宇多丸 松任谷由実・岡村靖幸とRHYMESTERのラジオ共演&打ち上げを語る

宇多丸 松任谷由実・岡村靖幸とRHYMESTERのラジオ共演&打ち上げを語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2023年11月14日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で当日、TOKYO FMで行われた松任谷由実さんの『Yuming Chord』収録についてトーク。RHYMESTER、岡村靖幸さん、松任谷由実さんのラジオトークの模様や、収録後に都内某所で行われた打ち上げ会食について話していました。

(宇多丸)なんで夢見心地なのかといいますと、ついさっきというか、今日のお昼……夕方から夜ぐらいにかけて、TOKYO FM。他局ではございますけれども、私ども古巣です。RHYMESTERね、今でもTOKYO FMに行けばですね、昔のスタッフとか、あとプロデューサーとかが来てくれて。めちゃくちゃ仲いいというかね、ゆかり深いTOKYO FMの『Yuming Chord』という、松任谷由実さんがやっている番組。

そもそもユーミンさんと知り合えたのは……それで一緒に曲を作るまでになったわけですけど。知り合えたのはTFMでやっていたユーミンさんの番組がきっかけなんです。同じ放送作家が入っていて。「まーたん」として知られる結城雅美さんという「バブル時代のミューズ」と呼ばれる素敵な女性がいてですね。この間もRHYMESTERの名古屋ライブに突如登場してですね、あいかわらず飛ばしてましたけどもね。

(日比麻音子)タフですね。

(宇多丸)面白い、最高にいけてる女性なんですけども。

(宇多丸)で、繋いでいただいて。そのユーミンさんの番組に出てきて。ユーミンさんが今度、ユーミンデビュー50周年記念コラボベストアルバム『ユーミン乾杯!!』というのが出るということで。アーティストが……だから「RHYMESTER cheers 松任谷由実」とか、「◯◯ cheers 松任谷由実」っていう形でやる、コラボベストアルバムで。要するにユーミンさんのかつての音源のオリジナルトラックをベースに再構築するみたいなアルバムで。そこに我々も参加させていただいたんです。

(日比麻音子)わーい!

(宇多丸)で、それを記念した番組出演をしてきたんですね。これ、一応放送日を先に言っておきますね。11月24日(金)、午前11時から11時半。そして12月1日(金)、午前11時から11時半。2週にわたってお送りするわけですけども。私どもRHYMESTERと、そしてその私どもRHYMESTERともゆかりが深い、大変仲良しの岡村靖幸さんが。

(日比麻音子)『マクガフィン』!

(宇多丸)そうなんですよ。『マクガフィン』コンビで出てきたんですね。で、それぞれユーミンさんと仲良くて。それぞれにご飯に行ったり、飲みに行ったりしてるんだけど。なんていうかな? この3人プラスユーミンさん、岡村さんの5人が一堂に会してっていうのは初めてで。

(日比麻音子)アッセンブルしちゃったんですか? 大変!(笑)。

(宇多丸)めちゃくちゃ、もうラジオの中身も楽しくて。とにかく岡村ちゃんが……たぶん僕らがいるから、まあ安心してボケ倒す、ボケ倒す。もうね、すごい……ひどい(笑)。これは褒めているんですけど、ひどかった(笑)。でも同時に、めちゃくちゃ興味深い話も聞けたし。で、岡村さん側の……僕らがやった曲は『SATURDAY NIGHT ZOMBIES』という1987年リリースの曲で。『ひょうきん族』のエンディングテーマなんですけども。そもそも、ユーミンさんとライブで一緒にやったという曲なんだけども。

RHYMESTER cheers 松任谷由実『SATURDAY NIGHT ZOMBIES』

(宇多丸)で、岡村さん側の曲もね、ちょっとこれはあんまり……情報解禁もいろいろとあるんで、あんまり言わないでおきますけども。岡村さんの曲もかっこよくて。はじめてそこで聞いたんですけども。「かっこよ!」みたいな。「天才ですね! すごいね、やっぱりあんたは! こんだけ音楽がかっこいいから許されているんだな。このひどすぎるボケみたいなのは……」って(笑)。

(日比麻音子)すべての隙が(笑)。

(宇多丸)みたいなね。でも、ちゃんと音楽の話もして……みたいな。で、さらに収録終わった後に、ユーミンさんのお誘いで。「こんな機会もめったにないから」っていうことで5人プラス、スタッフでお食事に行ってきたんですよ。これがすごかった。

(日比麻音子)すごい! なにを食べて……キラキラした、すごい……。

(宇多丸)これ、あえて場所は秘しますが。都内某所の……キャンティじゃないですよ。キャンティじゃない、でもユーミンさんが昔から行っていたような場所が、新たに今、お店になっていて。でもちゃんと、昔あったそのお店のも継いでいて。昔の看板とかもちゃんと取ってあったりして。ユーミンさんのゆかりの場所です。だからある意味、ユーミンさんの歌の舞台となった……特に『SATURDAY NIGHT ZOMBIES』っていう曲なんかは東京の夜遊びを歌った歌なんで。まさにその舞台となったようなそのところの隠れ家的なね、「こんなところに店があるんですか?」っていうような。

そこで、また完全プライベート空間になりますから、ここでさらに岡村さんは飛ばす。それに対してユーミンさんの回答も切れ味鋭し。で、しかもユーミンさんは明日、ライブなんですよ。国立競技場で。だから。お酒は召し上がっていませんでしたけれども。ノンアルコールでちゃんとやって。「今、運動はこうやってやってる」みたいな話も伺いました。明日、お忙しい中でも時間を取っていただいて。僕はちょっと、途中抜けしてね。「ラジオがあるんで」なんつって。

(日比麻音子)なんかもう、「残ってください」って言いたくなっちゃうぐらいの。

(宇多丸)いや、ダメです。これ以上行くと、ちょっともう岡村ちゃんの毒牙にかかってしまいますので(笑)。ということで、非常に夢見心地という。

(日比麻音子)なんかすごい、東京の憧れの全てが揃ってる!

(宇多丸)でも日比さん、それは僕もそうなんですよ。だから、要は……もちろん僕は東京生まれ、東京育ちだけど。でもさ、そのユーミンさんも八王子のご出身で。ユーミンさんご自身も「私は八王子の呉服屋の娘だから、東京の都会の輝くキラキラみたいなものを憧れとして表現できるんだ」っておっしゃっていて。で、だからおそらくはユーミンさんとっても、あるいはそのユーミンさんが憧れた当時の洋楽ですよね。ユーミンさんは誰よりもアメリカの最新音楽に詳しい少女としてシーンに颯爽と登場した方ですから。だから、最先端情報、最先端のアンテナを張っている方で。今でもそうですけどね。

なので、僕にとってもあの憧れていた世界の憧れていた人たちと、ある意味肩を並べて。なんなら、その憧れていた作品の……『SATURDAY NIGHT ZOMBIES』っていう曲なんかは『ひょうきん族』のエンディングテーマで。まさにこれから夜遊びに出かけようというウキウキ。でも、それがちょっと『SATURDAY NIGHT ZOMBIES』はホラー風味、ハロウィン風味で。ちょっとだけ皮肉というか、ちょっとだけダークな味付けがしてあって。僕の一番大好物で。

しかもね、あの曲の特徴はめちゃくちゃBPMが落としめなんですよ。すごい落としめのちょっとファンクのテイストがあって。それが当時の、いわゆるナイトクラビング。クラブ遊びを始めたような僕の……ヒップホップも好きでしたし。その感覚に本当にドンピシャで。だからメインストリームにいながら、そのアンダーグラウンドだったり、サブカルチャー的だったりする感覚みたいなのをもう最先端で曲に落とし込んで。それを『ひょうきん族』のエンディングで流して。それを聞いて土曜の夜、遊びに行くっていうこの感じ。だから、あの世界の中にいつの間にか自分が……みたいな感じがして。とても本当にふわふわした気持ちで。

(日比麻音子)うわー、なんかおすそ分けでもちょっと鳥肌立ちますよ。

(宇多丸)と同時に、僕はもちろん岡村ちゃん、大ファンなんですよ。今となっては大変にぞんざいなツッコミを入れてるけれども。それは本人が望んでいるからであって。ものすごい、「なんなん?」っていう、こんな感じ。でも岡村さんも、やっぱりユーミンさんとの共演とかっていうのも「夢のようだし。未来永劫誇りです」っていうようなことをおっしゃっていて。でもユーミンさん自身もすごく、なんというか、我々と全然世代は違うけれども。音楽の話をしたり、文化の話したり、人の悪口を言ったり。もうめちゃくちゃ……「また、ぜひ!」という感じの会でした。おでんの話をしたかったんですが、これはまた後にしましょう(笑)。

(日比麻音子)おでんはまた、いつでも行けますんで(笑)。

<書き起こしおわり>

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