星野源さんが2023年8月22日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で『生命体』のミキシングについてのリスナーからの質問に回答していました。
(星野源)お送りしたのは星野源で『生命体』でした。メールを読みます。神奈川県の26歳の方。「源さん、『生命体』リリースおめでとうございます。質問です。『生命体』を初めて聞いた時からずっと気になっているんですが、今回ミキシングでボーカルをあえて普段より引っ込めていますか? なんだか他の曲と比べてボーカルを目立たせていない気がしています。それはボーカル以外の音を生み出している『生命体』によりフォーカスさせたいという意味なんでしょうか? 気になって夜も眠れません」。だって。ありがとうございます。すごいねミキシングについてまで聞いてもらえるようなって嬉しいね。
これは、そうですね。わざとです。でも、ちょっと意味が違うというか。歌を1回、上げて。「いつものように」っていうぐらいのイメージでミキシングをやってみたんですけど。そうすると、全体のグルーヴのノリみたいなのが遅くなったんですよ。それって、よくあることなんですけど。歌をしっかり聞かせたいと思うとですね、やっぱり他の楽器の音を下げざるを得ないっていうか。歌がでかくなると、やっぱり同時に聞く時に他の楽器の音が小さく設定されちゃうので。あとギューッと詰めて、コンプレッションをかけて圧縮していくとですね、もう音が飽和してむちゃくちゃな音になっちゃうので。これはタモリさんのオールナイトニッポンでもお話ししましたね。そういうことになっちゃうので。
歌詞が埋没してしまうミキシング問題
(星野源)なので僕はボーカリストではないんで。音楽家なので、音楽全体を作りたいんですよ。なので、音楽全体の判断としては、歌も含めたノリみたいなものを大事にしたいので。音のノリを大事にしたいので。歌も含めた楽器全体っていうもののノリを大事にしました。それと、あと先週も言った、その歌詞を伝えるよりもフィーリングとか他のとか、歌のそういうノリとかフロウみたいなもの。あとメロディーっていうものがまず伝わって。そこから歌詞を読みたくなって歌詞を読んでくれればいいっていう、なんかそういう感じなので。いわゆる一発目で歌が伝わりすぎなくてもいいっていう。で、音が耳に入って、メロディーが耳に入って、その後に歌詞を読めば自然と歌詞がワーッと聞こえてくるので、それでいいっていう。
あと、世界陸上とか、アジア大会の本番中だったり、ニュースでガンガン流れていくっていうことになった時に、歌詞が聞こえすぎると邪魔だなと思ったんですよ。キャスターの方とかが「こういう選手がいて、こうこうこうで……」ってしゃべっている時に、歌詞が聞こえすぎない方がよくて。だからなぜサビを歌詞なしで「Ah, Ah♪」にしたかっていうと、それは言葉と重なってても嫌じゃないからなんですよね。なので、そういう意味で、自分の歌詞がある歌っていうのはそんなにガッツリ出さない。でも、ギリギリ伝わるぐらいのミキシングにしてます。はい。ありがとうございます。
星野源『生命体』
<書き起こしおわり>