星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で変態についてトーク。『蘇る変態』という著書もある星野さんが変態と普通、品などについて話していました。
今夜も星野源のオールナイトニッポンお聴き頂きありがとうございました!今夜から全曜日のオールナイトニッポン内で、星野源が作詞・作曲・編曲し、歌ったジングルが流れます!来週は帰ってきたA-1、星野源アワード2016を発表!本年も #星野源ANN をよろしくお願いいたします! pic.twitter.com/n44kCv8ZAR
— 星野源 official (@gen_senden) 2017年1月2日
(星野源)じゃあ、質問メールなどをやりましょうかね。兵庫県の方。「あけましておめでとうございます。CDTVでは今年の目標として無理をしないという目標を掲げていました。この番組での目標があれば、教えてください」。そうそう。「今年一年の約束を掲げてください」みたいなコーナーがあったので、「無理をしない」と書きました。なんでか?っていうと、仕事が好きで、楽しくて(笑)。気がつくと、いっぱい仕事をしちゃっているというか、仕事を入れちゃっているというんですかね? で、事務所の方とかが気を使ってくれてすごく減らしてくれているんだけど、それでも多めになっちゃう時があるので。そういうのをなるべく、なしにしようかなと。のんびりと。それでも、仕事をしていた方が精神的にも体調的にもいい部分は絶対にあると思うので、無理をせず、楽しくお仕事をしていきたいなという感じですかね。スケジュール的に。
なので、この番組での目標は……ええと、なんかあるかな? 目標ねえ。うーん……ない(笑)。でもその、去年からやっていることは実はありますよ。実はですね、みなさんあんまり感じてないと思うんですけど、僕、去年の3月から始まってまだ1年もたっていないですけど、7月以降ぐらいから僕、自分から実は下ネタってあんまり言っていないんですよ。メールは読んでいるんですけど。リスナーからの下ネタメールは全然読んでいるんだけど、自分から言うっていうことを実はしていなくて。リスナーのメールからの流れで言ったりすることはあるけども、自分から言うのは止めていて。なんでか?っていうと、リスナーのメールが面白すぎて。僕まで言っちゃうと、品がないなと思って(笑)。わちゃわちゃしちゃうというか、なんて言うか……たとえば僕、メールとかでもね、「星野さんは変態ですが」みたいに書かれるじゃないですか。
変態の意味
まあ『蘇る変態』っていう本も出しているから別にいいんだけど、『蘇る変態』はでも、最後まで読んだ人はわかると思うんだけど、あの”変態”の意味って日本変態協会っていうタモリさんが作って、副会長に鶴瓶さんがいるんですけど。そこでの理念と言いますか、「人間がそもそも変態なんじゃないの? しっかりすればするほど、変態なんじゃないの?」というか。動物と比べてみれば、服を着て着飾って体を隠して。それでたとえば脱いだ時に興奮するっていうのは変態の極みである。そもそも服をちゃんと着ている人が変態なのである。つまり、普通こそが変態なのであるというのが……だから、「普通の人の会」なわけです。その日本変態協会っていうのは。
で、そういう意味も含めて、病気で療養して復活したというのも含めて、『蘇る金狼』っていう映画をモジって『蘇る変態』という。「普通の人間が生き返って、帰ってきたよ」っていう意味でタイトルを付けたんですけども。でも、そういう風に「変態!」って言われるんだけど、正直言って、みなさんが俺が思っている意味で、さっき言った話の意味では変態って僕は思うけど、やっぱり「他の人と比べると僕、普通なんだよな」ってすごく思うんですよ。もちろん、スケベではあるんだけど。エッチなこと、好きだし。見るのも好きだし。でも、いわゆる世間一般の変態性みたいな、そういうのは全然普通だなと思うわけです。そういうところに特徴ないな、俺ってすごく思うわけです。
やっぱり芸能界というか、そういう世界にすっごい変な人、いっぱいいるから。「マジで!? 怖いよー!」みたいな。そういう場にいると、自分ってつくづく普通だなと思うし。そういうのも含めて……あと、リスナーのみんなとか、たとえばファンからの手紙とかね。「私も変態なんです!」ってすごいアピールしてくれたりすると、なんか「ありがとう」って思うのと同時に、「ごめんね」って思うんだけど。それってやっぱりちょっと違うじゃない? そういう意味での変態っていうんだったら、「変態」って名乗らない方が変態っていうことだと思いますよっていうか。
小堺一機・関根勤との対談
あと、『YELLOW MAGAZINE』っていう今月末ぐらいに出る僕のイヤーブックがあるんですけど。通販と会場だけで買える。その中で小堺一機さんと関根勤さん、コサキンのお二人と対談した時に、「僕たちは変態だけども、やっぱり品のある変態でありたいよね」っていう話になったわけです。変態にもいろいろあるけども、人に迷惑をかけたり、すごくアピールをしすぎたりっていうんじゃなくて、節度をわきまえた品のある真面目な変態といいますか。そういうのでありたいですよねっていう話になって、より強く思ったわけです。そういうのもあって……これ、ごめんね。真面目な話になっちゃっているけど、「夜の国勢調査」(のコーナー)とかがやっぱりいちばん面白いわけです。あれ、すごく普通を装っているというか、エッチな内容を普通の言葉に変換して楽しむっていうのって、やっぱりラジオならではだし、すごく品があることだと思うので。
だからそういうのも含めて、いわゆる「下ネタですよ! どやー!」みたいなのってあんまり面白くないなって思うので。だから一捻りというか、ちょっとポーカーフェイスな感じをちょっとずつ、ちょっとずつやっていこうと思って。とりあえず、自分は減らして。それでもリスナーのみんなのは面白いから、それは全然読むんですけど。そういう、節度をわきまえた俺たちっていうのをちょっと今後、目指したいですよね(笑)。俺も、リスナーのあなたも寺ちゃん(構成作家 寺坂直毅)も(笑)。寺ちゃんが意外とわきまえてないですから(笑)。実は。普段はわきまえているんですけど、ブースに入るとなぜかわきまえなくなるという謎の習性がありますから、気をつけてください。寺ちゃん(笑)。大胆発言しちゃうから。結構ね。それ、面白いんだけどね。それを結構目指していると思います。何卒、よろしくお願いいたします。
(中略)
『星野源のオールナイトニッポン』、メールが来ています。神奈川県、15才女性。あ、さっきの変態とか下ネタについてのお話のリアクションです。「なんかわかります。すごいわかります。変態をアピールしている人ってなんか普通なんですよね。みんな普通なんですよね。純粋ぶっている人も、中では変態で。みんな、普通なんですよね。結局」。ああ、そうですね。すごいわかるね。そうそう。そうなんだよな。
「『本当の変態は自分のことを変態って言わない』ということをいつも思っています。友達によく、『お前は変態だ』とか言われますが、私はただのスケベであって変態ではないのです」。ああ、すっごいわかる、これ! えっ、君は、俺?(笑)。本当に、それ。すごくよくわかるよ。
大阪府の方。「変態にも種類があるのですね。ふむ、勉強になりました。たしかに電車でとんでもない下ネタを話している男は下品だな、嫌だなと思ったりするので、品は大事ですね」。そうそう。本当に品って大事だと思います。こういうなんかね、面白いと思うからこそ、品は大事だと思いますね。そうそう。本当にそうだよね。本当になんか、変態だとは思わないんだよな。でも、そう言われると「それが本当の変態だけどね」って言われちゃうんだけど。
ラジオの姿が本当の姿か?
だからあれよ。たとえば、僕、ラジオ好きだったじゃない。で、ラジオを聞いてさ、たとえばテレビとかに出る人だったりすると、「その人の本当の姿がラジオなんじゃないか?」って思うじゃない。リアルな本当の姿はラジオで、作っているのがテレビなんじゃないか? みたいな。それって実は間違っていて、どっちも本当なんだと思うんですよ。俺は特にそうなんだけど。まあ、中には作っている人もいるかもしれないけど。だから、たとえば僕が高校生の時に岸谷五朗さんのラジオを聞いていて。その、ちょうど聞き始めてしばらくたってから、『妹よ』とか、その前に『月はどっちに出ている』が公開されてどんどんどんどんスターになっていく岸谷さんを見て、「俺は本当の岸谷さんを知っているんだ」みたいな気持ちでラジオを聞いていたりしたことがあって。
で、岸谷さんの話をたとえば学校でとかでした時に、変な対抗意識が生まれて(笑)。「こんなに下ネタをしゃべって、こんな人なんだよ、本当は!」みたいなのを言っていたんだけど。「そっちが本当なんだよ」みたいなことを言ったりしたこともあったなと思って。俺はすっごい間違っていたなと思って。こっち側に来て、すっごい思ったんだよね。だからたとえば僕も最近よくテレビに出ていますけども。真面目な話をしている時も僕だし、こういうくだらない話をしている時も僕だし。なので、「本当は変態なんだよ!」ってわざわざ言っちゃダメだからねっていうか……(笑)。「この人は真面目なんだよ」って言った方が、たぶん面白いと思う(笑)。
なんて言うんだろう? そっちの方が、「この人は真面目なんだ」って思ってラジオを聞いた方が、「ええっ、こんな感じなんだ!?」って思って。たぶんそっちの方が面白いと思って。それがちょっと、面白い、奥ゆかしい感じだと思います。その方が。だから、関根さんとか小堺さんが僕、面白いなと思うのはやっぱり全部あの人だからだと思うんですよね。テレビの時の関根さんもラジオの時の関根さんも。やっぱりそっちの方が面白いよね。「どっちかが」じゃなくて、全部込みであるというところに、その人のカラーがあるんじゃないかなと思う。
<書き起こしおわり>