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星野源・高橋芳朗『Family Song』全曲徹底解説対談

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星野源さんと音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で星野さんの最新シングル『Family Song』について深掘り。全4曲を徹底解説していました。


(星野源)『星野源のオールナイトニッポン』、今夜のゲストをご紹介しましょう。音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんです。

(高橋芳朗)こんばんは。よろしくお願いします。

(星野源)ブースに入ってまず、TENGA貯金箱に反応していただいて。

(高橋芳朗)そうですね。握ってしまいましたね。

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TENGA貯金箱


(星野源)よかったら1個、お持ち帰りください。

(高橋芳朗)あ、わかりました。ありがとうございます。

(星野源)これはもう(放送日が)月曜時代に作っちゃって「Every Monday」って書いてあるのにまだまだ在庫がありますんで。早く捌けたいので(笑)。

(高橋芳朗)わかりました。いただいておきます。って、こういうことをやっていると時間がなくなっちゃうという(笑)。

(星野源)そうなんですよ。でも、ここからは割とダラッとして大丈夫なんで。で、高橋芳朗さん、いつもお世話になっております。

(高橋芳朗)お世話になっております。こちらこそです。

(星野源)プロフィールをちょっと読ませていただくという、なかなかやっていないことをやらせていただきます。1969年生まれ……なんですね。

(高橋芳朗)そうなんですね。

(星野源)ああ、そうなんですね。東京都港区のご出身。あ、これいいな。プロフィールを読むの、なかなかやったことがないんで。僕。いいなあ。タワーレコード発行のフリーペーパー『bounce』……最初、『bounce』だったんですか。

(高橋芳朗)『bounce』の編集部にいたんですよ。

(星野源)へー! ヒップホップ・R&B専門誌『blast』編集部を経て、2002年からフリーの音楽ジャーナリストになられます。エミネム、ブラック・アイド・ピーズ、カニエ・ウエスト、ビースティ・ボーイズらのオフィシャル取材の傍ら、マイケル・ジャクソンやレディ・ガガなどのライナーノーツも手がけてらっしゃいます。前作の『恋』から高橋芳朗さんに曲の解説をしていただきつつ、あと、あれですよね。『YELLOW VOYAGE』の初回限定盤のブックレットの中に……。

(高橋芳朗)ライナーノーツを。

(星野源)書いていただいて。ありがとうございます。それがもう本当に名作というか、名解説! いろんな人に読んでほしい。

(高橋芳朗)ありがとうございます。もう本当に、めっちゃくちゃプレッシャーを受けながら書きましたけどね。はい(笑)。

(星野源)いや、本当にいつもありがとうございます。

(高橋芳朗)僕も本当、ニワカなんでね。全然。

(星野源)そうですか。

(高橋芳朗)そうですよ。『Snow Men』新規とか、そういう感じですからね。

(星野源)あ、そうかそうか。そうだ。『Snow Men』についても今日、あとで語っていただきましょうか(笑)。

(高橋芳朗)そんな時間、あるのか?っていう感じですけども(笑)。

(星野源)あと、TBSラジオさんの方でも高橋芳朗さんも番組を持たれていますから。僕も安心していますから。主導でぜひ(笑)。

(高橋芳朗)そんな(笑)。投げないでください!

(星野源)その番組のプロデューサー、橋本(吉史)プロデューサーがもうここにいますからね。

(高橋芳朗)今日は僕のマネージャー役で(笑)。

(星野源)(笑)。橋P~! オッス~! どうも~。ゲーム、買いに行く? また。

(高橋芳朗)そうですよね。深夜に一緒にゲームを買いに行ったんですよね。

(星野源)そうです。買いに行って。友達っていう感じなんですけどね(笑)。


(高橋芳朗)僕より舞い上がってますからね。あの人ね。

(星野源)楽しそうですね(笑)。楽しそうだなっていう。じゃあ、そんな感じで。でも、「出会い」って書いてあるけど、出会いってなんだっけ?

(高橋芳朗)僕がですね、そのTBSラジオのある番組で勝手に『YELLOW DANCER』の楽しみ方みたいなことをやったんですよね。

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(星野源)そうかそうか。

(高橋芳朗)それがちょうど、星野さんが同じTBSラジオのライムスター宇多丸さんの番組に出る直前で。で、「そういう話をしたのなら、高橋芳朗もスタジオに来れば?」みたいな話から。

(星野源)そうだそうだ。そうでしたね。来ていただいたんでしたっけ?

(高橋芳朗)その時には行ってなかったんですけど、でも、それがきっかけになってその星野さんから『YELLOW VOYAGE』の……。

(星野源)そうですね。その前? その後でしたっけ? お食事に……。

(高橋芳朗)『YELLOW VOYAGE』をやる前に食事をして、いろいろとお話を聞いて。その時はめっちゃプレッシャーで、脇汗ダラッダラでしたね。

(星野源)そうですか(笑)。

(高橋芳朗)いや、だってもうね、「下手な原稿書いたらお前、許さないぞ!」みたいな圧を浴びながら、こう……。

(星野源)そんなことないですよ(笑)。そんな圧を僕、浴びせたことはないじゃないですか。

(高橋芳朗)失礼いたしました(笑)。すいません。「高橋さんの解説について思うことは?」って書いてありますよ。

(星野源)すごいですね。隣りにいるメガネの方が書いて。いや、素敵ですよ(笑)。

(高橋芳朗)(笑)。さっき電話で話した時、もっといい感じで言ってくれてたじゃないですか(笑)。

(星野源)いや、なんて言えばいいのかわからないですけど。なんていうか、本当に音楽っていうものを詳しくない人にも、感覚でもちゃんと届く言葉と、あと詳しい人にも納得の文章っていうのをダブル路線でどっちもハイブリッドに書かれる方というか。で、しかも自分の言葉で全部書かれるという感じが僕、すごく好きで。

(高橋芳朗)おっ、ありがとうございます。

(星野源)なんか、自分の言葉で書かれない人って結構多いなと思っていて。借り物の言葉というか。そうじゃなくて、自分が通ってきた音楽とか、あと自分の感覚で物事を書かれる人が僕はすごく好きなので。芳朗さんはそんな方だなと思っております。

(高橋芳朗)ありがとうございます。みなさん、聞いてますか?(笑)。

(星野源)あ、なんかね、いろいろと質問が来ているんですよ。

(高橋芳朗)でも、全然……時間があれば本当に。

(星野源)じゃあ、兵庫県の方。(メールを読む)「高橋さんに質問です。はじめて音楽家・星野源を知ったのは何の曲でしたか?」。それがあれですよね。『Snow Men』?

(高橋芳朗)でも、最初に知ったのは『Sun』とかですね。いかにニワカかっていうのがわかると思うんですけど(笑)。

(星野源)(笑)。いやいや、「ニワカとか、ない」って僕は前から言っていますから。

(高橋芳朗)おっしゃっていただいているんで、僕も安心して。

(星野源)時間……長さじゃないので。ファンというのは、好きかどうかだと思うので。

(高橋芳朗)でも本当に、『Sun』ももちろん好きだったんですけど、まあ『Snow Men』で本当にぶっ飛ばされて。「これはもう、しゃべらせてほしい!」って。それで勝手にしゃべっちゃいましたね。

星野 源『Snow Men』



(星野源)それ、すごいうれしかったです。『Snow Men』って僕は、「これ、すごくやりたい! でも、伝わるかどうか、わかんない」っていう感じで作ったんですよ。で、ネオ・ソウルっていうジャンル……ネオ・ソウルっていうジャンルって何年ぐらいからできたものなんですか? ニュー・ソウルっていう言い方もあるし、ネオ・ソウルっていう言い方もあるじゃないですか。

(高橋芳朗)ニュー・ソウルっていうのは70年代のソウルですね。新しいソウル。で、そういうニュー・ソウルとかをヒップホップのフィルターを通して改めて再解釈したのがネオ・ソウルっていう感じですかね。で、やっぱりディアンジェロとかエリカ・バドゥとかが起点になって。その前のトニー・トニー・トニーとかからね。

(星野源)トニー・トニー・トニーねえ。90年代ぐらいから?

(高橋芳朗)90年代初頭……93、4年とかかな?

(星野源)そうですよね。そういう音楽が僕がすごく好きで。それを自分のフィルターを通して日本の歌としてやりたいなという風に思っていたんですけど。それが、すごくやっぱり楽曲を作っているとすごく集中して作るので、どの程度伝わるものなのか?っていうのがわからなくて。でも、そういう音楽の専門家というか、ずっと聞かれていて、どんな感じだったのかな?っていうのがものすごい……。で、反応してくれてすごくうれしかったというか。

(高橋芳朗)なんか、どなたかのツイートで見たと思うんですけど。「ディアンジェロみたいだ」みたいな。で、聞いてみたら、「うわっ、すげえ! ディアンジェロをこういう形でJ-POPとして表現することができるんだ!」って本当にぶっ飛ばされて。

(星野源)ああ、よかった。

(高橋芳朗)で、いろいろと調べていったらもう昔からいろんな実験を重ねていって。それでようやくこのサウンドを手に入れたんだっていうドラマもあったりして。そこでまたグッと来てしまったりして。

(星野源)そうですね。シングルのカップリングでいっぱいいろいろと試していましたね。

(高橋芳朗)その流れを『YELLOW VOYAGE』のライナーノーツで書いたんですよ。

(星野源)でも、あれですよね。いまネットとかに載っている解説にもちょろっと書いてくれたりもしましたよね。なので読んでいただければと思います。

(高橋芳朗)はい。ぜひチェックをよろしくお願いします。

(星野源)じゃあ、今夜はそんな話もありつつ、今月発売しました僕の最新シングル『Family Song』について生で解説していただりたり、ダラダラとしゃべったり。

(高橋芳朗)関連曲をかけながら、ダベりまくるみたいな。

(星野源)いいですねー。

(高橋芳朗)これがやりたかったんですよ!

(星野源)やりたかったですよね。6時間ぐらいしゃべりたいです(笑)。

(高橋芳朗)いつもLINEで曲をやり取りとかしてるじゃないですか。それをちゃんと、顔を突き合わせてやりたかったんですよね。

(星野源)その感じをね。それ、いいですよね。音楽を持ち寄って、ラジカセとかで流しながらしゃべるみたいな。お菓子とかを食べながら(笑)。

(高橋芳朗)お菓子! お菓子の方がいいですね。ご飯とかよりもね。

(星野源)ご飯もいいですけどね(笑)。お酒とか飲みながら。

(高橋芳朗)いろいろやりましょう。

(星野源)じゃあ、まず『Family Song』を1回聞いてもらうっていうのはどうでしょうかね。

(高橋芳朗)そうですね。そうしましょう。

(星野源)それじゃあ、私、星野源の最新シングル。もう発売中でございます。『Family Song』、どうぞ。

星野 源『Family Song』



(星野源)はい。お送りしたのは星野源最新シングル『Family Song』でした。

(高橋芳朗)素晴らしいですね。まだ、あれですよね。ライブでは演奏していないですよね?

(星野源)そうです。ライブでは。

(高橋芳朗)スタジオライブっていう形では?

(星野源)たとえば音楽番組は僕、どんどんやろうと思っていて。それはあるんですけど。

(高橋芳朗)どうですか? 実際に演奏してみて改めて気づくことってあるものなんですか?

(星野源)でも、客前ではやっていないんですよね。いわゆる収録番組ってお客さんがいないことが多いんで。『ミュージックステーション』だけでしたね。今回。しかも、セットの都合上というか、お客さんが前にいない状態のセットだったんです。僕の時は。いろんなパターンがあるんですけど、お客さんが前にいる時もあるし、いない時もあって。なんで、あんまり「ライブでやっている」っていうよりは「カメラに向かって、テレビの前の人に向かってやっている」っていうイメージだったんですけど。

(高橋芳朗)でも、ライブでやることによってまたちょっと違う表情を持てる曲なのかなっていう気はしますね。

(星野源)変わってくるだろうなっていう感じもしますね。なので、今度のさいたま(スーパーアリーナ公演)ではやるので。それが楽しみですね。どんな感じになるのか?っていうのが。

(高橋芳朗)期待しております。

(星野源)ありがとうございます。今日は『Family Song』の話をしながら、いろいろと曲を聞いたりしていこうっていう。

(高橋芳朗)やっていきましょうか。じゃあちょっと、いいですか。最初に『Family Song』と一緒に聞きたい曲として紹介したいのが、アル・グリーンの『Let’s Stay Together』っていう1971年の曲なんですけども。

(星野源)最高ですね。

(高橋芳朗)いいですよね。『Family Song』を気に入った人におすすめしたいソウル・ミュージックとしては、結構僕はこれが真っ先に思い浮かんだというか。

(星野源)ああ、そうですか。へー。

(高橋芳朗)で、星野さんもモチーフのひとつとして、アル・グリーンとかマーヴィン・ゲイとかは名前が出ていましたよね。

(星野源)そうですね。

(高橋芳朗)結構、ほっこりあったかいソウル・ミュージックというか、そういう感じだと思うんですけど。で、アル・グリーンって主に1970年代に活躍したソウルシンガーで、たとえばマーヴィン・ゲイっていう人とかバリー・ホワイトっていう人みたいに結構ロマンティックなソウル・ミュージックの代名詞な人ですかね。

(星野源)『Let’s Stay Together』も本当に甘いラブソング。

(高橋芳朗)結構向こうでは「Baby Making Music」って言われるんですよ。

(星野源)あ、「子作り」!

(高橋芳朗)子作り音楽。

(星野源)いいですねえ。

(高橋芳朗)そうなんですよ。前にバリー・ホワイトのインタビューを読んだんですけど、バリー・ホワイトとかは街とかを歩いていると、ファンから「おい、バリー! お前のせいでまた子供できちまったよ!」って言われるらしいんですよ(笑)。

(星野源)(笑)。いいですねー!

(高橋芳朗)いい話ですよね!

(星野源)いい話! 本当に甘いっていうか。

(高橋芳朗)そう。ただ、そんな中でもアル・グリーンは割と童貞フレンドリーというか。マーヴィン・ゲイとかバリー・ホワイトはもう、「ビショビショじゃねえか!」みたいな、そういう感じなんですよ。言ってみれば。

(星野源)(笑)。ごめんなさい。いま、ちょっとポン出しの音声が……今日はブタ野郎のコーナーがないんで、ポン出しの(安元洋貴さんの)「ビショビショじゃねえか!」がないんで。すいません。鳴らしたかった……。

(高橋芳朗)星野さん、さっきもおっしゃっていたアル・グリーンの『Let’s Stay Together(一緒にいよう)』。たとえば、マーヴィン・ゲイだと同じ「Let’s」でも『Let’s Get It On』なんですよね。「乗っからせてください」っていう。



(星野源)うんうん。なるほど。

(高橋芳朗)それに対してアル・グリーンは『Let’s Stay Together』。ちょっとプラトニックな感じで。

(星野源)そうですね。なんかちょっとアル・グリーンって人生も壮絶じゃないですか。なんかでも、そのプラトニック感もその後の職業……いわゆる音楽じゃなくなった後は牧師になって。そういうところも含めて、性格が出ている感じがありますよね。

(高橋芳朗)じゃあ、聞いてみましょうか。アル・グリーンで『Let’s Stay Together』です。

Al Green『Let’s Stay Together』



(星野源)はい。お送りしているのはアル・グリーンで『Let’s Stay Together』です。

(高橋芳朗)この時間帯に聞くとまた、たまらないものがありますね。

(星野源)ねえ。最高です。この感じ、最高。曲を聞きながら、ただただしゃべるっていう。いいわー(笑)。

(高橋芳朗)でもアメリカのソウル・ミュージックって地域ごとに結構特色があって。アル・グリーンっていうのはアメリカの南部のソウル・ミュージックで。都市部の、たとえば北部のデトロイトとかシカゴとかニューヨークとかに比べると、アメリカ南部のソウル・ミュージックっていうのは割とシンプルで朴訥で、ちょっと泥臭い、洗練されきっていないところがあるんです。で、アル・グリーンのサウンドとかはまさにその極みみたいなところがあると思うんですけど。だからこんなシンプルな、素朴な音を星野さんがシングルの表題曲として、ドラマの主題歌として、J-POPとして落とし込もうとしていた。モチーフとしてあったっていうことがまず結構僕、衝撃だったんですけど。「これは!」っていう。

(星野源)うんうんうん。アル・グリーンはしかも、僕はこの曲がいちばん好きなんですよ。で、『Let’s Stay Together』は『YELLOW DANCER』ぐらいの頃にブームがまた来てよく聞いていたんですけど。なんかその感じは『YELLOW DANCER』にはなんとなく入らなかったんですよ。で、なんかいまになってもう1回来たみたいな感じもありつつ。で、この曲ってすっごいドライなんですよ。響いてないんですね。なのでその響いてなさも含め好きで。「ドッドドタッ、ドドッ、ドッドドタッ♪」っていうのが。で、たぶんその「ドッドドタッ♪」の「ドッドド♪」はたぶんコンガの広い方を鳴らさないで、(机を叩いて)ってやっているだけだと思うんですけど。

(高橋芳朗)うんうん。

(星野源)もしくはジャンベみたいなやつをこうやってたぶん、(机を叩いて)やっているか。楽器は定かではないんですけど。なんかその感じも含め。あと、これは実は意識していなかったんですけど、この曲ってことを意識していたわけじゃなくて、「シンバルを入れてない」っていう話はよくしていたんですよ。『Family Song』で。ライドシンバルとクラッシュシンバルを入れていないんです。で、この曲って改めて聞いたんですけど、ライドはイントロで「チーン、チンチンチーン♪」って入っているんですよ。で、クラッシュシンバルは真ん中に1回だけ入るんです。それ以外、全部入らなくて。なんかその感じもすごく好きだし。響いていかない感じっていうの? なんか発散しない感じっていうか。

(高橋芳朗)そうですね。

(星野源)全部こう、タイトル通りですけど。「ステイ」していくっていうか。その感じが、「ずっとそばにいる」っていう感じが音的にもするし。そういうものも含めて、僕はこの曲を再現しようとして『Family Song』を作ったわけじゃなくて、ソウル・ミュージックの中にあるシングルが鳴っていないイメージっていうものをすくい出して入れたいなと思っていて。その中に、漠然とアル・グリーンとか。で、シンバルが入っている曲ももちろんいっぱいあるんですけど。その中でも入っていない感じのをなんとなくイメージしながら曲を作ろうと思っていて。

(高橋芳朗)うんうん。

(星野源)で、楽曲をレコーディングする前に、そのアレンジの作業をしている時に「ああやってください、こうやってください」っていう時には「アル・グリーン」って言わないんです。そうすると、すぐにイメージができちゃうじゃないですか。そうじゃなくて、ミュージシャンの中で日本人として出てきてほしいので。なんて言うか、真似したくはないので。ミュージシャンにはモチーフ先を言わないように。

(高橋芳朗)ワードを出しちゃうと、そうですよね。それっぽく叩いちゃいますもんね。

(星野源)そうなんです。だから、「誰々のあの曲」とか言わないようにしているし、自分もあんまりそう思わないようにしているっていうか。その中で、ドラムのカースケ(河村智康)さんが大サビのところで、僕は違うビートをお願いしていたんですけど、たまたまやったビートが、(机を叩いて)これだったんですよ。で、それをやった後に、「これ、アル・グリーンみたいだね」ってカースケさんが言ったんですよ。

(高橋芳朗)おおーっ!

(星野源)「しめしめ!」みたいな。「キターッ!」みたいな。

(高橋芳朗)(笑)。すごいっすね、それも。あ、ミラクルだ。

(星野源)そういうのがあって。「それ、じゃあ採用で」みたいな、そういうのがあって。だからそういうのはすごい楽しいんですよね。で、その「とにかく響かせないように」っていうのも僕は迷っていて。響かせたくない。ビンテージエフェクトで「ファーッ」みたいなのにしたくないっていうのはあったんだけど、でもそういうのをしないとこのソウルな感じって出せないんじゃないかな?っていう危惧があって。でも、その中で渡辺省二郎さんっていうエンジニアの方が「これ、響かせたくないんだよね」って言ってくれて。「でも、そのチャレンジってすごい難しいと思うんだけど、やってみよう!」って言って。で、『Family Song』のあの響きの感じができたという感じなんですよ。

(高橋芳朗)みなさん、そのコンセプトを割とすぐに察知したというか?

(星野源)そうですね。「ソウルの感じをエフェクトに頼らないでやりたいんだ」みたいな話はしていたので。で、記号で真似したくないっていう話は……「ウッドブロックとか使って2-4でポーン、ポーンとかは入れたくないんだ」みたいな話はしていたので。で、あとそういうのにもう慣れているメンバーなんで。『YELLOW DANCER』の時からずっとそれはやってたから。同じメンバーなので。だからツーカーというか、すぐにわかってくれるっていう。本当に素晴らしいバンドメンバーと一緒にこれができてよかったですね。

(高橋芳朗)たしかにでもこれ、J-POPとかを聞き慣れている人からしたら、そのパーカッション。アル・グリーンの曲。ちょっとやっぱりくぐもっているというか、スプリングがゆるいというか。なんかすっきりしない感じがするんじゃないかなっていう気はするんですけどね。

(星野源)でも、僕にとってはすっごいタイトに聞こえるんですね。「ドッドドタッ、ドド、ドッドドタッ♪」っていうのが。そのタイトな感じっていうのをどうしても伝えたいっていうか。ダラダラやっているわけじゃないんだっていう。で、太鼓って普通に叩いたらあの音には絶対にならないんですよ。で、すっごいミュートして、いろんなものを張って音を止めないとああいう音にはならないので、そう作っているんですよね。

(高橋芳朗)うんうん。

(星野源)だからそれは意図的にやっているわけであって、そういう環境で適当になったわけではないということなんですよね。それをこう、いまの環境で一から作りたいっていうのはすごくありました。

(高橋芳朗)うん。じゃあ、次の曲に行きますか。

(星野源)はい(笑)。

(高橋芳朗)この調子で話していたら、大変なことになりますよ。

(星野源)これは、どうしよう。これは大変ですよ。

(高橋芳朗)あ、ちょっと大変なことになっているんですか?

(星野源)もうすでに大変なことに?(笑)。じゃあ、1回CMを挟みましょうか。CM、どうぞ!

(高橋芳朗)(笑)

(CM明け)

(星野源)改めまして『星野源のオールナイトニッポン』です。今夜はゲストに来ていただいております。音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんです。

(高橋芳朗)こんばんは。よろしくお願いします。

(星野源)今日は芳朗さんと一緒に星野源のニューシングル『Family Song』について語るというスペシャルなんですが……もう1時台のCMは全部行ったんで、あとは心置きなくしゃべれるんですが、この感じで行くと「イントロクソやべえ」(のコーナー)をやろうと思っていたんですが、できなそうです。

(高橋芳朗)吹っ飛びましたね。

(星野源)すいません。近々、来てください。

(高橋芳朗)4曲選んだんで。渾身の。

(星野源)そうなんですよ。なんで、来週とか(笑)。

(高橋芳朗)本当ですか? 本当ですか? 大丈夫ですか?

(星野源)来月とか(笑)。近々、ぜひ。

(高橋芳朗)よろしくお願いします。全然来ますんで。

(星野源)ありがとうございます。リアクションが来ております。大阪の19才女性の方。(メールを読む)「私は昔の音楽に興味はあるのですが、どれから聞いたらいいのかわからなかったり、まだなかなか踏み出せない状況だったので、『Family Song』に関わる60年代、70年代などの曲を聞けてめちゃめちゃ楽しいです。もっと教えてください、高橋さん!」ということです。

(高橋芳朗)ありがとうございます。

(星野源)東京都の方。(メールを読む)「今日のラジオ、最高です。中学生の時のワクワクしながらラジオを聞いていた頃を思い出しました。好きなミュージシャンからどんどん新しい音楽がつながっていく感じ。そして大好きなソウルの話。聞いているだけでも世界が広がっていきます。楽しいです」ということです。ありがとうございます。

(高橋芳朗)でも星野さんはインタビューとかで結構ヒントをいっぱい出してくださるから、ルーツを追いやすい人だとは思いますけどね。

(星野源)そうですね。今回は特に、言った方が楽しいだろうなとは。あんまり解説って、どうしてもやっぱり手前味噌な感じがしちゃうので。自分で言うのはどうしても、恥ずかしいっていうか気がひけるというか。うーん。なんかな……っていうのはあるんですけど。でもやっぱり、今回の特にこの曲とあとこのシングル全体は言った方がいろいろといいだろうなっていうか。いま、音楽を……「アップテンポの曲とバラードの間が本当はもっとあるんですよ」っていう話とかも含めて、そういう耳を拡張するっていうか。

(高橋芳朗)うんうん。

(星野源)っていうのも、せっかくラジオをやっているから、曲をかけたりもできるしっていうのも含めて、話した方がいいだろうなと思って。

(高橋芳朗)じゃあ、行っておきましょうか。

(星野源)『Family Song』でまだ2曲、あるんで。

(高橋芳朗)さっきはアル・グリーンの『Let’s Stay Together』で『Family Song』のサウンド面にスポットを当てたんですけど、今度は歌詞というか、メッセージ面にフォーカスしてみたいと思います。で、紹介したいのはアメリカのヒップホップアーティストでマックルモア&ライアン・ルイスっていう白人のヒップホップデュオですね。その『Same Love』っていう2012年の作品です。これはLGBT。同性愛だったり同性婚に理解を求めるメッセージソングで、タイトルの『Same Love』にもあるように、「どんな愛も等しく尊いものである」というメッセージを歌っているんです。だから星野さんの『恋』だったり今回の『Family Song』とかにも通底するメッセージを持った曲と言えると思います。じゃあ、聞いてください。マックルモア&ライアン・ルイスで『Same Love』です。

MACKLEMORE & RYAN LEWIS『SAME LOVE feat. MARY LAMBERT』



(高橋芳朗)はい。マックルモア&ライアン・ルイス『Same Love』を聞いていただいております。

(星野源)イントロからいいですね。

(高橋芳朗)染みますね。まあ、メッセージもそうだし、星野さんのアーティストとしてのスタンスみたいな話にもなるかもしれないですけど。『Family Song』を通じてちょっとした衝撃的な体験があって。『Family Song』のWEBに載っている解説にも書いたんですけども。

(星野源)星野源の公式サイトに載っているやつですね。

(高橋芳朗)僕の3才になる娘が『恋』をきっかけにして星野さんの大ファンになって。で、『Family Song』のミュージックビデオがリリースされた時に、真っ先に見せたんですよ。そしたらもうすごい気に入って、「星野さんのお母さんのやつ、見せて!」って来るわけですよ。で、見せていたら、星野さんが女装して歌っている姿を見て、すごい不思議そうな顔をして。聞いてくるんですよ。「なんで星野さんはこういう女の人の格好をしているの?」って聞いてくるんですね。で、これはなんて答えればいいんだろう?って思ったんですよ。

(星野源)ああ、うんうん。

(高橋芳朗)で、そこで僕が答えたのは、「男の子が女の子の格好をしてもいいし、女の子が男の子の格好をしてもいいんだよ」って。そしたら、なんとなく納得して。「じゃあ、男の子がお化粧してもいいの?」みたいなことを言ったりしていたんですよ。

(星野源)うんうん。素敵なやり取りですね。

(高橋芳朗)だから、まさか3才の子供とこんなやり取りを行うことは思ってもみなかったというか。めちゃくちゃ衝撃だったんですよ。だから、ちょっと親バカかもしれないですけど、彼女はこれでLGBTの理解のもしかしたら入り口に立ったのかな?って思って。それがすごい僕の中でめっちゃ衝撃で。

(星野源)それは、すごいよかったです。

(高橋芳朗)で、星野さんはいま、自分の歌がまあ、『恋』のヒットもあってどういうところまで届くか?っていうのもよくお分かりになっていると思うんですよ。でも、前にインタビューした時にお話をされていたように、「大衆に向けてレベルを下げる必要はないんだ」っていう風に言っていましたよね。

(星野源)そうですね。『恋』の時に。まあ、それまでもそうですけど、そういうことは一切していないのに、ものすごい広がり方をしたので。なんていうか、「大衆に合わせる」みたいな言い方ってあるじゃないですか。で、それっていっつも「レベルを下げる」っていう言い方として使われるんですけど、そんなに大衆ってバカじゃないっていうか。センスっていうものをそれぞれに持っているはずだから。で、それは自分が「面白え!」って思ったことを全力で作った『恋』がワーッと広まったので、それは必要ないんだなって改めて思ったという。

(高橋芳朗)それが、3才の娘とのやり取りを通じてちょっと実感できたというか。いや、3才の子にも表現がシャープだったら何かしらのフックを与えられるんだなっていうのをすごい思ったんですよ。

(星野源)それはよかったです。だから僕、そうですね。いまやっぱり、あれは楽しいミュージックビデオを作りたいっていうのがまずあって。リズムが伝わるような、っていうのがあったんですけど。あれが面白いものとして受け入れられているのもあるし、なんか楽しいし、多幸感があるっていうのがいいと思うんですけど、格好については早く疑問がなくなればいいと思うんですよね。あれが普通になればいいのにとすごく思っていて。「当時、これは結構衝撃的だったんだよ」って言えるぐらいに早くなってほしいなと思う。

(高橋芳朗)うん。

(星野源)で、この『Family Song』もそれを声を大きくして訴えたいっていうことじゃないんですよね。「そういう風に、世界を変えていこう」じゃなくて、「もう、そうなんだって」っていうことを。で、それを前提に曲を作りたいなと思ったんですよこれがスタンダードで、いまの時代の家族の歌だし、それを、「変えよう」っていう風に訴えていくんじゃなくて、それはもうすでにいろんな家族の形があって。同性の両親と、そこに子供がいるっていうことも普通になってくるだろうし。あと、家族がいない人に向けて。一人暮らししている人もそうだし。でも、友達とか、あとペットとか動物とかもそうだし。そういうのも含めて。あと、これはラジオでも言いましたけど、血がつながっているからといって「家族」って思わなくても僕はいいと思っていて。本当に愛がある人を家族だと思えばいいと思うんですよね。だからそれも含めて、いまの価値観を内包した曲を作りたいなと思って。

(高橋芳朗)うん。

(星野源)そうじゃないと、その時だけの曲になっちゃうので。ずーっとこの先、家族の歌にやっぱりしたいなと思うので。だから、そういうのも届いたっていうか。エッジをきかせているつもりは全然ないんですけど。エッジはなるべく削ぎ落としているんですけど(笑)。でも、そういうのにも引っかかってくれる……エッジをきかせたつもりはないんだけど、引っかかってくれるっていうのはすごくうれしいし、よかったなと思いました。改めて。

(高橋芳朗)あと、星野さんは「これからの歌」とも言っていたじゃないですか。だから本当にこれからの歌なんだと思いましたね。だから、彼女……3才の子とかが未来ではこれがスタンダードになるんだっていう意味で、本当にこれからの歌だとは思いましたね。教えることができたなっていう。それは本当に……。

(星野源)その芳朗さんの答えがいちばんいいですよね。「男の子が女の子の格好をしてもいいし、女の子が男の子の格好をしてもいいんだよ」っていうのが。本当にそれだと思います。

(高橋芳朗)それは本当に自分でも衝撃的であり、ちょっと感動的な体験だったので。本当にありがとうございますっていう。

(星野源)いや、こちらこそ。いいお話をありがとうございます。

(高橋芳朗)「星野め!」とも思いましたけどね(笑)。

(星野源)なんで!?(笑)。ライムスターのみなさんがこぞって言う名セリフ(笑)。

(高橋芳朗)「星野め!」(笑)。「ウチの娘に!」って(笑)。

(星野源)さっきもね、ちょっとCM中にお話していましたけども、『YELLOW DANCER』をリリースした頃に宇多丸さんに「星野め!」って言われたことが……「いま、ニューアルバムの構想があって。先にやりやがって!」みたいな。で、「星野め!」って言っていた理由がこれからニューアルバムが出るということで、非常によくわかったっていう(笑)。


(高橋芳朗)ライムスターは本当にブラック・ミュージックをどう日本で音楽として落とし込んで行くか?っていうことに腐心してきたグループなんで。星野さんの高みがきっとわかるんですよね。

(星野源)みなさん、聞いてくださいね。ライムスターのニューアルバム。素晴らしいので。



RHYMESTER『ダンサブル(初回限定盤A)(Blu-ray Disc付)』

(高橋芳朗)そんなところですけど、星野さんも1曲選んでいるんですよね?

(星野源)そうなんです。すいませんね。これは……。

(高橋芳朗)これはヤバいことになっていますね。

(星野源)ヤバいぜー(笑)。でも、楽しいな。これ、楽しいですね。

(高橋芳朗)めっちゃ楽しいです!

(星野源)非常に楽しいです。音楽をかけながらね。で、いまの『Same Love』っていう曲も和訳とかも絶対にネットに転がっていると思うので。

(高橋芳朗)ググると一発で出てきます。

『Same Love』日本語対訳

MacklemoreのアルバムのThe Heistに収録されている曲です。サビの部分にお気づきでしょうか?この曲のサビはMary Lambertの She Keeps Me Warm から取られています。 ヒップホップ界で同性愛が主題になることはあまりありませんし,しかも肯定的...

(星野源)あと、ロジックのいつまでたってもタイトルが覚えられない電話番号の曲(『1-800-273-8255』)。

(高橋芳朗)はいはい。あれ、覚えにくいですよね。

(星野源)(笑)。あのちょっと前の曲なんですけど。

(高橋芳朗)ロジックっていうラッパーがいるんです。

(星野源)ロジックのミュージックビデオがこの間リリースされて。あれはぜひ、見ていただきたいですね。あれはいまの話の連なりにあるもので。

(高橋芳朗)ロジックの『Everybody』というアルバムに。

(星野源)その中に入っている、数字が並んでいる曲があるんですけど。それをYouTubeとかで見てみてください。

Logic『1-800-273-8255 ft. Alessia Cara, Khalid』


DJ YANATAKE Logic『1-800-273-8255』を語る
DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でロジックの新曲『1-800-273-8255』を紹介していました。 My album ...

(高橋芳朗)はい。

(星野源)で、ええと、僕が……さっきちょっと芳朗さんとやり取りしていて。「なんか、ないっすか?」みたいな(笑)。

(高橋芳朗)あの、星野さんが「今回、60年代末から70年代初頭のソウル・ミュージックにインスパイアされました」みたいなことをいろんなインタビューで話しているじゃないですか。だからそのへんでなんか、星野さんに1曲選んでいただけたらファンの人も嬉しいだろうなって。

(星野源)でもこれは何年なのかわかんないんですよ。いまからかける曲は。

(高橋芳朗)あの、74、5年かな?

(星野源)これ、僕がすごい好きなんですけど。まあ、クラシック中のクラシックでジャクソン・シスターズという人たちがいて。マイケル・ジャクソンとは全く関係のない(笑)。

(高橋芳朗)(笑)

(星野源)全く関係がないけど、ジャクソン5っぽいっていう。

(高橋芳朗)めっちゃ(関係が)ありそうな名前ですけどね(笑)。

(星野源)でも、楽曲がいいからっていうことで名盤とされている。で、その中で『Miracles』という曲があって。その曲なんですけど。僕、楽曲を作る時にいつも「気づいてほしい」っていうところがいっぱいあるんですけど。ここを「これだよね」って言ってほしいところとかがやっぱり、あるわけですよ。でも、ほとんどの人がそれを気づいてくれないんです。いままで。本っ当に気づいてくれないんです。

(高橋芳朗)手を胸に当てて(笑)。

(星野源)そう。本当に気づいてくれなくて。たとえば、映画でもオマージュってあるじゃないですか。で、オマージュとかパロディーってみんな気づくじゃないですか。「あそこ、あれだよね!」って。で、音楽もそれがあって絶対にいいと思っていて。で、それっていろんな音楽につながる要素にもなると思うし、遊び心だし、リスペクトとしても最大の表現でもあるし。だから、いつも入れるんだけど、全然反応してくれないの。誰も。誰もわかってくれないんです。

(高橋芳朗)(笑)。すいません、本当に。

(星野源)あの、『Friend Ship』っていう曲の間奏のドラムソロが『慰安旅行』と一緒ですとか、そういうのも全然気づいてくれないんです!




(高橋芳朗)ああーっ。胸が痛い……。

(星野源)いや、いいんです、いいんです。でも、その中でたまに気づいてくれたりするとうれしいんですけど、これは誰も言ってくれなくて寂しいなというところを1個だけ。

(高橋芳朗)『慰安旅行』っていうのは僕、衝撃でした。

(星野源)『Family Song』で……あ、じゃあ1回、ジャクソン・シスターズを聞いてみますかね。『Miracles』です。どうぞ。

Jackson Sisters『Miracles』



(星野源)はい。お送りしているのはもう名曲中の名曲。ジャクソン・シスターズで『Miracles』です。これ、いま年代を聞いたらアルバムが76年でシングルが73年だっていうことで。僕はその年代を意識していなかったんです。この曲に関しては。で、なにを込めたか?っていうと、キメなんですけど。「ダカダカダッ、ダダッ、ダダッ、ダダダッ♪」っていうキメが『Family Song』でも全く同じなんです。キメの数が。で、これって『Miracles』しかないと思うんですよ。たぶん、このキメの数は。「ダカダカダッ、ダダッ、ダダッ、ダダダッ♪」って。いまも(BGMで)ありましたけど。それが、サビに入る前に来るんで。で、イントロにも来るんで。でも、気づいてくれねえの。

(高橋芳朗)(笑)

(星野源)で、これをね、自分で言うのって、ダサいの。

(高橋芳朗)まあ、そうですよ。言いたくないですよ。

(星野源)だっせーの。でも、芳朗さんに「なにかありますか?」って言われたから、じゃあこれをっていう感じで。でも、これをきっかけにそういうのって、気づいてもらえたらいいなと。それって別にパクリとかじゃなくて、オマージュだったり音楽の楽しみのひとつでもあると思うんです。だからそういうのを「パクリ」とかって言う風潮が僕はあんまり好きじゃなくて。音楽をすごい狭めているし。映画の世界ではあんなに良きものとしてみんな扱っているオマージュの場面が……全く同じ構図で同じ人の出方でっていうところをやっても褒められるのに、音楽ではなぜそれができないのか?っていうのもあるし。

(高橋芳朗)うんうん。

(星野源)でも、それもあって。で、全く違うものになっているという自信もあるんですけど。だから、気づかないのはしょうがないんですけど(笑)。でも、そういうのは個人的な楽しみでもあり、でも、俺だったら気づくっていうのはあって。なんでそれを途中まで、もう1回『Family Song』を。

(高橋芳朗)諸々を踏まえて。

(星野源)そうです。歌詞も含めて。『Let’s Stay Together』も含めて、聞いていただきましょう。星野源で『Family Song』。



(星野源)お送りしているのは星野源で『Family Song』です。芳朗さんが「悔しい!」って言っていましたけども(笑)。

(高橋芳朗)悔しい! チキショーッ!

(星野源)「デケデケデッ、デデッ、デデッ♪」って。ねえ。いいキメなんですよ。メールが来ています。宮崎県女性の方。(メールを読む)「『Same Love』、私自身がLGBTの当事者であることもあり、温かいメロディーだけからでも、とても響くものがありました。今度CDを買って歌詞を調べてリピートしまくろうと思います」。ありがとうございます。

(高橋芳朗)本当に素敵な歌詞なんで、ぜひチェックしてみてください。

(星野源)ぜひぜひ。これはもう、本当に聞いて損はないというか、買って損はないですね。続いて……(メールを読む)「お二人の音楽愛が爆発している感じがたまりません。お二人に質問なんですが、昔の音楽について、どんな風に知っていったのですか?」ということですね。

(高橋芳朗)僕、ソウル・ミュージックに関してはもともとロックが好きで。まさにさっきの話じゃないですけど、ソウル・ミュージックのエロいところというか、ちょっと大人っぽい感じのところがダメだったんですよね。

(星野源)あ、へー!

(高橋芳朗)これがビートルズだったら『I Wanna Hold Your Hand』じゃないですか。「手を握りたい」っていう。プラトニックな。童貞フレンドリーな感じじゃないですか。



(星野源)(笑)

(高橋芳朗)でもマーヴィン・ゲイはいきなり『Let’s Get It On』って。「やらしてください!」みたいな感じじゃないですか。それがちょっとやっぱり、なかなか受け入れられなかった。受け付けなかったんですけど……まあ、歳を重ねるにつれてその味がわかっていったというのもあるし。あと、そのシンプルさがやっぱり、まだガキンチョだとそのシンプルなところの味わいみたいなものが理解できないとか。回数聞いていって、音の核にあるものが見えていったっていう感じですかね?

(星野源)やっぱりアーティストを聞いてそこからつながるみたいなのもありました?

(高橋芳朗)そうですね。星野さんも『Family Song』のインタビューでインスパイア源として話していましたけど、ホール・アンド・オーツとか。あと、スタイル・カウンシルとか。そのロックのミュージシャンがソウルを表現しているような、ブルー・アイド・ソウルが好きだったので。そういう影響源のものを掘り下げていって聞いたりっていう感じですかね。

(星野源)僕も細野(晴臣)さんがそういう方っていうか。本当にいろんな音楽をつなげる方。伝道師っていうか。で、細野さん自身も「その大きな音楽っていう流れの中に自分の音楽が一滴あるだけでいいんだ」っていう言い方をされていますけども。なんか、そういう感じで僕も広がっていきましたね。人ですね。やっぱり、どうしても。調べていったというよりかは僕は、自然とその人を聞いていたら広がっていったみたいなところがありますね。

(高橋芳朗)でも本当、ルーツを見せてくれるアーティストは楽しいです。

(星野源)そうですね。じゃあ、この後も引き続き。次は『肌』をお送りしたいと思います。

(CM明け)

(星野源)『星野源のオールナイトニッポン』、改めまして今夜のゲストをご紹介しましょう。音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんです。

(高橋芳朗)こんばんは。よろしくお願いいたします。

(星野源)『Family Song』の話をしていたら、『Family Song』だけで1時間いってしまいました。しまった!

(高橋芳朗)まさかここまで……(笑)。

(星野源)まさか、盛り上がるとはっていうね。メールが来ています。(メールを読む)「いまの(ジャクソン・シスターズの)キメのお話ですが、『Sun』の最初にも同じリズムが入りますよね。そこも意識されて作られたのでしょうか?」という。これが、違うよ!(笑)。

(高橋芳朗)(笑)

(星野源)『Sun』のキメは違うよ! これはね、『Sun』のキメは「ダガッ、ダガッ、ダガッ、ダガッ、ダッ♪」です(笑)。



(高橋芳朗)(笑)

(星野源)ジャクソン・シスターズは「ダカダカダッ、ダダッ、ダダッ、ダダダッ♪」です。全然違うんです。

(高橋芳朗)怖い怖い怖い(笑)。

(星野源)でも、『Sun』を作る時もちゃんと「ジャクソン・シスターズにならないように」って考えて作りました。

(高橋芳朗)なるほど。ちょっと頭はよぎったわけですね。

(星野源)そうそう。「したい」って思ったけど、「まんますぎる!」って思って(笑)。「このテンポにあの同じキメを作ると、それはクリエイティブではない」と思ったので。でも、『Family Song』に入れるのはクリエイティブな感じがするっていうか、ちゃんと自分のフィルターを通したことになる気がするっていう。

(高橋芳朗)まあ、気づかないですもんね。

(星野源)本当に気づいてくれないんですよ(笑)。なので、『Sun』はまた全然違いますね。

(高橋芳朗)『Sun』は違うということですね。

(星野源)そうなんです。じゃあ、『Family Song』の解説をしてきましたが、カップリング曲の『肌』。解説をしていきたいということで。まずは『肌』を聞いてみますかね。じゃあ、聞いてください。カップリング曲です。星野源『肌』。

星野源『肌』



(星野源)お送りしているのは私、星野源の『肌』でございます。

(高橋芳朗)これは結構、聞くほどに味わいを増していきますね。スルメ曲ですね。

(星野源)ありがとうございます。

(高橋芳朗)素晴らしいです。

(星野源)これも、ネオ・ソウルというものをもう1回、自分の曲としてやりたいなと。その第一弾が『Snow Men』という曲で。

(高橋芳朗)はい。星野さんにインタビューをさせていただいた時に星野さんが「ネオ・ソウル的なイメージでなにかで聞いてずっとこういうリズムをやってみたかった」っていうお話をされていたんですよ。で、僕も「なんだろう?」って。ずっと気づかなくて、わからなくて。悶々としていたんです。

(星野源)気づいてくれないんです(笑)。

(高橋芳朗)(笑)

(星野源)だからその時も、言いたいんだけど、気づいてほしかったから言わなかったんですよ。その時はね。

(高橋芳朗)で、この間、「これだーっ!」って。

(星野源)気づいてくれましたか?(笑)。

(高橋芳朗)「灯台下暗しとはこのことか!」っていう感じでしたね。

(星野源)いや、本当にいないんです(笑)。

(高橋芳朗)この指摘はいままで、あんまりないですか?

(星野源)いや、ないです。ないです。全然。って、こういう風に言うと「いや、前から知っていたよ。俺は気づいてたよ」みたいに言う人が出てくるんでしょうね(笑)。

(高橋芳朗)じゃあ、さっそく聞いちゃいましょうか。

(星野源)じゃあ、そうそう。これは、でもね、リズムだけですね。リズムだけがもう好きで好きで。このビートをやりたいっていう気持ちがあって。でも、同じにならないようにとか、ちゃんと自分の曲として。だからこのビートがテレビでCMから流れてきてほしいって思ったんですよ。

(高橋芳朗)いや、それはそう考えるとヤバいです。

(星野源)でも、これからかける人は絶対に流れない(笑)。

(高橋芳朗)これは流したらアカン!っていう感じですよね。でもこれは、気づかないですよ。本当に。これは。

(星野源)よかった(笑)。だから、成功ではあるんです。気づいてほしいみたいなところはあるんですけど。でも、気づかれないっていうのは成功ですよね。

(高橋芳朗)これでちょっとジャクソン・シスターズの屈辱を晴らそうかと。

(星野源)そうですね。今日、間に合いましたもんね(笑)。

(高橋芳朗)今日、電話をして。「星野さん、ひょっとして、これですか?」「これです!」っていうね。じゃあ、聞いてみましょう。ディアンジェロで『Spanish Joint』です。

D’Angelo『Spanish Joint』



(高橋芳朗)ディアンジェロで『Spanish Joint』。2000年の作品を聞いていただきました。

(星野源)かっけー!

(高橋芳朗)これがビオレUのCMで使われていたら、ちょっとびっくりしますよね(笑)。



(星野源)ビオレU、みなさん使ってますか? ぜひ使ってくださいね。本当に。

(高橋芳朗)でも、どうですか? みなさん聞いてみて。『肌』だなっていう感じ、ありますか? やっぱり首、かしげてますね(笑)。

(星野源)(笑)。ヒカルちゃんは全然ないそうです。

(高橋芳朗)やっぱりだから、イエローミュージックになっているんだと思います。

(星野源)ああ、それはすごくうれしいです。なんか、でもだからこういう、その同じリズムでもリムショットを「カッ!」ってやるみたいなのはたぶんやっちゃダメなんですよね。あと、(ディアンジェロの歌マネをする)みたいなことをしても、絶対にダメなんです。

(高橋芳朗)(笑)

(星野源)それはもうただの真似っこなんで。そうじゃなくて、ちゃんと。で、あとCMやテレビから流れてきたら面白いけど、ちゃんとそのCMに対しても誠実じゃないといけないと思うので。歌詞の内容も含めて。あと、『肌』っていうタイトルも、ビオレUっていう商品もそうだし。でも、それって……タイアップってみんな割と嫌うけど、僕はヒントをもらえるし。むしろそこで遊べる。楽しい、みたいな方が強いので。今回もだから、楽しいですよね。やっぱり。あれがテレビから流れてくると。

(高橋芳朗)ワクワクしますね(笑)。

(星野源)「ヤベえ!」みたいな。そういうのも含めて楽しいし。「肌」っていうのも直訳すると「Skin」ですから。それはもうR&B的にも最高っていうのもあるし。

(高橋芳朗)でも、星野さんは『Snow Men』の時は結構苦労されていたような気がしましたけども。お話を聞いていて。でも、この『肌』に関しては割とすんなりと作れたみたいな。

(星野源)そうですね。『Snow Men』の時はやっぱりいちばん最初のチャレンジっていうことだったんで。それがどう評価をもらえるかもわからなかったし。自分で達成感があるかどうかもわからなかったんで。だから、今回は割とスッと、「これ!」っていう感じになりました。

(高橋芳朗)なんかネオ・ソウル的なものをJ-POPに落とし込む星野さんなりのメソッドとかセオリーみたいなものが出来あがったんですかね?

(星野源)いや、どうなんでしょう。それが別に自分ではその方程式みたいなものはもちろんないんですけど。念?

(高橋芳朗)念(笑)。

(星野源)念力でやっていくみたいなことだと思うんですけど。だからそれの筋肉がついたのかもしれませんね。念力の筋肉が。

(高橋芳朗)うんうん。あと、いまの『Continues』のツアーではどういうアレンジになっているか、わからないですけど。『YELLOW PACIFIC』で『雨音』を聞いた時も、もう素晴らしいアレンジだなと思って。あれもネオ・ソウルの流れをくんだアレンジじゃないですか。

(星野源)そうです。そうなんです。

(高橋芳朗)だから、なんかちょっと何かを掴んだのかな?っていう感じがすごいしたんですよ。

(星野源)でも、そうですね。あんまりでも、すんなりっていう感じでしたよ。だからたぶん元曲の中に入っているエッセンスを割とそのままバンドから表現したらあの感じになるっていう感じでしたね。

(高橋芳朗)あれ、スタジオバージョンとかで聞きたい感じもありますね。

(星野源)ああ、そうですか。

(高橋芳朗)すごい好きです。

(星野源)じゃあ、ちょっと考えてみます(笑)。

(高橋芳朗)お願いします(笑)。でも、あれですね。星野源ファンにとってはもうディアンジェロのこの曲が入っている『Voodoo』っていうアルバムもマスト……。

(星野源)いや、あんまり聞いてくれてはいないと思いますけども(笑)。聞いてはほしいですね。「聞いてはほしい」というか、聞いてもらえたら最高ですよね。みんな聞いたらいいとは思いますけども。

(高橋芳朗)決してかならずしもフレンドリーな音楽ではないかもしれないですけど。でも、この良さがわかったら一気に視野が広がるというか。いろんなところにバシバシとつながると思うので。がんばって、『肌』と並べて。『Snow Men』とかと並べてディアンジェロを聞いたら、結構楽しいかなと。



(星野源)そうそう。そうやって聞くのでももちろんいいし。「いやー!」みたいな感じ、ありますよ。なんて言うか、もうどこの曲にも「ああ、ヤベーッ!」みたいな瞬間があるアルバムですからね。すごいアルバムですよね。ぜひ、聞いてみてくださいねということで。じゃあ、次の曲に行った方がいいですかね。『プリン』にね。じゃあ、その前にいったんCMに行きましょう。


(CM明け)

(星野源)さあ、『星野源のオールナイトニッポン』、今夜は音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんとニューシングル『Family Song』を全曲徹底解説させて頂いております。よろしくお願いします。

(高橋芳朗)よろしくお願いいたします。

(星野源)さあ、続いて……『プリン』という曲ですね。3曲目。『プリン』をこの番組で流すのははじめてですね。

(高橋芳朗)ああ、そうなんですね。

(星野源)聞きますか。じゃあ、まずね。星野源『プリン』、どうぞ!

星野源『プリン』



(星野源)お送りしているのは星野源の『プリン』でございます(笑)。これ(曲の途中の一時音がなくなる箇所)をラジオで流したかった(笑)。やっぱりドキドキする? ヒカルちゃん。

(高橋芳朗)放送事故になりかねませんよ。

(星野源)でも、秒数的には全然ですよ。ラジオって長いんですよ。無音でも数十秒ありますよね。ラジオってね。あ、15秒ぐらいね。全然大丈夫なんですよ。だからラジオでどんどん流してください(笑)。

(高橋芳朗)(笑)

(星野源)でも、いま曲を操作しているはずのAD淫乱クマさんが、(音が)なくなった時にカッとこっちを見て(笑)。やっぱりラジオマンとしてはびっくりするよね。間がね。この曲は僕、去年の春ぐらいにもうレコーディングしていた曲で。次のシングルのリリースが決まってない時期に、もう次の曲を作りたいみたいな時期があって。その中に『Continues』とか『Drinking Dance』とかいろいろあって。その中の1曲で『プリン』っていうのがあったんですけど。これはもう、初期のプリンスを……いま、イエローミュージックって言っているけども、イエローミュージックっていう自分のコンセプトとして大事な、ちゃんと自分のフィルターを通して、日本人として音楽をやるっていうのをとりあえず脇において、学生みたいに真似して遊ぼう! みたいな。

(高橋芳朗)(笑)

(星野源)「なんか、似てね?」「キャハハ!」みたいなことをしたいなっていう。その、カップリングとか……でもリリースの予定もなかったんで、「遊んじゃえ! とりあえず、楽しもう!」みたいな感じで、プリンスの初期の曲の日本語バージョンみたいなのをやりたいと思って作った曲なんですよ。で、それでレコーディングした2週間後にプリンスが死んじゃって。それは本当に予想外だったし、すごくショックだったんですけど。そういうのもあって、実際にふざけている曲ではあるんで。さっきの間の間奏の無音っていうのもそうですけど、結構ふざけているから、出しちゃダメだなとは思って。

(高橋芳朗)はい。

(星野源)でも、1年たったんで、そろそろいいかなということで入れたという感じですね。そんな曲です。

(高橋芳朗)で、この『プリン』にも合わせて選曲してきたわけですけども。まあ星野さんが本当にプリンスで遊びたいと言っていた通り、この曲を聞くと、「ああ、これは!」っていう。

(星野源)これはわかりやすいですよね。でも、言ってくれる人は1人だけでした。

(高橋芳朗)ああ、本当ですか?

(星野源)はい。全然いなかったです(笑)。

(高橋芳朗)僕はでも、(アルバム)『Dirty Mind』は言いましたよ。

(星野源)そうですね(笑)。

(高橋芳朗)悔しい!(笑)。

(星野源)でも実際今日ね、芳朗さんから挙げていただいた曲は違う曲だったんですよ(笑)。

(高橋芳朗)そこは気を使ったんですよ。気を使ったんです!

(星野源)本当ですか?(笑)。

(高橋芳朗)だって、星野さんがその曲を前にインタビューでお好きだってお話されていたから、こっちの方が盛り上がるかな?って思って、あえて避けたんです。

(星野源)その違う曲の方を「好きだ」と言っていたから。その曲も大好きなんですけども、違うんですよ(笑)。

(高橋芳朗)でもこれ、聞いたら結構衝撃を受けるかもしれないですね。

(星野源)これはもう、「そのまんま」って言われても別にいいっていう。むしろ、言ってっていう。もう全力で「気づいて!」っていうやつなんですけど、1人だけでした(笑)。まあ、しょうがない。意外とっていうか、そういう風にやっても同じにならないなっていうのが正直なところです。

(高橋芳朗)まあ、そうですね。そうですよね。

(星野源)同じには、そりゃあならないよっていうか。そういう筋肉がないんだなって思いました。僕、変わるっていう筋肉なんだなと思いました。自分が。

(高橋芳朗)初期のプリンス、聞き込んでおいたんだけどなー(笑)。

(星野源)(笑)。じゃあ、聞いてみましょうね。

(高橋芳朗)行っちゃいましょう。プリンスで『Sister』です。

Prince『Sister』



(星野源)お送りしているのはプリンスで『Sister』でございます。

(高橋芳朗)1983年の曲。で、近親相姦がテーマなんですよ。

(星野源)ああ、そうなんですね! ああ、そうか。すげーな! 対して僕は、プリンを食べたいけど我慢をしている人の曲です(笑)。

(高橋芳朗)(笑)。まあでも、これは聞き比べたら面白いですよね。

(星野源)もうこの曲を聞いた時に「かっけー!」って思って。(曲に合わせて歌って)「ハァ~♪」って。ここもかっこいいんですけど。終わり方もすごいかっこいい。短いんですよ。「ハァ~♪(ジャジャッ!)」って、これで終わり。

(高橋芳朗)ちょうどいま、合いましたね(笑)。さすが。でも星野さん、本当に初期のプリンス好きですよね。割と一般的には、もちろん『Purple Rain』とか『Sign O’ The Times』とかじゃないですか。

(星野源)でも、全部好きですけど。なんか、ちょうど倒れて休養していた後に『I Wanna Be Your Lover』を聞いて音楽の楽しさを思い出せたっていう話はよくしているんですけども。



(星野源)その頃に、この曲もよく聞いていたんですよ。だから外を散歩しながら、『Sister』を聞きながら、こうやって踊りながら(笑)。

(高橋芳朗)近親相姦の曲を聞きながら(笑)。

(星野源)しまった。全然歌詞は全く考えておりませんでした(笑)。そう。どうでしたかね? みなさん、聞いていて。『Dirty Mind』はちょっと埋もれているアルバムではあるじゃないですか。ジャケット、ヤバいですけどね。あのジャケット(笑)。

(高橋芳朗)デモテープみたいなジャケットですよね。白黒のモノトーンで。

(星野源)すごいですよね。プリンスがほぼ裸で(笑)。それも含めて見ていただきたいですけども。『Dirty Mind』。

(高橋芳朗)あとでも本当に他の曲も、星野さんの音楽が好きだったら結構グッと来る……『Uptown』とかさ。

(星野源)『Uptown』もぜひ聞いていただきたいですね。ヤバいです。いや、ぜひ聞いていただきたいです。こんな感じですかね。あと、なんかあるかな? でも、そうだね。



(高橋芳朗)でもプリンスの本格的なトリビュートというか。そういうのも表題曲とかで聞きたいですよね。なんかね。

(星野源)そうですね(笑)。でも、本格的なトリビュートは僕じゃないんじゃないですか? なんて言うか、やるべきは僕じゃない気がします。岡村靖幸さんとか。

(高橋芳朗)ああ、そうかそうか。

(星野源)聞きたいですよね。っていうか、もうすでにやっている感じはします。そうですよね。いやー、今日は結構いつも僕の番組ではフルで音楽をかけるんですけど、時間がないからハーフとかにさせていただいています。あと1曲、あるからね。

(高橋芳朗)そうですね。なんとか間に合いそうですね。

(星野源)間に合いそうですね。じゃあCMですね。次は4曲目。『KIDS (House ver.)』です。

(CM明け)

(星野源)はい。『星野源のオールナイトニッポン』、今夜は高橋芳朗さんをお迎えして『Family Song』の徹底解説ですが……ごめん。『KIDS』ができなそうです。すいません(笑)。

(高橋芳朗)やっぱり『Family Song』で1時間話したっていうのが……(笑)。

(星野源)尺がね、全然見誤って。ヒカルちゃんも一瞬、「『KIDS』、行けるか?」ってなったけど、ごめんなさい、やっぱり無理ですってことに。ということで、また今度来てください。近々。なるべく。で、『イントロクソやべえ』もありますし。『KIDS』の解説的なことと、『イントロクソやべえ』と。

(高橋芳朗)じゃあ、『KIDS』は2、3曲選んできます。

(星野源)ああ、そうですね。いいですね。ぜひお願いします(笑)。で、たくさん感想メールが届いてますんで、紹介したいと思います。東京都の方。(メールを読む)「源さんも芳朗さんも好きな作品を人に説明して伝えるのが上手いなといつも感心します。私は自分の好きな作品を人に話す時、上手く伝えられないのが悩みです。私は『好きだよ、よかったよ、面白いよ』ぐらいしか言えません。さらには、『でも、こういうところもあるんだけどね』と照れ隠しのような感じで否定的なことを言ってしまい、後で後悔します。もともと好きなものを人に言うのは昔から恥ずかしく、特に好きなミュージシャンはなかなか言えませんでした。相手にその作品に触れてほしいという以前に、ただ自分の好きな人や物の説明をもう少しうまく、上手にできたらなと思います。お二人は人に好きなものを説明するために何かしたり、心がけたりしていることはありますか?」だそうです。なにかありますか?

(高橋芳朗)まあ、でもどうですかね。やっぱりいっぱい音楽を聞いて、アーティストのインタビューとかもいっぱい読んで。

(星野源)そうですね。インタビューとかを読むっていうのもね、語彙というか、広がる感じがありますよね。僕がいつも気をつけているというか、いつも思っているのは、僕は人のことを褒めたり、「この作品が好きです」って言うことが好きなんですけど。いちばん気をつけているのは、「○○より好き」とか「誰々より好き」って絶対に言わないようにしています。たとえば、同じアーティストのこの曲でも……僕の曲だったら「『Family Song』より『肌』が好き」って絶対に言わないようにしています。

(高橋芳朗)うんうん。

(星野源)なぜなら、それは『Family Song』を好きな人を傷つけてしまうから。で、あとたとえばアーティストの名前がA、Bってあって、「Aがすごく世間的には人気だけど、僕はBの方が好き」って絶対に言わないようにしています。って、そんなことも思わないし。それはなんでか?っていうと、それを入れてしまうと、それを好きな……「この作品とかこのアーティスト、このミュージシャンが好きだ」って話じゃなくて、「このアーティストが好きな私」の話になるから。「自分が好き」っていうことになっちゃいます。「自分大好き」みたいな話に、それはなるんですよね。で、それを言っている人って無意識に自分をアピールしているんですよ。

(高橋芳朗)うんうん。

(星野源)で、「世間的にはこれが流行っているけど、そうじゃない私を見て」ってなってしまっているんで、それは純粋な音楽のトークでは、もうすでにないんですよね。

(高橋芳朗)自分のポジションの表明みたいな感じですよね。

(星野源)そうなんです。で、音楽とか好きなものの話をする時に、それって圧倒的にいらないものだと僕は思っているので。で、「これが好きだ」だけでいいんです。「○○が人気で、この人が人気がないのは悔しい」みたいな気持ちってわかるんですけど、でもそれってそれを言うことで、もうひとつのアーティストを傷つけたり、それを好きな人を不快な気持ちにさせているだけで、それは何の効果もないんですよね。それよりも、「これが好きなんだ。これが好きなんだ。これ、すごくよくない?」だけの方が、そのアーティストが広まるし。「ああ、そうなんだ。聞いてみよう」ってなる。だから僕は、好きなものを褒めたり、「これ好きなんだ」っていう話をする時に「これが好きです!」っていうのをなるべく言うようにしています。

(高橋芳朗)うん。

(星野源)僕はでも、高校生の時とか若い時は、それこそそう言っちゃっていたんですよね。「○○の方がいいと思うんだけど」「○○の方が好き」みたいな。って、言っちゃうじゃないですか。でもそれって、やっぱりいま思うと自分の意見をただ聞いてほしかったんだなっていうことがすごく、いまだと思うので。だからそういう風に僕は気をつけていますね。

(高橋芳朗)でも、ひるまずにガンガン表明していっていいと思いますけどね。

(星野源)そうそう。好きなものを「好き」って言えばいいと思います。で、照れ隠しって別にいらないと思うし。恥ずかしいことなんて何もないし。バカにする人が恥ずかしいのであって。そうだと思います。じゃあ、もうちょっと引き続きお付き合いいただいて。

(高橋芳朗)はい。

(CM明け)

(星野源)さあ、『星野源のオールナイトニッポン』、エンディングのお時間です。今日のゲストは高橋芳朗さんでした。ありがとうございました。

(高橋芳朗)ありがとうございました。めっちゃ楽しかったです。

(星野源)楽しかったっすね(笑)。

(高橋芳朗)ちょっと、またやりたいですね。お互いに曲を持ち寄って。

(星野源)本当にぜひ。(メールを読む)「高橋さん、絶対にまたすぐに来てください。『イントロクソやべえ』、楽しみにしています」。

(高橋芳朗)『イントロクソやべえ』、ジャンル別に1分半の長いのも選んであるんで。期待してください。

(星野源)埼玉県の方。(メールを読む)「『KIDS』の解説、近いうちに本当に本当にお願いします」。

(高橋芳朗)はい。ありがとうございます。

(星野源)いやー、楽しかった。ぜひ本当にまた来てください。……橋P、来る? 入る?(笑)。

(高橋芳朗)あらっ、来た来た来た!(笑)。ウッキウキじゃないですか!(笑)。ラジオ局の垣根を超えて。

(星野源)どうも。橋本さんです。

(橋本吉史)TBSラジオのプロデューサーの橋本吉史と申します。

(星野・高橋)(笑)

(星野源)いいですね! ラジオ局に垣根なんていらないですよね。

(橋本吉史)ええ。もうラジオを愛する気持ちはみなさん一緒だと思いますんで。星野源さんにも、ヤリーネーム・スーパースケベタイムもあると思うので。そちらの方でもお世話になりたいと思います。

(星野源)聞いていただいてますか? 『Family Song』。

(橋本吉史)もちろんです。

(星野源)ありがとうございます。急にテンションが落ちすぎじゃない?

(高橋芳朗)(笑)

(橋本吉史)えっ?

(星野源)あなた、さっきまでブースの外でめちゃめちゃはしゃいでたじゃないの!

(高橋芳朗)ちょっと力みすぎてますね。

(橋本吉史)力みすぎてますね。あと、残り時間をラジオマンとしてものすごく気になってしまって。「これ、やべえだろ?」って。

(星野源)まだあと1分あります。これ、面白いですね。

(橋本吉史)面白いですね。

(星野源)これは新時代だと思います。相当いいと思います。いかがでしたか? 芳朗さんとのトークは?

(橋本吉史)やっぱり音楽が好き同士、趣味が合う人たちの楽しそうな音楽トークだけでもう、相当な多幸感があると思うので。

(星野源)そうですね。僕も幸せな空間でした。

(高橋芳朗)放送してないみたいでしたよ(笑)。

(星野源)そうですね(笑)。本当に、ただただ飲みながらしゃべっているみたいな。

(橋本吉史)延々と聞いていたい感じがしますね。

(星野源)そうですね。じゃあ、またぜひ来てください。芳朗さんも。

(高橋芳朗)呼ばれればいつでも来ますよ。

(星野源)橋本さんもじゃあぜひ、来てください(笑)。

(橋本吉史)ぜひ。

(高橋芳朗)マネージャーとしてね。

(星野源)じゃあ、一緒に「また来週」って言いましょうね。あとね、15秒です。

(橋本吉史)15秒。

(星野源)それじゃあみんな、星野源でした。来週は通常放送ですよ。また聞いてください。そんな感じで『星野源のオールナイトニッポン』……。

(星野・高橋・橋本)また来週~!

(一同)(笑)

<書き起こしおわり>
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