細野晴臣と星野源 D’Angelo『Playa Playa』を語る

細野晴臣と星野源 D’Angelo『Playa Playa』を語る 星野源のオールナイトニッポン

細野晴臣さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』にゲスト出演。星野源さんとお互いの選曲を聞き合うコーナーでディアンジェロ『Playa Playa』、スライ・アンド・ザ・ファミリーストーン『Frisky』を聞き、語り合っていました。

VOODOO

(星野源)今日はちょっとお互いに選曲をするという企画なんですが。ちょっとテーマは特にないんですが、僕はなんとなく2人で聞きたいなという曲を選んできました。ブロスで対談をさせていただいている時に前に何度かお話に出たディアンジェロを。

(細野晴臣)よく出てくるよね。ディアンジェロって(笑)。

(星野源)で、ディアンジェロって話をした時に細野さんが結構反応されていた記憶がなんとなくあって。当時、聞かれてました?

(細野晴臣)聞いてたよー。

(星野源)そうですか。2000年ぐらい?

(細野晴臣)そうそう。なんかね、みんなミュージシャンは聞いてたね。世界中で(笑)。

(星野源)ああ、そうですか。へー!

(細野晴臣)やっぱり不思議な、新しいやり方だったんだよね。当時。

(星野源)うんうん。やっぱり独特だったんですかね。なんかその音源というか、曲を……その時は特に一緒に曲を聞いたりはしなかったので、今日は一緒に聞いてみたいなと思って。

(細野晴臣)ぜひぜひ。

(星野源)じゃあ1曲目、かけさせていただきます。ディアンジェロ『Playa Playa』。

D’Angelo『Playa Playa』

(星野源)お送りしたのはディアンジェロ『Playa Playa』でした。

(細野晴臣)うーん、気持ちいい(笑)。

(星野源)気持ちいいですねー。

(細野晴臣)ズレがね。

(星野源)たまらないですね。

(細野晴臣)たまらない。マジで素敵な。うん。

(星野源)『Voodoo』というアルバムの『Playa Playa』。

(細野晴臣)そうだよね。

(星野源)こういう時は細野さんって楽器の音を聞くんですか? どこに最初にフォーカスするとかありますか?

(細野晴臣)聞く時はいつもね、なんだろう? まるごとだよね。

(星野源)ああ、全体を聞くんですね。ああ、そうなんだー。僕、いちばん最初にドラムが入ってくるんですよ。

(細野晴臣)まあ、そりゃそうかな。そうかもしれないね。リズムだよね。

(星野源)リズムが、なんか。

(細野晴臣)最初はリズムだね。もちろん。

(星野源)ああ、そうですか。なんかドラムを……僕はギターの前にドラムから始めたっていうのもあって。だからなんかビートが先に。

(細野晴臣)どう思った? これを聞いて。

(星野源)いや、なんかもう、「どうやってるんだろう?」みたいな(笑)。

(細野晴臣)真似できないよね(笑)。

(星野源)そうですね。

(細野晴臣)これはだから、ディアンジェロ自身もライブではできないよ。

(星野源)そうですね。この感じを期待してライブ映像を見ると、「あれっ?」ってなるんですよね。

(細野晴臣)まあ、悪くないんだけどね。ライブも素晴らしいんだけど。これは無理だろう。だってファイルをずらしてるんだから(笑)。

(星野源)そのずらし方が絶妙で神がかっているというか。

(細野晴臣)この人が初めてやった。だから、その後はこの人、作れないよ。作りにくくなって。みんなが……。

(星野源)あ、そうですよね。だから15年ぐらい、次まで空いちゃったという。

(細野晴臣)みんな、「なにをやるんだろう?」って期待しすぎちゃう。

(星野源)いやー、一緒に聞けてうれしかったです。

(細野晴臣)よかったね。久しぶりに聞いてね。入り込んじゃうね。これ。

(星野源)そうですね。なんかグーッと入り込んじゃいますね。2人してニコニコしながら聞いてましたね。しばらく(笑)。じゃあ、次。細野さんの方の選曲をお願いします。

(細野晴臣)さっきね、「星野くん、なにかけるの?」って聞いて、「ディアンジェロ」って聞いて。「そうなんだ……」と思って。その場で、「じゃあ……」と思って。スライを……。

(星野源)ああー、いいですねえ!

(細野晴臣)スライ・アンド・ザ・ファミリーストーン。これもよく聞いていたんですね。20代の頃に聞いていたね。

(星野源)これってリアルタイムですか?

(細野晴臣)リアルタイムで。当時ね、洋楽があんまり面白くなくなっていた時代で。まだキャラメル・ママ、ティン・パン・アレーっていうのをやっていた頃で、僕はベーシストですよ。

(星野源)まだ20代ですか?

(細野晴臣)うんうん。

(星野源)そうか。だから70年代?

(細野晴臣)そう。70年代の後期の方で。だからちゃきちゃきのミュージシャンというかプレイヤーだったから、そういう音楽もやっていたんだけど、いいものがあまりなくなってきて。で、違う音楽を聞いていたんだけど、ある日ラジオで「なんだ、これ?」っていうのがかかったのがスライだったわけ。『Fresh』っていうアルバムの『In Time』っていう曲がね、よかったんで。そのアルバムを買って、この曲がいちばん好きっていうのをいまからかけます。『Frisky』。

Sly & The Family Stone『Frisky』

(星野源)お送りしたのはスライ・アンド・ザ・ファミリーストーンで『Frisky』でした。最高ですね。

(細野晴臣)最高でしょう?

(星野源)最高です(笑)。

(細野晴臣)流れが良かったね。ディアンジェロから。

(星野源)そうですね。最高に気持ちがいい。

(細野晴臣)なんか「楽しい!」って言っていたね、いま。

(星野源)楽しい(笑)。これがいま、日本全国に流れていると思うとたまらないですね(笑)。だからもう、中学生の子とかも聞いているし。いろんな年代の……それこそ、60代の人も聞いているしっていうラジオでこういうのが流れるのは最高ですね。

(細野晴臣)ラジオで僕も中学の頃に聞いていて「うわーっ!」と思って興奮したりしていたから。興奮している中学生がいるんじゃない?(笑)。

(星野源)そうですよね。しかも、やっぱりいま改めてスライを聞くと、キャラメル・ママとかティン・パン・アレーで細野さんが弾いていたベースのプレイとか楽曲の雰囲気とか、すごく反応されている部分があるんだなって。あと、小坂忠さんの『ほうろう』とか。

(細野晴臣)ああ、すごい影響されてますね。

(星野源)僕は『ほうろう』の方が先なんですよ。『ほうろう』を聞いて「やべえ、なにこれ!?」ってなってからのスライなので。

(細野晴臣)なるほどね。

(星野源)そうなんですよ。だから、逆にたぶんスライが先だと、ディープすぎたかもしれないですよね。

(細野晴臣)ああ、そうかも。これはディープだよ。本当に。

(星野源)そうですね。だから『ほうろう』を聞いて日本語でソウルをっていう。

(細野晴臣)入りやすいよね。

(星野源)あの頃って一緒に作られたりしていましたもんね。小坂さんと曲を。

(細野晴臣)そうね。よくやっていた。みんなも好きだったしね。

(星野源)あのアルバムって細野さんがプロデュースだったんですっけ?

(細野晴臣)そうです。はい。

(星野源)やっぱりソウルをやろうという?

(細野晴臣)もう、いちばん面白かった。ソウルが。どちらかと言うとファンクだね。うん。

(星野源)それはスライを聞いたり、その時の海外のがありつつっていう感じだったんですか? それとも、自分の中のムーブメントみたいなのが?

(細野晴臣)いや、やっぱりそうだね……もうごっちゃ混ぜ。自分と外がね。内と外が分け隔てなくっていうか。

(星野源)いやー、いいですねー。

(細野晴臣)うん。楽しかったね。たしかに。

(星野源)ありがとうございます。それを聞いて、高校生の時の僕が興奮していたので。本当にあの時はありがとうございました(笑)。

(細野晴臣)いやいやいや、やっぱり音楽を聞いて興奮するっていいね。

(星野源)いいですよね。

(細野晴臣)じゃあ、また別の興奮をしたいので、一度CMに行ってからまた次の選曲に行きたいと思います。

<書き起こしおわり>

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