鳥嶋和彦さんが2023年7月31日放送のJ-WAVE『TOKYO M.A.A.D SPIN』の中で著書『Dr.マシリト最強漫画術』についてトーク。鳥山明さんがDr.マシリトを書いたきっかけについて話していました。
（Naz Chris）今回、この『Dr.マシリト最強漫画術』の誌面のデザインをされたということで。まず表紙、やばいっすね。
（阿部亮爾）そうですね。鳥山先生が書き下ろしということで。それに関して、鳥嶋さんから……。
（鳥嶋和彦）なにが？（笑）。
（阿部亮爾）いや、この絵に至るまでっていうのは……（笑）。
（鳥嶋和彦）ああー。いろいろあってね。言えること、言えないことがいろいろあるんだけどさ。でもいろいろあって、鳥山さんとダイレクトで電話で話をして、本の中身の意図を説明して。そしたらこの構図、このキャラクターの配置がいいんじゃないか？って向こうから提案があってね。それでも2度ほど、ダメ出しましたけども（笑）。
（一同）フフフ（笑）。
（桂正和）ダメ出ししたのかー（笑）。
（Naz Chris）やっぱりTwitterとかを見てると、「令和のマシリトが見れると思わなかった」ってみんな、感動してましたね。令和に鳥山先生がマシリトを書くっていうのがすごい！っていうことで。
（鳥嶋和彦）どうですか？ 桂さん。同じ漫画家としてこのカバーは？
（桂正和）あれですね。うまいっすね。
（鳥嶋和彦）お世辞じゃない？ 無理して言ってない？（笑）。
（桂正和）あの、70%お世辞を言いました（笑）。
（鳥嶋和彦）えらい！ さすがプロ（笑）。
（桂正和）ただ俺、みんな疑問に思ってると思うんだけど。このマシリトってキャラクターって、結構漫画ナイズされてると思ってる人、多いと思うんだけど……まんまですよ？
（鳥嶋和彦）アハハハハハハハハッ！
（Naz Chris）（『ダイの大冒険』の）マトリフもそうですよね。「デフォルメ、ねえな」っていう。
（鳥嶋和彦）言っておくけどね、でもみんな、僕に無断で書いてますからね。
（Naz Chris）それは稲田先生だけじゃないですか？
（鳥嶋和彦）いやいや、マシリトも無断ですから。
（Naz Chris）えっ、そうなんですか？
（桂正和）ああ、これね、無断なんですよね。
マシリトもマトリフも無断で作られたキャラクター
ダイの大冒険ってルーラ使える人間って意外と少ないんだよね。
人間の総力が集まってる筈の地上メンバーの中に、使える人ノヴァとフォブスターしか居ないくらいだし。
つまり序盤からルーラの重要性を説いていたマトリフ師匠はやはり偉大。#ダイの大冒険 pic.twitter.com/AKN4QzblGR
— ヘーボン@漫画紹介&考察ブログ (@kaikun8078) September 24, 2022
（鳥嶋和彦）うん。それは前もどこかで言ったかもしれないけど。マッドサイエンティストの『Dr.スランプ』の会議があって。キャラクターの顔にインパクトがないんで、彼に「一番嫌なやつを思い浮かべてキャラクターを書いてみて」って言ったら、僕の顔になった原稿が上がってきたっていう（笑）。
（桂正和）アハハハハハハハハッ！ あの人らしいわー（笑）。
（鳥嶋和彦）おまけに、意図的に節目ギリギリに送ってきて。直しを入れられないようにして。わかるだろう？ この鳥山明のこの感じ？（笑）。
（桂正和）ずる賢さね（笑）。
（Naz Chris）いや、最高です（笑）。でも、それはいろいろとほら、鳥嶋さんが鳥山先生をその頃、いじめてたから、あまり何も言えなかったっていう……。
（鳥嶋和彦）いじめてたんじゃなくて、より面白いものにするためにダメ出しをしてたっていうだけで。ちなみに僕は「ボツ」っていうのは1回も言ったことがないんですよ？
（Naz Chris）と、言いますけどね。
（鳥嶋和彦）あれはだから、彼の創作だから。
（サイトーブイ）キャラクター付けがうまかったってことですね。
（鳥嶋和彦）そうね。
（サイトーブイ）ボツに近いことは言ってたわけですよね？ 単語として「ボツ」とは言っていなかったかもしれないけども。
（鳥嶋和彦）そうそう（笑）。
（Naz Chris）で、ひとつ逸話ですけど。ニコちゃん大王が誕生する時に、最初1回、鳥山さんが鳥嶋さんに「これ、新キャラクターです」って見せたけど「いまいちだから書き直して」って言われて。でも締め切りギリギリまでゲームかなんかしちゃって、「もうこれでいいや」って同じものを出したら「なかなかいいじゃん」って言われて採用になったっていう話、これは本当ですか？（笑）。
（鳥嶋和彦）それは、半分本当なの。僕はわかっていて。
（桂正和）本当ですかー？（笑）。
（鳥嶋和彦）本当、本当。で、それはニコちゃんたちだけじゃなくて、他のキャラクターも2つぐらい、あるわけよ。彼が何回も同じのを出してきているのは。だけどそれをね、いちいち締め切りの中で「今回、これをやると……」っていうのがあった時は、スルーをしてるわけ。
（Naz Chris）そうなんですか？（笑）。
（鳥嶋和彦）もちろん！
同じデザインを出した鳥山明とわかってスルーした鳥嶋和彦
おしりモチーフではDrスランプのニコちゃん大王もいたか
子供に大人気？
鳥山先生天才すぎる pic.twitter.com/KaoAibICRg— MatsuiShinya駒弐 (@ShinyaMatsui) June 21, 2023
（桂正和）僕が鳥山さんから聞いた話だと、「自信があったんで、ボツって言われたんだけど。でも、ゲームやりたいし、書き直したくないし。原稿をそのままにしておいてもう1回、同じのを送ったら『良くなってるじゃん！』って言った」って話になっていますよ？（笑）。
（Naz Chris）この話、好きだわー（笑）。
（鳥嶋和彦）編集はやっぱりね、今でもそうだけど。1週間前に見た絵コンテって、見た瞬間にパッと全部、思い出すんですよ。何の打ち合わせをどう直しを出したかって。プロだから。だけどその代わり、絵コンテの打ち合わせって1日に2回、2つぐらいしかしないわけ。だから、覚えてないはずがない。
（桂正和）本当かな？（笑）。
（Naz Chris）いや、この鳥嶋さんの性格でそれはないだろうと思うんですけどね。
（鳥嶋和彦）だから今回、桂くんに出てきてもらってしゃべるんで。やっぱり彼が高校の頃、千葉まで行って喫茶店で打ち合わせした風景って何となくね、その時の光の具合とか、覚えてるもん。やっぱり。
（桂正和）嘘ばっかり言う。千葉まで来て打ち合わせしたこと、ないよ？ 俺、いっつも神保町に行っていたんだもの（笑）。
（鳥嶋和彦）千葉、行った。連載が始まってからね。
（桂正和）いや、1回も来てない！（笑）。
（Naz Chris）これは検証したいですよ（笑）。鳥嶋さん？（笑）。
（鳥嶋和彦）たぶんね、記憶違いだと思うよ？
（桂正和）皆さん、ここから番組が始まるみたいですけど。鳥嶋さんの言うことは100、信じちゃダメですからね？（笑）。
みなさま、記念すべき初回放送、
お聴き頂きありがとうございました?これから約7日間、radikoの
タイムフリーでもお楽しみ頂けます?#maadspin 付けた感想も待ってます??放送を聴くhttps://t.co/FfYOq5srtb#maadspin#kosokoso放送局 pic.twitter.com/NJUypFqrNV
— J-WAVE TOKYO M.A.A.D SPIN (@MAADSPIN) July 31, 2023
＜書き起こしおわり＞