吉田豪と徳光正行　WWEを語る

（徳光正行）ああ、それは見ましたね。

（吉田豪）面白かったですね。

（徳光正行）面白かったですね。いや、だからね、それで言うとまたプロレスの話に戻るんですけど。ミッキー・ロークの『レスラー』っていう映画がありますよね。あれがね、本当に三沢さんが亡くなった直後に公開だったんですよ。

（吉田豪）ああ、来ますね……。

（徳光正行）で、僕はね、仕事でなんかの試写会に行かなきゃいけなくて。東銀座の当時の東劇。でね、ちょっと遅刻しちゃったんですよ。そしたら試写会って入れないじゃないですか。で、「なんだ、この野郎」って思って日比谷シャンテまで歩いてたら「ああ、そうだ。『レスラー』がやってるから見よう」って。で、『レスラー』っていう映画を見て。まあミッキー・ロークのね、人生と重なるみたいなことがあったみたいですけど。で、まあぜひプロレスファンの方、映画をぜひね、見ていただきたいんだけど。その死をも恐れぬ感じで復帰するじゃないですか。あれがね、もう突き刺さっちゃってどうしようもなかったですよね。だからプロレスをね、いろいろと「ショーだ」とかなんだって言われてるけど。ああいう……あれもそうだし。あとザ・ロックとマンカインド、ソッコがやるやつとかもあるじゃないですか。ああいうのもぜひね、見てほしいですよ。

（吉田豪）『ビヨンド・ザ・マット』かな？

（徳光正行）『ビヨンド・ザ・マット』！　そういうのじゃあね、くくりきれないんですよね。その人間の……。

（吉田豪）「ショーだろう」の一言で終わるようなもんじゃないっていう。

（徳光正行）そんなものじゃない。本当にみんな、覚悟を……。

（吉田豪）顔、突っ張りすぎだろうっていうね。もう……知っているビンスじゃなくなっているんですもんね。

（徳光正行）もう眉毛も……（笑）。

（吉田豪）髪も黒すぎるし、眉毛も黒すぎるし。パペットみたいになってますよね（笑）。

（徳光正行）本当、本当（笑）。もともとなんか「人形みたいな顔してるな」と思ったけど。まあ、ビンスのことを「小僧だ」なんて思っていた馬場さんもいますけどね。ああ、すいません。

（吉田豪）WWEがすごいのはNetflixがWWEをやるに当たって、まずは「ビンスという、こういうひどい人がいました。そのひどい人を追放して、今はクリーンです！」って言うためのひどいドキュメンタリー（『Mr. マクマホン: 悪のオーナー』）をまず作って。

（徳光正行）あれ、すごい手法だなと思いますよ。

（吉田豪）それで「クリーンになった後のWWEはこんな感じでやってます」っていうのを今の新しいドキュメンタリー（『WWE Unreal』）で見せて。

（徳光正行）そうなんですよ。

（吉田豪）HHHがいちいち、みんなをこう励まして。「よかったぞ！」とか。裏も見せながらも……っていうね。

（徳光正行）でも、あれもビンスがいなかったらWWEはああなってはいないんですよ。

（吉田豪）めちゃくちゃです。

（徳光正行）本当、ほぼ全員と仲違いしてますもんね。ブルーノ・サンマルチノもそうだし。ああ、ブルーノ・サンマルチノので言うと、あれですよね。安倍さんが国会答弁の時、猪木さんが来た時に「ブルーノ・サンマルチノと猪木の試合を覚えている」っつって。「えっ、猪木とブルーノ・サンマルチノ？　あんまり絡み、ないんじゃない？」って（笑）。

（吉田豪）日本プロレス時代にありはしたらしいんですけどね。だから相当マニアなのか、それともただ間違えただけか、どっちかっていう。

（徳光正行）本当は馬場さんとブルーノ・サンマルチノの試合を覚えてたのかな？　とか。

（吉田豪）そっちはね、皆さん見てるけど。