博多大吉 M-1 2023・ヤーレンズ1本目「大家さん」審査を語る

ヤーレンズと千鳥 M-1 2023最終決戦「麺ジャミン・バトン」を語る 大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!

博多大吉さんが2023年12月27日配信のTBSラジオ『大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!』の中でM-1グランプリ2023を振り返り。ヤーレンズの1本目のネタ「大家さん」の審査について話していました。

(博多大吉)さあ、それじゃあ次、行きましょう。いよいよ後半戦。

(御舩陽平)ヤーレンズですね。

(博多大吉)本当、山田邦子さんもおっしゃってたけど。どこにおったん? こんな子ら。昨日今日じゃないやろ? 12年目。俺、勉強不足だ。全然知らんでさ。名前は……この文字はもちろん読んだことあるよ。『にちようチャップリン』とか、たぶん出てないかな? でも、こんなに器用なコンビがいたんだと思って。なかなかの衝撃でしたね。

(御舩陽平)なるほど。

(博多大吉)で、俺は全コンビ、タイムを計ってたけど、ここだけ忘れた。スタートを押したけど、ストップし忘れた。

(御舩陽平)それは?

(博多大吉)面白くて(笑)。夢中になっていた。だから、頭抱えてたんだと思う。「これ、何点にすればいいの?」っていうか。「今までのこの基準でこの子ら、採点できるかな?」ってちょっと不安になったと思う。

(御舩陽平)この基準では、当てはまらない?

(博多大吉)「今までやってきたことは俺、正しかったのか?」って。なんかもう、大きく自信が揺らいで。だから、マユリカでちょっと揺らいでたやつをヤーレンズでドーン!って倒された感じ。「うわっ!」って思った。で、そこでも必死でつけたけど。キャラ的にね、ボケの彼のやり方。あのスタイルってやっぱりアンタッチャブルとか、インディアンスとか。ウザい系の漫才師さんってたくさんいて。で、笑いの取り方がね、もうこんなの、意地悪な言い方かもしれんけど。古坂大魔王くんにそっくりだったのよ。

(御舩陽平)ほうほう。

(博多大吉)まあ、見た目も似てるっていうのもあるけど。ちょっとした小ボケをもう言いっ放しで、どんどんどんどん散りばめていくっていうのが結構似てるなと思って。だから「似てるからダメ」っていうことじゃないんだよ。ただ、似てるのを知ってるから、新しさポイントがなかなか入らないんだよっていう、言いわけです。

(御舩陽平)ああ、そういうことですね。

(博多大吉)だから僕はどっちかというと、この出井くんはうまいなって思ったね。

(御舩陽平)出井くん、褒められてるよ!

ヤーレンズ出井のツッコミがすごい

(博多大吉)で、こういうスタイルのネタって、ボケのクオリティってあんまり高くないことが多いのよ。もう、勢いで行くから。むしろ、ボケのクオリティが高いと、止まっちゃうから。あえて、本当にわかりやすいやつをダダダダダッて言って、それをツッコミが押し返していくっていうスタイルだと思うんだけど。ここのすごいのはボケの子がババババッて言った後に、それを押し返しながら、このツッコミの子がボケを挟んでいくみたいな。なんていうのかな? これは見たことなかった。

(御舩陽平)ツッコミつつも、そこでボケている?

(博多大吉)だから、この系統の漫才で物足りなく感じるセンスを感じたの。くれぐれも……くれぐれも「アンタッチャブルにセンスがない」とは私、言うとらんよ? そんなことは言うとらん。インディアンスには言ってもいい。後輩やから(笑)。だからボケの味が単色になるところを、ちゃんと現代風な、今風なやつを何個も挟んでいたから。なのでここは新しさで言うと、こういうスタイルの方ってたくさんいるから。で、やっぱりここでも令和ロマンが基準になってるんだよね。ずっと。これ、令和ロマンを3点にしてるから、新しいポイントはなかなか4点って入れられないのよ。

(御舩陽平)なるほど。

(博多大吉)同じ基準で審査してるけど……その基準の中に「令和ロマン」っていうのが1個いるから。だから、新しさは3点。で、漫才の技量ももうちょっと入れてもよかったかなと思うけど、ここも3点にした。ただ、オリジナリティーは4点。すげえと思った。で、爆発ポイントを1点入れて、91点。「うわっ、令和ロマンと一緒の数字を出しちゃった」と思ったけど。もうでもこれ、全部をバラけさすのも無理やろうと思って。だってこの後、真空ジェシカとモグライダーが待ってるんだよ?っていうのがあって。

(御舩陽平)ちょっと先も見据えた形で?

(博多大吉)うん。多少は見ないといけないし。このへんからは本当にリアルに、ファイナルに残るコンビが決まってくるから。1点1点、慎重につけなきゃいけないな。令和ロマンと並ぶなら1点引こうか、もしくは1点足そうかっていうのは、これはやっちゃいけないと思って。心をちょっと鬼にしたかも。91点。

(御舩陽平)なるほど。コメントでは令和ロマンと同じで。「最後がもったいない」というコメントもありましたけど。

(博多大吉)そうね。『猪木ボンバイエ』だったよね。たしかね。あれはね……まあ、年齢を見たら37歳だから、いいんやけど。あの『炎のファイター』のくだりは、うーん。もったいないなとは思ったな。そうか。それだ。それで減らしてるんだ。思い出した。そうだ。そうだ。

(御舩陽平)あと「ちらし寿司を取るのか、気になり続けた」っていう風におっしゃってますね。

(博多大吉)なんなんやろ? なんで「ちらし寿司でも取ろうか」ってなるんやろう?(笑)。お寿司でいいやろ? なんでちらし寿司? だからそういう言いっ放しのボケのセンスも。もちろん、この子のキャラもすごかったし、ボケもよかったし、ツッコミのセンスも抜群やったし。そうね。

ちらし寿司の謎

(御舩陽平)ちらし寿司はあの後に「サブちゃん」っていうワードが出てきたから。そこに引っかけたくてやりたかったのかな?って思っていましたけどね。

(博多大吉)なるほどね。いろいろ、本当にいろんなところに……最近、多い伏線回収のネタって、ややもう食あたり気味というか。伏線を回収するために、伏線を張ってるみたいなネタが多い中、もう適当にボンッて放り投げておいて、引っかかったら儲けもんぐらいのやつでテンポ良くダダダッて行くのが、すごい。もうちょっと点数、上がってもよかったかもしれんけど。そうね。『炎のファイター』のあたりが……僕がプロレスファンだからかな? ちょっときつくなっちゃったかな? ということで。面白かったです。

<書き起こしおわり>

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