渡辺志保 Vic Mensa『Homewrecker』を語る

渡辺志保 Vic Mensa『Homewrecker』を語る INSIDE OUT

渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でビックメンサの『Homewrecker』を紹介していました。

The Autobiography is here. Link in bio.

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(渡辺志保)ここでもう1曲、私の押しチューンをオンエアーしたいと思うんですけども。ついに出た! ビックメンサのファーストソロアルバム! というわけで、長らく待たれておりましたシカゴ出身のビックメンサのアルバム『The Autobiography』が先週の金曜日に発表になりまして。で、発売日に先駆けてストリーミングでは聞けるようになっていましたけど、これもジェイ・Zの『4:44』みたいにNo I.D.がね、結構大きくプロデュースに関わっていて。ビックメンサも本当、カニエとジェイ・Zに同時に愛されているミュージシャンみたいな。フランク・オーシャンとかもそうですけど。ということで、今か今かとデビュー・アルバムのリリースが待たれていたわけですけども。

で、タイトルが示す通り、結構自分のこれまでの人生っていうのをラップで振り返っているようなアルバムなんだけど。で、私もまあ、あんまりそこまでアルバム全体を聞き込めている状況では正直、ないんですけど。本当にね、グッド・ミュージックばっかり揃っているみたいな。で、やっぱりジェイ・Zの『4:44』とかもさ、発売されてすぐに聞いたけど、ちょっと私も歪んでいるところがあるから。「ほう、今度はこのオヤジ、一体なにを言うとるんじゃろか?」みたいな感じで、ちょっと斜めな見方で聞いたりもしていたんですけど。

このビックメンサの『The Autobiography』に関しては、もう本当にベテランからフレッシュな若者までみんながこのビックメンサの才能の下に集って、本当に自分たちのベストを出しているみたいなアルバムで、すごくいいなと思っている次第です。ちょっとね、これからまたグッとリリックのこととかも深掘りして聞いていきたいなと思っているんですけども。で、今日はこのビックメンサの『The Autobiography』から『Homewrecker』という曲を聞いていただきたいと思います。で、これね、表記によっては「Vic Mensa feat. Weezer」って書いてあるところあって。ウィーザーってね、まあ本当に超ベテランというかみなさんにおなじみのロックバンドだと思うんですけど。ウィーザーの96年にリリースされた曲『The Good Life』を頭の方からサンプリングしておりまして。それを上手い具合にサンプリングしていて。

Weezer『The Good Life』

で、何についてラップしているか?っていいますと、『Homewrecker』ってレッカー車とか言いますけども、「Wreck」は「壊す・破壊する」っていう意味もありまして。「Homewrecker」は「家庭を壊す」。イコール、「旦那の浮気相手の女・愛人」とかそういうのを「Homewrecker」っていうんですね。なので「浮気相手・不倫相手」の話なんだけど。一言でいうと、ビックメンサが彼女に浮気がバレたという曲なんですよ。で、本当にいまね、セックスカルト集団の事件なんかでまたザワザワッとしていますけども。R.ケリーが『Trapped in the Closet』っていう曲を何年か前に出したかと思うんですけども。まあ、その逆バージョンみたいな。

で、浮気相手がバスルームに隠れていて、本妻というかメインの女の子の方が「ビッチ! 出てこいや!」って部屋中に包丁をバラまくみたいなシーンとかがあってね。すごい……もともと彼女がね、「あんた、本当いつもメールも返しやしない。もっと普通の男と付き合えばよかったって思っているんだよね」みたいな描写から、家にコンドームがあるのが見つかっちゃって。それで浮気がバレてしまう。それがバース1、2、3とありまして、本当にね、いい描写をするわけなんですよね。なので本当にビックメンサのことが私、この曲を聞いてもっと好きになってしまったんですけども。

「君がクレイジーなことは知っていたけど、こんなにクレイジーだとは思わなかった」みたいなリリックがありまして。いや、女は怒ったらクレイジーになりますから、みたいなね。そんな感じで、とりあえずすごく事細かにビックメンサが自分が浮気がバレた時の状況をラップしていますので。みなさま、ウィーザーのサンプリングソースに耳を傾けながら聞いていただきたいと思います。プロデュースはNo I.D.ですので。ここでぜひ、聞いてみてください。ビックメンサで『Homewrecker』。

Vic Mensa『Homewrecker』

はい。いま聞いていただいておりますのはビックメンサのデビュー・アルバム『The Autobiography』から『Homewrecker』でした。これ、No I.D.がプロデュースしていて、No I.D.といえばつい最近もね、ジェイ・Zの『4:44』のあの全体のプロデュースをしていて。これを聞いて、『4:44』もジェイ・Zが浮気を謝る歌だからさ。「僕も浮気バレて大変だったんすよ!」みたいな。No I.D.を通じてそういうやり取りを……「いや、マジ彼女が包丁出してきて大変だったんすよ!」みたいな。そういうやり取りをジェイ・Z、No I.D.、ビックメンサの間でなされたのかな? とか、勝手に思っているんですけどね。もう、どうなんでしょうか?(笑)。

(DJ YANATAKE)(笑)

<書き起こしおわり>

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