渡辺志保 ケンドリック・ラマー『GNX』を語る

渡辺志保 ケンドリック・ラマー『GNX』を語る INSIDE OUT

(渡辺志保)そしてですね、あともう1曲この『GNX』からオンエアしたいと思うんですけれども。何をかけようかと悩んだんだが『gloria』っていう1番最後、12曲目に収録されている曲にします。で、この曲はSZAをフィーチャーしておりまして。当たり前だけどSZAとケンドリといえば間違いないという感じですけれども。で、この『gloria』っていう曲もグロリアさんという女性について歌ってるように聞こえるけれども、これもいろんなこう深読み勘ぐり職人が出した答え……Geniusに書いてある答えとしては「Glory」っていう単語が「栄光の」みたいな意味ですけれども。その「Glory」が人名化してグロリアってことになるわけですけれども。

gloria=ヒップホップそのもの?

(渡辺志保)ここで語られているグロリアさんっていうのはヒップホップミュージックのことなんじゃないかって……これ、私も激しく同意します。なのでコモンの『I Used to Love H.E.R.』みたいな曲なんじゃないかという風に深読み職人たちが解説を書いておりました。で、リリックの中にも「I met her when I was off the porch as a teenager」っていう箇所がありまして。「グロリアさんとは僕がティーンエイジャーの時に玄関のポーチで会ったんだよね」っていう説明みたい なところから始まるんだけど。

まあ、言い換えると「自分が10代の時にヒップホップに出会った」っていうことになるわけですよね。で、「2014年には君を助手席に乗せてアフリカにも行ったよね」っていう描写 もあって。で、ケンドリックがアフリカに行ったトピックといえば2015年の『To Pimp a Butterfly』の「Momma」っていう曲でもそのアフリカに行ったことがエモーショナルに描かれているので、そうしたケンドリック・ラマー自身の経験とも符合するなって思いながらこれ、めっちゃ美しい曲だなって思って。

で、この『gloria』を聞くと、その『gloria』に続く何か他のストーリーがあるんじゃないかと勘ぐってしまうという感じっていうか、それを求めてしまう感じがしますので、ちょっと最後に今日、流したいなという風に思います。というわけで、皆様にも聞いていただきましょう。『gloria feat.SZA』。

Kendrick Lamar『gloria feat.SZA』

(渡辺志保)というわけで40分ぐらい、つらつらとケンドリックの最新アルバム『GNX』についてお話してまいりましたが、いかがでしたでしょうか? また自分の思いが乗ってしまって、途中めちゃめちゃ早口でお話してしまいましたけれども。皆様のご感想もお待ちしております。そしてこの『INSIDE OUT』にも近々、戻っていきたいなと風にも思いますので、末永くよろしくお願いします。ということでヤナタケさんにバトンを回します。ありがとうございました。

block.fm『INSIDE OUT』2024年11月25日放送回

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました