宮藤官九郎『ナニワ・サリバン・ショー』で仲井戸麗市から褒められた話

宮藤官九郎『ナニワ・サリバン・ショー』で仲井戸麗市から褒められた話 ACTION

宮藤官九郎さんが2020年1月20日放送のTBSラジオ『ACTION』の中で久しぶりに開催された『ナニワ・サリバン・ショー』に出演した際の模様をトーク。仲井戸麗市さんから褒められた話やのんさんと共演した話などをしていました。

(宮藤官九郎)で、私ですが18日。大阪の方で『ナニワ・サリバン・ショー』っていうライブに参加してきまして。これはですね、忌野清志郎さんが主催する大阪限定のライブのが2001年、2004年、2006年って3回連続で2、3年おきにやっていて。僕は2004年の『ナニワ・サリバン・ショー』の時に『ナニワ・サリバン・ショーのテーマ』っていう曲を僕が歌詞を書いて清志郎さんが曲を書いて作ってくれたんですよ。で、それをお披露目して。2006年にはグループ魂として出たんですよ。その時に、清志郎さんが何か打ち上げだったらどっかのトイレだったかで「クドカン。チャボ(仲井戸麗市)が宮藤くんのギターのことをすごく褒めていたよ」って言われて。「ええーっ!」って思ったんですよ。

「チャボが宮藤くんのギターのことを褒めていたよ」(忌野清志郎)

というのがあって。それでその時は「ああ、清志郎さんは間が埋まらなくて適当なことを言ったな」っていう風にちょっと正直、思ってたんですよ。だけど、もしそうだとしても嬉しかったんですよ。それでその後、だから清志郎さんが2009年に亡くなって。それで今回、14年ぶりの『ナニワ・サリバン・ショー』だったんですけど。それで僕は『ドカドカうるさいR&Rバンド』って曲をやることになって、そこでギターを弾くことになったんですけど。奥田民生さんもいて、のんちゃんもいて。それでチャボさんもいて。だから別に俺、ギターソロは絶対に弾かないなと思ってて。

それであんまり準備しないで行ったら、まず1番のソロを民生さんが弾き始めたんですよ。そしたらチャボさんがリハの時ですけど、俺のところに来て耳元で「2番の後のソロ、よろしくね」って言われて。弾いている最中で「ええーっ!?」って思って。「ああ、分かりました!」って。その時はもうメタメタ全然弾けなくてダメで。「ああ、ダメだ……」と思って。それで楽屋に帰って練習して。「これはヤバい!」と思ったんで、普段はやったことないですけど、フレッド裏にガムテで「こことここを押さえる」っていうバミりをわざわざ貼って(笑)。

(幸坂理加)目印を(笑)。

(宮藤官九郎)「こことここだからね」っていうのを貼っておいたんですよ。そしたらその『ドカドカ』の前に『トランジスタ・ラジオ』をやらなきゃいけなくて。『トランジスタ・ラジオ』の時にそのバミりが気になっちゃって「あれ? ああっ!」っつってたら……それで『ドカドカうるさい』のイントロが鳴ったらチャボさんが1人ずつ紹介をしてくれるんですけども。一番最初が僕だったんですけど。

「こいつのことは前から脚本家だって聞いていた」っていう。で、チャボさんってテレビとかはあんまり見ない人だと思うので。「俺はこいつ、脚本家だとかっていうからふざけているなと思っていたけども。その作品も見たことないけども。2006年の『ナニワ・サリバン・ショー』の時に『こいつのギター、かっこいい』って清志郎に言ったんだよ」って言っていて。

(幸坂理加)おおおーっ!

(宮藤官九郎)「おお、これ裏が取れた! うわー、本当だったーっ!」みたいな(笑)。まあ、そもそも清志郎さんとチャボさんってRCサクセションを解散してからそんなに一緒にやってないんですよ。たぶん、長いこと濃密な時間があった後、清志郎さんがソロになったり。いろいろと、リトル・スクリーミング・レビューとかやったりとか。ラフィータフィーとかやったり。別のバンドをやっていた時期っていうのはたぶんあんまり一緒に表立って活動はしてなかったんだけど……っていう。

その2人がわずかな時間でも俺を話題にしてしゃべってくれたっていうことがめちゃめちゃ嬉しくて。もうずっと、緊張もしてるし、「早く呼び込んでくんねえかな?」と思いつつも、でも何かこう「褒められるってやっぱりいいなあ!」みたいな。いろんなことを思いながらステージに上がりましたね。いやいや、やっぱり、褒められるっていいね(笑)。

(幸坂理加)フフフ(笑)。すごいギタリストの方にね。

褒められると、うれしい

(宮藤官九郎)悪い気がしないというか。そう。自分が好きな人と自分の好きな人が自分の話をたとえ数分でもしててくれたっていうことが、こんなにもうれしいもんなんだと思いました。でね、楽屋がね、ちなみになんですけど。隣りがのんちゃんだったんですよ。隣のテーブルが。なんか大きい部屋にそれぞれにテーブルがあって、行き来できるようになっていて。隣りがのんちゃんで、僕がいて。それで僕が先に来て、後でのんちゃんが来て。「ああ、どうも」なんてあいさつして。

それでしばらくして、のんちゃんがいなくなると「あれ? のんちゃんと会うの、久しぶり?」って聞かれて。要するに、あまりにも2人がそっけないから、周りが気を遣って。「え? のんちゃんと会うの、久しぶり?」って言われて。「ああ、いや、そんなことないですね。去年、舞台を見に行って。その前は日比谷の野音でライブやった時もあいさつをして。その時も写真を撮ってますね」「ああ、そうなんだ」って。それでまたのんちゃんが戻って来て。それでまたのんちゃんがどっか行っていなくなると「えっ? 宮藤さんとのんちゃんってこんな感じなの?」って言われて(笑)。「ああ、まあまあ、こんな感じですよ」っつって。

なんかだんだん「俺、『あまちゃん』を書いてないのかな?」って思うぐらい、周りがすごい気を遣ってくれて。「ああ、あんまり会わないもんなんだね。だからってあんまりしゃべるわけじゃないんだね」みたいなことを先に言われて。それで終わった後に、いつもそうなんですけど、向こうのスタッフの方が「のんと一緒に写真を撮ってもらっていいですか?」って言われて。それで写真をツーショットで撮った時に「俺も撮ろうかな?」って思って(笑)。「ちょっと僕もいいですか?」って言ったら「ああ、いいですよ」って。初めてツーショットを撮りました。

(幸坂理加)ええーっ!

(宮藤官九郎)ちょっと仲良くなったなっていう(笑)。もしかしたら、ちょっとずつこうやって仲良くなっていくのかもっていう(笑)。いやいや、元々仲はいいんですけどね。というのを思いました。

(幸坂理加)写真だけの関係じゃないっていう(笑)。

(宮藤官九郎)「写真だけの関係」っていうとなんか、うん。あれですね。記念撮影みたいな……そうですけどね。まあそんなわけで、今日は取りあえず、その褒められてうれしかった話でもメールで募集しましょうかね。

(幸坂理加)そうですね。皆さんの褒められエピソードをぜひお寄せください。

<書き起こしおわり>

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