渡辺志保 ドレイク VS ケンドリック・ラマー 2024年5月13日現在の状況を語る

渡辺志保 ドレイク VS ケンドリック・ラマー 2024年5月13日現在の状況を語る INSIDE OUT

(渡辺志保)ちなみに私、土曜日の夜に渋谷のハーレムに行って、六本木のIBEXに行ったんですよ。で、めっちゃ楽しかったんだけど。

(DJ YANATAKE)ストーリーズで見ましたよ。写っているのを。

(渡辺志保)ああ、写ってました? でも私、目立っちゃうからなー(笑)。それでそこで『Like That』を何回か、どっちでも聞いて。「テレレ、テレレ、テレレ♪」っつって。「映えるな」って思いながら聞いていたのと。あと、IBEXでは『Not Like Us』もかかってたんですよ。

(DJ YANATAKE)僕も金曜日、WREP BARでYAZくんがかけているのを聞いたな。

(渡辺志保)そうなんですよ。だからDJの方……東京で、日本でDJする方たちにとって、あのあたりって皆さん、どう捉えていらっしゃるのか?って。

(DJ YANATAKE)ええと、『Like That』があんまり盛り上がらない問題っていうのがあったんですよ。サビらしいサビがないっていう。でも、かけやすいはかけやすいの。だからみんな、トライし続けていて。で、クラブバンガー、どっちが多いのか?っていうと、たぶんドレイクの方が多いわけ。ケンドリックと比べてね。だけど、今のアメリカを見てると、アメリカのクラブとかでも『Not Like Us』ばっかりがかかってるみたいなのをSNSとかで見るから。ドレイクの一番、得意だった部分。それを今回、ケンドリックも狙ったのかも思うんですけど。そこを持ってっちゃったっていうのがまた、ケンドリックが強かった要因かなっていう気もするんですよね。

(渡辺志保)そうかもしれないですね。最後、とどめじゃないけども。ビートもね、DJマスタードを引っ張ってきてっていうね。で、IBEXで聞いて。別にたぶん『Not Like Us』がかかったから余計に盛り上がるっていう感じではではなかったと思うの。私が見てる感じだと。普通にずっと盛り上がってるその中のひとつに『Not Like Us』があったっていう感じなんですけど。今後、これが本当に……「サマーアンセムだ!」みたいなレビューなんかも海外だと見るから。どうなるのかな?ってちょっと思っていますね。

(DJ YANATAKE)まあね。これがだって、もうストリーミング記録ぐらいに今、なっているんでしょう?

(渡辺志保)そうそう。『euphoria』と『Not Like Us』は同時にっていう。

(DJ YANATAKE)『Not Like Us』がビルボードで1位になるとかっていうね。

(渡辺志保)そう。かつ、ミュージックビデオが作られるんじゃないかみたいなのも、まことしやかに。

(DJ YANATAKE)今からビデオを作るの?

(渡辺志保)で、そこにウエストコーストのみんなが集合するんじゃないか、みたいな。そんなことをポストしている人もいて。

(DJ YANATAKE)まあ、可能性はゼロじゃないですけど。あと、プシャ・Tがすごい腕まくりしてて。「みんな、前のドレイクのディス曲(『The Story of Adidon』)を引っ張り出して言っているけども。新しいのだって用意してるぜ」みたいなツイートをしていて。でももう今、出したらちょっと寒いじゃんね?

(渡辺志保)まあね。でもプシャ・Tは出したいだろうね。言いたいことがたまっているだろうね。

(DJ YANATAKE)でも、もう遅いじゃん? だからこのスピード感っていうのも今回、かなりキーワードだったんじゃないかなって。

(渡辺志保)本当、そうだったと思います。凝縮された3日……まあ、その『Like That』から見ると。というか、その前かのサブリミナルから見ると、もう10年戦争みたいな感じだけど。あの3日ですよね。本当、5月の4、5、6のね。

(DJ YANATAKE)あと乗っかり、乗っかりの人たちもね、いっぱいいるからね。

(渡辺志保)リック・ロス先輩とか、ザ・ゲーム先輩とか。皆さん……でもその人のふんどしで。さっきの『BBL Drizzy』の話じゃないけど。人のふんどしでどんだけ美味しい思いをするかみたいなのもね、ちょっと面白いなって。

(DJ YANATAKE)それもゲームの一部ですよね。

(渡辺志保)そうそうそう。なので「先輩方も頑張ってくれ!」というような感じもなくはないっていう感じですけどね。じゃあ今日、ここで『Not Like Us』をかけますか。じゃあ、ケンドリック・ラマーの『Not Like Us』です。

Kendrick Lamar『Not Like Us』

(渡辺志保)はい。お聞きいただいたのはケンドリック・ラマーの痛烈なディス曲『Not Like Us』でございましたいかがでした。まあ、クラブでかけるもよし、バーベキューパーティーでかけるもよし。だけど、その前にちょっとざっとリリックはさらっておいてほしいなと思う曲でございますね。

(DJ YANATAKE)DJとしても、『Not Like Us』とか含めてだけど、かけ方が試される感じかもな。俺はなんか、ドレイクと交互にかけたりとか、いろいろやってみたりしてますけども。

(渡辺志保)逆にね。そのナラティブ、文脈が……ハイコンテクストな曲ですからね。『Not Like Us』に関しては、余計にね。どうなっちゃうんでしょうか?っていうね感じもありますけれども。私のInstagramに皆さん、ちょこちょこっとメッセージくださっておりまして。たとえばですね、こちらの方。「ビーフもセールスも勝てなかったドレイクは今後、どうなるんだろうとちょっと心配になりました」。

(DJ YANATAKE)俺は全然、大丈夫な気がしてるけどな。

(渡辺志保)私もなんかドレイクさんほどの強靭なハートの持ち主であれば……。

(DJ YANATAKE)まあ逆に……もちろん、ケンドリックが素晴らしかった部分はたくさんあって。そっちを支持する人もたくさんいたと思うんですけど。俺、割とこんなにいっぱい、みんなから攻撃されてもなんかそれを全部一応、ちゃんと打ち返してるドレイクってすげえな、みたいな。

(渡辺志保)ああ、そうね。「ああ、だるいな」みたいな感じで打ち返していたのかなとも思うし。ただ、その嘘の情報をわざと流したとか。あと私はあのAIを使って2パックとスヌープ・ドッグの真似をしたアンサーとか出したのはあれ、ちょっとダサムーブだったのではと思うんだけど。でも、何食わぬ顔してまたすごいフロアバンガーをリリースするような気がしますけどね。

(DJ YANATAKE)俺も本当にそう思います。

なんだかんだでドレイクはすごかった

(渡辺志保)あと、こちらの方。「正直、ちょっと行き過ぎているかなと思います。志保さんも言ってましたが、2パックの声を使ったり、家族ディスはNG」っていうね、ごもっともなご意見とか。こちらの方は「単純にどちらも好きなラッパーなので、ビーフはやめてほしい派です」。もうたぶん本当に多くの人が同じことを……私もそうだけど、思ってるんじゃないかなって思いますね。あと、こちら。「10年経ってマックルモアがガザ侵攻に対する曲を発表する一方、ケンドリック……と考えてしまいます」。これ、10年というのはたぶん、おそらくグラミー賞でベストヒップホップアルバムをケンドリック・ラマーじゃなくてマックルモアが取った時。マックルモアがケンドリックに後で「ごめん。お前が取るべきだったよ」ってテキストした事件から10年ということなのかなってちょっと思うんですけど。そうですね。マックルモアも『HIND’S HALL』という曲を出して。売り上げは全て支援団体、国連パレスチナ難民救済事業機関であるUNRWAに寄付をするっていう、本当に素晴らしい、強い声明を伴った曲をリリースしていて。本当、正しいというね感じですね。

(渡辺志保)このマックルモアの曲については今週のbayfmの自分の番組でもちょっと、お話しようかなと思っているので聞いてほしいなっていうのと。あとはこちら。「近年、ヒップホップ=ビーフというくらい、誰かしらもめているのでこれからのヒップホップの未来が心配です」というご意見をくださいました。

(DJ YANATAKE)さっき、志保さんが言っていて、たしかにハッとしたけども。去年ね、ヒップホップ50周年だなんだって言っていて。それで今年はこれか……っていうね。今年を漢字漢字で一文字で表すと「争」みたいなさ。

(渡辺志保)「牛(ビーフ)」みたいなね。本当に。「牛」でいいような気もしてきましたね。まあ、そうですよね。別にヒップのビーフって、本当に本当に今に始まったことではないじゃないですか。もう『Roxanne, Roxanne』ぐらいの時から、『The Bridge』戦争とかから数えるともう40年近く前から、ずっとある事象ですけども。さっきも言ったし、先々週、先週とかも同じようなことを自分の他の番組でも言ったけど。やっぱりSNS時代のビーフって気持ち悪さがありますよね。インターネット時代のビーフンっていうか。

(DJ YANATAKE)やっぱり、他のことでもそうだけど。もう何十年前とか、10数年前のツイートとかも全部ね、遡られたりして。過去のことも全部めくれていく感じとかさ。

(渡辺志保)そうよ。で、勝手に勘ぐって深読みするやつらも多いじゃないですか。そういうのも、どうにもできないもんね。

(DJ YANATAKE)で、さっき言った何が本当かわかんないのに、それが本当だみたいな論調になっちゃうとさ、後で訂正されても、その訂正はみんな、見てないっていうかさ。

(渡辺志保)そう。その一瞬のね、燃えるというか。バッ!っていうその起爆性の高さみたいなところ。皆さん、そこに注目して、そこがまた尾ひれがついてまわって、みたいなことになりますからね。

(DJ YANATAKE)だからそのスピード感の面白さはすごく感じたけど。その中でもまた、自分たちもその情報をどう処理していくか?っていうか。そこに対して、もっと冷静に……ソースがどうのとかさ。コロナの時も、地震の時とかも毎回、同じようなことを言いますけどもね。

(渡辺志保)フェイクニュースがね。

(DJ YANATAKE)そういうのを見極める力っていうのがより試されてるような。

(渡辺志保)試されましたね。今回、本当に試されたし。この後、さっきの「ドレイクが心配です」みたいなお声もありましたけれども。この後ね、どうなるのかな?って思うけども。でも、ドレイクはさっきも言ったように「なんかありました?」みたいな感じでカムバックするのかなっていう。

(DJ YANATAKE)それで「夏に向けてやっていこう」みたいな感じじゃないですか。

(渡辺志保)そうそうそう。今日もなんか、南の島で楽しそうにしてるストーリーズとかも上がってましたけれども。

(DJ YANATAKE)だから今年の夏、サマーアンセムとか出しちゃうでしょう。きっと。

(渡辺志保)出しちゃう。それで踊っちゃうみたいな。ただ、気になるのは逆にケンドリック・ラマーの方ですよね。これだけ矢継ぎ早にドレイクへのディスソングを出して。かつ、今回のここまで燃え上がった発端っていうのは、やっぱりケンドリックの『Like That』のバースがあったわけですから。今後、彼もそのpgLangという傘の下での活動に切り替えていくのかなとも思うんですけれども。どうなっちゃうのか?って思いますよね。

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