野沢雅子さんが2023年9月25日放送のJ-WAVE『ゆう坊＆マシリトのKosoKoso放送局』の中で『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎役などについてトーク。アニメで女性が少年の声を演じるようになったきっかけを話していました。
（鳥嶋和彦）でもね、当然ね、この放送をお聞きになってる方も野沢さんのことは本当に・・もう存在を知らない人はいないと思うんすけど。一応、森下さんと野沢さんがアニメ業界でどうやってここまでキャリアを積まれてきたかっていうのもね、簡単に最初にお話をお伺いしておきたいなと。で、僕は野沢さんの記憶は小さい頃に見た、『いなかっぺ大将』のね、風大左衛門の声優さんをやられていたっていうのを後で知って。野沢さんの声っていうのは当時から耳ね、脳裏に残っていたんですけども。最初の主役はそれですか？
（野沢雅子）『ゲゲゲの鬼太郎』です。
（Naz Chris）ああ、鬼太郎！ そうなんですよね！
（森下孝三）出会いもそれですよ。
（野沢雅子）モノクロです。
（森下孝三）僕は東映の大泉の撮影所で……あそこでアフレコをやっていたの。大泉のスタジオのアニメーションのところでね。で、僕は演出助手で入って。
『ゲゲゲの鬼太郎』で出会う
（鳥嶋和彦）当時、野沢さんが主役でやったところにアニメーションの鬼太郎に編集助手で入った？
（森下孝三）その頃、鬼太郎をやっていて。そこからもう野沢さんと……だから僕がその頃、23か4ぐらいだもん。
（鳥嶋和彦）もう50何年の付き合い？
（野沢雅子）そうそう。だからね、もう歳は言わないでね？（笑）。
（鳥嶋和彦）アハハハハハハハハッ！
（森下孝三）野沢さんとかね、八奈見乗児さんとか、みんないたの。だから大塚周夫さんとかね。あそこの大泉の駅から遠い撮影所までみんな歩いていてね。
（野沢雅子）遠かったんですよ。大泉は（笑）。
（森下孝三）座るところもないからね。
（鳥嶋和彦）さっき、おっしゃっていましたよね。中に待合室がないから、外の石段のところに座っていて。出番になると、呼ばれて入っていくっていう。
（野沢雅子）そう。呼ばれるんで、入って行ってやるわけですよ。
（森下孝三）あれはね、映写の部屋に上がる階段なの。
（野沢雅子）そうなのよね。映写さんがね。
（森下孝三）当時、35ミリだからね。
（野沢雅子）そうそう。狭い部屋でね。もうかわいそうなの。それで入ったり、出たりしてて。で、私たちはその石段のところにこうやっていて、自分の出番を待っていて。で、「◯◯さん」って呼ばれると「はい」って入っていって。「みんな、行ってきます！」「行ってらっしゃい！ 早く終わらせて」なんて。みんな言って（笑）。
（鳥嶋和彦）ああ、そうか。待っているんですもんね？
（野沢雅子）そう。石段で待っているから。「早く終わらせて」って（笑）。
（鳥嶋和彦）そうですよね。気候が良ければいいですけどね。
（野沢雅子）いいけどね、寒いんですよ。やっぱり（笑）。
（森下孝三）大泉はね（笑）。
（野沢雅子）そう。大泉は寒いの（笑）。
（森下孝三）都心とさ、3度ぐらい違うから。
（野沢雅子）違いますもんね。それで、石の階段でしょう？
（鳥嶋和彦）お尻、冷えちゃうもんね。
（野沢雅子）そう。木ならまだしも、石ですから。コンクリみたいなね、ザラザラな石だったからね。
（森下孝三）でもあの頃、まだ築15年ぐらいだったんだよね。
（野沢雅子）そう。いい方なんだよね。
（鳥嶋和彦）そうなんですか？
（森下孝三）今、65年だから、まあ15年とかで。
（鳥嶋和彦）僕が後から訪れたのは、もうボロボロの時でしたもんね。
（森下孝三）そうそう。耐震構造もやったんだけどさ。そこから後だから。
（鳥嶋和彦）じゃあ、鬼太郎から始まって。
（森下孝三）それからずっとですよ。
（中略）
（鳥嶋和彦）当時、女性の方が少年の声をやるっていうのは、珍しかった？
（野沢雅子）「はじめてだ」って言われましたよ。私が最終、やった時には。男性もオーディションに呼んだらしいんですよ。「子供なのに、ちょっと大人っぽすぎるな」って、そういう声があったんですって。私、それはもう後から、決まってから聞いたんですよね。伺った時に。で、誰かが、その時のプロデューサーが言ったんですって。「女性の声帯が割と少年には近いんじゃないか」って。
（鳥嶋和彦）ああ、なるほどね。声変わりする前の。
（野沢雅子）そうなの。それで私たち女性に白羽の矢が立って。女性が呼ばれてオーディションがあったんですよ。
（鳥嶋和彦）へー！
女性の声帯が声変わりする前の少年に近い
（Naz Chris）すいません。オーディションの時って、どういうセリフを読んだんですか？
（野沢雅子）ちゃんと台本がありまして。たぶんその時の1話目の台本じゃないかなって。そうすると「◯ページのこのセリフを言ってください」って。悲しい時とか、楽しい時とか、笑いとかって、いろいろ単発でやるわけですよ。普通のセリフとか。
（鳥嶋和彦）でも、その場で「そこを読んでください」って、いきなり？
（野沢雅子）そうです。いきなりなんです。
（鳥嶋和彦）準備なしですよね？ 大変だ……。
（森下孝三）昔はアナログだからね。
（Naz Chris）鬼太郎と近い時期で、『鉄腕アトム』の一作目もやられて。それがデビューですか？
（野沢雅子）アニメーションっていうのは、アトムが一番最初。あれだと、清水マリちゃんなの。それで私、お友達で出たんですよ。それで、お友達で行ったんだけど、今まで少年なんて私、劇団でやったこともない。「少年？」って。でも「少年だ」って言われたから、少年でやんなきゃいけないと思って。それでやったら、そのお友達が受かって。それで2人でずっとやるようになって。それからがね、来るようになったんですよ。
（鳥嶋和彦）それで鬼太郎を？
（野沢雅子）それで、鬼太郎もオーディションで。「ああ、野沢さん、慣れているから。少年をやったことがあるから」って言うんですよ。その前のを見ていたらしくて。「いや、慣れちゃいませんよ」って。私だってそんなの、なかったんですから。それで「どういうのですか？」って聞いたらいろいろ説明されて。その時も大勢、来てました。各プロダクションとか劇団から。
（鳥嶋和彦）どうでした？ その頃、演出助手で入られていて。
（森下孝三）でもね、僕は思うんだけど。人のきっかけって面白いなと思うのはね、『ドラゴンボール』とか『アラレちゃん』があるじゃない？ そのまんまね、結構スライドなんだよね。八奈見乗児さんも。大塚周夫だってあれだもんね。呼び捨てであれだけども。桃白白だもんね。
（野沢雅子）そうそう。
（森下孝三）みんな、たぶんそのまんまスライドしてきているんだよね。
（鳥嶋和彦）その当時、そういう番組で顔を合わせた方々がその後も？
（森下孝三）だから僕なんかも次は『ドラゴンボール』の……『聖闘士星矢』はわりかし新しい人たちとやったんだけど、『ドラゴンボール』っつったらもうみんな、知ってる人だもんね。
（野沢雅子）そう。みんなね。
（鳥嶋和彦）顔なじみで。
（森下孝三）僕のところに「森ちゃん、森ちゃん」って。だから僕、ずいぶんと離れていたのにね。だけど、やっぱりおもしろいもんだね。きっかけって。
TOKYO M.A.A.D SPIN | J-WAVE | 2023/09/25/月 27:00-29:00 https://t.co/Q7V2M54hSd #radiko
ゲスト：鳥嶋和彦 (Dr.マシリト) / 野沢雅子 (声優) / 森下孝三 (東映アニメーション株式会社 代表取締役会長)
神回。#ドラゴンボール #野沢雅子 #鳥嶋和彦 pic.twitter.com/YBirSDtAXY
— Elisa ³⁹ (@Eli_bebe_dbz1) September 25, 2023
＜書き起こしおわり＞
