藤井隆と安住紳一郎 懐かしのテレビCMを語る

藤井隆と安住紳一郎 懐かしのテレビCMを語る 安住紳一郎の日曜天国

藤井隆さんが2020年10月4日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で懐かしのテレビコマーシャルについて安住紳一郎さんと話していました。

(安住紳一郎)さて、藤井隆さんの2つ目ですけれども。「音楽番組漬け」。これはもういろいろ番組でお話されてますから、皆さん知ってますよね?

(藤井隆)やっぱり子供の頃、ザ・ベストテンもそうですけど。毎日生放送の音楽番組とか収録の番組がありましたので。なんか毎日、それを見るのがすごい好きで。それで僕、後の話になるのかしら? コマーシャルのディレクターになりたくて。中学生ぐらいの時に。それでコマーシャルがすごい好きだったんですけど。やっぱりそのコマーシャルに出てる人っていうのはスターですから。そういう人たちが歌っている歌番組とかもチェックしていましたし。

(安住紳一郎)いいですねー。

(藤井隆)あと、CMソングとかもテレビで見るのが好きでした。

(安住紳一郎)3つ目に「コマーシャルマニア」というタイトルも来てますんで。コマーシャルの話も一気に聞いちゃいましょう。印象に残ってるコマーシャル、自分のエポックメイキング的なのってありますよ?

(藤井隆)東京海上火災の「人生は危険なことだらけですよ」っていうのを大きなビリヤードのセットの中にサラリーマンの男性が新聞を読みながら歩いてる後ろをね、ビリヤードの球がゴロゴロゴロッ!って。それでキューがその人に当たりそうになったりとか。

(安住紳一郎)ありました! すごい覚えています。

東京海上火災 ビリヤード

(藤井隆)あったでしょう? 覚えてます? あれが、うん。なんかその「合成」っていう概念はまだ子供だったんでわかんなかったんですけども。「これ、なんだろう?」っていうのがすごい引っかかっていて。何年後かに『CM NOW』っていう雑誌。それを購入した時にバックナンバーを買うようになって。その時の撮影の舞台裏みたいなのが載っていて。東宝スタジオかな? 大きなセットを作ったっていうことがわかって。それでボウリング編もあったんですよ。

(安住紳一郎)ええっ、合成じゃないんですか? クロマキーバックじゃないんですか?

(藤井隆)合成じゃないんですよ。

(安住紳一郎)当時、ありましたよ。ビリヤードの台を中年のサラリーマンが歩くんですよね。で、ボールよりもちっちゃい、トムとジェリーのジェリーみたいな感じで歩いて。で、ビリヤードだからあっちこっちから来るのを、それをギリギリでかわして。

(藤井隆)そう。『笑点』だか『サザエさん』だか、なんかそのへんの時間帯にやっていたんですよ。だから絶対に見ていたんですよね。

(安住紳一郎)覚えてますよ。渋い声のナレーションがね。「あなたの身の回りには気づかない危険がいっぱい転がっています」みたいな。

(藤井隆)そうです。すごい! それです、それです。それとか、あとはコピーの三田のコマーシャルで新宿のビル街……西新宿だと思うんですけど。そこに浮世絵を投影するんですよ。で、「これをコピーします」みたいな。阿木燿子さんかな?

(安住紳一郎)あっ! 阿木燿子さん。

(藤井隆)それは結局、その『CM NOW』によるとミニチュアを作って。そのミニチュアを新宿の街に持っていって撮影しているみたいなんですね。だからなにかが大きくなるとか、なにかが小さくなるっていうのが子供ながらにすごい好きで。友達のお兄ちゃんがちっちゃなノートを作るんですよ。普通のノート、あるでしょう? この背中のホチキスで留まっているところがあるでしょう? あれを使って本当にセンチ、4センチぐらいのノートを作るんですよ。

で、そのノートをくれたんですね。で、「なに、このノート?」みたいな。で、次の日はね、小説を書いてくれて。「えっ、なんですか、これ?」みたいな。で、遊びに行きたくなってその人の家に行ったら、お兄ちゃんの机の横にタンスがあって。そこにちっちゃな神社があったんですよ。そのお兄ちゃんが削って。タンスを。ミニチュアの神社を作っていて。で、その人はね、「ZANZAN神社」って呼んでいたんですけども。その本も「ZANZAN出版」とかって言っていて。なんか変わった人なんですよね。その人の影響も大きくあると思うんですけども。

(安住紳一郎)手作りミニチュアマニアというか。小さいものにグッとくるっていう。よくイラストもちっちゃく書くのが好きな人がいましたもんね。

(藤井隆)プラモデルのドイツ兵とか、ああいうのもすごい好きでした。車も好きなんですけども、兵隊シリーズがすごい好きで。なんかああいうのとか、極端に大きいとか。自分がこういう仕事を始めて、極端に大きいセットとかの前とかに立つといまだにすっごい興奮します。でも最近はすっかり合成ばっかりで。寂しいですけども。

(安住紳一郎)セットとかね、ありましたね。わくわくするの、ありますもんね。時代劇のセットとかで大きい岩なんだけど、めっちゃ軽いやつとか。もうそういうのだけでキャッキャ言いますよね。いやー、たしかにコマーシャル。昔、合成とかCGを使ってない分、すごかったんですよね。

(藤井隆)カロリーメイトの最初の方のコマーシャルで、ロス五輪だかなんだかでプシャーッて飛んでいくの、あったじゃないですか。背中にジェットをつけて。あれをイメージしたCMがあって。どこかの惑星に探索隊の3人がね、ファーッて飛びながら探索をしていて。どこかでカロリーメイトを食べるっていう。

(中澤有美子)ああ、なんか覚えている!

カロリーメイトCM

(藤井隆)覚えてます? 「ジャジャジャー、ジャジャジャー♪」って。それがすごい好きで。で、それも『CM NOW』なんですけども。結局、それはワイヤーで吊られているっていうことがわかって。なんかその、「ワイヤーで人を吊るんだ!」なんてことにすごい興味を持って。CMの世界、いつか働きたいと思っていました。

(安住紳一郎)また、当時のCMはものすごく輝いていましたよね。なんかね、飲み物のコマーシャルに出てくるグラスはかならず汗をかいていてね。今、見るとちょっとわざとらしいんですがね。で、かならずシュワシュワしていて。ものすごく飲む音がゴクゴクしていて。「ゴクン、ゴクン……」って。

(藤井隆)それ用にずっと撮っている方がいらっしゃったりね。今ももちろん素晴らしいですけども。フィルムで撮っている時代ですから、失敗も許されないし。かけている時間とお金がちょっと違うのかな?

(安住紳一郎)いやー、ありましたね。昔の番組もいいですけども。コマーシャルを見るとまたしばらくね、時間を忘れて見ちゃいますよね。

(藤井隆)カセットテープのコマーシャルでカセットが回ってるのとか、すごい好きやったんですよ。「どうやって回しているんやろう?」って。

(中澤有美子)フフフ、そうですよね。カセットだけ映しているのに回っているっていう。

(安住紳一郎)放送局に過去の録画のテープがいっぱい残ってるんですけども。で、コマーシャルもね、結構真ん中で残っているのがあって。

(藤井隆)ええっ! いいなー!

(安住紳一郎)そうなんですよ。なのでね、勤めてる特権なんですけど。たまに行って。そしたらバックナンバーがずっとあるんで。昔の番組を見ると……まあ、番組はなんとなく想像がつくんですけど、コマーシャルの記憶がすっぽり抜けてたりするので。で、私は地方に住んでたので。「そうか、関東ではこの番組にはこのコマーシャルが流れていたのか」っていうね。それで驚いちゃったりして。「面白いな!」って思ってますけどね。

(藤井隆)うわっ、いいなー! それ、入館証あれば入れるんですか?

(安住紳一郎)入館証があって登録をすれば入れるんですけどね。

(藤井隆)ほしいなー、入館証!

(安住紳一郎)そうなんですよ。私もね、その映像をモニター越しにスマホで撮って動画サイトに上げて一儲けしてやろうかなって思う時があるんですけども……(笑)。

(藤井隆)だいぶダメな社員ですよ。ちょっと、大丈夫ですか? 嘘でしょう? 絶対にダメ。

(安住紳一郎)絶対にダメです(笑)。

(藤井隆)僕、だってラジオにせっかく呼んでもらってCMの話をしているのもどうかな?って思っていましたけども。上回るエピソード、やめてもらっていいですか?(笑)。

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