博多大吉さんが2023年12月27日配信のTBSラジオ『大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!』の中でM-1グランプリ2023を振り返り。自身が審査員として審査をする中で、今回から一新したという審査基準について話していました。
(博多大吉)2023年M-1のね、審査というか。振り返り、やりますか。今回なんですけども、番組でもちらっと言ったけど。今までと採点基準、審査基準を大幅に変えたんですよ。
(御舩陽平)と、言いますと?
(博多大吉)『M-1はじめました。』っていう本が出てね。何ヶ月か前に。これ、谷良一さんっていう元吉本の社員さんが書いた本なんだけど。谷さんっていう方がM-1を立ち上げて、ここまでのイベントに仕上げたっていう、伝説の社員さん。そのM-1を立ち上げた時の裏話というか、そういうのを主に書かれてる本で。そこに理念というか、「M-1とはそもそも、何のために始めたんだ」みたいな感じのことがいっぱい書いてあって。「紳助さんと一緒に二人三脚で作った」みたいな本を読んで臨むことにしたのよ。
(博多大吉)で、読んで改めて思ったのは、M-1に求められてるのって「新しさ」なんだなって。ニュースターを発掘するとか、そんなんじゃなくて。まだ誰も見たことがない漫才。エネルギーあふれる……なんていうのかな? ざっくり言うと、若手の大会というか。なんだろうね? だから谷さんもそのM-1の本の中に書かれてたけど。「結成10年以内」っていう縛りでやっている時期のM-1と、「結成15年以内」になったM-1ではやっぱり質が違うのよね。で、僕も前回のやつで言ったけど。いろんなポイントで審査してきました。今まで。
(御舩陽平)はい。
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(博多大吉)漫才師として外せない部分とか、いっぱいあるから。「ここは3点」とか「これは2点」とかってやってたけど。若い子がね、発想だけで勝負してきた時に芸歴が浅いと、技術がないの。だから発想ポイントは3点満点中3点取れるけど、漫才師の技量ポイントが1点止まりとか。その一方、15年近い漫才師になると、発想自体はまあまあ、見たことがあるような発想だから1ポイントだけど、技術があるから3ポイントいっちゃう。結局それで点数を入れたら、並んじゃうのよね。で、差がつかないと。私、M-1の審査員の中で一番点差が開かない審査員としてネット上でおなじみの人間なんですけど。まあ、それはそれで仕方ねえじゃねえかって今までは思っていたけど。でも、その本を読んで、やっぱりもうちょっとここは心を鬼にしてやるべきなのかなと思って。どうやったら審査した時に点差が少しでも開くのかな?って思って。それで今回は細かくつけていたやつを廃止して。ざっくり、三つのポイントに絞りました。
(御舩陽平)その三つのポイント、教えてください。
三つのポイントに絞って審査
博多大吉さんのコメントが、(いい意味で)審査員らしい冷静な感じで、個人的には好きです。#M1グランプリ2023 #M1グランプリ #ABCテレビ https://t.co/klSi3mvGJD pic.twitter.com/t7gI532BSB
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(博多大吉)最低点が80点。で、最高が98でしょう。おそらく。100なんか、たぶん出ないし。僕はたぶんつけることはできないし。99も現実的じゃないから、98かなっていう。だから、いわゆる18点。その18点をどうしようかっていうことで今回、見たポイントがまず「新しさ」。これが5点。5段階評価の5点ね。で、「漫才師としての技量」。これは申し訳ない。外すわけにはいかんので、5点。でも、これにはツッコミのうまさとか、ボケの器用さとか、もちろんそういう技術的なものやけど、ここに構成力も入ってるのよ。漫才として、ネタとして、台本として読んだ時の漫才の点数みたいな。そういうのが入ってます。漫才師としての技量が5点。あと、もうひとつ、大事にしたのが「オリジナリティー」。これ、新しさとはちょっと違うのは、「この2人にしかできない」っていうことで。
(御舩陽平)この2人だからこそっていう。
(博多大吉)だから、手前味噌ですけども。華丸・大吉の漫才って僕ら以外がやったって面白くもなんともないのよ。ただの博多のおじさんがワーワー言っているだけで、たぶん笑いは取れないのよ。でも、笑いが今のところ取れている。なぜならば、我々にしかできないことをやってるからかな、なんていう自負もあって。もう結局、漫才師ってこれが一番大事な気がして。
(御舩陽平)「ニン」っていうやつですかね?
(博多大吉)そうね。そこに繋がってくるのかな? だから漫才を見た時に「このネタだったらあのコンビの方がもうちょっとうまくできるよな」とか、正直あるのよ。やっぱり器用なコンビってたくさんいるから。だからそこをちょっと見ようかなと思って。ここも5点。で、これが5、5、5で15点。で、残りの3ポイントを今回はM-1のキャッチコピー通り、爆発ポイントとして。会場が大爆発したら3点。
(御舩陽平)ああ、そこは会場を見るんですね。
会場の爆発ポイントが3点
(博多大吉)会場をいかに巻き込めたか。で、お客さんの客席を見ながらっていうのもどうかなっていう声あるかもしれんけど。やっぱり無視はできんので。かといって、5点を振るわけにもいかんので。でも、ここを3ポイントにしたらトータルでこれで18点なんで。これに基礎ポイント80点を足せば、まあまあ98点までは出せるかなっていう。全部満点で98点っていうのにして。で、そこからもう、あり得ないぐらい面白かったり。あの時のブラマヨとか、あの時のミルクボーイとか、あの時のサンドウィッチマンとか。あんなんが来たらも99とか行けるようにはして。これでスタンバイはさせてもらいました。
(御舩陽平)はい。
(博多大吉)では、1組ずついきましょうかね。
(御舩陽平)お願いします。まず、1組目は令和ロマンということで……。
<書き起こしおわり>