ニセ明(星野源)さんが2024年6月25日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でリスナーからのお悩み・質問に回答。21歳の方からの「小説で明るい話を欠きたいのに暗い話しか書けません」という相談に答えていました。
(ニセ明)それでは、人生相談を読んでいくよね。大阪府、21歳。Radio Name「スズメのファイヤー」。「私は今、大学の授業で小説を書いています。テーマが与えられて、そこから想像を膨らませて書くのですが、どうしても暗い話しか書けません。拙いなりに楽しい文章を書きたいと思い、『この設定なら楽しくなるかな』などと考えますが、何度やっても蓋を開ければ閉塞感のある世界になってしまいます。
物語を考えること自体は楽しいのですが、周りの学生が書いた明るくきれいな文章読んでいてとても羨ましく『自分もこういう文章を書きてえ』と思ってしまいます。ニセさんは自分が思ってるように創作できない時はどうやってその状況を打開していますか?」。んー、なるほどね!
あのねぇー、ニセ、またもや答えを持ってるよね。まず、死ぬほど暗い話を書け。これだよね。あのね、ニセと深い間柄の星野源くんもね、First Album。14年前のね、『ばかのうた』というアルバムを作る時はね、苦しんでたらしいんだよね。
なぜかというと、明るい曲を書きたいのに、全然できないっていう。だから、なんとなくね、星野くんもその頃ね、「明るい曲を書かないと売れないんじゃないか」とかね。あとは「明るい曲を書かないと、みんな聞かないんじゃないか」とか思っていたみたいなんだけどね。
それでもね、スタッフの人にね、「1回、思う存分、暗いのを書いてみなよ」って言われてね、「なるほどな」って思ったんだよね。それでね、自分でミッターがかかるでしょう? 「暗いのになっちゃう。暗いのになっちゃうよ!」ってなっている時にね、苦しくなるでしょう? それをね、全部全開にしてね、もうトコトンまで暗いのを自分の気持ちがすむまでね、書いてみるんだよね。それで、ちゃんとひとつの作品を作りきる。
それで、人に読んでもらう。で、『ばかのうた』というね、First Albumもね、作った後にどんどんね、ちょっとずつだけど明るい曲が書けるようになっていくんだよね。だからね、やっぱりそれはね、最初に出し切ったからだと思うんだよね。なのでね、それは自分のチャームポイントっていうか、自分にしかできない得意技なんだよね。視点を変えると。
他の人から見たら、喉から手が出るほどほしい能力
(ニセ明)でね、「暗い曲だったり、シリアスな物語が描きたいけど、なかなか思いつかない」なんていう人は山ほどいるんでね。そういう人にとってはね、それは喉から手が出るほどほしい能力なわけ。だからね、まず自信を持って書いてみるのがいいと思うね。ありがとうね!
<翌週の相談者からのリアクション> (ニセ明)先週のReactionが来ています。大阪、22歳女性「スズメのファイヤー」。「ニセさん、こんばんは」。こんばんは。あ、ちょっと待って。これ、ふつおたね。先週ね、採用させていただいた相談をね、答えた時のね、質問だよね。「源さん(ニセさん)、こんばんは。週のニセ明のAll Night Nipponに『暗い話しか書かけない』というメールを送ったものです。今、明日提出の課題である小説を書きながらRadioを聞いています。ニセさんにいただいたアドバイス通り、もう開き直って書き、順調に暗いものが出来上がっています。 明後日の授業での批評会は少し不安ですが、『暗いですが、なにか?』という顔で行ってきます。ニセさん、源さん、本当にありがとうございます」。ああ、よかった。うん。ありがとうね。そうだね。「暗い話しか書けなくて、明るい話を書いてる周りが羨ましく思う。どうしたらいいでしょう?」っていう相談だったんだけどね。 「暗いのしか書けないっていうのはね、それは明るいのしか書けない人にとっては羨ましい点だからね、思う存分、暗い話を書いてみなよ」と言ったんだよね。それで万が一ね、その批評会? 品評会? そこで「もうちょっと明るいようにバランスを」って言われたら、無視していいと思います(笑)。「バランスのいい小説を書いてください」って言われたら、それでいいと思うんだけど。そうじゃないからね。「私のチャームポイントを阻害しないでください」って思っていていいと思います。 <書き起こしおわり>