石山蓮華とでか美ちゃん『異人たち』を語る

町山智浩『異人たち』を語る こねくと

石山蓮華さんとでか美ちゃんさんが2024年4月23日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『異人たち』について話していました。

(石山蓮華)先週は山田太一さんの原作映画をリメイクして人間の孤独や愛の本質を描いた『異人たち』という映画をご紹介いただきました。でか美ちゃんも私、石山も見てまいりました。

(町山智浩)いかがでした?

(でか美ちゃん)もう、ポロポロと涙がこぼれちゃいましたね。すごくいい映画で。

(石山蓮華)よかったですよね。

(でか美ちゃん)なんかこの後、見られる方もいると思うんであれですけど。結末をどう取るかは、すごい人によるのかなと思ったんですけど。なんか私が1人の人間としてめちゃくちゃ作品から考えたのは、将来的にもしかしたら子供とかね、家族が増えたりするのかなって考える時があるんですけど。そういう子供がなんにせよね、社会的にマイノリティっていう立場だった時に、社会をそれまでに変えておかなきゃいけないなっていうのも、すごく思いましたし。自分もやっぱり両親、生きてますけど。言えてない話とかって、あるから。そういう親子についてとかも、とてもね、なんだろうな? 思いを馳せてしまうというか。でも、切なさ一辺倒じゃないところもすごくいいなと思いましたね。人間としての、なんだろうな? 罪深さみたいな部分とかもすごく感じたし。

(町山智浩)そう。ちょっとどんでん返しがありますからね。この映画はね。

(石山蓮華)そうですね。私も『異人たち』は大林宣彦監督版の『異人たちとの夏』と見比べる形で見てみたんですが。その引用されたセリフとか、印象的な向かい合う構図、照明のイメージとか。「ああ、こういうところを参照されているんだな」と思いながら、このアンドリュー・ヘイ監督の『異人たち』はなんか、より現代的にしみる作品で。そしてショッピングモールのシーンで私は大号泣してしまいました。

(でか美ちゃん)めちゃくちゃわかる! 何気ないんですけどね。

(町山智浩)ねえ。片岡鶴太郎さん版だと、浅草の料亭になっていて。今半に行くんですよ。すき焼きを食べに。いや、僕もね、実は母親が……そうか。あれは母親の還暦のお祝いの時に、人形町の方の今半で食事をしたんでね。非常に……今、もう母はいないんですけども。すごくあの映画は「ああ、うちもやった!」と思って。東京にいると、なんていうか親に孝行するっていうので「今半に親を連れていく」っていうのはあるんですよ。一種の伝統みたいな。江戸っ子の。

(でか美ちゃん)ああ、そうなんですね。

(町山智浩)だからね、それをすごい思い出したんですね。

(石山蓮華)これはちょっと、ぜひ見ていただきたい作品だと思いますね。

(町山智浩)あんな東京の下町の話をイギリスの話に置き換えて、大丈夫なのかと思いましたけど。

(でか美ちゃん)私はまだ、原作映画は見れてないんですけど。これを機に名画座とかでやらないかなと思って、ちょっと待ってます。

(町山智浩)ええと……たしか、どこかで。配信の方ですごく廉価で、100円とかで見れるようになっていますよね。

(でか美ちゃん)そう。配信はされているみたいなんですけども。

(石山蓮華)私はU-NEXTで拝見しました。

(でか美ちゃん)せっかくだったら映画館で見たいなって。

(石山蓮華)そうですね。大きな画面でね。

(町山智浩)片岡鶴太郎さんはね、あれでいきなり抜擢されて、俳優になっていったんですよ。それまでは近藤真彦の真似とか、してたんですよ? 「マッチでーす!」とか言いながら。知らないでしょう?

(でか美ちゃん)コメディアンから俳優にっていう。

片岡鶴太郎が俳優として抜擢れた作品

(町山智浩)あと、小森和子さんっていう映画評論家の女性がいましてですね。「小森のおばちゃま」って言われたんですけど。「小森のおばちゃまよ」とかっていう、そういう真似をしていた芸人さんだったんですよ。片岡鶴太郎さんは。それがまた、なんていうかあの映画からどんどん、スピリチュアルな方向に変わっていって。

(でか美ちゃん)ねえ。今やちょっと、ヨガのイメージもかなり強いから。

(町山智浩)ねえ。大変なことになって。あの映画に出たのが、よくなかったんじゃないか?って思いましたけども(笑)。

(でか美ちゃん)いやいや(笑)。

(石山蓮華)ということで『異人たち』は劇場公開中です。

<書き起こしおわり>

町山智浩『異人たち』を語る
町山智浩さんが2024年4月16日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『異人たち』について話していました。
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