立川談笑 談志の弟子目線で山崎まさよし・しゃべり多めコンサート問題を語る

立川談笑 談志の弟子目線で山崎まさよし・しゃべり多めコンサート問題を語る ナイツのちゃきちゃき大放送

立川談笑さんが2023年10月28日放送のTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』の中で山崎まさよしさんがコンサートの中で「今日はあんまり歌いたくない」「しゃべる回にしたい」と発言し、観客から不満の声が上がった問題についてトーク。立川談志の弟子の目線でこの問題を語っていました。

(立川談笑)あとはね、山崎まさよしさん。ちょっと苦い感じがするけれどもはい。これ、どうなんでしょうね? お客さんとしては。「コンサートに行ったんだから、歌いまくれよ」って思うのかな?

(出水麻衣)聞きたいですよね。

(土屋伸之)なんですかね? 言葉だけを見ると、そういうジョークの人もいるじゃないですか。ライブでそういうことをなんか言っちゃう人とかもいるから。そういう捉え方も……でも本当に人によるんでしょうけどね。トークが長いアーティストもいるでしょうし。

(立川談笑)そのSNSだとか現場にいた人の声らしきものを追っかけてみると、本当になんか歌いたくなくてっていうので。それで帰る人もちらほら出てきて。「じゃあ、帰ってもいいよ。お金は返すよ」って言ったら本当にゾロゾロゾロゾロ帰っちゃったっていう。あのね、これはお客さんたちはびっくりかもしれないけど。でもこんなの、談志の弟子からすると当たり前なんだよね(笑)。

(塙宣之)みんな思いましたよ(笑)。

(土屋伸之)談志師匠、やっぱりよぎりましたよ(笑)。

(塙宣之)こんなの、日常茶飯事でした?

(立川談笑)日常茶飯事も茶飯事(笑)。だって出てくるなり、お客さんを前にして不機嫌なんだもん。不機嫌でボソボソボソボソ言って。よく「落語なんかやりたくないんだよ」とか言っていて。で、すごいちっちゃい声でブツブツブツブツつぶやいていて。そうすると後ろの方のお客さんが「聞こえないよ!」とかって言って。「聞こえないよ!」「聞こえない?」「聞こえないよ!」「聞こえているじゃん」って。そんなのとかね。

(土屋伸之)フハハハハハハハハッ!

(立川談笑)それとか大阪でね、もう昔々よ? 40年ぐらい前。大阪でまだ東京の落語なんか馴染みがない頃。で、談志がトリで上がったら客がね、2、3人パラパラッと帰ったんだって。「なに? 東京の落語、聞きたくないんだったら帰りな」って客に言ったの。そしたら半分以上、帰っちゃったって。ゾロゾロゾロゾロッて帰って。で、その残った人たちを相手に「ねずみ穴」だったかな? 結構バチーン!って決めて。残って聞いた人は「ああ、いいものを聞いた」っていう。だから談志なんかね、ブツブツどころかね、そもそも来ないもん。

(塙宣之)フハハハハハハハハッ!

(土屋伸之)来ない?(笑)。

(立川談笑)来ない(笑)。

(出水麻衣)そんなこと、あるんですか?

(立川談笑)楽屋口まで来たのに、その警備員の対応が悪いってクルッて踵を返して「俺、帰る!」って帰っちゃう(笑)。

(土屋伸之)すごいなー。

(塙宣之)それ、お客さんは怒る?

(立川談笑)怒るよ(笑)。

(土屋伸之)フハハハハハハハハッ!

(立川談笑)怒るし、だってうちの師匠は訴訟沙汰になっているから(笑)。

(土屋伸之)ちゃんと訴えられているんだ(笑)。

(立川談笑)そうそう。しっかり訴えられているし(笑)。

(塙宣之)でもなんか、優しい一面もあるじゃないですか。出待ちしたファンの高校生の子に「おう、お前。好きなのか?」とかってね、サインを書いてあげたりとかね。

(立川談笑)すごい優しい面と、すごい冷たい面とがあって。だから、詐欺の手口ですよ(笑)。

(土屋伸之)アメとムチで(笑)。

(立川談笑)そういうんじゃないんだけども。だから「お客さんは落語を聞きに来てるんじゃなくて、俺に会いに来てるんだ」っていう。だから、自分という人格をさらけ出すという意味で談志はそういう風に自分のつらさなんかも全部、あけっぴろげにしていて。そういうアーティストのスタイル、スタンスっていうのはあると思うから。だから山崎まさよしさんも……。

(塙宣之)談志師匠の本とか読んだ後だったんじゃないですか?

(立川談笑)フハハハハハハハハッ!

(土屋伸之)ちょうど、その直後にやっちゃったのかな?(笑)。

(塙宣之)直後で。「俺に会いに来てるんだから、別にいいだろう?」ぐらいの感じだったのかもしれない。演目を8個、やっただけでもすごいですよね?

(立川談笑)すごいよ。8曲歌ったって……落語を8席やったら大変だよ? 5時間かかっちゃうよ?

(塙宣之)古典の『セロリ』からね。

(出水麻衣)「古典の『セロリ』」(笑)。

(塙宣之)いろんな人に歌われている……。

(土屋伸之)『セロリ』は古典落語じゃないから(笑)。

(塙宣之)すごいですよね。でも、なんか討論になったっつってましたよ。お客さんと。言い合いになって、10分ぐらいその人と「なんで歌わないんですか!」みたいなのでやり取りになったりとか。

(土屋伸之)でも、そういうので愛されるぐらいになるっていうのは、やっぱり談志師匠の技とか、人間性を……。

(立川談笑)キャラクターとして、このキャラクターで山崎まさよしさんが認知されるていくのか?

(土屋伸之)でも普通の人が急にやったら、やっぱり認知されないですよね? 急に談志師匠のマネをして(笑)。

(塙宣之)でも、そんな人にいっぱい弟子入りしたわけですよね?

(立川談笑)そうそう(笑)。

(土屋伸之)弟子もどうかしているっていう(笑)。

(立川談笑)うん。そこは間違いない(笑)。どうかしてますよ。もう志の輔をはじめ、どうかしてますから。それははっきりしています。どうかしています(笑)。

(出水麻衣)なにか、弟子なりの操縦術みたいなのはあったんですか?

(立川談笑)うちの師匠の? うちの師匠の操縦術というか、私はね、ソリが合ったの。すごい怒っていても「ああ、実はこれ、ポーズで怒っているな」とか「これ、サラッと何気なく言ってるけど、これかなりマジで気にしてるぞ?」っていうのがすごいわかったり。だから私は接しやすかったというか、処しやすかった。それがわからないと大変ですよ。昨日と今日と、言うことが違うし。だから「こっちだ」って言うとワーッと向こうへ走っていって、また「こっちだ」ってワーッと逆の方に走っていって。真に受けると本当、大変よ?

(塙宣之)そこらへんがなんとなく、上手くやる人じゃないと無理なんですね。

(立川談笑)無理というか、疲れちゃうし。疲弊しちゃいますよ。

(塙宣之)すごいですね。でもこれは談志師匠がみんな、よぎったから。聞けてよかったです。

Quarter Note(通常盤)
Universal Music =music=

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました