星野源さんが2023年11月7日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でEP『LIGHTHOUSE』の中の楽曲『しかたなく踊る (Live Session)』について話していました。
(星野源)さあ、今日は早速EP『LIGHTHOUSE』の中から1曲、おかけしたいと思います。今日はエピソード6でいいんだっけ? 6のエンディングの『しかたなく踊る (Live Session)』をお送りします。ライブセッションっていうか、基本的にNetflixの『LIGHTHOUSE』という番組の中で、エンディング曲を毎回書き下ろすということをやりましたけれども。
で、『しかたなく踊る』へのメールをいただいております。ありがとうございます。熊本県の方。「最近、ふとした時に口ずさんでいるのがこの曲です。『ああ、仕事に行くの面倒くさいな』という気分の時も、調子よくデスクワークが進んでいる時も、気づくと口ずさんでいます。夜、お米を研いで時には必ず脳内再生されており、毎日毎日単調な作業だなと思っていましたが、『しかたなく踊る』がトッピングされることで、とても楽しくなることに気づきました。『100年後も意外! まだ生きてるんだ』という歌詞が特にお気に入りで、明るいメロディーがその歌詞を引き立てているような感じがあって、つい力を込めて歌ってしまいます。将来への不安が増すような出来事が続く日々。自分で楽しいを作りながら仕方なく日々を踊っていきたいと改めて思いました。この曲は歌詞とメロディー、どちらが先に出来たんでしょうか?」。
そうですね。この『LIGHTHOUSE』のEPはその『LIGHTHOUSE』という番組の中で僕とオードリーの若林さんが2人で話した内容にインスパイアされて、毎回その回のエンディング曲を書くという、そういう企画のミニアルバムというか、EPなんですけど。僕は最近、もうほぼ音を先に作ってから歌詞を書き始めますね。なので、でも今回はあれなんですよ。いわゆる、そのさっきも言ったけどライブセッションということで、ライブ収録がほとんどだったんで。リハーサルをやって、すぐに収録って感じだったんで。その時には歌詞がないといけないんで。
だいたい、いつも音をレコーディングして……シングルとか、アルバムを作る時はレコーディングをして、音が全部できてから歌詞を考え始めるっていうのが多かったんですけど。今回はデモができて割とすぐの段階でもう作詞に入るという感じでしたね。なんか最後、最終回のエンディングなんで。ちょっと明るくしたいんですけど。2人が話した会話が割と、なんて言うんですかね? 最終回っぽく全部、解決してすっきりみたいなことじゃなくて。「まあ、なんかしんどいは続いていくよね」みたいな。「でもなんか、もがきながら生きていきましょうね」みたいな、そんな何となくの結論な感じがあったので。もう、暗い歌詞で明るい曲っていうのでもいいんじゃないかなと。
暗い歌詞で明るい曲
(星野源)なので「仕方なく」っていうのが割とネガティブなワードだなとは思うんですけど。でも、この日常に「仕方なく」っていうのは溢れているじゃないですか。本当に仕方ないでいっぱいじゃないですか(笑)。日々は。だから仕方ないっていうことが割とポジティブまでいかないけど。「まあ、いいんじゃないの」っていうぐらいの言葉になったらいいなという気持ちも込めて。だから結構、仕方なく生きてるんだみたいな言葉って結構強いかなと思って。そこらへんにネガティブな反応とかあるかなと思ったけど、一切なくて。なんか、それはすごくほっとしましたね。歌詞としてちゃんと読んでくれているなっていうのと、あとはこの感覚わかってる人が多いんだなっていうのは、すごく嬉しかった部分ですね。
続いて。山口県の方。「曲を聞き、僕は『何も解決しないままでも踊るように生きていていいんだぜ』と源さんと若林さんに言われてるように感じました。最高のエンタメに出会いました。ありがとうございます。『波に揺れるざらめ 病みを絡め海に溶け出し針は進んだ』という歌詞の『ざらめ』という表現について、源さんがどのような意味合いで表現されたのか、教えてください」。
あれですね。なんか、波に揺れる砂浜の砂って、ざらめみたいじゃない?(笑)。それだけです。なんかキラキラしててさ。その砂浜の場所にもよると思うんですけど。なんかサラサラしてて、ざらみたいだなっていつも思うんだよね。岩手県の方。「歌詞を読んでいて気になったのは『仕方なくさ』と、『しょうがなくさ』の部分です。意味合いは似ているように思われる表現ですが、調べると『仕方ない』は『為す術がないこと』。『しょうがない』は『諦めるしかないこと』とありました。星野さんのことですから、きっと明確に使い分けて歌詞に書かれたのだと思います。どのような意味を込めているのか、教えていただきたいです」。
なるほど。これは意味の違いというかは、歌の音の違いですかね。で、言ってることはほぼ、あんまり変わらないようなことじゃないですか。「仕方なくさ」と「しょうがなくさ」っていうのは。でも歌っている時の聞こえ方が全然違くて。「しかた」と「しょうが」はなんか、子音が全然違うので。なんかそこらへんの、歌った時の耳に入り方っていうんすかね? あと歌っている気持ちよさみたいな。「しょおがな……」っていうのと「しかーたなく……」っていうのが口の力の入り方が全然違うので。同じサビでも、ちょっと違く聞こえるっていうんですかね。でも、意味合いとしては同じように入ってくるっていうような、そんなバリエーションの付け方っていう感じですね。
はい。そんな感じで、それではここで聞いていただきましょう。ちょっと皆さんぜひね、Netflix『LIGHTHOUSE』、見てない方は見ていただければと思っておりますし。EP、リリースしておりますので、ぜひ聞いていただきたい。そのきっかけになればいいかなと思います。星野源で『しかたなく踊る』。
星野源『しかたなく踊る』
<書き起こしおわり>