われてるみたいな。(店員同士で)「おい、見てみて!」なんて。

(しまおまほ)道歩いていて、ウィンドウに映った自分の髪型のダメさ・・・

(ジェーン・スー)出た出た!

(宇多丸)これはね、BLAST公論でも私言いましたけど、街で見る、フッと見た自分の姿・・・『あれっ!?家の鏡では上手く行ってたのに!』

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(ジェーン・スー)ありますね。

(宇多丸)とくにあの、コンビニの鏡は本当に・・・コンビニの鏡で、あの照明の中で良く見える人は本物ですよね。

(しまおまほ)コンビニと薬局ね。

(古川耕)(笑)白いところ。レフ板があるから。

(しまおまほ)あと、エレベーターね。飲み屋の帰りの。

(ジェーン・スー)あ、エレベーターはヤバイ。エレベーター、一番ヤバイですね。『見ないで!』っていう。

(宇多丸)世の中のさ、デートスポットなるところの中間地点にはかならずエレベーターがあるじゃないですか。

(ジェーン・スー)ありますよね。

(しまおまほ)雰囲気いいエレベーター乗ると、『本当に優しいなあ、ここのビルの人は』って思います。

(宇多丸)でも、やっぱり配慮のあるエレベーターもあるよね、そりゃあね。薄暗い。

(しまおまほ)男の人にその話をしたら、「やっぱりお化粧が気になる」って言ったら、「僕は上の天井の鏡が気になる」と。

(ジェーン・スー)あ、頭。

(しまおまほ)頭頂部。

(宇多丸)男はそこの問題もあるからね。

(しまおまほ)そっちばっかり気になってるから、人の化粧なんて見てないって言って。

(古川耕)男界、女界の・・・

(しまおまほ)男界では鏡があって・・・すごい蛍光灯だと、もう全然優しくないですよね。

(ジェーン・スー)ああ、ダメですね。男女界両方に。

(しまおまほ)男女界って(笑)。

(宇多丸)いいなー。というわけで。ちなみに構成作家古川耕さんは・・・

(古川耕)僕はギブアップ坊主に限りなく近いですよ。

(宇多丸)えっ、ギブアップなの?それは。

(古川耕)ギブアップというか、『ソフトランディング坊主』ですね。いわゆる。

(宇多丸)勝手に『いわゆる』って・・・知らないよ!

(古川耕)自分はおそらくこのまま行ったらハゲるであろうと。であるならば、これはもうハゲた時の精神的なダメージおよび他人が気遣うっていうあれを減らすためにも、限りなくハゲても、『あっ、ハゲてるよね』っていうのが仕方がないと思えるような状態にしようと。だったら、もう坊主にするしかない。だからこれは割と・・・

(宇多丸)消極的。

(古川耕)消極的選択で。

(宇多丸)でも、完全ゼロじゃないですよね。ちょい生えだから、ちょい生えだと結局ハゲてるハゲてないはそれは・・・

(古川耕)あるんですけど、だから『ソフトランディング』なんですよ。これで完全にテイクオフしたら、おそらく・・・

(宇多丸)何言ってんの?

(古川耕)カミソリを入れる可能性も・・・

(宇多丸)カミソリを(笑)。

(古川耕)手にカミソリを。思いつめた表情で(笑)。バスルームに向かう可能性はありますけど。

(しまおまほ)でも、似合いそうですけどね。ちょっと長いのも。

(古川耕)で、これはね、宇多丸さんとも、さっきも言ったんですけど、スキンヘッドおよび坊主が自意識からテイクオフしたかっていうと、決してそうではなかったりもするので。

(宇多丸)それはだから自分が、後退戦の結果そこに行ってるからだよね。スキンヘッドが全て、僕の言っている『解脱』に行くとは限らない。

(古川耕)消極的戦略からスキンヘッドなり坊主に行った人は、まだ意に沿わぬ感というか、自分の『意』は果たしてここにあるのかな?っていう迷いは抜けれてないですよね。

(宇多丸)やっぱりその、『勝利体験』ですよ。ポイントは。スキンヘッドで、「あら、頭の形が素敵ですね。」なんて一言いわれた日にはもう、『はい、オッケー!回答いただきました!』みたいな。外から見た評価なんだから、間違いなしみたいな。やっぱりさっきのリスナーさんみたいに、周りからの評価が薄ぼんやりしてたりすると、これはちょっと後退戦って感じがしてきちゃう。

(古川耕)意に沿うリアクション、意に沿わないリアクションの話なのかもしれないですね。そこはね。

(宇多丸)まあそうだね。

(しまおまほ)宇多丸さんは、前もお聞きしたかもしれないですけど、スキンヘッドにした、初めてみんなにお披露目した時っていうのは・・・

(宇多丸)でもね、ショートドレッドから次の段階が、限りなくスキンに近いぐらい短くしたの。一旦こう、ガッと剃ったから、それが一番変わった瞬間なのね。人生で。で、そっから先は別にベリーショートっていう意味ではスキンヘッドも含めて変わんないので。

(しまおまほ)じゃあその時はまだサングラスはかけてなかった。

(宇多丸)全然普通状態。で、なおかつその手前のショートドレッドがあまりにも珍奇な髪型だったから、むしろその時の感じ・・・でもその時はもう珍奇な髪型をする気でやっているから、リアクションも全部、予想通り。織り込み済みなわけじゃないですか。敢えて言えば、そのドレッドの感じが思った感じとちょっと違うけど、アリ!これはアリ!みたいな。DE LA SOUL感、アリ!みたいな感じで思ってたんで。それも2ヶ月とかの話なんだよね。

(しまおまほ)じゃあ、サングラスを初めてかけるっていうか、常備・・・常用?

(宇多丸)これもね、僕は次第にサングラスが濃くなっていったんですよ。だんだん濃くデカくなっていったから、やっぱりそんなに、『どうしたの?』みたいな、そういう風にはならないって感じですね。

(しまおまほ)キャラが出来た、誕生!みたいな感じではない。

(宇多丸)そういう感じではないですね。なので、全てソフトランディング。

(ジェーン・スー)少しずつ変えるっていうのは手ですよね。

(宇多丸)それもね、だから微調整なんですよ。『もうちょっと濃くした方が良さそうだ』とか。『もうちょっと大きい眼鏡の方が良さそうだ』とか。

(しまおまほ)目盛りをどんどんちょっとずつ・・・

(宇多丸)バリカンもさ・・・

(古川耕)文字通り、ミリ単位で。ちょっとずつ。

(宇多丸)マジで最初5ミリだったのが3ミリになり、1ミリになり、直接(頭に)当てるようになり、それでも足りなくなってジレット(カミソリ)直で、みたいな感じ。あのね、完全にゼロにする時に、当時の女性マネージャーだった岡田ちゃんに、「完全にゼロはアリだと思う?」って一旦相談はしました。それ、何でかって言うと、ちょっと怖くなりすぎるか?さすがに。って。ちょっと、ONYXっていう・・・

(ジェーン・スー)SLAM!って。

(宇多丸)SLAM!ダッダーラ!ダッダーラ!みたいな。

(古川耕)Throw Ya gunzっていう。

(宇多丸)なるかなって思ったんだけど、「いや、大丈夫じゃね?」みたいな。言われて、それでやったって感じですね。まあHIP HOP界はスキンヘッド、そんなに抵抗のない業界だから。HIP HOP界・・・(笑)。

(古川耕)男性界、女性界の中のHIP HOP界ね(笑)。

(宇多丸)あるからねー。ということで、あっという間に20分行ってしまいましたね。じゃあ、『ぼんやりニュース』、行ってみましょうか。

<書き起こしおわり>

私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな (一般書)
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