安住紳一郎さんが2023年5月14日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で母の日にちなんだメッセージテーマ「母さんの愉快な話」を紹介。令和の今、このテーマが最強である理由を話していました。
(安住紳一郎)さて、今日のメッセージテーマはこちらです。「母さんの愉快な話」です。今日は5月第2日曜ということで、母の日ですね。母さんの愉快な話です。日曜天国では1年間に50週ぐらい放送があるんですが。50回放送があるんですけれども、毎週ね、メッセージテーマを設定していますけれども。「私の勝手な思い込み」と「家族の恥ずかしい話」と並んでこの「母さんの愉快」な話っていうのがもう、何ですかね? 3強ですからね(笑)。間違いありませんから。頼れる!
(中澤有美子)頼れる(笑)。
(安住紳一郎)クリーンナップだね。むしろもう「母さんの愉快」な話は4番ですね。素晴らしい。サッカーでいうと背番号10。素晴らしい。
(中澤有美子)そうですね。全幅の信頼を置いています(笑)
(安住紳一郎)間違いありませんから。しかもですね、コンプライアンスや放送コードが厳しくなる中ですよ? まあ、こんなことを言うのはちょっとおかしいですけども。人の失敗を笑ったりね、主観的な感想を言えない時代になりましたけれども。この母の日の「母さんの愉快」な話は「昔のことである」ということと「家族の話である」ということで免罪符をもらった最強状態になっていましてですね。この令和の現在において、存分に人間の面白みを味わい、聞くことのできる最後のメディアです!
(中澤有美子)アハハハハハハハッ! たしかに(笑)。
(安住紳一郎)大げさな物言いですけど、そんなような感じ、あるんですよね。
(中澤有美子)ああ、なるほど。そうかそうか(笑)。
(安住紳一郎)そうなんですよ。
(中澤有美子)そうか。だからか(笑)。
「昔のことである」「家族の話である」という免罪符
(安住紳一郎)これはね、本当にもう人間がまもなくて手元から失いそうになってる楽しみのひとつですから(笑)。
(中澤有美子)アハハハハハハハッ! こぼれ落ちて?
(安住紳一郎)こぼれ落ちていく感じ。でも、たまらないから。ぜひね、最近ラジオを聞いたという方は、ご期待ください! 間違いありませんから。早速、紹介して参ります。いいですねー。
(中澤有美子)いいですかー?(笑)。
(安住紳一郎)立川市の61歳女性の方。ありがとうございます。
(中澤有美子)ありがとうございます。
(安住紳一郎)「母さんの愉快」な話ですが、私が小学校5年生の時、家族で長野県の諏訪湖に出かけました」。
(中澤有美子)いいですね。
(安住紳一郎)中澤さん、長野でね、お仕事されてましたから。「みんなで遊覧船に乗り、出航してしばらく経った頃、乗り場から『ちょっと待って! ちょっと待ってよー!』という金切り声が聞こえます。母の声です。『子供のアイスを買ってたんです! 乗りまーす! 乗りまーす! 戻ってきたよー!』と、もう船は岸からだいぶ離れているのに、無茶なことを言います。他の客も『なんだ、なんだ?』『あの人だよ』と小さく見える母のことを指さします。私と弟は恥ずかしさのあまり、精一杯他人のふりをしました。父はなぜか遠い目をして諏訪湖を眺めていたように思います。
その後、遊覧船がスピード上げてくれることを願ったのですが、母は諦めることを知らず叫び続け、結果、なんと遊覧船が戻り始めたのです。他の客も『すごい人だねえ』と感心していました。しばらくして、ようやく乗り込んできた母は『危なかったわ。アイスが溶けるかと思ったわよ』とニコニコしながら私達にアイスを手渡しました。その頃の私は母の熱量を恥ずかしく思うこともありましたが、母が亡くなって10年。船を引き戻すほどのすごい迫力を懐かしく思い出しています」。そう。ねえ。
(中澤有美子)いいお話ですね。
(安住紳一郎)いいお話なのかな? どうかな? ねえ。これ、今だとほら、炎上案件になっているでしょう?
(中澤有美子)フフフ(笑)。そうかもしれない(笑)。
今だったら炎上案件?
(安住紳一郎)「とんでもないクレーマーがいた!」みたいなことになってるのかな? わかんないけど。いや牧歌的なね、ちょっとその……この方が60歳だから、お母さんはたぶん昭和ヒトケタかな? たぶん戦前生まれなんじゃないかな? わからないけれども。やっぱり想像だけどね、戦争を体験している世代の人たちっていうのは、強いよね。うん。恥ずかしいとか、そういうことよりも自分の家族のことっていうことだもんね。
(中澤有美子)そうですね。
(安住紳一郎)「当時、母の熱量恥ずかしく思っていたけども、亡くなってから懐かしく思い出しています」っていうね。
<書き起こしおわり>