block.fm『INSIDE OUT』に高橋芳朗さんとライムスターのMummy-Dさんがゲスト出演。おすすめのHIPHOPの名盤を紹介し、AKLOさん、渡辺志保さん、HIPHOP HYPE!の中の人らと語り合っていました。
※AKLO 渡辺志保 HIPHOP HYPE!中の人が選ぶ HIPHOPおすすめ名盤 3作品 の続きです
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— 高橋芳朗 (@ysak0406) 2015, 1月 19
(渡辺志保)というわけで、じゃあここいらで、今日はね、新春特別企画というところでお送りしております。ゲストに音楽ジャーナリストの高橋芳朗さん、そしてライムスターのMummy-Dをお迎えしております、
(Mummy-D)イエイイエーイ!インサイドアーウトッ!
(一同)(笑)
(渡辺志保)いやいや、ありがたい限りでございますが。まあこのへんでですね、ニュースコーナーもいつも通りお送りしましたので、クラシック企画後半戦。お送りしてまいりたいと思います。ちょっとね、空気を入れ替えてお送りしたいと思うんですが。この2人にね、今回お越しいただきましたので、まずは高橋芳朗巨匠からですね・・・
(高橋芳朗)ええ。まあ、監修者としてね。
(渡辺志保)そうですよ。監修者として。雲の上ぐらいの立場からですね、ちょっと今日のために選んできたフェイバリットクラシック盤を聞かせていただきたいと思います。
(高橋芳朗)これ、最初にアーティスト名、言うんですね?
(渡辺志保)そうですね。『俺が選んだのは、これだ!』みたいな感じで紹介をしてもらって。
(高橋芳朗)じゃあまず、僕は2曲選んでるんですけども。まず1曲目、こちらです。Low Profileの『Pay Ya Dues』。(イントロが流れる)
(渡辺志保)渋い!ド渋でございます。
(高橋芳朗)まあまずね、この曲のインストを用意していただいただけでも感動しております。
(渡辺志保)後ろでね、流れておりますけど。
(高橋芳朗)このキャンペーンですね、割と目玉になっているのが、90年前後のウェストコーストHIPHOPの割とレア盤。いまね、このへんの、具体的に言いますとLow Profileでしたり、WC & The Maad Circle。King Tee。あとは・・・Compton’s Most Wanted。
(渡辺志保)出ました。はい。
(高橋芳朗)で、あとちょっとまあ、後になりますけど、B.G. Knocc Out and Drestaとか。このへんが割と目玉になっているんですけども。結構いまね、中古盤市場高いんですよ。
(渡辺志保)なるほど。
(高橋芳朗)もう5千円とかね・・・
(Mummy-D)あっ、俺、あるよ。あるよ。
(渡辺志保)(笑)
(高橋芳朗)ある?いや、結構ヤフオク出したら・・・
(渡辺志保)売らないでくださいね!
(一同)(笑)
(渡辺志保)私もCompton’s Most Wantedのライナーを書かせていただいた時に、一応調べさせてもらったんですよ。国内盤、どれぐらいだろう?って。そしたらやっぱ、4千円ぐらいの値が・・・
(高橋芳朗)やっぱり、ついてますよね。
(中の人)やっぱり当時、あんまり日本に入ってきてなかったっていうのがあって。
(高橋芳朗)そうなのかな?
(中の人)やっぱり東のものは入ってきたけど、西のものは・・・
(高橋芳朗)実際、じゃあ聞いてました?みなさん、このへん。
(渡辺志保)どうですか?
(中の人)いやいや、僕とAKLOくんは生まれてない・・・
(高橋芳朗)ねえ、日本だとイーストコーストが圧倒的に人気があったわけじゃないですか。
(渡辺志保)90年代初期ですからね。
(AKLO)そうですよね。僕はその頃、No Limitしか聞いてないから・・・
(一同)(笑)
(Mummy-D)嘘!?
(AKLO)Master P。
(Mummy-D)逆にNo Limit、ぜんぜん聞いてないよ!AKLO、そうなの?
(AKLO)そうなんすよ。
(高橋芳朗)あ、No Limit入りなんですね、あなた。
(渡辺志保)AKLOさんはね、戦車好きっていうね。
(高橋芳朗)あ、『せんしゃ』っていうのは『車を洗うこと・カーウォッシュ』じゃなくて。
(中の人)僕も最初カーウォッシュかと思いましたよ。
(渡辺志保)すいません(笑)。ちょっと・・・
(高橋芳朗)タンクの方でした。タンク。
(渡辺志保)すいません、すいません。はい。
(高橋芳朗)Dくんも聞いてなかったですか?
(Mummy-D)俺はぜんぜん聞いてた。
(高橋芳朗)聞いてた?横浜?
(Mummy-D)横浜(笑)。横浜だからか知んねーけど、ほら、Pファンクとか、Zappとか好きだったから・・・
(渡辺志保)ファンクの系譜で。
(Mummy-D)ファンクネタが好きだったんだよ。
(高橋芳朗)でもさ、この頃のウェストコーストのHIPHOPって、割とそんなにイーストコーストのHIPHOPとサウンドプロダクション的にはそんなに変わんないですよね。JBとかさ。
(中の人)そうですね。だってCompton’s Most Wantedとかね、プレミアがリミックスしてますからね。
(高橋芳朗)ああ、そうですね!だから当時ね、スルーしていたイーストコーストHIPHOP好きの人にもぜひ聞いてもらいたいんですけども。でもね、やっぱりとは言え、ウェストコーストの美意識とか美学っていうのはあると思うんですよ。そこはというとですね、イーストコーストがビートで言うとね、『Impeach The President』だとしますと・・・
(渡辺志保)はい。
(高橋芳朗)ウェストコーストはやっぱり『Atomic Dog』と、『More Bounce』だと思うんです。
(渡辺志保)おー。
(中の人)Pファンク。
(高橋芳朗)このビートをいかに旨味をグッと引き出すかがこう、キモなところがあるんですけど。
(中の人)みんなで同じ曲から旨味を引き出し合うっていう。
(高橋芳朗)(笑)。その極みはスヌープの『who am I』とか、あのへんだと思うんですけども。この時期で言うとね、このLow Profileのですね、『Pay Ya Dues』。これ、Low ProfileっていうのはDJ AladdinとWC and the Maad Circleを後に結成するWCの唯一のアルバムなんですけど。
(渡辺志保)はい。
(高橋芳朗)この『Pay Ya Dues』がね、これは『More Bounce』のビートかな?かなり旨味を、ギュッ!っと。
(Mummy-D)『More Bounce』のキックの部分とスネアの部分を打っているだけだよね。『ドゥーン、ダ、ドゥンドゥーン♪』。ずっとそうだよね。
(渡辺志保)あー、うんうん。
(高橋芳朗)ここをね、ちょっと聞いてほしいなと思います。じゃあ行ってみましょう!Low Profileで『Pay Ya Dues』。
Low Profile『Pay Ya Dues』
(高橋芳朗)はい。というわけでLow Profileで『Pay Ya Dues』、聞いていただいております。
(渡辺志保)はい、ありがとうございます。
(高橋芳朗)いかがですか?
(渡辺志保)このやっぱネタ使いがね、ぜんぜん違うという。
(高橋芳朗)結構Twitterの方でも、新鮮味を覚えている方が・・・
(一同)(笑)
(中の人)(ツイートを読む)『やべえ、全くわかんねー』って。まあ、『Impeach The President』って常識のように言ってますが。
(高橋芳朗)あ、そうですね。定番ビートの比較をちょっとしたわけですけどね。東と西の。
(渡辺志保)そうですね。
(中の人)『More Bounce』って曲の名前ですね。サンプリングソースの。
(高橋芳朗)そうですね。Zappの。『Atomic Dog』はGeorge Clintonの曲ですね。
(AKLO)でもちょっとこの、張り切っている感じのフロウがちょっと・・・(笑)。ヤバいっすよ。
(一同)(笑)
(Mummy-D)ちょっと待ってくれよ!俺、いまだってこれよりぜんぜん張り切ってるよ!
(一同)(爆笑)
(Mummy-D)どういうことなんだよ、それ!?
(高橋芳朗)(笑)。遠回しにディスられてます。
(AKLO)いやいや、ぜんぜん・・・
(Mummy-D)AKLOがディスするんだよ、俺のことを。ゲストなのにさー。
(一同)(笑)
(渡辺志保)どうしよう(笑)。公開ディスがね、ここで始まってしまいまいたけれども(笑)。はい。じゃあヨシ先生、2曲目を・・・
(高橋芳朗)2曲目、行っていいですか?2曲目はこちらです。Zhiggeの『Toss It Up』。(イントロが流れる)
(Mummy-D)来た!みんな大好き!リスナー、熱狂!みたいな感じだろうね、いまね!
(高橋芳朗)『?』が炸裂してると思いますよ。
(渡辺志保)ガラッとね、先ほどの西のヴァイブスから変わりましたけども。
(高橋芳朗)今回のキャンペーン、ウェストコーストの90年代作品ほどではないんですけども、ちょっとダンサー受けした作品も意識しているところがありまして。
(渡辺志保)なるほど。ダンサー受け。
(高橋芳朗)はい。その象徴として・・・たとえばですね、Eric B & Rakimだったら、『Paid In Full』とかではなくですね、『Don’t Sweat The Technique』をチョイスしたり。そのへんのツイストをきかせてみたんですけども。
(渡辺志保)ありがとうございます。
(高橋芳朗)あの、そのダンサー受けの象徴として、今回ピックアップしましたのがZhiggeでございます。で、Zhiggeは元々ダンサーだったんです。中心メンバーのPrancerという人がですね、ブルックリンのミスフィッツっていう伝説的なダンスグループのメンバーで。彼が中心になって作ったグループですね。YZの『Thinking Of A Master Plan』とか、あとSpecial Edの・・・(笑)。
(Mummy-D)途中で笑っちゃってるじゃねーか!
(中の人)『ワイジー』っていま言うとね、あのDJ Mustardの方のYGを・・・
(渡辺志保)最近のヤングなキッズはね。
(高橋芳朗)じゃあ、ないですよ。
(Mummy-D)ジギーってさ、『グローリア♪』のZIGGYじゃないの?
(一同)(爆笑)
(高橋芳朗)『ワイジー』の『YG』はともかく、『ジギー』の『ZIGGY』。それは、ないです!
(Mummy-D)それ、日本のだから。
(中の人)文脈的に見て、ないです(笑)。
(渡辺志保)両方とも『Z』から始まりますからね。はい。
(高橋芳朗)Special EdとかPublic EnemyのPVとかで踊っていた。当時、ダンサーあがりのラッパーって多かったと思うんですね。たとえば・・・HIPHOPクイズ。
(中の人)The Pharcyde。
(高橋芳朗)じゃあ、順に。順々に。
(渡辺志保)えー、絶対にやだー!もうだって、生まれてないもん。
(Mummy-D)山手線ゲーム?
(高橋芳朗)山手線ゲーム。
(AKLO)嘘?嘘?無理無理!
(高橋芳朗)(笑)。ダンサー出身のラッパー。
(渡辺志保)あ、ちょっと巻きで。このへんは巻きでお願いします。
(高橋芳朗)まあたとえばね、The Pharcydeとか、Black MoonのBuckshotとかね。
(渡辺志保)あ、そうなんですね。
(高橋芳朗)あと、Black Eyed Peasとかね。いますけれども、その代表がZhiggeなんですよ。これ、Zhiggeのデビューアルバムは全編Salaam Remiがプロデュース。
(渡辺志保)おー!
(高橋芳朗)まだもう、ぜんぜん無名の時代ですね。だからSalaam Remiのごく初期の作品ということですけども。で、その代表作が『Toss It Up』。これがもう、ダンサーに、もう。
(渡辺志保)はい。もうゴキゲンな。
(Mummy-D)ゴキゲンな(笑)。
(高橋芳朗)超FM感出してます。
(渡辺志保)(笑)
(高橋芳朗)ダンサーに当時からすごい人気だった曲なんですけども。今回、ちょっといろいろ調べてびっくりしたんですけども。この中心メンバーのPrancerが2013年とかに来日して。で、ダンサーのみなさんにワークショップとかをやってて。
(渡辺志保)ああ、そうなんですね。
(高橋芳朗)で、そのワークショップの後にイベント。ダンサーの方たちに対するイベントとかをやって、そこで『Toss It Up』とかやってるんだって。
(中の人)えっ?すごいですね!
(渡辺志保)結構みんなポカーンっていう感じなんですかね?きっと。
(高橋芳朗)だからダンサーの人たちの中で、独自のその『Toss It Up』のクラシック評価みたいなのが脈々と受け継がれているという。
(渡辺志保)なるほど。ニューヨークでも現役で踊ってらっしゃるんですかね?
(高橋芳朗)あのね、それはわかんないんだけど。でも、Zhigge、2013年くらいに再結成仕手ですね、Jungle Brothersと一緒にコンサートやったり。
(渡辺志保)あ、そうなんだ。へー。
(高橋芳朗)だからちょっとね、昔からダンサー受けは良かったんですけどね、独自のそのクラシックの伝承され方をされているというね。
(渡辺志保)そのムーブメントが脈々と受け継がれているんでしょうか。
(高橋芳朗)じゃあ聞いていただきましょうかね。アゲアゲでございます。Zhiggeで『Toss It Up』。
Zhigge『Toss It Up』
(高橋芳朗)『Toss It Up』、聞いていただきました。
(渡辺志保)はい、ありがとうございます。
(高橋芳朗)どうですか?ちょっとラップは?
(一同)(笑)
(Mummy-D)元気すぎですか?
(AKLO)いや・・・あっ、よく・・・
(一同)(笑)
(渡辺志保)急な振りですね。
(Mummy-D)もうね、曲間にね、AKLOがね、『元気だなー、あはは』みたいな感じで。
(一同)(笑)
(AKLO)言ってないです!ぜんぜん言ってないです!
(Mummy-D)遠回しにまた俺のことをディスるんだよー。
(一同)(爆笑)
(Mummy-D)ゲストなんだよ、俺。
(渡辺志保)和気あいあいという風に見えて、実はねー・・・(笑)。
(高橋芳朗)でも、割とキョトーンとしながらも、Twitterタイムラインを見るとみなさん、気に入ってはいただけてるみたいですね。
(AKLO)いや、本当そうですね。
(渡辺志保)温かい評価をね。
(高橋芳朗)(笑)。そういう言い方をされると、すごい・・・ね。厳しいですよ、僕たちも。
(渡辺志保)はい。いよいよ真打ちでございます。今日のスペシャルゲスト、ライムスターよりMummy-Dさん。
(高橋芳朗)なんだろう?みんな、知らないんですよね。
(中の人)台本にも書いてない。
(渡辺志保)そうなんですよ。いままでね、高橋芳先生を含め、4人が紹介してきたものは台本に書いてあったんですよ。だから、どのアルバムからどの曲をかけるか?っていうのは事前に我々も知ってから放送に挑んだんですけども。このMummy-Dさんだけは、誰も今日、知らない。
(Mummy-D)そんなね、リスナーはね、みんな俺のことだって知らねーんだよ!
(一同)(爆笑)
(渡辺志保)Dさん、どうしたんですか?なにをおっしゃいますか。
(Mummy-D)もう、なんか酔っちゃって、なんかしゃべる気がしなくなってきた・・・
(一同)(笑)
(渡辺志保)いまからですよ!いまらか!
(高橋芳朗)そんなに飲んでないでしょ?
(AKLO)いま、やっとメインでしゃべる時間になったんすよ。
(Mummy-D)本当?
(AKLO)ちょっと、お願いできませんかね?
(渡辺志保)Mummy-Dさんが選んだ1枚。そしてこの1曲をですね、教えていただけますでしょうか?
(Mummy-D)じゃあ・・・いいんですか?
(一同)(笑)
(AKLO)機嫌がよくなった!
(渡辺志保)お願いします。
(Mummy-D)あのね、Group Homeのね、『Supa Star』っていう曲がね・・・(イントロが流れる)
(一同)おおーっ!(拍手)
(Mummy-D)あるんですよ。なんでみんな拍手するんだよ?
(高橋芳朗)スタジオから拍手が。
(中の人)みんなでDさんが来る前に予想してたんだよね。『オチでこれで笑わせるんじゃないか?』って。
(高橋芳朗)『RUMPSHAKERじゃねーか?』って。
(Mummy-D)『RUMPSHAKER』!?
(渡辺志保)『MCハマーじゃねーか?』って。
(AKLO)『U Can’t Touch Thisだろう』って話をしてたっす。
(Mummy-D)『RUMPSHAKER』、好きだよ。『U Can’t Touch This』、ねえ・・・
(中の人)イントロで笑わせるみたいなね。
(Mummy-D)それさえ、どうせ若い子たちはわからないもんね。
(高橋芳朗)たしかにそうかもしれないですね。
(渡辺志保)いや、でもね、この超正統派チューン。Dさんから紹介していただけるとは。
(Mummy-D)ベタかな?と思ったんですけど、タケちゃん(DJ YANATAKE)が『ベタでいい』って言うから。でも、最初に言っておきたい。当時な、俺たちはこれで踊ってたんだよ!みんな、これで踊ってたんだよ!
(高橋芳朗)首、ガン振りでしたよ。
(渡辺志保)ありがたいお言葉でございます。
(高橋芳朗)これ、中の人とかも思い入れはあるんですか?
(中の人)僕はちょっと生まれてきたぐらいだったので・・・
(高橋芳朗)(笑)
(Mummy-D)本当かよ!?
(中の人)まあ、リアルタイムじゃないんですけど。でも、かっこいいですね。
(渡辺志保)(笑)
(Mummy-D)でもね、これたぶんそれこそアメリカでより日本でいちばん流行ったんだと思う。
(渡辺志保)ああ、そういうチューン、ありますよね。
(中の人)日本でいちばん売れたっていう。
(AKLO)ええ?そうなんですか?
(渡辺志保)逆に当時、Mummy-Dさんはキャリア的にはどういうところにいらしたんですか?(笑)。
(Mummy-D)なんで笑ってんだよ!
(高橋芳朗)感じ悪いなー(笑)。
(渡辺志保)違う違う(笑)。
(Mummy-D)なんだこの番組は!?(笑)。ゲストだぞ、おい!
(一同)(笑)
(Mummy-D)ビールさえ飲ませれば、なんでもいいっていうのか!?
(渡辺志保)(笑)。そうね、すでにビールがね・・・
(Mummy-D)いや、でもまあライムスターとしても、まあまあ、アンダーで評価されつつはあったけど。やっぱりもう、ニューヨークのラップ、USのラップにもう一直線な感じで。
(高橋芳朗)95年ですよ。
(Mummy-D)で、実際に自分たちが日本の企画でニューヨークまで、向こうのビートメイカーとコラボしようみたいなコンピレーションの企画でニューヨークに行ったりして。D&Dスタジオに行ったり・・・
(渡辺志保)おおー、すごい!
(Mummy-D)なんかそんな、いま思えば甘酸っぱい時期だよね。
(渡辺志保)甘酸っぱい時期ですけど。なるほどね。
(AKLO)その時期なんすね。
(渡辺志保)逆にこの曲に特定の思い出とかエピソードは?・・・
(Mummy-D)まずね、俺はね、この頃ね、DJ Premierのイタコとして生きてたっていうのが・・・
(渡辺志保)DJ Premier。ご存命だけども。
(AKLO)もう、降りてきてたんですか?
(Mummy-D)うん。好きすぎて、サウンドを研究しすぎて、彼の考えていることが全部わかるようになっちゃったの。
(一同)(笑)
(高橋芳朗)おー!
(渡辺志保)この眼差し。Dさんの眼差しがすでにプレミアでしたけど。
(AKLO)ヤバいっすね、それ。
(高橋芳朗)この頃はもう、プレミアで言うとピークですよね?
(Mummy-D)ピーク。もう、ある意味ピーク。
(高橋芳朗)『Mass Appeal』、『Come Clean』、『Supa Star』みたいな。
(Mummy-D)黄金時代です。
(高橋芳朗)そのイタコだった。
(Mummy-D)イタコだよ。
(高橋芳朗)その時はどんなことをプレミア、考えてたんですか?
(Mummy-D)この頃はね、悩んでたと思うよ。
(一同)(爆笑)
(Mummy-D)やっぱね・・・
(渡辺志保)(爆笑)。ピークを迎えながらも?
(Mummy-D)うん。もう、毎月毎月じゃないよ。毎週毎週クラシックス!毎週毎週、生み出さなきゃいけなかった。でさ、本当にさ、実際さ、レコード屋さんに行って次のビート、次のビート、超楽しみだったよね。なにをやってくるか?って。
(渡辺志保)そうかそうか。
(Mummy-D)どんなサンプリングソースを使うか?どんなビートを打ち込むか?もう、興奮したよね。
(渡辺志保)うーん。なるほどね。
(Mummy-D)だからもう俺の青春だよね。
(渡辺志保)はいはいはい。
(高橋芳朗)でも、こっちがどれだけハードルを上げても超えてきたっていう感じの。
(Mummy-D)で、実際にね、D&Dに行った時にプレミアにも会ったし。
(高橋芳朗)おお、会ったんだ!
(渡辺志保)当時のプレミアに!
(Mummy-D)なんかゲームコーナーにいた、ちっちゃくて赤いタンクトップ着てさ、痩せてるのに腹だけ出ている汚えやつがいるなと思ってたら、それがLil’ Dapだったりとか。
(高橋芳朗)おおー!
(渡辺志保)(笑)
(Mummy-D)『おお、超リアル!』みたいな。いや、もうこっちもかぶれまくっているし、そのままなんかニューヨークの機材屋さんに行ってSP1200買ってきてさ。
(高橋芳朗)ニューヨークで買ったんだ。
(渡辺志保)ええっ、すごい!
(Mummy-D)うん。ニューヨークで買って。もう青春だよ。
(渡辺志保)なるほどね。その時、じゃあ実際にプレミアとかLil’ Dapと話したりはされたんですか?
(Mummy-D)話してない。
(渡辺志保)話してない。なるほど。
(Mummy-D)でもその時はBuckwildと仕事をしてたから。あのへんの人たちとはガンガン話してたけど。本当にね、あっち行ったらDa Beatminerz、こっち行ったらOnyxみたいな。
(渡辺志保)おおー!あ、D&Dが。すごいですね。
(高橋芳朗)D&Dの各スタジオで、当時のニューヨークのトップアーティストがレコーディングしてた?
(Mummy-D)そうです、そうです。
(渡辺志保)それはもう、刺激受けまくりですよね。
(Mummy-D)もう勃起しまくりですよ。
(高橋芳朗)(笑)
(渡辺志保)あらま、ビンビンでね。
(Mummy-D)ビンビンですよ。
(渡辺志保)はい。貴重なね、体験をいまね、聞かせていただいておりますけど。そうなんですね(笑)。
(高橋芳朗)CISCOでどれぐらい売れたか、聞きたかったんですけどね。
(渡辺志保)当時、渋谷CISCOでDJ YANATAKEさんはすでに働いてらした?
(DJ YANATAKE)そうそう。この頃、本当にレコードはもうね、DJ PremierかPete Rockって貼っておくと、もうみんな聞かずして2枚ずつ買っていったね。
(高橋芳朗)(笑)
(渡辺志保)おおー!2枚ずつっていうのがね、いま、もうないもんね。
(DJ YANATAKE)でね、知ってる人はね、渋谷のCISCOって狭いお店だったんですけど。イニシャルオーダー、初回オーダーでこれとかね、まだこれからっていう時だったけど、普通に千枚とか取って。
(渡辺志保)すごいね!一店舗で?
(DJ YANATAKE)1週間かかんないで売り切れるようなレベル。
(高橋芳朗)マジで!?
(渡辺志保)だって1人2枚買ってくんだもんね。素晴らしい。まあ、なぜ2枚買っていくか?っていうのはスクラッチのね、練習をするとかね。
(高橋芳朗)2枚使いでね。
(渡辺志保)そういったことがあるからなんですけど。いまはもう、そんな文化もないですからね。いやいやいや・・・
(Mummy-D)まあでもね、フロウとかどうしようもないし、歌っていることもどうしようもないんだけど(笑)。
(一同)(笑)
(Mummy-D)かっこよかったのよ、それが!うん。ちょっと聞いてほしいかな。
(渡辺志保)はい。わかりました。ありがとうございます。じゃあ、Mummy-Dさんご本人から曲紹介をお願いできますでしょうか?
(Mummy-D)はい。Group Homeで『Supa Star』!
Group Home『Supa Star』
(Mummy-D)どうだ、お前ら!これでみんな踊ってたんだ!これが最もダンサブルなサウンドだったんだ、当時!
(一同)(笑)
(渡辺志保)というわけでね、Group Homeの『Supa Star』。Mummy-Dさんの選曲で聞いていただきましたけども。もう、Dさんの表情をみなさまにもね、本当に見ていただきたいぐらいでございますが。
(高橋芳朗)最高ですね。
(渡辺志保)はい。最高(笑)。(ツイートを読む)『最 to the 高』とか、『プレミアのトラックはいま聞いてもめっちゃかっこいいです。Dさんが昔、ラジオで紹介してたので、そのころよく聞いてました』というね。
(Mummy-D)本当?ありがとう。
(高橋芳朗)『Da Cypher』ですかね?
(渡辺志保)(ツイートを読む)『Dさん、雑誌でプレミアを解説してたね』。
(高橋芳朗)それは『FRONT』ですね。Gang Starrの『Moment of Truth』が出た時ですね。たぶん。
(渡辺志保)ああ!97年くらいですかね。(ツイートを読む)『Dさん、おもろい』ということで、コメントいただいております。ありがとうございます。
(Mummy-D)AKLOがまた俺のことを笑ったよ!(笑)。
(一同)(爆笑)
(高橋芳朗)この構図、いいですね!
(渡辺志保)(ツイートを読む)『DJ Premierのイタコ!』とつっこんでくださっております。ありがとうございます。そのプレミアもね、超タイミングよくっていうか、今月末来日されるそうで。
(高橋芳朗)なんかバンドセットを。
(渡辺志保)ねえ。Billboardと、あとクラブの方では渋谷Visionでね、プレイされるということなので、みなさん是非是非。その際も、あれですかね?Dさんがイタコとして。
(一同)(笑)
(Mummy-D)公式ではないけども。
(高橋芳朗)(笑)。公式・非公式とかあるのか?っていうね。
(渡辺志保)非公式イタコ(笑)。なるほど。ありがとうございます。ちょっとヨシ先生のありがたいお言葉を・・・
(高橋芳朗)というわけでね・・・
(Mummy-D)企画の趣旨だよね。
(高橋芳朗)90年代、80年代後半のね、HIPHOP。結構いまTwitterのタイムラインを見てても、やっぱりね、最近の若い子はあんまり、割と定番をかけた感じなんですけど、あんまりまだ、『はじめて聞いたわ』みたいな声も多かったんで。そんなみなさんのためにですね、このクラシック・ヒップホップ・ベスト・コレクション1000。是非チェックしていただけたらと思います。
(渡辺志保)はい。
(高橋芳朗)AKLOくんが選んだ『Juiceサウンドトラック』。志保ちゃんが選んだSlick Rick『The Great Adventures of Slick Rick』。HIPHOP HYPE!の中の人が選んだSouth Central Cartel。で、私が選びましたZhiggeとLow Profile。で、Mummy-Dさんが選びましたGroup Home。これ、全て千円で!
(渡辺志保)千円!素晴らしい50タイトルが全て千円。
(高橋芳朗)買うことができます。タワーレコードとかでもね、大きく展開しておりますので、みなさん、是非チェックしてみてください。千円だったらね、最悪失敗してもまあ、いいでしょう(笑)。
(一同)(笑)
(中の人)ハズレが入ってるんですか?
(高橋芳朗)でも、失敗はないですけど。もしガッカリしたとしても、将来、10年後、20年後に聞いた時にね、気づくこともありますから。
(中の人)Wreckx-N-Effectとかね、引いちゃったらもしかしてね、ハズレと・・・『RUMPSHAKER』とかね。
(渡辺志保)はい。私とDJ YANATAKEさんもそれぞれライナーノーツで参加してますので。私がCompton’s Most Wantedですね。
(高橋芳朗)で、ヤナガワタケシくんがですね、EPMD『Business Never Personal』。ライナーノーツ。こちらも素晴らしい原稿を読めますので、是非チェックしていただけたらと思います。
<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/22382