畠山理仁「選挙はよりマシな地獄の選択」の意味を語る

宮原ジェフリーと畠山理仁 東京都知事選挙出馬のコスパのよさを語る 宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど

畠山理仁さんが2024年7月12日放送のTBSラジオ『宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど』の中で東京都知事選についてトーク。「選挙はよりマシな地獄の選択」という言葉について話していました。

(宮藤官九郎)畠山さん、前回ご出演していただいた時に「選挙はよりマシな地獄の選択」っておっしゃっていましたけども。それは今でもそうですか?

(畠山理仁)今もそうだと思いますね。やっぱり、自分の考えと100%マッチする人って、いないので。そもそも、自分の考えにマッチするとか、自分が投票したいなって思える人に立候補してもらうっていうところから有権者がやっていくべきなんですけど。なんか有権者の方がお客様気分で。「へー。この店はどんな料理を出してくれるのかな?」みたいになっているから「いや、食べたいものがないな。入れたい人がいないな」っていう風になっちゃうんですけど。

でも民主主義の社会って「自分たちの代表者を送り出す。その人が多くの人から選ばれる」っていう手続きを経て、その人が代表者として政治をやってくれるので。そもそも「入れたい」と思える人に選挙に出てもらえるように働きかけをしなきゃいけないですし。

(宮藤官九郎)そこからですよね。

自分が「入れたい」と思える人に選挙に出てもらえるようにしなければいけない

(畠山理仁)で、選挙に出るっていうことが今みたいに選挙に出た人をバカにしたり、「当選する可能性なんかないんだぜ」とか「政治をやるなんてかっこ悪い」とかって言ってると、「この人にぜひともお願いしたい」って思った時に、その人が「いや、周りの人からそんなこと言われるのに、なんで私が出なきゃいけないの?」っていうことになっちゃうわけじゃないですか。だからせめて、その代表者として手を挙げた人に対しては「頑張れ」と……入れるかどうかは自分の心の中だけにあるけど。選択肢として手を挙げてくれるっていうのは相当な勇気があることなのだから。まずはそこに対しては「素晴らしい」と。

だけれども、たとえば「あなたは人種差別とか、他人の人権について否定するようなことを言ってるから、絶対に入れないし。他の人にも『あの人はそういう考えを持ってる人だから、絶対に入れませんよ』っていうことを広めるよ。でも、あなたもその覚悟でこの舞台に出たんだよね? その批判はちゃんと聞いてくれよ。耳をふさぐなよ」って。そこはもうやっぱり、有権者として自信を持たなきゃいけないところで。最終的な誰に入れるかっていう決定権は有権者1人1人が持ってることなんで。それを自覚して、お客様気分の民主主義からは抜けた方が……ありものの物から選ぶんじゃなくて、自分が欲しい物をオーダーメイドで、ぴったりくるやつを作ってもらう。作っていけるっていう意味では健全なんじゃないかなと思いますね。面倒くさいかもしれないけど。

(宮藤官九郎)なるほど。ありがとうございます。そろそろ、締めましょうか。じゃあ、最後にお二人から選挙が終わった今、この場を借りて言いたいこと、お伝えしたいことがあればお願いします。

(畠山理仁)宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、自分の応援する候補者だけじゃなく、いろんな候補者を見てほしいと思います。

(宮藤官九郎)それはでも一貫して、それですね。

候補者を比較・検討することでわかること

(畠山理仁)そうですね。比較・検討すると絶対にその中ではベターな人っていうのが選べるようになるので。やっぱり初恋の人が結婚相手になるっていう方ももちろん、いらっしゃいますけど。いろんな方とお付き合いしてみた結果、「やっぱりこの人がいいな」っていうことがわかったりするし。本当に自分に合う人っていうのは、他にもいるかもしれない。特に選挙の場合、立候補する人って強烈な個性があったり、強烈なパワーがある人が出てきているんで。初見っていうか、1回会っただけでグッと心を掴まれるような人ばっかりなわけですよ。

(宮藤官九郎)まあ、そうですよね。

(畠山理仁)だからたまたま最初に会った人に「うわっ、この人、素敵!」って思うかもしれないですけど。他の人に最初に会っていたら、そっちの人の方がもっと自分にマッチしてる可能性ってすごくあるんですよ。そういう意味でも、いろんな人を見て、候補者を見る目を養って決めると、他の候補者のレベルも当然上がってくるし。自分は応援している候補者を選んだ時に「ああ、やっぱり自分の感覚っていうのは間違ってなかった」っていう確認にもなるし。なんでいろんな人を見てほしいなって思います。

(宮藤官九郎)なるほど。ありがとうございます。じゃあ、宮原さんからもお願いします。

(宮原ジェフリー)はい。宮藤さんに言ってもしょうがないんですけれど。選挙だけに期待しすぎてもいけないと思います。

(宮藤官九郎)えっ、どういうことですか?

(宮原ジェフリー)ここまでずっと選挙の話をしてきましたけども。民主主義にとって、選挙は非常に大事な場です。だけれども、たとえば今回、小池さんを応援してた人が「小池さんが当選した。あと4年間、安泰だ」っていう風に思うのも違うし。自分が応援してた人が落選してしまったから「ああ、もう嫌だ」っていう風に諦めてしまっても、もったいないなと思っていて。民主主義の場っていうのは、僕らが主権者なわけであって。社会に責任を持つ存在だと思うので。たとえば、自分たちが考えてることを仲間を集めて、署名を集めて届けるとか。政策提言をするとか。あるいはデモだったりとか。いろんな形で、選挙で選ばれた人に対してのアプローチってことも続けなきゃいけないし。

そして小池さんが辞めなければ4年後にまた、都知事選挙がやってくるわけですし。それ以外の選挙もいろんな形で出てくるので。そういう形で、やっぱり政治に関わっている主体なんだっていうことを考え続けてほしいなっていう風に思いますね。

(宮藤官九郎)そうですよね。

(宮原ジェフリー)小池さんを応援してなくても、僕らの都知事は小池さんになったんだから。なので、だから小池さんにいろんな意見をしていくっていう責任は僕らにあるということを忘れないでほしいなという風に思います。

(宮藤官九郎)なんか、アメリカの選挙を見てるとたとえばトランプとかバイデンの後ろにいる人たちのキラキラしたまなざしが……。

(畠山理仁)あれは高額献金者ですね。あの後ろに映る人たちは(笑)。

(宮藤官九郎)すごい好きなんだなっていうか。「俺、絶対この文化に入れないな」って毎回、思うんですけど(笑)。国のことを考えるとああいう風になれるって、ある意味ですごいことだなって思いますね。文句ばっかり言っている場合じゃないよなって。たしかに、この人たちもどっちかしか選べないんだろうなってなったら、それは燃えるし、盛り上がるしっていう。なんか、ちょっと斜に構える国民性ですもんね。日本人は。そうするとなんか「どうせ1票しか入れられないし」とか「なんか放っておいたら決まっちゃった」とかっていう感じですけども。それだとちょっと、ねえ。やっぱりこんなに頻繁にやってるのに、もったいないですよね。

(畠山理仁)そう思います。

<書き起こしおわり>

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