伊賀大介が語る 『ローマの休日』衣装演出の素晴らしさ

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スタイリストの伊賀大介さんがTBSラジオ タマフルにゲスト出演。『映画におけるファッション演出』特集の中で、ローマの休日の衣装演出やスタイリングの素晴らしさを語っていました。

(宇多丸)今日、要するに僕これ(特集)やったのは、服の話するのも全然楽しいじゃんっていうのもあるんですけど。やっぱり(この番組を)聞いている人、映画大好きな人、結構多いのに、意外とその服アプローチの演出みたいなの、服興味ないよ・・・みたいなの勿体無いよ!みたいなのがあって。たとえば、こういう見方すると、この場面面白い。だれでも知っているような映画でっていうところで、いろいろレジュメを作っていただいたんですけど。俺、これ聞きたいなと思ったの、『ローマの休日』。基本形って書いてありますんで。


(伊賀大介)そうですね。これはもう、本当に洋服演出、いちばんわかりやすいパターンだと思うんですけど。まああと、変身もの、で、成長ものっていうものでは、すごいわかりやすいと思うんですけど。まあ、最初に出てきて、ヒールを履いてるのが嫌だというところから始まるじゃないですか。パーティーみたいなのがあって。だからもう、背伸びしてたくないんですよね。

(宇多丸)うんうんうん。なるほどなるほど。

(伊賀)それで靴がずれてって。で、寝る時にパジャマの話をするんですね。パジャマ着なさいみたいなことを言われて、いやでも私、香水つけて裸で寝る人もいるから・・・みたいな。その大人あこがれ感がすごいんですね。その場面までは。それで脱走するじゃないですか。で、脱走した時は、長袖シャツを着てて、スカートは同じなんですけど。あれ、一日の話だったりするんで。着てる服、あれ意外と一緒なんですね。

(宇多丸)はいはいはい。

(伊賀)何パターンかあるように見えて、実際そのドレスと、パジャマと、あの服ぐらいしかないんですよね。で、その泊まって出てくる時は、まだスタイリングは変わってないんですよ。長袖は長袖のままで、ボタンもいちばん上まで留めてるんですけど。で、次の日に、帰んなくていいやってことになってから、袖をまくるんですね。オードリー・スタイリングに近づいてって。それで髪切って、スカーフを巻くんですね。

(宇多丸)アイテムは一緒なんだけど、少しずつ変身していく。

(伊賀)で、いままでいちばん高価なものをつけてた首。ネックレスがいちばん高いじゃないですか?ダイヤモンドとか、宝石。その首を、ダイヤモンドのかわりにスカーフを巻くんですね。スカーフは色があって、風を感じるものじゃないですか。だから首がすごい自由になってるんですね。シャツも、その時は襟を開けて、ボタンをそんな開けてる感じじゃないんですけど、襟を立ててるだけなんですね。

(宇多丸)あー!

(伊賀)だから最初に着てる服と一緒なんですけど、まったくスタイリングが変わるんですよ。

(宇多丸)おお!まさにそれってあれですよね。スタイリングの過程みたいなね。

(伊賀)そうですそうです。

(宇多丸)この方が開放感あるよとかね。なるほどなるほど。

(伊賀)それで、髪も一緒に切るじゃないですか。それによって、また髪型も変わってって、これも『映画は父を殺すためにある』って町山(智浩)さんが解説を書かれてる・・・


(宇多丸)はい。この番組でも紹介していただきましたけど。

(伊賀)この本では、髪型が変わってきますよってことは書いてあるんですけど、同じくスタイリングも一本の映画の中で変わってくんですね。で、その変遷があって帰ると、今度ドレスの似合い方がまた違って見えるんですね。

(宇多丸)要するに最初はお仕着せみたいな感じだったのが、通過儀礼を経て、もう完全に・・・

(伊賀)そうです。今度は着てるんですね。最初はドレスを着せられてるんですけど、一晩たつと、ドレスを着こなすレディになっていたっていう。これは成長ものとしては素晴らしいなと思って。しかも、服一番じゃん!っていう。下手したら二番?すごいな!って思いますよね。

(宇多丸)うんうんうん。そうか。すごいですね!それ、全然考えながら見たことなかった。当然、服替えるわけないんですもんね。なるほどなるほど。あ、いいですねー。スタイリングっていうこと、そのものがストーリーと一致してるみたいな感じですね。

(伊賀)これ、もう完全に最高のスタイリングですよ。

(宇多丸)それこそあの、ローマの休日のスタイリングやっているの、誰だっけ?みたいなこともね、みたくなっちゃう。

(伊賀)そうですね。あれはアカデミー賞、取ってましたね。

(宇多丸)洋服の、衣装デザイン賞みたいなの、取ってるっていう。なるほどなるほど。アカデミー賞もね、これが取ってますみたいなのも面白いかもしれないですね。

<書き起こしおわり>

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